耐震診断、補強設計
- 上記に記載の建物にかかわらず一般の建物に於いても耐震診断や補強設計が必要になる場合があります。
- 鉄筋コンクリート造や鉄骨造の場合は昭和56年6月1日に新耐震(現行の基準の元になっている基準ー若干の違いはあります)の基準に変更になっており昭和56年5月31日以前の建物は耐震診断を行った方がよいと思います。
- 木造の場合は平成12年度から基準が大幅に変更に変更になっておりますので、それ以前の建物は補強が必要になる場合があります。
- 現地調査―構造図面や構造計算書等が無い場合は現地調査が必要となります。柱や梁の断面の調査、コンクリート強度、同中性化の検査、鉄筋の赤外線の調査などを行います。(図面等がある場合は図面との食い違いがないかどうかの確認程度は必要となります)
- 一次診断―簡易診断、柱梁の断面から計算する(鉄筋の本数等までは考慮しない)一番安全率が高い診断方法ですが補強する場合はコストが割高になります
- 2次診断―2次診断−ある程度まで厳密に計算−補強コストは1次診断だけの場合よりは下がります(通常はこのレベルまで行います)
- 3次診断−非常に厳密な計算 保有水平耐力計算と同等の計算方法(詳細計算―コストは安くなる可能性あり)<通常2〜3ヶ月かかるのでここまでは行わない場合が多い>
- 耐震診断の結果補強設計が必要と判断された場合に耐震補強のための設計を行います
- 目安としてはIs値と言うものが判断の基準となります。(下表参照)
- 補強の方法としては、このIs値により異なりますが、例えばIs値が5.8程度であれば柱と壁の部分に免震スリットを入れるのみで済む場合もあれば(鉄筋コンクリート構造の場合)、Is値が低い場合は大幅は補強が必要になる場合もあります。
- 内部を使用している様な場合は外部に外付けブレースを設置する方法が多く用いられますが、内部の柱や梁の補強が必要になる場合もあります。
耐震補強が必要かどうかの判断にはIs値が基準となります
Is値が0.6以上 |
倒壊または崩壊する可能性が低い |
震度6強〜震度7程度の地震時 |
Is値が0.3以上0.6未満 |
倒壊又は崩壊する危険性がある |
同上 |
Is値が0.3未満 |
倒壊又は崩壊する危険性が高い |
同上 |
- 建築物の耐震改修の促進に関する法律の概要(耐震改修促進法)で紹介しておりますが、各特定行政庁(市役所や区役所など)で相談にのってもらえますので確認してみることをお勧めします。
- ただし、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の大規模は建築物で構造の評定(第3者により耐震診断や耐震補強を審査検討してもらうことが必要になったりする場合はかなりの時間を必要とする場合があります。
東京都の場合のマンション耐震化助成事業
東京都の社会福祉施設等の耐震化促進事業
(特別養護老人ホーム等の社会福祉施設の耐震化に関する助成金)
空間工房イアニス 一級建築士事務所 平野錠二
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