バルセロナ・・ガウディ<サクラダ・ファミリア>    

●サクラダ・ファミリア聖堂 御生誕の正面 見上げ●

●サクラダ・ファミリア聖堂●

●所在地 バルセロナ、プロペンザ通り 450番、マショルカ通り 324番、マリーナ通り 253番、セルデーニャ通り 324番
<四つの通りに囲まれた1区画にある>


●創建者・建築主
 創建者 ホセ・マリア・ボカベーリャ
 建築主 「サン・ホセ帰依者協会」

・創健者が亡くなった後は、バルセロナ司教が任命する建設委員会が建築主の役割を演ずる

●着工 1882年初代建築家 F.P.ビリャール・ロサーノにより地下礼拝堂着工。
1883年、前任者の辞任に伴いファンマルトレルに依頼するが、マルトレルはこれを固持し以前彼の助手をしたことのある、当時31歳のガウディを推薦し、ガウディが2代目建築家に就任する。


●現在までの経緯
・(1887年)地下礼拝堂の建設終了
・(1888〜1889年)第1期、建設中断
・(1899年)階段塔、翼郎北壁完成
・(1901年)「ロザリオ・マリアの扉口」完成
・(1903〜1906年)第2期、建設中断
・(1912〜1917年)第3期、建設中断
・(1920年頃)建設再開
・(1925年)鐘塔 サン・ベルナベーの塔完成
・(1926年)ガウディ他界
・助手のドメニック・スグラーニが3代目の建築家として後継
・(1927年)2本目の鐘塔 サン・マティアスの塔完成
・(1930年)サン・シモンの塔完成
・(1935年)御生誕の正面完成、一部彫像は未完
・(1936〜1939年)内戦により建設中断、多くの被害を受ける
・内戦後、4代目建築家に、ガウディの助手であったフランシスコ・キンターナにより修復工事が始められる。
・(1954年)御受難正面工事着工
・(1966〜1983年)イシドロ・プッチ・ボアーダとルイス・ボネット・ガリが5・6代目建築家として御受難の正面の4鐘塔を完成(同正面は未完のまま中断)
・現在は7代目の建築家 F.P.カルドネールにより身廊部側壁の建設が進む。


●上部階より内部方向をみる●


●鐘塔入り口からみあげる●
●サクラダ・ファミリア(聖家族)の名前の由来

・聖ホセ(ヨセフ)は聖母マリアの夫であり、イエスの義父に当たる。社会を構成する最小単位が家族だとすれば、家族に平穏があってこそ、社会の平安が保たれる。そのために模範とすべき家族は聖家族(サクラダ・ファミリア)だとし、この聖堂はサクラダ・ファミリアをご本尊とし建設が始められた。

●敷地

建設地は元来、競馬場に予定されていた1区画であった。大きさは約115×131m、14660平方メートルの大きさです。建設当初は、拡張地区の中でも最も郊外に位置していたが、都市の方が徐々に拡張していき現在では、聖堂は市街地の真中に位置するようになった。

●平面計画

 5身廊(45×39M)と翼廊(60×30M)からなるラテン十字形バシリカ平面。会頭部(44×30M)は内陣の廻りに周廊部が走りその外側に放射状祭壇と階段塔が配される。会頭部の地階は地下礼拝堂で、その周囲に空彫堀が彫られる。

 聖堂は玄関廊(45×15M)を持つ大正面(未完成、ほとんど着手されていない)の他、翼廊両側に2正面(現在よく写真等で見られる御生誕の正面と対角に配される後受難の正面)を持つ。

聖堂の外周を正面同士を結ぶように回廊(幅5M、全周215M)が取り囲む。会頭部裏側の回廊中央に聖母昇天の祭壇(10×10M)、その両隅に2つの聖器室(20×20M)大正面側の両隅に洗礼室と懺悔室(各々18×18M)が配される。

●内部見学

地下の資料室や内部から階段やエレベーターを使用し見学出来る。地下の資料室にはガウディの作製した模型や助手のボネット・ガリによる完成予想図が展示されている。
その予想図からすると、この建物がいかに完成にほど遠いかが、理解できる。(現実には今、完成しているのは、およそ1/5くらいか?。
内部中央部分の塔の高さは現在完成している8本の鐘塔(約120m)の1.5倍くらいの高さであろうか。最終的には18本の高塔が建つ計画になっている。

竣工はいつになるか不明(本当にいつの日か、完成をみる日がくるのだろうか?)

●御生誕の正面

 この正面は3つの扉口をもち、中央にイエス(慈愛の扉口)向かって左側にサン・ホセ(ヨセフ)(希望の扉口)、左側に聖母マリア(信仰の扉口)で命名される。

 1901年に完成した「ロザリオのマリア扉口」とは、回廊から、御生誕の正面・信仰の扉口両側に開けられた扉口のことである。

・慈愛の扉口
葉をつける前に花を咲かす植物と百羽の鳥で飾られる。トランペットを吹く天使たちは救世主の御到来を告げる。人類の春の到来であり、この世の全てが歓喜にふるえる。


●御生誕の正面● 


●御生誕の正面 内部より撮影●
・希望の扉口
「聖家族のエジプトへの逃避」に合わせ、扉口内部はナイル川に育成する植物で飾られる。下部両側の彫像郡の台座も、水上に生息する鳥たちで装飾される。中央の幼子イエスを見守るホセの台座と扉口の盾は、養父の職業である大工道具が刻まれる。

・信仰の扉口
内側はりんごの花に蜜を求め飛ぶ蜂や蝶で飾られる。禁断の実りんごを食べることで
類の罪が始まり、その罪をあがなうために、イエスが送られ、信仰が始まった。

・3扉口の破風を飾る氷柱は御生誕の寒い冬の日を象徴する。3扉口は彩色され、中央(慈愛の扉口)は御生誕の夜空の色、濃い青、希望の扉口は輝く緑(ナイルの色)で、上方は灰色(苦しい日々に希望をつなぐ)、信仰の扉口は茜色で彩られる。
(信仰は世を照らす光であり、この扉口が語るイエスは人生のあけぼの時を生きる幼少年期であるから)

「ガウディの建築」 鳥居 徳敏著より抜粋


●参考資料 ガウディの建築  鳥居 徳敏 著
        アントニオガウディ 栗田 勇 著

●写真撮影 空間工房 イアニス 

 

 <ホーム>     <サクラダ・ファミリアU>

 

<カサ・ミラ> 
 

    
空間工房イアニス 一級建築士事務所  
                                                                      

最終更新日 : 2001/08/19