津軽十三湖の歴史(東日流外三郡誌の概略)
いちばん最初に開くページへ 国内サッカーに関するトップページへ 旅行や登山に関するトップページへ 伝説や歴史ミステリーに関するトップページへ 書籍紹介やリンク集。千葉県白井市の紹介
TOP |  ザシキワラシ |  為朝琉球渡り |  義経=ジンギスカン |  津軽十三湖伝説 |
@津軽十三湖とはどんなものか >>  A十三湊の歴史1 >>  B十三湊の歴史2 >>  C十三湊の歴史3 >>  D十三湊の歴史4 >>  E十三湊の歴史5 >>  F十三湊の歴史6 >>  G十三湊の歴史7 >>  H東日流外三郡誌の概略 >>  I東日流外三郡誌、世間を騒がす >>  J東日流外三郡誌はウソの話か >>  K東日流外三郡誌、一部に浸透する >>

東日流外三郡誌の概略

十三湊付近の民家から、「東日流外三郡誌」という、津軽の歴史を書いた書物があらわれた。
真実かウソなのかは分からないが、とりあえず概要を書く。

 時は流れて時代は昭和の46年、十三湊がある青森県北津軽郡市浦村は、後に大騒動のもとになった『市浦村史』編纂のための委員会を設置しました。
 編纂といっても中世の資料は極端に乏しく、城跡などから往時を想像するしかありません。作業は難航しました。そこに突然、十三湊の近く、五所川原のW氏から、ボロボロの古文書が持ち込まれましたのです。W家には家伝として開けてはならない箱があり、中には極秘の文書が入っていました。それがこの古文書だというのです。委員会はさっそく、村の郷土史家に頼んで解読してもらいました。そこには、十三湊とその周辺の驚くべき歴史が記されていたのです。

 この古文書は『東日流外三郡誌』。後に真実の歴史書かインチキかを巡って大論争を巻き起こします。以下は、五所川原に出現した奇書が記す(本当かどうかは保証の限りではありません)津軽の歴史の概要です。

 気の遠くなるほどの大昔、日本では幾多の部族が互いに侵略しあっていましたが、安日彦・長脛彦の兄弟がそれを統一し、耶馬台国を建国しました。そこにあるとき、日向族という渡来人の一派が九州にやってきました。日向族は比未子という呪術者を使って土着民の心を惑わし、しだいに勢力を拡大していきます。そして、日向族のリーダー神武天皇は東征を開始し、安日彦・長脛彦をついに畿内から追い払いました。敗れた安日彦・長脛彦は、津軽地方へ逃れました。

 津軽地方には縄文時代、阿蘇辺族という民族が住んでいました。そこに中国大陸や朝鮮半島から漂着した津保毛族や、中国の王族も亡命してきました。耶馬台一族を引き連れてきた安日彦・長脛彦は、これらを糾合し、荒覇吐(あらはばき)の神を崇める荒覇吐族(あらはばきぞく)を名乗ります。荒覇吐族は耶馬台一族の農耕技術と津保毛族の優れた騎馬戦術が合さって強大になり、日向族に対し反撃に転じて一時は近畿地方を奪回しました。この時期期即位した考元天皇や開化天皇は、荒覇吐族によって立てられた天皇なのだそうです。

 開化天皇は北九州の筑紫を除く日本全土を統一することに成功しました。しかし彼はその後、荒覇吐神の信仰を捨て、出雲族や日向族の神を崇めたために、畿内の荒覇吐族と奥州の荒覇吐族との間で争いが起こり、日本は二つに割れてしまいます。アラハバキ族が仲間割れを起こしているうちに、騎馬民族を率いて海を渡って攻めてきたミマキイリヒコによって開化天皇は敗れ、ミマキイリヒコは天皇(崇神天皇)に即位しました。そして、律令制等を整えることで国力を強化し、奥州の諸勢力を服属させていきました。

 もっとも、アラハバキ族は勇敢な兵士揃いだったので朝廷の遠征軍に敗れることはありませんでした。仁徳天皇の命により田道将軍、また、斉明天皇の命で阿倍比羅夫が津軽を攻めましたがいずれも大敗を喫します。

 その後アラハバキ族は安倍氏という豪族集団に変化していきました。安倍氏は奥六郡を支配しますが前九年の役で、源頼義に攻められ滅びてしまいます。この時安倍貞任の遺児高星丸(たかあきまる)が津軽の藤崎に逃れ安東氏を名乗ります。安東氏は十三湊を拠点にして海外との交易を活発に行い、やがて、中国大陸に安東という城塞都市を築くまでになりました。しかし、室町時代に大津波が十三湊を襲い、町は一夜にして消滅してしまいます。この津波の影響で十三湊は水深が浅くなり、大船が港に付くことができなくなりました。もはや、十三湊は貿易港として使うことができません。そこへ、東隣の強豪、南部氏が津軽に攻めてきました。無駄な戦を嫌った安東氏は、津軽を捨て、秋田や北海道へ移っていきました。秋田を拠点にした安東氏は、その後に続く戦乱の時代を乗りきり、江戸幕府の下で福島県三春に国替えになりながらも、秋田氏として近世大名の命脈を保ったのです。

前へ<<(十三湊の歴史7)
>>次へ(東日流外三郡誌、世間を騒がす)