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『東日流外三郡誌』を読んだ、市浦村の村史編纂委員会は湧き立ちますが、同書に対して変だなという危惧もあったようです。持ち込まれた『東日流外三郡誌』が書かれている用紙はさまざまで、玉石混交のきらいがあり、江戸時代に書かれたというのに明治以降の紙も混じっていました。そこで、紙の専門家に鑑定を依頼し、江戸時代のものと確信の持てるものに限ってのみ、『市浦村史』に入れることにしたのです。
突如出現した『東日流外三郡誌』の真偽をめぐって、当然のように論争が起きました。一方が、これこそ真実の東北王朝だと主張すれば、もう一方は、地元の言い伝えに発見者W氏が果てしない妄想を加えて作った偽物だと主張します。学者の大半は偽書であろうと判断し、この奇書をまともに相手にすることはなかったようです。例えば、国立歴史民俗博物館は十三湊を本格的に発掘、その成果を『中世都市十三湊と安藤氏』という本にして出版しましたが、300ページ弱の本の中に、『東日流外三郡誌』の文字は一度も登場しません。
平成5年、青森県古文書研究会は「筆跡や記述内容からみて、偽書としか考えられない」という見解を発表しました。
しかしその一方で、『東日流外三郡誌』を支持する人たちによると、他の歴史書と符合する部分や、地域の言い伝えと合致する部分、あるいは十三湊で進む発掘結果と一致する部分も少なくないそうで、偽書と決め付けることはできないということです。