神奈川県横浜の翻訳会社 D&Hセンター ドバイのホットニュース 2002年
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(2002年5月〜12月)


新ショッピングモール"メルカート"


ドバイ12月号画像@

 

 今月は、ジュメイラ地区にお目見えした新しい大型ショッピングモール「メルカート」をご紹介いたします。 もともとドバイには、これでもかというくらい豪華なショッピングモールがあちらこちらにあり、それがこの国のひとつの特徴にもなっているのですが、今回のメルカートは白人居住者の集中するジュメイラ地区という絶好のロケーションに加え、シネコン(シネマコンプレックス)も入っているということで、今まで映画というとダウンタウンまで行かなければならなかった住民に大好評です。 イタリアの町並みを模したという外観はカラフルでおしゃれ。

 


ドバイ12月号画像A 

内装は、駅舎を改造して作ったフランスのオルセー美術館のような吹き抜けの明るい天井。中には先ほど述べた映画館、人気のグロサリーストアー(スーパーマーケット)のスピニーズ、そしてフードコートにはスターバックスやシナボン(アメリカで人気のシナモン味のペストリーの店。日本にも最近出店しています)などの人気店がひしめき、ジュメイラ地区の住民だけでなく、遠くからやってくる人々で昼夜にぎわっています。

 

ドバイ12月号画像B

 この中でも特にお勧めなのは、「パッチ("Patchi")」というチョコレート専門店。一説によると、ゴ○〇バよりも安くて美味しいというここのチョコレートはドバイで製造されており、他国にも輸出されています。甘い物好きの多いアラブのお国柄か、ここではチョコレートは、箱ではなく、キロ単位で販売されています。アラブ人は、こういったチョコレートを一度に20キロ、40キロと豪快に買っていくのです。(どうりでアラブ人には糖尿病がとても多いわけです。ちなみに、パン売り場にも、ちゃんと糖尿病の人向けのパンを売っています)。私も、メルカートではないのですが、ある高級なお菓子屋さんでお菓子を一箱買ったところ、店員さんが「他には?他には?」とあまりに聞くので不審に思って聞いてみたところ、「ここはアラブの王族などがよく買いにくるけど、みんな一度に40キロくらい買っていくものだから。」と言っていました(一箱で悪かったねっ)。

 


ドバイ12月号画像C

 飲食店だけでなく、洋服屋やホームセンターなど様々な店が出店しており、さらにこれから開店する準備中の店もあります。先週も、夜11時頃というのに、小さな子供や赤ん坊連れのアラブ人(アラブ人はみんな夜更かし。夜の10時くらいでも2,3歳の子供が、ショッピングモールで走り回っているのはあたりまえ)や駐在外国人で大賑わいでした。 というわけで、このメルカート、バージュアル・アラブ・ホテルなどと並んでジュメイラ地区の新しい"顔"となる日はそう遠くないようです。





ラマダン、始まる


ドバイ11月号画像@ 今年もやってきました、ラマダンの季節。ご存知の通り、ラマダンとはイスラムの五行の一つ(残りの四行は、信仰告白、礼拝、喜捨、巡礼)で、一ヶ月の断食が行われる月です。イスラーム暦を採用するアラブ諸国では、祝日や重要な行事などは、カレンダーの日付ではなく、すべて月の満ち欠けで決定されるので、直前まで正確な日にちがわかりません(これって休日の予定がたたないので結構困るのです)。というわけで、ラマダンも月観測委員会(月の満ち欠けを観察する委員会のようなもの)のおじさんたちが、「今年のラマダン入りは新月の出る○月○日だよー。」と発表すると、いよいよその日からラマダンに突入するということになっています。今年は、11月6日からでした。

 ラマダン中は、イスラム教徒は日の出から日没まで、一切の飲食を禁じられます(正確に言うと、喫煙、性交、ダンスなどすべての娯楽が禁止されます)。外国人が人口の80%以上を占めるこのドバイとて例外ではなく、この期間、街のすべてのレストランは日中閉店となり、私たち外国人も街中では食べることはおろか水を飲むこともできません。唯一の例外は、空腹を我慢できない小さな子供のみ()。もし外での飲食が見つかれば、外国人といえども、最悪の場合は国外退去となります。ホテルの中のレストランだけは観光客のため営業していますが、それでも、布で覆いをして外から中が見えないようにする厳重さです。
その代わり、断食が終わる日没後の食事(イフタール)はとても豪華で、日中食べられなかった分、食べきれないほどのごちそうに舌鼓をうち、また夜明けから始まる断食にそなえます。夜中、あるいは夜明けまでえんえんと食べ続ける人も多いそうです(友人は、せっかく断食してもイフタールでかえって太ってしまうとこぼしてました)。



ドバイ11月号画像A

 

 それにあわせて、昼で閉まってしまったショッピングモールなどの娯楽施設も、イフタール後の夜7時頃から再びオープンし、夜中の1時過ぎまで大勢の人でにぎわっています。これを「ラマダン・タイミング」といい、ラマダン中は、学校や会社は通常より遅く始まり、お昼過ぎには終わってしまうところが多くなります。
お店は早く閉まるし、いつものようにコーヒー飲みながら運転なんてとんでもないし、外でお腹がすいてもいちいち家まで戻らなければ水一杯飲めない、と私にとってはただただ不自由なラマダン。イスラム教徒はさぞかしつらいだろうと思いきや、現在断食中の友人によると、ラマダン中は「素晴らしい気持ち」なのだそうです。彼女いわく、断食で貧しい人々の苦しみを体験することによって助け合う心を養う、耐えることを学ぶことによって、より神に近づくことができる。また、みなで一緒に空腹に耐えることで結束し、連帯意識が強化される、など断食することにはそれなりの理由があり、これらのことが実行されるラマダンは決して苦ではないそう。うーん、ホントかなー。
と、思いつつ「お腹すかないの?」と思わず俗な質問をしてみたところ、なんでも、最初の3日間はさすがにつらいけれども、それを超えると結構平気になってしまうんだとか。


ドバイ11月号画像B 別の友人も、「肉体も精神もクリーンになって、とてもいい気持ち」と言っているので、やはり彼らにとって断食は神聖なるもの、いやいややっているなんてとんでもない、ということのようです。
驚いたのは、娘の通うアメリカンスクールでも、断食をしている友人が何人かいること(みんな10歳くらい)。ランチやスナックの時間になると、他の生徒達が食べるのを見たり、食べ物の匂いをかがなくていいようにとの学校側の配慮から、彼女達だけ図書室へ移動してそこで静かに過ごしているそうです。
いったいいくつくらいから断食を始めるのか聞いてみたところ、だいたい10歳前後から少しずつ慣らしていくそうで、友人の子供は、9才ごろから一日数時間の断食を始め、少しずつ時間を延ばしていったそうです。決められた時間断食できたときには、ご褒美にお小遣いをあげると効果的だとか(この手は万国共通のようですね)。来年11歳になる娘の友人も「もう大人と同じように断食できるよ。」となにやら誇らしげ。
というわけで、文句ばっかりいっていた私も反省。「ここはひとつ『郷に入っては郷に従え』の精神だ!」と、この国の人々に敬意を表して、すきっ腹をかかえながら街にあふれる「Ramadan Mubalak(ラマダン、おめでとう)」の飾りなど見て、雰囲気を楽しむようにしています。
たったひとつ困るのは、この時期はみんなお腹がすいてイライラするので、いつもにも増して車の運転が荒くなること!特に夕方は、早く家に帰って食事をしたいイスラム教徒達が猛スピードでぶっ飛ばすので、恐ろしいことこの上なし。そんなわけで、外国人は、ラマダン中の夕方の外出を控えています。我先にと割り込んで無茶苦茶な運転で家路を急ぐイスラム教徒達を見ると「おいおい、素晴らしい気持ちなんじゃなかったのか!?」と思わず突っ込みを入れたくなるのですが、聖なるラマダン中でもそこはドバイ、運転マナーだけは変わらないようで・・・。

イスラム教徒でも妊婦と病人、授乳中の女性は家の中でのみ飲食が許されるそうです。 その他、生理中の女性は断食してはいけない(けがれているというのがその理由で、その場合、断食しなかった日数だけ次の月に断食するそうです)など細かな例外があります。



ジュメイラ・ジェーン

 今月は、現在、ドバイの外国人居住者の間で静かなブームとなっている一冊の本をご紹介します。 詩集のような形をとっているこの本のタイトルは、「ジュメイラ・ジェーン」。主にドバイの高級住宅地ジュメイラに住むイギリス人駐在員夫人の優雅な生活を描いたものです。 著者は元ドバイ駐在員のイギリス人男性で、「同じイギリス人として、あくまでも親愛の情をもとにして書いた」と述べていますが、内容はどうしてなかなか、ドバイに住む外国人の大多数を占めるイギリス人の気取った生活ぶりと本音を痛烈に皮肉っていると思われる部分が多々あり、なかなか楽しめます。 では、以下一部抜粋して、ご紹介します。


私の名前は、ジュメイラ・ジェーン

ジュメイラに住んでいて

乗ってる車はパジェロなの

髪の毛は、輝くようなブロンドよ

夫のトムは銀行員

順調に出世の階段を登ってる


私たちは、ピンクのブーゲンビリアの咲く

白いヴィラを借りてるの

もちろんプールもついてるわ

お隣のローズ家は

スカーボロー出身(※1)だけど、

いい人たちよ

(たまにつきあうぶんにはね)


長男のジェームズはJESS(※2)、

次男のジャカスタは、DESS(※3)に通ってるの

送り迎えが大変だけど、親友のリズに任せちゃう

彼女はいつも大忙し

それもこれも、ドバイのトップ・ママの地位を保つため


私のメイドは宝物

とてもよく働くのよ

完璧にしつけたつもりだけど、

もしヘマをしたら、ただじゃおかないわ


トムが出張中は、

リズとゴールド・スーク(※4)へお買い物

ゴールド・アクセサリーをたっぷり買って

引出しの奥に隠しておくの

トムに見つからないようにね


毎週クラブでブリッジをして、

クリークでゴルフをする

そして、ヒルトン・ビーチ・クラブで

ひと泳ぎ

週末の夜は、ちょっと気取って

インター・コンチネンタル・ホテルのブリティッシュ・クラブできめてみる


ドバイの夏は、灼熱地獄

だから、夏の間はイギリスのママのところへ里帰り

ママは子供たちの世話がとっても上手

子供たちもおばあちゃんが大好きなの

だから私は何にも心配することないってわけ


かわいそうなトムは一人ぼっち

でも私たち、毎日電話で話してるわ

彼は文句なんて言ったことがない

本当に一生懸命働いてる

誰の目にもそれは明らか

でも、涙なんて少しも見せないの

少なくとも、彼の愛するジュメイラ・ジェーンの目の前では



※ 1 イギリス北部の地名。
  イギリスでは同じイギリス人でも出身地別にランクづけがあり、一般的に南部出身者は上流階級で、
  北にいくほど低く見られることが多い
※ 2、3 ともにドバイの有名な私立校。イギリス人子弟が多く通う。
※ 4  有名な金市場。「スーク」は、市場のこと。


ドバイ10月号画像 いかがですか?
イギリスは、古くからドバイと関係が深く、市内にある英語系の学校はほとんどイギリスのカリキュラムを採用しており、店にはイギリス製品が多く見られます。 そのせいか、ドバイに住むイギリス人は、イギリス人であることに非常にプライドを持っており(悪く言えばお高くとまっている!?)、ここではちょっと評判がワルイ(もちろん良いイギリス人もたくさんいますが)。 イギリス人女性を「彼女はイギリス(England)出身よ。」と紹介すると、すぐさま「ちがうわ。Englandじゃなくてthe United Kingdom of Great Britain(同じくイギリスという意味だけど、彼らにとっては「大英帝国」みたいな響きがある)よ。」と訂正されちゃったりします。本書には、同じイギリス人同士でも出身地で相手を評価したり、ここでは省略しましたが、オランダ人を「どんくさい人達」といってみたりと、随所に他人をランク付けして見下す彼らのプライドの高さが垣間見られます(事実、コンパウンド(集合住宅)のプールサイドでは、住人達が、イギリス人のグループ、非イギリス人のグループにきれいに分かれておしゃべりに興じており、さらにそのイギリス人グループの中でも、出身地別にグループができており、見ていてなかなか興味深いものがあります。) ふだんそんな彼らの態度に不快な思いをしている人たちにとって、この本は「よくぞ言ってくれた」と思わずニヤッとしてしまうシロモノ。 どうもこの辺の感情が、この本の静かなるブームを支えているようです。 ここでの豪勢な暮らしに慣れてしまった彼女たちは、「ドバイは天国!本国になんか帰りたくないわ」と口をそろえて言いますが、この本を読んで、さて、いったいどんな感想を抱くのでしょうか・・・・?





ドバイ罰金事情

スピード・チェック・レーダー
 今日は、車のレジストレーションの日。 こちらでは、一年ごとに車輌を登録しなおさなくてはいけないのです。たんにそれだけのことなのに、ハラハラドキドキ・・・。なぜって、このレジストレーションの時に、1年分のスピード違反の罰金が明らかになるから。 当地のドライバーの運転が荒いことは6月号でも述べましたが、ドバイ警察とて、この事態に手をこまねいているわけではありません。要所要所に、スピードチェックのためのレーダーが置かれ、制限速度を越えて走っている車はばっちり撮影されます。  一見効果抜群のこの装置ですが、かのスピード狂レーサー達がそうそう安全運転を心がけるわけがありません。案の定、レーダーの手前の路上には、急ブレーキを踏んだあとが何重にもついています。レーダーの手前に来たらスピードを落とし、そこを過ぎればまた猛スピードで走りだすと言うわけです。  そこで、警察も負けじと、普通のレーダー以外の場所にも、ゴミ箱の下や看板など人目につかぬところにカメラをしかけたり、日によってレーダーの位置を変えたりして対抗しており、イタチごっこが続いています。(そんなことより、パトカーで取り締まればいいのに、と思うのですが、なぜかどんなに飛ばしている車でも、ドバイのパトカーはちっとも取り締まりません。それどころか、パトカー自体が事件でもないのに猛スピードで走っているのをよく見かけるので、単にできないのかも・・・。)

 話がそれましたが、レーダーで撮影されてしまった車の持ち主には、その都度丁寧に罰金の連絡が来るわけではなく、年に一回のレジストレーションの時に初めて違反が判明するシステムになっているのです。つまり、この日に1年分のスピード違反がまとめてドカッと請求されるわけです。  毎日、制限速度をほんの数キロオーバーして子供の送り迎えをしていた知り合いは、最初のレジストレーションの時に、なんと5千ディラハム(約17万円)請求されて真っ青になったそうです。別の友人も、毎年レジストレーションの日には、あらかじめまとまったお金を用意していくのだといっていました(それくらいなら、ふだんから安全運転をこころがければいいと思うのですが・・・)。それでも一度、お金が足りなくて取りに帰ったことがあったそうです。  てなわけで、ドキドキの初レジストレーションだったのですが、幸いスピード違反は一件もありませんでした。けっこう車を乗り回しているので、内心ヒヤヒヤものだったのですが、とりあえず、ホッ。  でも、ナンバープレートに1億円払っちゃう人がいるくらいなんだから(7月号参照)、アラブのお金持ちは罰金なんてきっと痛くもかゆくもないんでしょうね。かくして、レーダーは活躍するも、ドバイの道路の安全は今日もちっとも保たれておりません。





検閲について

 戒律の厳しいイスラム国家であるアラブに暮らして不便に思うことは、豚肉とアルコールが禁止されていること。もちろん外国人向けの一部のお店や高級ホテルのレストランなどでは手に入れることができるのですが、それでも値段が高いし、わざわざ遠くの場所まで行くのも度重なると億劫になります。 それに加えてもうひとつ、困るのは検閲制度。イスラム教徒の女性は家族以外の他人に肌や髪の毛を見せてはいけない(厳しい家では、顔さえ隠さなければならない)ほどなので、当然雑誌のグラビアや映画などのメディアでの露出も規制されています。 だから、日本から送られてくる週刊誌のグラビアは、手元に届く前にしっかり検閲官にチェックされて、水着の女性なんて真っ黒に塗りつぶされて何が何だかわからないし(戦後の学校の教科書か?)、ビデオにいたっては、子供向けの「お母さんと一緒」まで内容をしっかり全部チェックされるので、検閲だけで一ヶ月くらいかかることも・・・・。 友人も、雑誌の記事を読んでいても、途中でページに掲載されている広告の写真が「不適当」との理由でページごと破られていることがあるので続きが読めなくて困る、とぼやいていました。

 映画好きの私にとって一番困るのは、盛り上がるキスシーンなどで画面が突然カットされてしまうこと。レンタルビデオでも、日本で観たときには確かにあった場面が、こちらでは映っていません。ですから、劇場で鑑賞する新作映画でも、知らないうちに良いシーンがカットされている可能性もあるわけです。この間も、「スパイダーマン」を観にいったら、予告で何度も流れていた逆さになったスパイダーマンの仮面を途中まで上げてヒロインがキスをする場面があったのですが、何故かそのシーンがカットされていました。「キスぐらいいいじゃん!」と思ってしまうのはやはりイスラムを理解してない外国人だから?しかも、このシーン、ほかの映画館では放映していたところもあるというから、ますます訳がわからない。敬虔なイスラム教徒の映画館オーナーの逆鱗に触れたのでしょうか? 性的表現以外にも、シオニズムやイエス・キリストなど他の宗教や思想に関しても規制があります。少し前に日本でも話題になった「スパイ・ゲーム」(ロバート・レッドフォードとブラッド・ピットの共演作)では、「エルサレム」という言葉が作品からすべて除去されていたそうです。カットされることによって、会話、というより映画全体の意味が全く通じなくなってしまう場合でも、検閲官が不適切とみなした場合はしっかり削られます。CDも、表現が当局の許容範囲を越える(たとえば、ジーザス・クライストの復活を望む、というような)曲は発売禁止となります。ですから、ミュージシャンによっては、わざと該当する言葉を削った別バージョンを用意して、イスラム国家向けと一般国向けにわけてCD製作することもあるそうです。 ここまでくると、不便である一方で、独自の文化を守るためにそこまで徹底して努力するという姿勢に畏怖感すら覚えます。ふりかえってみると、アメリカなど西洋から来る文化は何でも受け入れ、自国の文化の保護に関してはおろそかにしがちな日本は、これでいいのだろうか、と思ったりして・・・。(でもやっぱり、映画くらいはカットなしで観たいぞ。)

 最近は、インターネットの普及により、すべての不適当な表現を取り締まることは事実上不可能であり、検閲も緩やかになりつつあるようです。近代化の波に翻弄されながら、いったいどのあたりで、急激に流入してくる異文化と折り合いをつけるのか、興味深いところです。



1億円のナンバープレート!?

 近年、一部のアラブ人から注目をあびている将来有望な投機対象、それはなんと車のナンバープレートです。 先日も、ドバイ警察で行われたナンバープレートのオークションで、あるアラブ人女性が、50枚ものナンバープレートを120万ディラハム(約5000万円!)で競り落としたというニュースが話題になりました。 アラブでは、自分の幸運やステイタスを表すために、ナンバーは非常に重要なものとみなされています。そして、ナンバープレートはそのステイタスを表す究極のシンボルというわけです。

ドバイ7月号 たとえば、郵便番号が111の人物がいたとします。その人物の人生は順調にすすんでいます。すると、その人物は111を自分のラッキーナンバーと考えて、身の回りをすべて111というナンバーで囲まれたいと願うのです。で、その人物に十分なお金がある場合、まず最初にすることが「111」のナンバープレートを買うことなのだそうです。こうして大金を使って身の回りを111の番号でかためることは、幸運を呼び寄せることと、それができるだけの財力があるという証となり、その人物を他人とは違う特別な存在にするというわけです。もちろん人によってラッキーナンバーは違うわけですが、特にこの「111」などのぞろ目のナンバーはアラブ人の間で人気があり、たまに見かける「666」などのナンバープレートをつけた車は、どれも超高級車。乗っているのは間違いなく大金持ちです。 けれども、ご存知のようにナンバープレートに同じ物はふたつとなく、ひとつのプレートに大勢の人々が押し寄せるため、競争は激化の一途で、競り値は上がる一方です。

 この現象を、目ざとい投資家たちがほうっておくわけがありません。競りに5000万円使った前述のアラブ人女性も、「競り落としたナンバープレートはすべて他人に転売するの。買った値段の10倍の値段で売れると思うわ。」と、マスコミに語っています。彼女が買ったナンバープレートのうち、特に人気のあるナンバーは一枚500万円ほどで取引されるだろうとのこと。とても儲かるので、現在、仲間と数人でナンバープレートを売る会社を設立することを企画中なのだとか。 これだけでも驚きなのに、去年の競りでは、ぞろ目のナンバープレートを3枚、3億円(!!!)で買ったアラブ人がいたそうです。しかも、1枚は買った本人用、残る2枚は自分の2人の息子用で、しかもその息子はまだ9歳と11歳で免許も持っていなかったとか・・・・・。さ、さすがアラブの大金持ち、スケールが違います・・・・。 たかがナンバープレート、されどナンバープレート。究極のステイタスに1枚1億円。はるか東方の不景気にあえぐ国にとっては、夢のようなお話のようで・・・。



フリーウェイは命がけ?


 昨日の新聞に、警察が交通違反取締り強化を決定したとの記事が出ていました。ドバイのフリーウェイといえば、一説によると世界一死亡率が高いといわれるほど危険な高速道路です。とくに混んでいるわけでもなく、幅もちゃんと片側4車線ずつあり、道路自体に難はないのですが、なんといってもドライバーの運転が荒い!!というわけで、ドバイのフリーウェイにおける交通事故はここ数年急増しており、去年は一昨年に比べて30%増というかなり深刻な状態です。 このフリーウェイ、制限速度は120Kmと定められているのですが(これだけでも、日本から来た私にとってはコワイ)、そこをみんな150〜160kmでビュンビュン飛ばす!特に、一番左側の車線は、スピード狂ドライバーのレース場と化している感があります(4車線のうち、トラックは右側2車線しか走れないよう限定されているので、いきおい左に行くほど、車のスピードがあがっていくのです)。

 うっかり一番左の車線に入ってしまおうものなら、はるか後方に豆粒のように見えた車があっという間にぴったり後ろ(しかも60cmくらい!ほとんどくっついてる)につけてきて、パシパシパシッとパッシングの嵐。あっという間に隣のレーンに追い返されてしまいます。うまく車線変更できずにモタモタしようものなら、路肩をガードレールすれすれに追い抜いていくことも・・。だからといって、一番左を避けて左から2番目の車線を走っていても、隣のレース車線であおられた車が泡を食って車線変更し、目の前スレスレに飛び出してくることがままあるので、気を許せません。 一番右車線はほとんど大型トラックで遅いことこの上ないし、それじゃあ、その隣の第3車線を走っていれば安全かというと、これもあてにならず、トラックがウィンカーも出さずに(これはこちらではあたりまえ)突然横入りしてきたり、出口直前に突然3つくらい車線越えして(ほとんどフリーウェイを横切ってる)くる強者がいたりで、結局どこの車線を走っていても危ないのは同じ。事故にあうかあわないかは、その時の運次第です。




景色

 実際、私も一番安全なはずの第3車線で、隣を走っていた大型トラックの荷台が突然壊れて、目の前に飛んできたことがありました。それ加えて、パンクしたタイヤの断片があちらこちらに落ちていて、ヒヤヒヤのし通しです。 ところで、一番左車線を走る命知らずのドライバーたちの車はほとんどがBMWかベンツ、もしくはそれに相当する高級車です。しかもたいていの車には、真っ黒な窓ガラス。これが何を意味するかおわかりでしょうか。 ドバイでは、車に黒い窓ガラスを使用することは法律で禁じられています。にもかかわらず、アラブ人たちには特別に許されているのです。なぜかというと、イスラム教徒の彼らは、身内の女性の姿を他人に見られないようにするために黒いガラスが必要だから。(イスラム教徒の女性は、夫以外の人に肌や髪の毛を見せてはいけないので、街中でもアバヤと呼ばれる上から下まで真っ黒の民族衣装を着ています。) この事実を見る限り、どうやらスピードレーサーたちは現地人、つまりアラブ人に多いようです。なんと言っても、「石油王」という言葉に象徴されるように、アラブはお金持ちの国。道理で高級車が多いわけです。(ちなみに、この国では大型トラックですらほとんどベンツです) 今日の新聞にも、アラブ人の若者2人のフリーウェイでの死亡事故の記事がでていました。BMWをかなりのスピードで運転し、ハンドルをあやまって乗用車に激突、車は全壊で即死だったそうです。

 私たち外国人も、よるとさわるとフリーウェイの危険についての話がでますが、赴任当初は驚くものの、しばらくすると慣れとあきらめで、ただ日々の安全を祈るのみとなるようです。また、慣れとは恐ろしいもので、最初は文句を言っていた外国人たちも、年を追うごとに走行中の平均速度があがっていく傾向にあるようで、アラブ人に限らず制限速度を守らないドライバーはかなりの数にのぼります。 果たして警察の事故減少キャンペーンは効をなすのでしょうか。大半の人はこれもやはり付け焼刃と、諦観しているようですが、安心してハンドルを握れる日がくることを祈るのみです。





バージュ・アル・アラブ・ホテル外観

外装

 

 5月に入り、ドバイでは早くも気温40℃を超える日々が続いています。 ドバイというと日本ではあまり馴染みのない地名ですが、アラブ首長国連邦を形成する7つの首長国のひとつで、石油産業を基盤に発展した大都市です。そのドバイが、連邦の首都アブダビをも超える発展を遂げることができたわけは、石油枯渇後を視野に入れ、早くから観光開発に力を入れてきたこと。 美しいビーチと砂漠、その豊かな経済力をフルに活用して、いまや世界でも有数のリゾート地となっています。 市内にはさまざまな高級ホテルが林立していますが、その中でもひときわ目を引き、ドバイのシンボルともとなっているのが、ジュメイラ・ビーチ沿いにたつバージュ・アル・アラブ・ホテルです。 海岸から280メートル沖合いの人工島にそびえたつこの美しいホテルは、帆の形をかたどった優雅な外観で、高さ321メートルとホテルとしては世界一の高さを誇っています。 ユニークな外観もさることながら、ホテル内部も派手な金色の柱にショッキングピンク、エメラルドグリーン、黒などの奇抜な色を大胆に使った近未来的デザインで統一されており、そのインテリアだけでも一見の価値があると言われています。 部屋はすべてがメゾネットタイプのスイートルームで、宿泊料金はDh3300(13万3000円)からというこのホテルのランキングは、「ホテルの最高は五つ星」をいう常識をかるく覆して何と七つ星(★★★★★★★)! 夜は、建物全体が美しくライトアップされ、時間ごとにその色が変わっていくさまは、いつ見てもあきません。記念日など特別なイベントの際にはドバイの王様(首長)の肖像画など、様々な映像がホテルの壁一面に映し出されます。



バージュ・アル・アラブ・ホテル内部

内装

 昼夜関係なく人々の目を楽しませてくれるこのホテルは、観光客はもちろんドバイっ子にとっても一度は訪れてみたい憧れの場所。けれども、そこはさすが七つ星、宿泊客およびホテル内のレストラン(これもまた超高級!)の予約を入れたお客以外はホテル内部に入ることができません。 (それでもどうしても入りたい人は、高額な入場料を払わなければなりません。)時々、無料の内部見学ツアーなるものが催されますが、希望者が殺到し、すぐに満員になってしまうとか。 宿泊客の多くは、世界各国からの観光客(もちろんリッチ!)及びサウジアラビアなど近隣諸国の大金持ちだそうですが、どうしても中に入ってみたくて、結婚記念日や誕生日などのイベントに、パーティーを開く代わりにこのホテルでのひと時に大枚をはたく家族もいるほどです。 というわけで、アラビアン・リゾート、ドバイのシンボルであり、人々の憧れの場所でもあるこのホテル。いまやホテル自体が観光スポットとなっており、ホテルの前では今日も世界各国からの観光客が、その美しい全景をカメラにおさめようと群れをなしています。





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