なぜか沖縄

 
大浜バス停で下車し、一路海岸の方向へ行くと、崎原(さきはら)公園という整備された公園があった。敷地内には「津波大石(つなみうふいし)」という巨岩がある。明和の大津波(1771年)で海から岩が運ばれてきた。推定75tで、島の各地にあるという“津波岩”の中でも最大級という。

そんな海に出てみると、干潮モードで水が少なかった。
 
オヤケアカハチ像。大津波から遡ること270年余、ここ大浜地区は武将・オヤケアカハチ(?〜1500。以下「アカハチ」とする)が治めていた。波照間島出身のアカハチは、後にこの地に移って居城。八重山地方に過酷な納税を要求していた第一尚氏治める首里政府に反発。シンパを取り込んで勢いを伸ばしたため、政府にとって恐ろしい存在となっていた。
1500年、ついに政府は討伐に乗り出し、アカハチは敗れて処刑されてしまう(オヤケアカハチの乱)。これによって、宮古や八重山の地までが首里政府の手中に収まることになった(詳細は「沖縄はじっこ旅U」第9回を参照)。

アカハチが居城していたとされる「フルストバル遺跡」は、やや内陸に入った高台にある。戦いに敗れこそしたものの、地元民にとってアカハチはヒーローなのだろう。とはいえ、その存在には謎が多く、アカハチが2人いるという説もある。
 
アカハチ像の周囲には、なぜか御嶽が4つもあった。
 
それぞれ祀ってある対象が違うから4つもあるんだろうけど、知らない人が見たら何が何だか分かりづらい。

時間がまだあったので、バスに引き続き乗って宮良(みやら)集落へ。ホントはこの写真の宮良川でマングローブとかを見てみたかったが、雨が降っていてはどうも気が進まなくなってしまった。


宮良集落の中心にある御嶽。バス通り沿いにある。
 
そのバス通りから海側にちょこっと入ると、「アダドゥーナー」と呼ばれる下り井戸(左上)と、それを取り囲むように外本御嶽(右上)という御嶽があった。

再びバスターミナルに戻ったのは14時過ぎ。改めてガイドブックで確認したら、バスターミナルの近くに「まんが@カフェゲラゲラ」という店があることが分かり、いざ店へ。まんが喫茶とネットカフェが一緒になっていて、ちゃんと営業していた。1時間フリードリンクで400円。メールチェックがてら、ネットをやって1時間過ごす。「島で雨天でやることがない」なんてことがなく、つくづく便利になったものだと思う。
 
とはいえ、離島でバリバリ動き回りたかったんで、ストレスは相当たまった。よーし、今日は陽の高いうちから、刺身と天ぷらを肴にビールで自棄酒だ…ってのは半分はウソで(ってことは半分はホント…)、一度、沖縄の魚屋ってとこで刺身と天ぷらを買って食べてみたかったのだ。なので、あやぱにモール内の「たましろ鮮魚店」で、まぐろの刺身(500円)と天ぷら(150円)を買う。刺身は20切れ以上あったし、天ぷらはもずく天ぷらなど7〜8個入っていた。本土じゃ2つで1000円は絶対超えるだろう。味も美味かった。

マジでまだ16時というのに、刺身と天ぷらを全部平らげてビールを流し込んでみたけど、食い終わったら甘いものが食べたくなった。まだ時間は17時台。前日、あさひ食堂(第1回参照)へ行く途中に見つけた「さよこのサーターアンダギー」に行ったが、残念ながらお目当てのサーターアンダギーはすべて売り切れだった。
 
あきらめがつかず、あやぱにモールの甘味屋に入ろうかと思ったが、一方で「そこまでして…」的気持ちもあったりして、仕方なく部屋に戻ろうとしたら、「石垣島冷菓」という看板を発見。氷ぜんざいだったら、そんなに腹が膨らまなくて済みそうなので、店に入ることにした。

持ち帰りもできるが、氷とぜんざいを別々の袋に入れて持ち帰るらしく、「できあがった形でほしい」と言ったら、ものすごい低いイスに座って、できあがるのを待つことになった。
店内ではラジオが流れていて、千葉ロッテ・成瀬投手が生出演していた。この日、千葉ロッテのキャンプは休日だったのだが、成瀬投手は西表島で行われたマラソンのスターターを務めたようだった。なるほど、朝っぱらから西表島行きの船が混んでいた(第2回参照)のは、マラソンの絡みだったのかもしれない。

5分ほど待って、氷ぜんざいが出てきた。基本200円のところ、練乳をつけてもらって50円増しになった。きなこもつけてもらえるのだが、店頭には「きなこorミルク」という張り紙があったので、両方つけてもらうのはいけないのかなと思ってしまった。どうせなら、さらに50円増しになってもいいから両方つけてもらって、今回もまた果たせなかった“黒みつスペシャルリベンジ”(「沖縄SEE YOU!」第2回「こんな旅行記を作ってみたかった」参照)でもしておくんだったと、ちと後悔した。(第5回へつづく)


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