奄美また行くんかい!? 第2回
 
  
国道58号線から分かれて入り込んだ県道79号線は、北部や名瀬とはまた違った海沿いの素朴な雰囲気がただよう、大和村(やまとそん)と宇検村(うけんそん)を通っていく。
  
山を越えて大和村の中心部に入り、群倉(ぼれぐら、右上)の前を通り過ぎる。
  
行きかう車は皆無でスピードを出せるのはいいが、名瀬から西部経由で古仁屋までは90km以上あるそうだから、結構我慢比べなドライブになりそうな予感。
  
これぞ“断崖絶壁”! 思わず写真に収めずにはいられなかった。
  
カーナビでは曲がりくねった道も、まっすぐ行けるようになっている。山道も味があって嫌いではないが、それは観光客の視点。
  
輸送面のスピードアップ、名瀬に出ていく手間を考えると、まっすぐにしてトンネルを掘るのが、行政・村民の意見の一致するところなのかもしれない。
 
1時間ほど走り続けて、宇検村へ。
  
リアス式っぽい焼内(やけうち)湾の海岸線に実直に沿うように、道がつらなっていく。
  
とはいえ、こうも海岸線を見続けると、「まだ着かないのかな?」と、不安とはいかないまでも、少し退屈な気持ちになってくる。
  
宇検村の中心部……だと思う。村役場があったようだし。
   
あまりに“果て”すぎるのか、たまにカーナビが海中に入っていく。
  
名柄(ながら)集落に。県道はやがて左に折れて山道に入る。名瀬から大和村や宇検村方面に向かってやってくるバスは、山道を通れないためにこの名柄で折り返す。
 
地図で見ると分かるが、県道は大きめの半島地形の根っこの部分を横断していく。
 
その根っこの部分でも6kmほどあるから、奄美大島という島はかなり広い島なのだ。根っこの対岸・久慈(くじ)集落に着いたのは17時だった。
  
久慈から古仁屋までは、30分もあれば行けてしまうだろうが、何だかそれももったいないと、県道627号線へ寄り道する。2004年4月以来、約5年ぶりに再び訪れるエリアだが、上述の「やや大きめの半島」の南側の海岸線を西進していくことになる。
  
管鈍(くだどん)集落で日没の瞬間を見届けつつ、
  
がけ崩れ防止で工事中の山道を通過して、
  
集落から集落へと走り継ぎ、
  
半島の最西端・西古見(にしこみ)集落に着いたのは、17時25分。思いのほか時間がかかったが、あとで2004年4月の訪問記「奄美の旅アゲイン」第5回で確認をしたら、久慈から18kmもあったのだ。
  
テーブルサンゴの石垣が印象的な集落。奄美の歌者であり、名瀬市で居酒屋「かずみ」を経営する西和美氏(にしかずみ、1942-)の出身地といううんちくを垂れておく。
 
やれやれ、18km西に行ったからには、18kmまた東へ戻らなきゃいかん。久慈に着いたのは18時ちょい前。
  
しかも、久慈から古仁屋までも同じかそれ以上の距離があって、17時半ごろ宿に入れればと思っていたのが、18時45分入りとなった。今日の走行距離、7時間で229km。
  
宿泊するのは、2004年10月2006年3月に続いて3回目の宿泊となった「ライベストイン奄美」。
 
夕食は19時半から、誰もいない食堂で。思わず写真を撮る自分を撮ってしまった。
  
刺身に、小鉢に、豚の角煮(鹿児島では「とんこつ」と呼ぶ)に、
  
ほたてのフライに、魚(多分、沖縄のグルクンに近い仲間かも)の塩焼に、ごはんに、お味噌汁に、お漬物に、
  
黒糖焼酎(グラスだけじゃ分からん。1杯のみ)に、パッションフルーツが夕食のラインナップでした。これで2500円。黒糖焼酎は525円。
  
黒糖焼酎でほどよく酔った身を醒ますために、古仁屋≒瀬戸内町のメインストリートを散策。スロット屋とカラオケ店の明かりは明るかったが、
  
以前の2度の旅ともに入ったことがある「古仁屋書店」と、フードコートなどの“複合施設”はなくなっていた。さびしい限りである。
  
そのメインストリートからちょっと外れたところにコンビニ「エブリワン」を見つけ、記念に飲み物を購入した。撮影していると、地元の女子高生らしい女子にクスッと笑われてしまった。(第3回につづく)


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