川の流れに身をまかせ(第1回)
  ―竪川の謎を個人的に解く 2008年1月29日(火)

毛長川探索(第3回参照)の後、川口市内(以下「市内」とする)を流れる河川で、もう一つ気になっていた河川を辿ってみることにしました。
その名前は竪川(たてかわ)。市内を西から東に流れ、市内上青木にて芝川(第1回参照)に注ぐ一級河川です。その芝川に注ぐところを今回の探索のスタート地点とし、源流方向へと辿っていくことにしました。
個人的には、母方の祖父母宅(=母親の実家)の近くを流れる川として認識があったもので、今回の探索の対象となった次第なのですが、いろいろ調べていくと(個人的に)意外な事実を知ることになって、これまた有意義な探索となりました。

@
左から上に流れる芝川に右下より竪川が合流。
A
@の反対側。上流に向かい撮影。奥に水門が見える。
B
@Aの横にもう1本川が。これも芝川に合流する。
C
左記2本の川をセットで撮影。間を自転車道が貫く。
D
2本の川の分岐。Aに見える水門の向こう側で。

分岐点より上流へ。奥に見える建物は川口総合高校。昔は“女子高”だったような。

“中央道路”にかかる橋の脇にあった水質を示す看板。一応、基準よりはきれいな川みたいですが、水の澱み具合がそうはなかなか見えないんですよね〜。

さらに上流に進んでいくと、竪川とは逆に市内を北から南に流れていく緑川(みどりかわ)との交差。住所でいうと市内南前川。ショッピングモールのダイヤモンドシティキャラから徒歩で南下して5分ほど。
@右から左へ流れる竪川と右下から左上に流れる緑川。 A緑川の下流。水門の向こうで再び水が現れるようだ。 B左から右へ流れる竪川と左上から右下に流れる緑川。 C

竪川の下流。遊水
公園のような川床を
している。

さあ、再び竪川を上流へ向かおう。

川面を飛ぶ白鳥。毛長川にいたへドロの上の水鳥(第3回参照)といい、こんな汚い川の上でも動物は淡々としている。一番高等なのに一番弱い動物は人間かもしれない、とふと思います。

県道蕨・鳩ヶ谷線と並行して上流へ。道は何度となく通ったことがありますけど、改めて川沿いを通るっていうのは、何だか妙な気分であります。

もう少し上流にあった橋上駐車場。

猫橋にて県道蕨・鳩ヶ谷線と交差します。右の白い建物の2階は、現在は違うテナントが入っていますが、かつては某学習塾が入っていて、小学校4〜6年生時は長期休暇ごとに通っていました。

さらに上流へ行くと、暗渠になっていきます。

いよいよ暗渠となった竪川。このまま道沿いを進むことに。

奥に陸橋が見えてきた。あの陸橋の下に行ってみることにしました。
@
やはり、竪川が開渠となっていた。思わぬ感動。
A
@より線路側へ。こんな写真を撮るのは私だけ(笑)。
B
線路下の様子。いくつか流路が分かれるようである。
Cそれにしても汚いな〜。アップにしないでください。 D陸橋下の駐車場より大宮方向を臨んで1枚。
実は、つい最近まで竪川のこの後って、Dの大宮方向に北へと続いていくものだと思っていました。線路沿いに開渠になっていて、それが南浦和駅近くにある操車場まで続いていた(現在は暗渠)ので、すっかりそれが竪川の流れだと思っていたのです。で、いつかその流れを辿ってやろうと思っていました。
ところが、検索していろんなホームページを見ていたら、そうではなくてそのまま西に延びていく(というか、厳密にはその方向から川口市内へ流れていく)ことが分かって超驚きました。ま、所詮は完全な思い込みでしかなかったんですけど、改めて調べてみることの重要性が分かったエピソードですね。調べていなかったら、一生勘違いのままでいたわけですから。

話を戻します。陸橋を渡って蕨駅西口側へ。川の流れ自体は、道路とは逆に右上にカーブしています。

西口側に出ると、下の@のようにわずかに開渠になっている以外は、この後ひたすら暗渠を辿ることになります。
@
蕨駅西口側最初で最後の開渠部。
A@の反対側。駐輪場になっています。 B東口方向を臨んで1枚。 C奥の緑の下で開渠になっています。

上のAの駐輪場に向かって1枚。

さあ、さらに上流に向かって進みましょう。以後はこの道をひたすら進んでいきます。右に見えるのは巨大な芝園(しばぞの)団地。歩いていくルートと団地の住所は川口市ですが、道を挟んで左側は蕨市北町となります。

右の垣根は、芝園中学校のそれです。とても川の上を歩いているとは思えないですね。

それでも、たまにこういうマンホールがあると、下に流れがあることに気づかされます。中を見ると、水も見えます。

さらに進んでいきます。

<個人的予測@>

国際興業バスの北町4丁目バス停の先で、こういう交差点に当たります…って、分かりづらいな(笑)。右上に、隠れていますがセブン・イレブンがあります。私が写真を撮るために立っている場所が川口市芝富士、セブン・イレブンがある方向がさいたま市南区文蔵、まっすぐ伸びている道路の左側が蕨市北町と、地図で確認すると(私にとってでしょうけど)面白い発見があります。
実は私、ここで右折してしまって一旦流路を見失ったんです。その辺りは後述しようと思いますが、よく見てみると、奥にいかにも「川に蓋をしました」的歩道が見えますね。

<個人的予測A>

その蓋がされた流路は、セブン・イレブンの向こうで右(=北)にカーブしています。

<個人的予測B>

その方向に進んでいくと……

<個人的予測C>

間もなく、蓋らしいものがなくなってしまいます。さあ、この先は……

<個人的予測D>

「グルメシティ」というスーパーの駐車場脇に続いていきます。上の<個人的予測C>の写真の左上、茶色のアパートの向こうに白い建物に黄色い庇っぽいのものが見えると思いますが、その庇の手前を左に入っていきます。

<個人的予測E>

グルメシティの駐車場を突っ切っていくと、何だか川幅ほどの私道。奥に見える緑色は、ひょっとして……

<個人的予測F>

と、その前に駐車場に向かって1枚。

<個人的予測G>

<個人的予測E>の写真の奥にあった緑色の正体は、この川岸のフェンスでした。川は「文蔵川(ぶんぞうがわ)」といって、見沼代用水西縁より戸田市方面に流れる川です。看板とオレンジの棒に隠れていますが、右上に見える道路は<個人的予測F>の道路に続いています。
で、この<個人的予測G>の写真をよく見ると、護岸がやや凹んでいるのが分かります。これが竪川の取水口跡なんじゃないかなって思ったんです。事前に調べたところ、@人工河川であることA文蔵川から取水していた説があることが分かりました。そこから、素人考えの域を出ませんが、自然河川みたいにいろいろな流れが自然に集まっているのとは違って、どこかの水源から取水するのが人工河川の基本なんじゃないかと考えました。
それで、この<個人的予測G>の位置からかつて流れ出ていたんじゃないかと推測したのです。橋の欄干に隠れていますけど、その凹みの右側に白く丸い物体があります。これが、取水を調節するための“何か”だったんじゃないかと。今は完全に塞がっているようで、まさか水の中にもぐることもしませんでしたけど(笑)。

ここで正直を言いますと、<個人的予測>ともしたように、3市境より源流部までは個人的な流路予測に過ぎませんし、掲載した個人的予測@→Gのように素直に流路を辿れたわけでもありません。おそらく、<個人的予測C>から<個人的予測E>までの話の流れを不自然に思った方もいらっしゃるかもしれません。ま、そこまでご覧になっている方がいない可能性のほうが大きいですが(笑)。
それはいいとして、<個人的予測@>で川口・蕨・さいたま3市境の交差点で右折してしまったと書きましたが、そのまま北上していったところ、文蔵川の<個人的予測G>よりやや上流部にぶつかり、そこから川沿いを下流へ進んでいき<個人的予測G>の箇所を発見。でもって<個人的予測F>にある道路が目に入り、何となく川の流路跡っぽく見えたもので、ひょっとしたらこれが竪川のかつての流れだったのではないかと推測。やってきた方角に向かって掲載したのとは逆ルートで<個人的予測@>の位置まで戻ったというのが真相です。

ホントのことが知りたければ、川沿いの住民の方に聞いて周るのがいいのでしょうけど、「そこまでして、どうしても知りたいか?」と言われると、意外とそうでもなかったりするので(笑)、こんな感じで個人的な謎解きを勝手にして自分を慰めた程度で、この回を終わらせたいと思います。(第4回―竪川の謎を個人的に解く― おわり)


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