なぜか沖縄
 
 
陸に上がって、昼食を食べたい。海底遺跡に行く前に買って食べておきたかったが、食べそこなってしまい、8時間半おまんま食いあげになってしまった。
  
「日本最西端の売店」で、勝手に命名「最西端オムライス」と缶コーヒーを購入。460円。
  
さて、マーチは西崎の下から島の南部を東へ向かうことにする。その道の入口にある「テキサスゲート」。与那国島では放牧が盛んなのだが、なかでも馬がヘンに遠くに行かないよう、このような溝を設けているという。この溝に蹄がはまることをおそれて、引き返すことをねらっているわけだ。
  
海底遺跡に向かう際に見た避難港の上を通りすぎる。あの沖をついさっきまで行き来していたのだ。
  
陸側は茫洋とした放牧地と小高い丘が続く。与那国島は、大きさのわりには結構勾配のある島なのだ。
 
たまに、シャッターを切りたくなりそうな景色にめぐりあう。
  
ひと山越えると、比川(ひがわ)集落へ。車が多く停まっていたが、どうやら町内の文化祭をやっていたようだ。そういや、三田祭も行かなくなって久しいな〜。
  
その比川集落の端っこにある建物は、ある有名なドラマのスポットになっている。早速、男性が写真を撮っているようだ。
  
「志木那島診療所」――ここで分かる方はどれくらいいらっしゃるだろうか。2004年もここに来たことがあるが、今回は300円の見学料を払うとはいえ、中に入れるようになっていた。
  
ここまで手の込んだことをやっていたとは。テレビでは気づかなかった発見だ。
 
ドアを開けると、テレビでよく観た画が現れる。
  
柴咲コウ嬢演じる彩佳が座っていた受付。その向かいは、地元の年寄りでいつも賑わっていたロビー。
  
お、来年またドラマやるんですね。右上の“十カ条”も、セットの一部なのか?
  
たくさんの病人が寝た病室。便所は見たら何もなかった。
  
数々の手術が繰り広げられた「処置室」という名前の手術室。中を見ると、たくさんの手拭いが干されていた。これまた、セットの一部なのか、リアルに使っているのか、いまいち謎だ。
  
筧利夫氏演じる和田さんが座っていた事務室。壁には志木那村からの表彰状が。
  
もうお分かりだろう。ここはCX系列で放映され大ヒットしたドラマ「Dr.コトー診療所」の舞台なのだ。時任三郎氏演じる原剛利が息子を救ってもらった礼に寄贈し、診療所の屋上に掲げた旗と、吉岡秀隆氏演じるコトー(五島)先生が、島を回るのに使った自転車を撮影。
 
2006年に放映された分のポスターも貼られてあった。2009年版は、はたしてこの診療所でどんな物語が繰り広げられるのか――。
  
島に1軒しかない診療所に、なぜか2枚もある視力検査表。
  
受付の裏に階段があるので、上に上がってみよう。
  
比川浜をまずは一望。
  
集落側(左上)と山側(右上)。
  
一応、300円でコトー先生に診療いただいたので、これにて比川集落を後にしよう。
  
と、その前に……。
  
うーん、たしかこのあたりだったと思うんだけどな〜……とかいいつつ、きちっとガイドブックで事前確認していなかったので、そう簡単には見つからなかった。
 
その場所とは「人升田(とぅんぐた)」。名前の通り、「人を入れる升としての田んぼ」だ。久部良バリと同じく、ここもまた人減らしの象徴の場所である。ある日突然、抜き打ちでその田んぼに集まるよう、号令がかけられる。
  
凸凹道だろうが天気がどうだろうが忙しかろうが何だろうが、島民は必死でその田んぼへ向かうしかない。なぜなら、その田んぼに入れないと、無条件に殺されてしまうからだ。
 
結果、身体に障害を抱える者、老人などが、多く“淘汰”されていったという。のどかな情景の、もう一つの側面だ。どこまでが真実なのかは知りようもないが。
 
さあ、いよいよ島の東部へ。
 
……行こうと思ったら、途中で通行止めになっていて進路変更。やれやれ、次はどこへ行こうか?(後編につづく)

 
 
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