なぜか沖縄
 
 
那覇空港、9時10分着。粟国島行きの飛行機に乗り継ぐため、航空券の発券カウンターに向かうことにする。
  
粟国島行きの飛行機は9人乗りアイランダー。機体のバランスを取るため搭乗者の体重を事前に計る。出てきた数字は74.9……ちょこちょこと荷物の入ったバッグに、パーカーやジーンズも“込み”の数値だが、やはり現実は現実だ。
 
飛行機の出発は10時……のはずだったが、粟国島から来る飛行機が遅れ、いったん出発時間が未定に。
  
現地に着いてからメシと思っていたが、4時台に軽く食べたきりだったので、つい我慢できずアイスを買ってしまった。
 
帰ってくると、何のことはなく10分遅れで済むことに。まったく、最近意志の弱さが悩ましい。
  
搭乗時に言われた席は「3B」。重いから真ん中に…かは知らないが、沖止めのためバスに乗ることに。9人乗りで7人乗るのだから、結構需要が高い路線なのだ。
  
相次いで採算が合わずアイランダー路線が廃止されていくなか、唯一運航している路線なのではないか。
  
上にはなぜか液だれしているパネル。下には緊急用のレバー。
  
小型飛行機ならではの洋上飛行。シャッターをどんどん切りたくなる。
 
中は人口密度濃いっす。しかも、全員男子!
 
20分もすると、ほぼ平らな島が現れた。空港の滑走路は、写真の右=島の東部にある。
  
粟国空港、10時35分到着。島の空の玄関口は、「国」がまえと「港」だけが読み取れる「いかにも離島の玄関口」な雰囲気を醸していた。
  
空港に着くと、今日レンタカーを借りる「粟国レンタカー」…というか「車を貸してくれる“Uおじい”」が、軽自動車に乗ってやってきた。ちょっと年季が入ったこの車に乗るのかと思ったら、どうやらレンタカー屋まで送迎してくれるという。
  
2004年12月に初めてやってきたときは、空港ロビーにまったく迎えの人がいず、レンタサイクルでも借りようと思っていたのが、結局足がなくて島内を歩く羽目になってしまった。
 
それが強烈に印象にあるので、今回は直前になってレンタカーを予約することにしたのだ。レンタサイクルもあるようだが、雨になると歩き以上に悲惨になるし、予報も傘マークがなかなか離れず、安全策を取らざるを得なかった。
 
レンタカー屋…もといUおじいの自宅前に無造作に3台突っ込んであった中から、指示された白いミニカに乗り継ぎ。さっきの車よりはちょっとキレイだった。
  
とりあえず、島でいちばんの見どころ「マハナ展望台」を目指す。途中、番所跡(右上)を通過。
  
2004年に訪れたときは、もちろんこんな道ではなかった。あらためて時の流れを感じる。
 
展望台に向かって尖り、遮るものが何もない地形は、強風をまともに受けるのにもっとも“好条件”だった。展望台に行こうにもまともに行けず、マジで恐怖感を覚えたのを思い出した(「前線と台風のあいだ」後編参照)。
  
展望台に上がってみて、来た方向を振り返る。右奥に島の中心部が見える。
  
突端は「筆ん崎」と呼ばれる断崖絶壁。その向こうに浮かぶ島影は、久米島になる。
 
もう少し左に目をやると、右が渡名喜島(となきじま)。左は座間味島(ざまみじま)か阿嘉島(あかしま)ということになるんだろうか。
  
帰りは、島の南側を走る道を帰ってみよう。
  
途中にいくつか、自然の地形を利用したお墓があった。
  
狭い路地を抜けて集落へ。フクギや古びた石垣が、この島ののどかさを演出する。
  
さて、昼飯。かねてから目をつけていた中華料理屋「丸三飯店」……はお休み。Uおじいいわく、この数日店を開けていないらしい。ボリュームのある飯を期待していたんだけど残念!
  
代わりに買ったのが、コープの450円のお弁当。手作り感たっぷりのおかずばかりで、まだ温かく味も美味かった。右上のオクラの和えものが、中でも結構クセになる味だった。
  
マハナ展望台は島の西端だった。ならば、今度は島の東側へ行くことにしよう。
  
粟国港で弁当を食うべくひと休み。もうすぐ那覇港からフェリーが来るのだが、静かなもんである。
  
中に入ると、前回寄ってそばを食べた「みなと食堂」が開いていた。誰もいないなか、前回いたと思われるおばちゃんが退屈そうにしていた。調味料はあいも変わらず、賞味期限切れなんだろうか?(「前線と台風のあいだ」中編参照)。
  
港の岸壁には、地元の中学生の卒業記念とかで、たくさんのウォールアートが施されていた。
  
旅の安全祈願を祈ったとされる、港そばの観音堂にも寄る。奥に鎮座する碑に刻まれた梵字は、300年以上前のものだという。
  
港の南東あたりに車を止めてみた。遊歩道が整っていたので、歩こうかと思ったのだ。
  
港のそばというのに、水がかなり青く澄んでいる。水の底までしっかり見えた。
  
遊歩道を歩いていると、「フェリーあぐに」が粟国港に入っていくのが見えた。
  
映画「ナビィの恋」のロケ地になった西の浜。「サンダーが船を置いていた」とあるが、正しくは「サンラー(=三郎)」。ナビィの恋のお相手の名前だ。よほど、観光協会に言って修正させたいくらいだが、まあいいか。
 
さあ、今度は島の北部に行くことにしよう。にしても、今回は天気が穏やかで何よりだ。(中編につづく)


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