プレイヤーズ・サイド

パーソナリティ3人が担当するコーナー。 その週の担当者が、楽器を演奏する上での、技術的な面、メンタルな面、 その他楽器の演奏についての一般的な話題についてお話しします。

PPunch担当 Yやんべ担当 CCharlie担当


C 6月4日放送分

キーボーディストの心構えについて…how to の前に、what to を考える

あなたはアマチュアロックバンドのキーボーディストです。 コピー曲を演奏することになり、楽器屋でバンドスコアを買ってきました。 家でバンドスコアを開いて、 キーボーディストがまず初めにしなければならないのは「パート分け」という作業です。

バンドスコアでは、ギター・ベース・ドラム以外の楽器音が、 すべてキーボードの欄に書かれている場合が多いです。 ピアノ、オルガンなどの鍵盤楽器のパートはもちろん、 ブラス、ストリングスなどのパートは、 原曲が生楽器で演奏されているかシンセで演奏されているかにかかわらず、 キーボードの欄に書いてあったりします。 これらのパートを、 キーボーディスト1人あたり2本の手にどう割り振るかを決めるのが、 パート分けという作業です。

ツインギターのバンドでは、ギタリスト2人の間で
「ソロは俺が弾く。バッキングはお前が弾け。」「えー、なんで」
みたいな感じでパート分けが行われると思います。 キーボードの場合、両手で別々のパートを弾けるので、 バンド内のキーボーディストが1人であったとしても
「右手でソロを弾きながら、左手でバッキングを弾く」
というような「右手さん」と「左手さん」の間のパート分けが必要になります。

音数が多い曲では、すべてのパートを演奏するのは不可能だし、 その必要もないと思います。 重要なパートを選んで弾いて、重要でないパートは省略していいです。 ここでいう重要なパートとは、

です。でも、どのパートが重要なのかを見極めるのは、 初心者にはちょっと難しいかもしれません。 原曲のライブビデオ・CDを聞くと、 アーチスト本人がどのパートを選んで弾いているかがわかるので、 参考にしてみてはいかがでしょうか。
音数が多い曲について説明しましたが、逆に、音数が少なすぎる場合、 つまり、キーボードのパートが全くない曲について考えてみましょう。 原曲にキーボードが入っていない曲をカバーするとき、 キーボーディストは何をすればいいのか? いろいろ案はあると思いますが、結局は趣味とセンスの問題だと思います。 私自身もかつて、キーボードのない曲の中で場違いな音色で和音を弾いてしまい、 曲の雰囲気を壊してしまった経験があります。 いろいろ試してみたり、メンバーの意見を聞いてみたりしながら、 自分が弾くべき「キーボードパート」を考えてみてください。

今日のまとめ。弾き方 (how to) を練習する前に、まず、 「自分は何を弾いたらいいか? (what to)」を考えることが大切です。 この考え方はすべての楽器に共通ですが、 キーボードでは他の楽器以上に重要になってきます。