プレイヤーズ・サイド

パーソナリティ3人が担当するコーナー。 その週の担当者が、楽器を演奏する上での、技術的な面、メンタルな面、 その他楽器の演奏についての一般的な話題についてお話しします。

PPunch担当 Yやんべ担当 CCharlie担当


C 3月7日放送分

キーボードとは何か?

キーボードって、一見わかりやすそうで、 実は一番わかりにくい楽器なんじゃないかと思うんです。 バンドで使う主要な楽器の中で、 楽器の表面がお客さんに見えないのはキーボードだけですよね。 だから、お客さんはキーボーディストが何をどう弾いているのか、 あまりよくわかりません。 そこで、Charlieが担当する「プレイヤーズ・サイド」は、その 「キーボーディストが何をどう弾いているのか」 を皆さんに知っていただくことを目指してお送りしたいと思います。

そもそも、キーボードとは何か。 本来の意味は、「鍵盤楽器の総称」です。 ピアノ、オルガン、シンセサイザー、鍵盤ハーモニカ(通称ピアニカ) などを全部ひっくるめて「キーボード」と言います。 ただし、それらの中でポップス・ロックで使われるシンセサイザーを 狭い意味の「キーボード」と呼ぶことも多いです。

このようにキーボードにもいろいろな種類があり、 プレイスタイルも様々ですが、 このコーナーでは、「バンドで、シンセを弾く初心者へのアドバイス」 についてお送りしようと思います。


キーボードの選び方(初心者用)

初心者は、シンセを買ってはいけない。

こんなことを書くと楽器屋さんから文句が来るかもしれませんが…。 でも私はそう思うんです。

楽器の買い方には以下の2種類があります。

「マイ楽器スタイル」(ギター、ベースなど、比較的小さくて安い楽器)
自分の楽器を持っていて、家での練習、スタジオ練習、 ライブ本番のすべてのシーンで自分の楽器を使う。
「借りものスタイル」(ドラムなど、比較的大きくて高い楽器)
練習に必要な最小限のもの (例えばドラムの場合スティック、練習用パッドなど)を購入。 スタジオ練習、ライブ本番では会場にあるドラムセットを借りる。
キーボードの場合はどうか。 私は、初心者の頃は「借りものスタイル」、 上達してきたら「マイ楽器スタイル」に移行する方法をお勧めします。 シンセサイザーは結構高いので、「マイシンセ」を買うのは、 ある程度経験を積んで自分に合ったシンセがわかるようになってからの方がいいんじゃないでしょうか。

では、上記の「練習に必要な最小限のもの」は、 キーボードの場合は何なのか。 私がお勧めするのは、「カシオトーン」「ポータトーン」 などの商品名で知られるポータブルキーボードです。 バンドのキーボーディストが使う必要最小限の機能は

  1. いろんな音色(ピアノ、オルガン、ブラス、ストリングスなど) が出ること。
  2. 鍵盤の大きさが標準サイズ(シンセと同じ大きさ)であること。 ミニ鍵盤は不適。
の2つだと思います。 キーボード初心者の方には、 これらを満足するポータブルキーボードをまずはゲットして、 練習に使っていただきたいと思います。

ちなみに、バンドのキーボードの練習には、ピアノは適しません。 ピアノはピアノの音しか出ませんので、上記1.を満たしません。 バンドではいろんな音色を出さなければいけないので、 ポータブルキーボードでその「音色」の感覚を身につけてほしいと思います。