プレイヤーズ・サイド

パーソナリティ３人が担当するコーナー。その週の担当者が、楽器を演奏する上での、技術的な面、メンタルな面、その他楽器の演奏についての一般的な話題についてお話しします。

Punch担当やんべ担当 Charlie担当

5月7日放送分：ギター四方山話

・今回は3月28日放送分のソングメイキングサイドの内容についていただいたメールを紹介し、実際にギターを弾きながらあれこれお話いたしました。ホームページの中では音をお聞かせすることはできませんので、番組でお話した内容の概略をご紹介したいと思います。

（「ワンメイジャー・ツーマイナー・・・」～ダイアトニックコードとスリーコードについて）

3月28日にお話した、ある調の「ドレミファソラシド」のみで構成される和音のことを「ダイアトニックコード」と呼びます。基本的に、ある調で曲を作った場合これらのコードを中心とした組み立てとなります。これがどの調であっても「ワンメイジャー・ツーマイナー・スリーマイナー・フォーメイジャー・ファイブメイジャー・シックスマイナー・セブンマイナーセブンフラットフィフス」となります。ただ、「セブンマイナーフラットフィフス」は、メジャーキーの曲にはほとんど出てこないと考えておいてください。
　また、これらの中で特にⅠ度、Ⅳ度、Ⅴ度の三つの和音を「スリーコード」といい、この三つの和音があれば基本的な伴奏は構成できます。また、Ⅰ→Ⅳ、Ⅰ→Ⅴ、Ⅳ→Ⅴ、Ⅳ→Ⅰ、Ⅴ→Ⅰ、Ⅴ→Ⅳの進行はどれでも成り立ちます。このⅠ・Ⅳ・Ⅴの代わりとして使えるコードが（基本的にはダイアトニックコードの中のものになることが多いのですが・・・）いろいろとあります。これを「代理コード」と言いますが、この細かい法則については、後日改めてお話しようかと思っています。

（「同じフォームを12フレット上に上げれば1オクターブ上の音に来るように出来ている」）

ギターを弾く方にはここの内容はすぐにわかるのですが、ギターを弾かない方は、機会があったらコードブックなどを見てみてください。FとGで、見た目に全く同じフォームが出てくると思います。これはどういうことかというと、全く同じ抑え方で抑える位置をずらすだけで別のコードを抑えられることを意味しています。もちろん鍵盤の場合でも同じことではあるのですが、黒鍵が無いため、ギターの方が分かりやすい･･･と多くのギター弾きは思っているのではないでしょうか(^o^)

（「ペグを回さないと　もったいない!/by アンディ.パートリッジ」）

まず、ペグとはギターの「糸巻き」の部分のことです。もちろんこれを回さなければチューニングができないわけですから、ギターは弾けません。さて、一般的なチューニングの仕方ですが、ギターを買うと普通おまけに音叉がついてくると思います。これを机の角などで叩いて、アコースティックギターの場合、ボディーに根元の部分をつけると共鳴して音が大きくなります。この音が５弦（太い方から二本目）の弦の音になります。まずここをあわせて、これを基準音として、１弦から６弦までをE・B・G・D・A・Eの音にあわせていきます（この音の並び方のことを「レギュラーチューニング」と言います）。
　ただ、ここで、アンディ=パートリッジ言うところの「ペグを回さないと　もったいない」というのはこの意味ではありませんね（笑）。ここで言われているのはいわゆる「変則チューニング」のことだと思われます。番組の中ではパンチさんのギターをレギュラーチューニングのままGの音を出してもらい、やんべのギターをオープンGチューニング（一弦からD・B・G・D・G・D）に変えて音を聞き比べてもらいました。お手元にギターのある方は是非ためしてみてください。この他の代表的な変則チューニングとしてはドロップD（レギュラーチューニングの６弦のEをDまで下げたもの）、オープンDチューニング（１弦からD・A・F♯・D・A・D）などがあげられます。
　変則チューニングの魅力は、レギュラーチューニングでは抑えられないようなコードが比較的簡単に抑えられることがある（逆にいえばそれを可能にするチューニングを考えることもあるようですが・・・）ことと、何よりもその独特な響きにあるのではないでしょうか。

（まとめ）

ギターという楽器は比較的親しみやすい楽器なのではないかと思います。コードをある程度覚えて、「歌本」か何かを弾くと言うことであれば、難しい理屈は何一つ必要がなく、それだけで相当楽しめます。多少の理屈、今日お話したダイアトニックコードの話くらいのことを付け加えると、聞いた曲に大体のコードを乗っけて楽しむとか、自分の作った曲にコードを乗せて弾き語るくらいのことは楽しめるでしょう。また、ギターを極めていこうと言うことであれば、チューニングをいじったり・・・といったことまで含めて相当いろいろな可能性を持っています。
　それぞれのレベルで、それぞれの楽しみ方ができる楽器であること・・・それがギターのいいところじゃないかなと思います。