Maggie's J‐POP論

その6 私が勝手に決めつける「J‐POPベストソング20」
(2004.3.28現在)
とりあえずこんなランキングを作ってみました。古いのと新しいのが混在して実にいいと思っているのは,この私だけ?――とりあえず,5位ごとに軽くコメントしようと思います。なお,1アーティスト1曲限定です。そうしないと,自分なりに厳選して選んだ(?)意味がなくなってしまうので。

第1位 リッスン(米米CLUB,1985)
第2位 Pebana(森広隆,2002)
第3位 LOVE涙色(松浦亜弥,2001)
第4位 You Go Your Way(CHEMISTRY,2001)
第5位 Lonely Butterfly(REBECCA,1986)
――この5曲はほぼ不動です。さらには上位3位も不動です。いずれも聴いてその素晴らしさに“ツボに入ってしまった曲”ばかりです。中でもワンツーは群を抜いてこの位置でした。いずれもバラードで,パーカッションとキーボードのリズムが美しいのがポイントです。
第1位は米米のデビューアルバムで,「その4」でも書いた『シャリシャリズム』のラストナンバー。夏の夜の海岸で聴いてみたい曲です。あと,勝手な妄想ですけど,バンドメンバーが輪になって演奏したらいい映像が取れそうな気がします(うーん,誰にもついてこれないだろうな)。ちなみに,解散時とこのころとは少しメンバーが違っていますし,何より解散時はやたらメンバーが多かった(笑)。
第2位の森広隆は,晩秋の黄昏時に聴きたい曲です。曲のテンポで何となくですが,尾崎豊の『黄昏ゆく街で』(1990)にインスパイアされたのかなって思いました。彼は結構な高音が出るのですが,上手いというよりは元々声が高いんでしょうという感じの歌声。でもバラードには実に合うんですね。何かにつけ得なんですよねー,高音が出るのって。もっとも,彼お得意のギター中心に構成されたアップテンポな曲もなかなかいいです。『並立概念』というアルバムを2002年に出していますが,その中にも入ってシングルカットされた『ゼロ地点』がオススメです(『Pebama』も,シングルになっていてかつアルバムにも収録されています)。
あややの曲は,女性の中ではいまのところトップです。なぜかこれはビビッと来て,ツボに入ってしまった。さしずめ“一目ぼれ”ならぬ“一聴きぼれ”でしょうか。
CHEMISTRYもやっぱりバラードですね。第4位のこの曲は,最後のサビに入る間奏から,サビのトップ「月が照ーらすからー」のハモリまでが大好きです。『My Gift to You』も,サビの「そばにいーてあげよ・うぉー」の,最後の「うぉー」の裏声が大好きですが,なるたけ1アーティスト1曲にしたかったので,ここでは入れていません。
REBECCAは昔から変わらずこの歌が好きです。『フレンズ』が有名ですし,悪くはないですが,私は断然こっちです。曲自体はシンプルながらも,しっかりバンドとして演奏しているのがいい。最後のフェイドアウトになるサビへの盛り上がりが最高です。

第6位 満月のフォーチュン(松任谷由実,1990)
第7位 GET UP(Scoobie Do,2002)
第8位 デェラ・シェラ・ム(CHAGE&ASKA,STARDUST REVUE,2003)
第9位 焼け野が原(Cocco,2001)
第10位 KISSはMAGIC(おニャン子クラブ,1986)
――ここからは接戦です。多分にこの文を書いているときの気分に左右されていると思うので,来年になったらここから下はいくらでも変わってしまうでしょう。
ユーミンはCHEMISTRY同様,いくつも入れたいのですが,とりあえず現時点で一番好きなこの曲に。やっぱり決め手はキーボードとパーカッションのリズムの美しさかな。たしか,この曲も含めて前後数年間,どっかの車会社のCMソングをやっていたと思いますが,この曲が圧倒的上位かな。
第7位は,第3位のあややと同じで,聴いたその瞬間にビビッと来ました。歌い方がどこか無骨なのに,サウンドが徹底的にファンク。それでいて上手く絡み合っているので好きです。第8位はビッグネームがタッグを組むと,こんなにオーソドックスながら,ものすごく極上のアップテンポなポップスができるんだねって感じ。カッコイイです。第9位のCoccoは『けもの道』とどっちにしようかなと思いましたが,基本のサウンドが激しいながら,それをバックアップするストリングスが美しいということで選びました。
そして第10位。おニャン子の曲ってシングル曲は“アイドル・アイドル”していて好きじゃないんですが,アルバムに入っている曲は,この曲をはじめとして結構クオリティが高いのもありますね。徹底的に80年代ポップスって感じなのですが,パーカッションが効果的に入っているのが印象的。クレジットを見ると結構なミュージシャンが演奏しているのですが,ヴォーカルを取った福永恵規・内海和子の歌が,それに負けずに全体通して安定しているのもいいです。

第11位 ヨイトマケの唄(桑田佳祐,2002)
第12位 evergreen(MY LITTLE LOVER,1995)
第13位 Twilight Bay City(杉山清貴&オメガトライブ,1985)
第14位 恋の惑星(ORIGINAL LOVE,2002) 
第15位 街角〜on the corner〜(ゴスペラーズ,2004)
――第11位に入れたのは,ご存知元々は美輪明宏の曲。「歌詞に問題がある」ということでなかなか聴けなかった曲ですが,桑田佳祐が「音楽寅さん」でたしかカバーしたんでしたっけ。私,歌詞を聞いて感動するってめったにないんですが,この曲は久しぶりに感動しました。とっても泥臭くて生々しいんですが,本質的に人間…いや男性が求める原点のような気がします。
第12位は同名タイトルのアルバムのラスト。全10曲ですが,他の9曲とは明らかに趣を異にする壮大なナンバーです。個人的にはドラムの音がすごく好きで,音からして多分外国人が叩いているんだろうなと思ってクレジットを見たら,案の定でした。もっとも,よく知らない名前でしたけど(笑)。
第13位は,最近リリースされ購入した『THE OMEGA TRIBE』というベストアルバムに入っていて知った曲。少し古い,シンセサイザーを使い始めたころのサウンドって気もしますが,決して廃れた感じは抱かせません。タイトル通り,その時間帯に首都高に乗りながら聴きたい曲です。ヒット曲『ふたりの夏物語』も好きですし,杉山ソロの『最後のHoly Night』も好きですが,いまはこれかな。まさしく「来年はどうなるか分からない曲」でしょう(笑)。
第14〜15位も,これまた「来年はどうなるか分からない曲」です(笑)。でも,ORIGINAL LOVEって,去年リリースしたアルバム『踊る太陽』では,なかなか質の高い曲が多いですよ。そのアルバムにも入っているこの『恋の惑星』はたしか,金曜日の夜9時からフジでやっている2時間枠ドラマのオープニング曲。サビの頭の「CARRY ON〜」は,テレビでは「FRIDAY NIGHT〜」になっていました。布施明に送ってセルフカバーした『のすたるぢや』も,しっとりしていていいですよ。……あと,ゴスペラーズはいまのとこ,この曲ってことで(笑)。

第16位 to Heart(KinKi Kids,1999)
第17位 GET BACK IN LOVE(山下達郎,1988)
第18位 DRIVE(黒夢,1997)
第19位 MY DESIRE〜冬を越えて(SING LIKE TALKING,1994)
第20位 THE TSURAI(爆風スランプ,1986)
――後はどうでもいいや……って,それじゃいけない(笑)。
キンキは堂本剛の歌声がいいですよね。光一くんが割とストレートでピュアな歌い方するのに対して,剛くんはちょっと“斜に構えた”歌い方していますよね。その差が,オリジナルソロアルバムを出しているか否かの差でしょうか。
山下達郎は『土曜日の恋人』(1985)かこの歌です。『土曜日の恋人』は「オレたちひょうきん族」のエンディングでしたっけ? でも,このバラードは私の“山下達郎初体験”なので,印象の差でこっちです。山下達郎の曲って,実はバリバリ打ち込みなんですけど,ちゃんとドラム・ベース・ギターのバンドが演奏しているので,サウンドに重厚感がありますね。これは織田哲郎にも言えることですが。
黒夢は「その1」にいろいろ書いていますので,それを参照いただければと思います。ライブで聴くと,『SICK』『カマキリ』(いずれも1997 BURST VERSION)がワンツーなのですが,普通のアルバムで聴く場合は『DRIVE』かな。アルバムとしては『Drug Treatment』(1997)です。
SING LIKE TALKINGのこの曲は,冬のスキー場でヘビーチューンになってもいい曲ですよね(スキーはやらないので,スキー場にかかっている曲ってよく分からないのですが)。サビに入る辺りで,軽く“コザック”入ってもいいですよ(笑)。冬のスキー場でかかるには,広瀬香美やユーミンよりもよっぽどいいです。
ラストは爆風スランプ。このバンドでもったいなかったのは,希代のベーシスト・江川ほーじんが抜けてしまったこと。皮肉にも彼が抜けた後で『Runner』が売れてしまいましたが,江川のベーシストとしての凄さは,ギター界における布袋寅泰に匹敵します。間奏のチョッパーベースって,表現が古いですが,すごいしびれます。一度でいいから生で見てみたかったです。そもそもチョッパーベースって,日本では江川ほーじんが始めたとかって記憶しているんですが……それはウソか(笑)。(おわり)

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