can't stop lovin' OKINAWA
 
11時半、那覇空港に到着。搭乗したのは、便が空いている都合でANA。2004年7月以来の搭乗だ。
 
今回は沖縄本島で飯メインの旅とあって、レンタカーでわさわさとあちこちへ移動とかいうものではなく、飯以外は近場をチンタラ歩いて…という嗜好に。スケジュールはスカスカだ。まずは昼食を食うべく、ゆいレールに乗り旭橋駅で下車。バスターミナルとは逆方向へ。
 
その逆方向は那覇港を有する港湾地区。陽射しがまぶしい。
 
ホントは別のお目当ての店があったのだが、見つけ損なってしまいプラプラしていたら、もう一つ行ってみたかったお店で、巨盛で(沖縄好きには)有名な「波布食堂」の裏手に出た。ならばと、ここに入ることに。
 
店のそばはこんな感じ。いかにも港湾施設だ。
 
トタンでできた飾り気のないお店。港湾施設で働く人用に作られた大衆食堂である。
  
中は40〜50人ほどが入れるが、土曜日にもかかわらず大盛況。作業服7割だが、スーツと一般客と観光客もちらほら。注文はセルフサービスでカウンターで。厨房は女性4人が戦闘モードだった。さあ、何にするか……。
  
オーダーしたのは650円のカツ丼。札を渡されて待つ。「沖縄まで来てカツ丼かよ」と言うなかれ。600円の「肉そば」とともに、名物料理として(沖縄好きには)知られている。「肉そば」は、沖縄そばの上に丼の深さと同じくらいにうず高く野菜炒めが盛られたもので、そばに達する前にお腹いっぱいになってしまうとも言われている。この日もたくさん注文されていたが、沖縄そばがそれほど好きでないもんで、食いきれずに残すのがもったいないこともあって、今回は注文しなかった。言わずと知れた「ゴーヤチャンプルー」もあるが、この店ではゴーヤーを2本丸ごと使うとか。
テーブルを見渡すと、結構出てくるのを待っている人がいる感じだ。時間がかかりそうだが、こちらは予定を入れていないから気長に待とう。空腹で飯が一層美味くなるかもしれないし。
 
上記のようにセルフサービスで、お茶は備え付けのポットで勝手に自分で入れるのだが、別途コーヒーマシーンでコーヒーが100円で飲めたり、こんな懐かしい冷蔵庫で冷えたビンジュースも100円で飲める。
 
20分ほど待ったか、カツ丼が出てきた。大盛の部類にはなるが、巨盛ってほどではなく、見た瞬間「これなら食える」と思った。東京だったら800〜900円はすると思うが、650円とはさすが沖縄は安い。味付けも濃い味付けで私好み。豚肉がいい意味でほどよい厚さで、塩コショウが抜群に効いて食欲をそそり、見事に完食できた。ただし、汁代わりのそばを食った瞬間、一気に腹が膨れた。
 
カツ丼を食べ終わって腹ごなしをすべく、周辺をウォーキング。もう何度も来ている那覇といえど、まだまだ歩いていない場所も多い。那覇港一帯もその一つだ。とりあえず西へ進むと、でかいロワジールホテルがあった。
  
そのロワジールホテルの脇の路地を入ると、「三重城(みえぐすく、みーぐしく)」という史跡があった。バスの営業所名として何度か耳にしたことがあったが、なるほど史跡になっていたのか。もちろん、来るのは今回が初めて。鬱蒼とした感じがいかにも聖域って感じだ。階段を上がることにしよう。
 
階段を上がると、海を眺望する位置に拝所があった。元々は、16世紀に倭寇対策として砲台が設置されるなど、港を護る要塞の役割をしていたそうだが、その後は遠路はるばる船で航海していく人々を見送る場所になっていったようだ。今のように交通が発達していなかった時代、八重山や宮古などからやってきた人たちは、ここから故郷の方角に向かってお祈りをしたという。
  
ちょうどこの辺りは国場川の河口になるようだ。右上は、ロワジールホテル方向を振り返って撮影。
  
自然にできたのか、自分たちで作ったのか、こんな拝所も見つけた。帰り際には、メインの(?)拝所にもシートを持って女性3人がやってきて何やら準備をしていた。
 
ふと遠くに目をやると、ちょうど飛行機が着陸しようとしているところだった。
 
史跡を後にして北へ進路を取ると、三重城バス停。近くにバスの車庫でもあるのかと思ったら、高いマンションとホテルの建物の谷間にバス停があるのみだった。
 
20分ほど歩いていくと、波之上地区へ。木陰でタクシーの運ちゃんたちが集団で休憩中。この辺り、かつては花街として賑わったという一帯だが、今じゃその面影はまったくなく、いわゆるラブホテルが多かったです。
  
波之上宮。2005年12月にも来ていて(「前線と台風のあいだ」後編参照)、今回が2度目。鳥居と境内を写真に収め、100円でおみくじを引く。結果は「末吉」だった。
  
そばには戦争関連の慰霊碑などもある。
  
展望台より那覇市内(左上)と波之上橋・波之上ビーチ方向(右上)を見る。天気がよくて気持ちよかった〜。
  
波之上宮の下にある波之上ビーチ。人工的に作られたものとはいえ、砂浜のきれいさが個人的には気に入っている。この日は本島南部の南城市で海開きがあったようだが、歩いていると長袖シャツでは汗ばむくらいの陽気に、ここ波之上ビーチでもちらほらと甲羅干しやプチ海水浴の姿も見られた。(第2回につづく) 


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