好きまでの距離感
〜第十三話〜



屋上へと出る、重い鉄製の扉を開けて外へと出る。

表は快晴。
外でメシを食うには最高の環境ってやつじゃない?

季節的には肌寒いかなとも思ったけれど、お日様が出ているせいかけっこう暖かかった。
さてどこに座って桂一郎を待とうかな…と思ったけれど、既にあいつはそこにいたんだ。

自分なりに早くに教室を出たつもりだったけど、その俺より早くにあいつは待っていた。
「よっ、早いな。もう、来てたのか?」
ちょっと驚いて声を掛けると、あいつが少し目を細めて頷いた。

相変わらずっていうか。ホント、時間厳守な奴。
こいつって、いっつもこうなんだよな。

俺は結構時間にルーズっていうか、適当だったりするけれど、桂一郎はマメでスッゴイ律儀なんだ。
くそ真面目って言ってもいいかもしんない。
それに努力家で、地道に物事を進めるタイプなんだよね。

部活動でやっている剣道だって、そう。
あれ、本当は最初、俺と二人で始めたんだよね。
今は亡くなっちゃったじいちゃんが昔やっていた影響もあって、俺達二人に勧めたんだ。
最初は面白かったけど、段々しんどくなってきたし、練習も辛いから俺は途中で挫折してしまった。

でも桂一郎は違ったんだ。
最初は俺より駄目とか言われていたけれど、コツコツ努力して、練習も真面目に取り組んで、今はちゃんと段持ちなんだもんな。

あいつの生真面目さは、ある意味尊敬に値するとも思っている。





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