好きまでの距離感〜第三話〜



一緒?
一緒がいいってどーゆう事?って思ったね。
あいつの言っている意味が分からなくって、俺はついあいつの顔をまじまじと見てしまったんだ。

そうしたらあいつも俺の顔を見て…何故だか、ちょっとびっくりしたような顔してたっけ。ついでに顔が赤かったような気も…してたような…。

うん。とにかくあいつに何で俺と一緒がいいんだって詰め寄ったんだ。
「何で俺と一緒なのさ。桂君にはちゃんとお友達がいるだろう?僕とは関係ないもん」
「で、でも僕は和君がいいんだ。他の子より、和君といたいから」
あんま顔の表情を変えない奴がさ、やけに真っ直ぐな目をしてそう言ってきた。

正直、俺は不思議な気分を味わっていたんだ。
だってこっちに引っ越して来てからさ。知り合いなんて目の前にいる桂一郎くらいしか俺は確かに知らなかった。
他に知り合いなんかいなかったから、仕方なく桂とばっか一緒にいた記憶はあった。
でも…でもだ。
桂といたけれど、そんなに言われるほどに仲良かったっけ?って感じなんだよね。
空いている時間を一緒に過ごしてはいたけれど、俺といてもそんなに楽しそうに見えなかったから。

なんせガキの頃から桂一郎ってば顔の表情が変わらない奴だったからなぁ。
喜怒哀楽の上下の振り幅が狭いのなんのって…。

もっとも…。
その分、俺の感情の振り幅がでかすぎるとは良く言われるけど…。って、今はそんなこと言いたい訳じゃなくって。

え〜っと…。だから。つまり。
あの時俺といたいっていう桂一郎の言ってる意味が分からなくって、あいつの言葉を素直に嬉しいと思える事さえ出来なくって、それでつい言っちゃったんだよね。

「何で俺と?どうせ桂君だって、他に親しい子がいたらそっち行くんだろう?俺の事なんかほっちゃってさ」

今思えば、これってば只の甘えだよね〜。
俺に構ってくれる桂一郎に八つ当たりしてるみたいな。もしくは拗ねてるだけ?みたいな。
優しくしてくれた桂一郎に、母さんにも姉ちゃんにも言えなかった言葉をついぽろりと言ってしまったんだ。

「どうせ桂君だっていなくなっちゃうんだ。父さんだって僕の事、置いていなくなっちゃったんだもん。母さんや姉ちゃんの事嫌いになって、お家からでていっちゃったんだ。僕の事も嫌いになったんだ。だからどうせ桂君だってそうなんだろう?側になんて、いなくなるに決まってるんだ」

なんかさ、父さんと桂一郎とかの事も全部ごちゃまぜ。
俺ってばさ、どうしようもないくらいにガキだよね。

で、そのときにあいつに言われたんだ。
あの台詞をさ。





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