MINIのデザインはこう決まった!
![]() top |
![]() impression |
![]() 2nd Anniversary |
![]() Design |
![]() photo |
![]() Link |
![]() Blog |
|
|||
MINIデザインのキーワード MINIのデザインについて、いくつかのキーワードでお話しようと思います。 まず、「形は機能に従う」ということです。形は機能に従うべきであって、スタイルに従うべきではありません。MINIは1956年に、燃費が良く、スペース効率の高いコンパクトカーをコンセプトに作られました。フロントエンジンの採用で、小さなボディで最大限のスペースを実現しました。 もうひとつのキーワードに、「整然さと複雑さ」の両方を備えている点があります。MINIは、非常にシンプルで整然として、古くならないエクステリアと、複雑で高機能なインテリアにはっきりと分かれています。これにより、飽きの来ない外観と、高機能なインテリアという、両方のユーザーニーズを満たしています。 MINIは以前のものよりもかなり大きくなりましたので、「これでもまだMINIなのか?」という方もいらっしゃいます。しかし、最初にMINIが作られてから、40年も経っているのです。この40年の間に、人類の標準的な身長は10cmも大きくなりました。また、衝突安全性など要求される性能も高くなっています。これらを全て統合すると今のサイズになりました。 MINIのインテリアは、非常にスポーティで個性的です。そして、真似のしにくいものになっています。よいデザインとは、真似がしにくいものです。どんなものでもコピーは可能だと思う方もいるでしょう。しかし、我々のデザインは非常に複雑で込み入っていますので、たとえ真似をしてもコストに見合いません。我々のデザインプロセスでは、常に真似の出来ないデザインを目指しています。 次のキーワードは「エモーショナルなスカルプチャー」です。インテリアは非常に複雑なデザインですが、エクステリアは非常にエモーショナルな造形をしています。 「車輪上のスタンス」は、MINIのデザインにとって非常に重要です。MINIは、車体の四隅に車輪があるところが、大きな特徴となっています。オーバーハングがなく、非常にコンパクトにまとまっています。これは、見た目に安定した印象を与えるだけでなく、運転した時にもダイナミックな感覚をもたらしてくれます。 我々のデザインのルールのひとつに、「カスケーディング」(滝のような流れ)があります。ボディは下から上にかけて3つのパートに分かれ、下から上に行くに従って徐々に小さくなります。これは安全性の高い印象を与えます。 そして、「ダイナミックなオリエンテーション」。MINIを横から見ると、ルーフ、ガラスのエリア、そしてボディ下部の3つが水平のラインで分かれています。これも特徴的でコピーのしにくいデザインとなっています。もちろん、クラシックなMINIが独立した屋根を持っていた影響もあります。また、少しウェッジシェイプにすることで、ダイナミックな雰囲気を出しています。 また、MINIは、10個のアイコンで特徴づけられています。ヘッドライト、ウインカー、ルーフ、ホイール、グリル、テールランプ、インテリアなどです。これらのアイコンがひとつでも目に入れば、それがMINIだと分かります。また、特に印象的なヘッドライトとウインカーのコンビネーションは、ビューティーポイントと呼んでいます。これらのアイコンは、将来に渡る自動車開発のレシピとして利用することができます。 プロセスを常にコントロールする組織 もちろん、こうしたデザインの背景には、戦略があります。戦略は非常に重要です。開発チームが集まると、まず最初に戦略について話をします。我々の開発プロセスでは、要求から意思決定に至るまでの様々な要素がモザイク状のマトリクスとして配置され、これに沿って戦略のコミュニケーションや評価を行います。デザインにおいては、今プロセスのどこにいるか、どうやってプロセスをコントロールできるかといったことを把握することが大切です。自動車デザインは巨額の費用がかかり、短期間で開発しなければなりません。プロセスを常にコントロールするために、このモザイクがとても役に立ちます。 ただし、どんな戦略も、クリエイティブな人材がいなければ意味がありません。人間は何百年も前からデザインの法則を作ろうとしてきました。法則を作ることは出来ますが、それを使った結果が同じとはかぎりません。デザインは依然として個人の能力に因るところが大きいのです。 また、MINIのデザインの秘密に、人間の肉体を原形としている点があります。人間の肉体としては、男性、女性、小さな子供の3つのタイプがあります。頭が大きく体が小さい子供のプロポーションは、ハッピーで守ってあげたい気持ちにさせます。大きなキャビンと、小さなボディです。男性の体は、肩幅が広く、がっちりしていて、頼もしい感じがします。MINIも肩幅が広くなっているため、中に乗ると車に守られている感じがします。女性的な要素は、繊細で官能的なボディ形状です。これらの異なる要素をひとつの製品に統合することで、特定の層をターゲットにした商品にならないようにしています。 BMWグループのデザインシステム BMWグループのコンピュータデザインシステムについてもお話ししましょう。スケッチから作られたエクステリアやインテリアのモデリングデータは、CAS(Computer
Aided Styling)に転送されます。このデータを使ってアイデアやスケッチを練り直してフィードバックします。CASデータは、ビジュアライゼーションやマネージャーへのチェックに使われます。 我々は人数がそれほど多くありませんので、こうした新しいシステムを使っていく必要があります。デザインはこのシステムを使って承認します。また、ディテールに関しても、迅速にプロトタイプを作ることができます。これによって、モデルを素早く構築し、質の高い車の設計ができます。デジタル技術は、我々のプレゼンテーションを迅速にしてくれます。デザインは、リアルタイムのビジュアライゼーションシステムを使って、何度もチェックを行って間違いのないものにします。その後クレイによるプロトタイプを製作しますが、ここでは、職人芸が生きています。 これから使おうとしているものには、リアルタイム技術があります。例えば、3次元のモデルデータの上に、直接スケッチをするものです。車の3次元モデルを画面上で見ながら、タブレットで修正したい部分のラインを描くと、それがモデルの上に直接、リアルタイムに描かれます。 また、非常に高解像度のリアルタイムレンダリングもあります。このシステムを使うと、車体やホイール、インテリアのファブリックなど、全てのディテールをリアルタイムに、非常に高解像度にチェックすることができます。色やマテリアルもその場で変更することができます。インテリアも含めたデータを扱えるので、人間工学的な要素も見ることができます。モデルのラインやサーフェースのチェックも可能です。車がほぼ完成すると、経営層へのプレゼンテーションにも使えます。さらに、簡単な操作で経営者がリアルな背景の中、画面上で車を動かしてみることができるようなシステムも用意しています。 |
![]() top |
![]() impression |
![]() 2nd Anniversary |
![]() Design |
![]() photo |
![]() Link |
![]() Blog |