A :
abs ( アブス ) ： [ 計測 ] Absolute( アブソリュート= 絶対の、絶対的な )の略。
計装分野では主に圧力の単位の末尾に付加して絶対圧力であることを示す場合が多い。例:4～10kPa abs
AC ： alternating current の略語。交流
Acc ： accmultor( アキュームレーター)の略語。累算器。
PLC( programmable logic controller )やマイクロ・コンピュータのCPU内にある演算結果を( 累算的に )格納するための特殊レジスタ。リザルト・レジスタともいう。
Access( アクセス )： 接近、接触などの意味だが、コンピュータでは「呼び出す」という意味で使用される。
Access time とは特定の情報やデータを呼び出すのに要する時間。
ActiveX（アクティブエックス）：マイクロソフト社のインターネット対応アプリケーションやインターネットコンテンツを開発するための技術の総称。
サーバー側とクライアント側の技術とがある。インターネット・エクスプローラはクライアント側のActiveX技術である。
インターネット・コンテンツの機能を拡張するためのVBSなどのスクリプトやOLE技術のインターネット版であるActiveX Controlもクライアント側のActiveX技術である。サーバー側の技術としてWWWサーバーそのものや、その機能拡張を行うためのInternet Sever APIなどがある。
ちなみにこの辞典の検索機能はJava Scriptで実現している。
ActiveX Control ：OLE技術をインターネット用に拡張したもの。OLEはアプリケーション間でのデーター転送や共有を行うための仕組みでDDEから発展した。ActiveX ControlはOLEコントロールと同様にVBで使用できるが、HTML文書の中に埋め込むこともできる。
ACK （アック）： acknowledge（承認、確認）の略語。
肯定応答。通信などでデータ－を正しく受信できたことを送信側に報せる事。
AD、A/D、ADC （ エーディ、エーディシー、エーディ変換器）： Analog-to-digital converter( アナログ・デジタル変換器 )の略語。アナログ量をデジタル値に変換するデバイス( 機器、素子)
Add ( アダー )： Adder の略語。加算器。PLCやマイクロ・コンピュータの加算命令。
Address ( アドレス )： 番地。郵便物の宛名。電子メールの宛先。[コンピュータ] 記憶装置内の特定情報の所在位置。
add-in ( アドイン )： [ コンピュータ ] アプリケーション・プログラムに組み込んで、その機能を補完・強化するプログラム。「～に～をアドインする」といった外来語の動詞的な使い方をすることもある。
用例: インターネット・エクスプローラに自動翻訳ソフトをアドインして英語のサイトを閲覧する。
Admini、Administrator (アドミニ、アドミニストレーター )： [ ネットワーク、コンピュータ] ネットワークの管理者。LANなどのシステムを管理するもの。コンピューターの全ての機能を使う権限のあるもの。
Admittance ( アドミタンス )： [電気・電子] インビーダンスの逆数。記号はY。単位はジーメンス(S)。交流回路における電流の流れやすさ。インピーダンスを用いるより計算に便利な場合がある。
Advanced- control ( アドバンスド・コントロール )： アドバンスは、進んだ、高度な、などを意味する形容詞だが、計装では古典制御理論の枠を越えるか又はそれに基かない自動制御方式の総称。
PID制御などの古典制御理論では制御系の挙動を、単一のプロセス変数( 流量、圧力、温度等)に対する関数(伝達関数）として捉え、線形微分方程式で記述するが、現実のプラントは非線形であることが多く、また複数のプロセス変数が相互に干渉しあっているのが普通である。このため様々な新しい自動制御方式が試みられ、実用化されているものも多い。古典制御理論の延長上にある2自由度PIDやPIDに非線形要素を付加して、プロセス変数の相互干渉を抑制する非干渉制御、古典制御理論での伝達関数を用いず、複数のプロセス変数を状態マトリックスとして配置した状態方程式で記述する現代制御理論による方法、プロセスの数式的モデルの不確かさ、環境の変化、機器の劣化などを考慮にいれたロバスト制御などがある。
AI ： [コンピュータ] Artificial intelligence(人工知能)の略。
人間のもつ言語能力、学習能力、問題解決能力などをコンピュータで実現すること。エキスパート・システムやニューロ・ファジーコントローラなどの実用例がある。
ANSI (アンジ－、アンシー ) ： American National Standards Institute(米国国家規格協会)の略。日本のJIS（Japan Industrial Standard：日本工業規格）にあたる。
anti
reset windup( アンチ・リセット・ワインドアップ) ：積分飽和防止。過積分によるオーバーシュート( またはアンダーシュート)を防止する事。スタート時などの大きな偏差による過積分でコントローラがreset windup(積分飽和)がすることを防止する事。
積分飽和すると大きなオーバーシュートが発生するので、特にバッチ・プロセス用のコントローラには必須の機能である。様々に手法が考えられているが、偏差がある範囲に入るまでは積分演算を禁止し、比例制御または2値制御的に動作し、範囲内に入ったところでPID演算またはPI演算を開始するという方法がよく用いられる。
( reset
windup 参照 )
Analog ( アナログ )： 類似、相似などの意味だが、digital(デジタル)に対する言葉として使われる事がおおい。物質の状態やプロセスの挙動などを連続的に変化する物理量で表現することをいう。飛び飛びの値をとるデジタルに対して連続的な実数の量と考えると理解しやすい。
Answer back( アンサーバック ) ： 動作指令に従って正しく作動していることを(指令側)に返すこと、またはその信号。answer back signal。
バルブを開閉した時の開閉状態を示すリミット・スイッチからの信号など。
Archive ( アーカイブ )： [ コンピュータ ] 保管所、書庫、保管や転送の為に複数のファイルを一つのファイルに纏めること、または纏めたファイル。多くの場合ファイルは圧縮されて格納される。Archiver( アーカイバー)はこれを行う為のプログラム。
Architecture ( アーキテクチャー )：①[ 建築 ] 建築術, 建築学; 建築様式[方法], 建築体系。②[ コンピュータ] ハードウエアの論理的構造（アドレッシング方法やアクセス制御方式、コードの処理サイズ等）
Astnex（アストネックス）： [ 計装 ] 横河電機㈱社製のPLC／パソコンベースのDCS。ループ制御とシーケンス制御を融合し、混合、反応などのバッチプロセスや一般のDCSよりも高速応答を必要とするプロセスなどに用いられる。MMI(マン・マシン・インタフェース)部分はWindows(NT等)をOSとするパーソナル・コンピュータで、GUI(グラフィック・ユーザー・インターフェース)として世界的に定評のある米国インテル－ション社製のFIXを採用している。WindowsとFIXの採用によりExcel等のマイクロソフト社製品にオープン化されている。
AND( アンド )： logical and( 論理積 )、大文字で表記する。” & “とも書く。 集合論や論理学での積( 演算 )、ブール代数での積。
集合論では二つ以上の部分集合の重なり合った部分。”∩”または”∧”で表される。C =Ａ∩B とはＣは「ＡでかつＢ」と言う意味。
例えばAを女性の集合( 集まり )、Bを18才以上の人の集合とすると、その積(アンド)集合 C=A∩Bは18才以上の女性の集まりということになる。
ブール代数ではC = A・B（ CはA×B ）と表現される。
コンピュータ、電気回路、ロジック回路では、2つ(以上)の2値論理入力( 1か0のどちらかしかとらない入力)または論理入力素子が、双方(全て)とも1(真)の時、1( 真 )となる事、または素子や回路。電気回路では接点やスイッチの直列接続となる。これに対して並列接続の場合はＯＲ（” ～又は～”）となる。
API ：application program interface（ アプリケーションプログラムインターフェース）の略語。特定のOS 環境で走るアプリケーションプログラムの構築を可能とするためにOSが提供する統一的ユーザーインターフェースを備えた一連のツールルーチン類。
AT ( オートチューニング )：Auto Tuningの略。PIDパラメーターを自動設定する事。
PID制御系の3つのパレメータ、即ち比例感度( または比例帯 )、積分時間、微分時間を求める方法にはステップ応答法や限界感度法などが知られているが、いずれも安定状態にある系に意図的に外乱を与え、その挙動を観察することを主眼としている。この為、遅れの大きな系では観察に長時間を要し、また挙動の解釈にもある程度の経験を必要とするなど、実際にはそれほど簡単ではない場合も多い。特にプラントの立ち上げ時などでは複数のPID調節器を同時にチューニングしなければならず、ベテラン技術者の勘に頼っているというのが実情のようである。AT機能付きPID調節器(計)は、内部に搭載したマイクロコンピュータが人間に代わってステップ応答法などのチューニングアルゴリズムを実行し、最適値に自動調節するものである。
チューニングアルゴリズムとしては、ステップ応答法、リミットサイクル法などがよく用いられるが、最近はファジーやニューラル・ネットワークを応用したものもある。
B :
BAT ： バッチファイルであることを示す拡張子。Batch file を参照。
Batch ( バッチ )： 回分。連続に対する言葉で、1回分毎に分けての処理や操作。
バッチ生産方式とは、原料を一回分毎に処理して一回分毎に製品を生産する方式で、その回分をロット(lot)という。
バッチプロセスは、
① 生産単位が少量で多品種であること、
② 多数の工程によって構成され、工程内に人間の操作が介在することも多い、
③ 非定常操作が基本である為、機器の故障やトラブルが多い、
④ 機器トラブルやヒューマンエラーは工程のどの段階でも起こり得るので定型的な異常処理手法が確立しにくい。
⑤ 定期的な洗浄が必要であるうえ、品種切り替え時などにも洗浄を必要とし、洗浄手法も定期洗浄と異なる場合が多い、
などの特徴があり、連続プロセスに比べて複雑な管理を要求される。
現在ANSI／ISA S88でバッチプロセスの管理に関するyougoの定義や、管理階層の定義が標準化されている。
S88では、生産手法をレシピと呼び、階層化されたSFC( Sequential Function Chart )で表現されている。具体的な設備に依存しない生産プロセスそのものをあらわす最上位層をジェネラルレシピ、設備を反映して工程を表現した中間層をマスターレシピ、工程内の個々の機器の動作を記述する最下層をコントロールレシピとしている。
Batch file( バッチファイル)： コンピュータに実行させたい一連のコマンド( バッチコマンド )を記述したファイルの事。コンピュータの世界ではバッチは一括処理の事で、事前に全ての指示を与えておき、一挙に処理することをいい、対話を意味するインタラクティブとは反対の言葉とされている。
バッチファイルは、これを記述したファイルで、MS・DOSでは拡張子がBATとなっている。バッチコマンドには、IF やFor などの処理の流れを制御するコマンドが容易されており、一種の簡易言語である。
Batch counter ( バッチ・カウンター ) ： 設定機能付きパルス積算器のことで、流量パルス発信機能付きの流量計などと組み合わせて、原料の仕込みなどに用いる。
Boot、Bootstrap（ブート、ブートストラップ）：bootは長靴、bootstrapはブーツを履くときに引っ張りあげるための紐のことだが、コンピュータを起動することを言う。池に落ちたホラ吹き男爵が、自分の靴の紐(bootstrap)を引っ張って自分自身を池から摘み上げた、というホラ話から、「自力で興す、自力で進む、」という意味で使用される口語から生まれた言葉。コンピュータの電源が投入されると、まずシステムROM内の小さなプログラムが起動して、デバイスの初期化などを実行した後、OSをロードして、制御をOSに移す。OSは自分自身の初期化を実行して、OSに必要な機能を次々にロードし、自分自身を構築してゆく。
この一連の過程がホラ吹き男爵の説話とそっくりだとしてコンピュータを立ち上げることをbootstrap といい、さらに簡略化してbootと言うようになったようだ。
BOD： Biochemical Oxygen Demandの略で、生物化学的酸素要求量（単位mg/l）のこと。微生物が有機物を分解するとき消費される酸素の量。
ＢＯＤ値が高いことは、有機物濃度の高いことを意味する。
Bode diagram( ボード線図、ボーデ線図 ) ： 自動制御系の周波数応答を示す2枚一組の線図。ゲイン特性曲線( 線図 )は横軸に角周波数ωの対数目盛、縦軸に常用対数を20倍した目盛りをデシベル(dB)として用いる。周波数応答の大きさをゲイン( gain )というが、通常はこのデシベルで表す。
いっぽう位相特性曲線(線図)は、横軸に角周波数の対数目盛りを、縦軸には位相角を度目盛りで表したものである。
ひとつの周波数応答を示すのに2枚の線図を必要とするが、位相余裕を容易に求めることができるから、安定判別や過渡応答を推定して、制御特性の改善に利用される。
Bourdon tube( ブルドン管 ) ：管先を閉じた偏平な断面をもつ円弧状の管で．内圧が加わると、管がふくらみ円弧の半径が大きくなるように変形することを利用して圧力計として用いられる。C形，つる巻形，渦巻形，ねじり形など様々な種類がある。金属製が多いが精密測定用に石英ガラス製のものもある。
Building block system( ビルディング・ブロック・システム ) ：小規模なシステムから、入出力デバイスなどの追加によって大規模なものを構築してゆくことが可能なシステム。
C :
CAD ( キャド ) ： Computer Aided Design( コンピュータ援用設計 )の略。
コンピューターを用いた設計。 設計のコンピューター化。 単に設計図の作成を支援するだけの比較的簡単なものから、3次元モデルの作製やその加工編集、各種の最適数値計算、データ-ベースからのパーツ等の自動選定や自動配置、シミュレーションまでできる高度なものまである。
CAM ( キャム ) ： Computer Aided Manufacturing( コンピュータ援用生産 )の略。
生産のコンピュータ化。CADの考え方をさらに発展させて、製品の生産に(コンピュータを)応用すること。コンピュータ制御製造装置。CAD/CAMシステムとは、CADソフトウエアとロボットや自動機械などのコンピュータ制御機械を統合して設計から製造までをひとつのシステムとしたもの。→ CIM参照。
CAE ： Computer Aided Engineering( コンピュータ援用エンジニアリング )の略。エンジニアリングへのコンピューターの応用。設計上の着想などを試すCAEシステム、CAEソフトなどがある。
CIM ( シム) ： Computer Integrated Manufacturing (コンピュータ統合生産)の略。
CAE、CAD/CAMなどを統合した生産。コンピュータにより製品構想から設計( CAE )、 図面起こし( CAD )、数値制御された生産( CAM )までを一貫作業する事.
CVCF ( シーブイシーエフ )：Constant
Voltage Constant Frequency( 定電圧定周波数[電源] )の略語。(商用)電源の一時的な喪失( 停電 )や電圧の低下、負荷の変動などがあっても安定した電圧と周波数を供給できるようにする装置。UPSのうち交流出力のもの。(
UPS 参照 )
D :
DA、D/A、DAC ( ディエー、ディエーシー、ディエー変換器）： digital-to-Analog-converter( デジタル・アナログ変換器 )の略語。デジタル値をアナログ量に変換するデバイス( 機器、素子)
D-action、Derivative-control-action( ディー動作、微分動作 ) ： 偏差の変化率に比例するような制御動作。D動作は偏差を時間で微分した値、即ち偏差の変化速度に比例した出力を発生するが、それ自身に偏差を低減したり無くしたりする機能はない。従って単独で用いられることはなく、比例動作や積分動作と組み合わせてPD制御系、PID制御系を構成する。
その目的は、偏差の変化速度に注目することによって、偏差の値が実際に大きくなる前に修正動作を先回りさせることで、PD制御、PID制御の応答性を改善することである。
ｍ = Kd・de／ｄｔ
( ｍ = 出力、e = 偏差、Kd は定数 ) [比例制御 参照、PID 参照
]
DCS ( ディシーエス )： Distributed Control Systems ( 分散制御システム )の略。
コンピュータのプラント制御への応用は、黎明期にはプロセスコンピュータによって多数の機器を直接コントロールするDDC( Direct dgital control )方式が試みられた。しかしこの方式は、プラントの規模が大きくなればなるほどコンピュータに高い処理能力が求められ、コストの面からもまたメンテナンスの面からも大きな問題があった。さらに致命的な欠点として、コンピュータのシステムダウンが直ちにプラント全体のダウンにつながることや、バグや故障による異常動作がプラント全体の破局的挙動を招きかねないことであった。
こうしたリスクを回避するために1975年ごろ登場したのがDCSである。まずMMI( マンマシンインタフェース)部分と、制御部分をそれぞれ個別のCPU 単位として分離し、さらに制御部分もフィールド毎に別々のCPUをもつ制御ユニットとして分離することで、危険分散をはかっている。これにより異常やダウンはそれぞれのCPUの管轄する局所に限定され、全体の危機を回避することがきるとともに、復旧作業も容易となった。またコスト面からは、制御ユニットを増やしてゆくことでプラント規模に応じたシステム構築が可能であり、高価なプロセスコンピュータを必要としなくなった。
背景にはマイクロコンピュータ技術の飛躍的な発展と普及があった。
DDE ： Dynamic Data Exchange の略。Windowsアプリケーション間でのデータのやり取りを行う為の手順のひとつ。これをさらに高度化したものがOLEである。DDEやOLEは最近のDCSのオープン化の流れによって、スキャダシステムとMs Excelとのデータのやり取り等に利用されている。
Dead lock( デッドロック)：並列走行する二つ以上のシーケンス・プログラムにおいて、同時に実行されてはならない排他的な処理や工程が存在する時、お互いに相手の処理の終了や工程からの離脱を待つことによって睨み合いが発生し、シーケンスがその工程で停止して、抜け出せなくなること。
Discrete Process ( ディスクリート・プロセス)：離散的プロセス。連続プロセスに対する言葉。
processという語は過程、経過などを意味する名詞で、語自体に’連続’という概念を含まれているように感じる。いっぽうdiscreteは、「個別の」、「別々の」、「飛び飛びの」、などの不連続を意味する形容詞であるから、discrete processという合成語はやや言語矛盾の感があるが、processには手順や工程という意味もあるから、discreteな手順やdiscreteな操作を行う工程と考えることができる。ディスクリートな操作とは、2値論的( オンかオフか？真か偽か？)な操作のことで、中間的な状態のない操作のことである。この操作による結果もディスクリートな結果となり、中間状態とはならない。
例えば機械の起動釦を押すという操作では、押すか押さないかのどちらかであって、その中間の状態はない。またそれによって機械は動くか動かないかのどちらかであって、動いてもいないし止まってもいないという状態はない。こういうどちらか一方の状態にしかならないことを離散事象という。
Discrete
processとは離散事象を処理するプロセスである。具体的には、機械や機械部品、民生品などの加工や組立て、仕分けなどを行う工程のことで、その主な特徴はプロセス対象の状態を2値的に遷移させることと、計数はあっても計量を変数としないことである。物の数や作業の回数を数えるという計数はあるが、温度や圧力、流量などの物理量をプロセス変数としては取り扱わない。これに対して、石油精製や化学プラントでの蒸留や反応工程では、これらの物理量を測定し監視し制御することによってプロセス対象の連続的な変化を促進することを目的としており、連続プロセスと呼ばれる（普通は単にプロセスという場合は連続プロセスを指す）。
（離散事象参照）
Discrete System ( ディスクリート・システム )：離散事象システム。離散事象参照
Digital( デジタル、ディジタル)：digitは‘指‘という意味で、指を折って物の個数を勘定するように、物質の状態やプロセスの挙動を離散的な数値で表現すること。アナログが連続した実数の数量、物理量であるのに対して、デジタルは離散的な整数や、その拡張である固定小数点の数値である。最下位桁で飛び飛びとなるので、1/2digit分の誤差を含むが、アナログ的な曖昧さを回避できる。
DO： Dissolved Oxygenの略で、溶存酸素量（単位mg/l）のこと。水中に溶存している酸素を意味する。一般的には水温20度での飽和溶存酸素濃度は8.8mg/lとされる。主に活性汚泥処理方式（浮遊生物法）や生物膜処理などの曝気処理に、この単位を用いる。
E :
EMC( イーエムシー )：Electro Magnetic Compatibility( 電磁環境適合性 )の略語。電磁的な不干渉性および耐性の事。電気機器が動作することによって他の機器の動作を阻害したり、人体に影響を与えたりしないこと、また他の機器の動作によって干渉されない事。
EMI( イーエムアイ)：Electro
Magnetic Interference( 電磁干渉 )の略語。電磁妨害。
ERP ( イーアールピー)：Enterprise Resource Planningの略語。企業の基幹業務範囲を管理し処理するシステムまたはその機能をもつ統合パッケージ・ソフト。会計、財務、原価管理、販売、購買、物流などの企業の基幹業務範囲を広くカバーする。
Expert system( エキスパート・システム)：専門化の知識やノウハウをコンピュータに移し替えたシステム。
例えばプラント内で異常が発生した時、同時に複数のアラームが発報することが多いが、ベテランのオペレータは発報アラームのパターンや周辺プロセス変数の相互関係から瞬時に異常原因を推定でき、迅速に対処できる場合が多い。エキスパート・システムはこの時のベテランオペレータの状況判断手順をコンピュータ内に再現したものである。またこのベテランオペレータの状況判断手順などをコンピュータに移す作業をナレッジ・エンジニアリグという。( knowledge engineering 参照 ）
F：
FA ： Factory
Automation の略語。広義ではプラントなども含めて工場一般の自動化の事だが、PAに対する言葉として、機械や機械部品、民生品などの組立や加工、製造等を行う工場、いわゆるディスクリート・プロセスの工場の自動化の事。
Fail safe( フェイルセーフ)：信頼性や安全性に関する概念で、機械は必ず故障し、人間は必ずミスをするという前提に立って、故障や誤動作、ご操作が発生しても常に安全な状態が保たれること、または安全側に移行すること。
例えば、化学プラントで原料供給や熱供給に使用される空気作動式自動弁や自動制御弁はAir to Open( 作動圧力を加えることに開となること)のものが使用される。これは停電や空気圧配管断裂などによって作動空気圧が失われても、スプリングなどによってバルブが自力で閉となり、熱や原料の供給を停止させ、プラントを安全側に導くフェイルセーフ設計の一種である。（ 逆に冷却系ではAir to Closeのものが使用される。）
また指示調節計などでは断線などによって入力信号が失われた場合、指示値を最大( または最小、または所定値 )に振り切られせる機能（バーンアウトという）があるものがあり、この機能によって操作出力が自然と安全側（多くの場合0％）となるよう考慮されている。
ファイルセーフにはこのようにデバイスレベルや機器レベルのものから、重要部分の2重化や3重化などの冗長化、作動原理やロジックの異なる複数のシステムによって安全を確保する多重防護などの複雑で高度なものまである。fail soft 参照、fault tolerant system参照、fool proof参照
Fail soft( フェイルソフト)：システムの一部に故障やトラブルが発生した場合でも、直ちに停止するのではなくて、若干の機能の制限や性能の低下を許容しながらも稼動が続行できる事。また続行できるようにする事。広い意味でのフェイルセーフの一種であるが、フェイルセーフがシステムが停止する場合の安全性に注目しているのに対して、フェイルソフトは( 少なくとも一定期間は )停止させないことを目的としている。
例えば、発熱反応を伴うプロセスでは、これを制御するシステムにトラブルが発生しても、冷却系は絶対的に確保されなくてはならず、また異常が多系統へ波及するのを阻止するための必要な処置をとる間はシステムの運転が続行できたほうが良い場合が多い。このように設計されたシステムをフェイルソフトなシステムという。但しフェイルソフトは、部品の冗長化や装置の補い合いによって重要部分や優先度の高い部分の運転を確保するもので、システムの全機能を保証するものではない。優先度の低い部分の犠牲を許容し、パフォーマンスのある程度の低下をやむを得ないものとしている。これに対してトラブルが発生しても機能も性能も低下せず見かけ上トラブルがないかのように運転を続行できるようなシステムをフォールトトレーラントなシステムという。
fail safe参照、fault tolerant system参照
Fault tolerant system( フォールト・トレーラント・システム)：システム自体の冗長化などによって、システムにトラブルが発生しても停止せず、機能も性能も低下しないようなシステム。ノンストップシステムともいう。多重化されたシステムが相互に監視しあいながら協調してひとつのシステムを成している為、仮に一方のシステムに重大な障害が発生しても、正常な状態にある他のシステムによって運転が続行される。また運転しながらの部品の交換などのメンテナンスが可能な場合が多い。fail safe参照、fail soft 参照
Fool proof( フールプルーフ)：人間は必ずミスをするという前提で、ご操作しても安全であること、またはご操作できないような仕組みであること。
Foolish safety( フールセフティ、フーリッシュセーフティ)：フールプルーフと同じ意味。
FBD ：Function Block Diagram( ファンクション・ブロック・ダイアグラム )の略。IEC-61131-3に定義されているPLC用のグラフィック(プログラミング)言語のひとつ。論理演算などの機能( ファンクション )を定義した長方形の箱と、それに接続される( 又はそれから出てゆく
)数本の線とから構成される。
長方形の左側の線はファンクションへの入力を表し、右側の線は演算結果の出力を表す。多くの場合、出力は別のファンクションの入力となっている。
LD(
Ladder Diagram )がリレーロジックを置き換えたものとすれば、FBDは回路図のように見える。FBDを用いて制御アルゴリズムをLDと同程度に詳細に記述することは可能だが、細かすぎるとLD同様複雑となり、全体の見通しの悪いものになる。IEC-61131-3ではひとまとまりの処理や仕事をひとつの機能ブロック( Function Block )として捉えることを重要視している。例えば、例題のFBDプログラムをまとめて下図のようなFB( Function Block )とする。
IEC-61131-3では、SR( Set Reset )及びRSバイステーブル、タイマー、カウンター、セマフォ、ヒステリシス、積分、PID、Ramp、Ratioなどが定義されている。FBはFBDプログラムの要素として使用できる他に、SFCのアクションの中身としてやLDのファンクション、STの関数などの他の言語からも使用できる。
複数のFBをまとめて新しいFBをつくることもできる。これによりFBDプログラムを構造化することが可能となる。
米国カルフォルニア大学のロトフィ・ザディー( L・A・Zadeh )教授が1965年に発表した論文fuzzy
sets ( ファジー集合 )によって理論付けられた概念で、人間の主観に基づく曖昧さを取り扱うことができる。自然現象を始めあらゆる物事は人間とのかかわりにおいて評価するとき、単純に真偽を問えないことが多いことに注目して、真偽が混ざり合った曖昧( fuzzy )な状態を許容した論理と集合とを定義している。
例えば気温が「暑い」という集合を考え、「暑い」に含まれる場合を”真”、含まれない場合を”偽”として、具体的な気温を(
論理 )評価するとする。
この場合、30℃以上では、ほとんどの人が「暑い」と感じるので”真”、25℃以下では「暑い」と思う人はいないと考えられるので”偽”としてもそれほど違和感はない。
それでは29.9℃ではどうであろうか？
これは従来の集合概念では30℃を( 暑いの )閾値とすれば、それ以下なので「暑い」という集合の要素とは認められず、”偽”ということになる。しかし0.1℃の温度差を体感できるひとはそう多くはないし、体感できたとしても30℃で「暑い」と感じた人が29.9℃では一転して「暑くはない」と思うとは考えにくい。それで閾値を少し下げて29.9℃も「暑い」に属するとしたとしても、今度は29.8℃は”偽”なのか？という問題が起こってくる。思い切って閾値を29℃まで下げたとしても事情は変らず、28.8℃ではどうか？27.5℃では？と次々に連鎖して「暑い」の境界を明確に決めることはできない。しかもこれは人間の主観によるものなので、人によっても違うし、背景や状況によっても異なってくる。初夏の28℃と盛夏の28℃とでは体感温度が違うこと誰も認めることである。そうなると「暑い」の境界はますます決めることが難しくなってくる。
結局、完全に”真”の30℃以上と完全に”偽”の25℃以下との間に真偽を明確に判定できない曖昧な領域が存在するということになる。
ザディー はこういう真偽の境界がぼやけた曖昧な集合に対して、衣服の毛羽立った様子から転じた「ぼやけた」とか「あいまい」とかいう意味の形容詞Fuzzyをあて、ファジー集合として理論的な考察を行いファジー理論として体系化している。
ファジー理論では、真を1とし、偽を0としたとき、事象は1か0かの2値ではなく、1から0までの実数で与えられる「度合い」とされている。
集合概念を拡張して、「大きい」とか「中ぐらい」とか「小さい」などの主観的形容詞で修飾された境界が曖昧な集合( ファジー集合 )を想定し、個々の要素は、それへの帰属の度合いを0～1までの実数をあてて評価するとしている。
気温の例で言えば、30℃は集合「暑い」への帰属度が1.0、25℃は0、28℃は0..6といったぐあいである。
この帰属度または度合いを表す関数をメンバーシップ関数といい、三角形、台形、滑らか山型などが用いられる。
Fuzzy set theory( ファジー集合論 )では、ある要素が集合に属する場合と属さない場合の中間の状態を許容し、その属する度合いは0～1までの実数としてメンバーシップ関数で与えられるとしている。これに対して属するか属しないかを0か1かの2値で明確に区別する従来の集合をクリスプ集合といい、ファジー集合の特殊な場合としている。
ファジー集合論に基づいた論理をファジー論理といい、主観的な形容詞で修飾された真偽の曖昧な事柄や事象を命題として論理を展開する。ファジー論理でのANDやORなどの論理演算では、その結果の真偽もまた曖昧となることが許容されている。
Membership function( メンバーシップ関数 )
ある要素がファジー集合に帰属する度合いを表す関数をメンバーシップ関数といい、0～1までの実数を返す。0の場合は全く属していず、1の場合は完全に属していることを示す。これはまたファジー(部分)集合の領域を定義する関数でもある。曖昧さを定量的に表現できればいいから様々な形が考えられるが、実用的には、三角形型、台形型、釣鐘型( 滑らかな山型 )などが用いられる。
例えば快適な気温というファジー集合を考えると、下図のような形が考えられる。
これらは主観的なものなので人によって温度の範囲もメンバーシップ関数の形も変ると考えられる。
Aさんにとって最も快適な気温が20℃であったとしても、寒がりのBさんは22℃付近かもしれない。
Aさんの快適を集合A、
Bさんの快適を集合B、
とするとAND、即ち積集合A∩B はAさんもBさんもある程度快適と思う領域、
OR、即ち和集合A∪BはAさんかBさんかのどちらか一人または二人ともがある程度快適と感じる領域を表し、
AのNOT、即ち補集合￢AはAさんが快適とは思わない領域を表している。
Fuzzy Rule ( ファジールール )
P →Q （Pならば、Qである）は、ファジー論理においては、Pは主観的な曖昧さを含んだ命題であり、Qもまた主観的な表現となる。
「ある程度Pならば、ある程度Qである」と言った具合である。
但しこれらは主観的ではあっても常識的に受け入れられることが前提となっているから、曖昧さを許容した範囲での演繹的な推論の為の条件とすることができ、規則( ルール )とすることができる。
これをファジールールという。
ファジー制御などでの実際のファジールールは
If ○○ then △△（ もし○○なら△△ ）と言った構文が使用される。○○部分を前件部といい、ファジーな事象や論理演算からなる命題を条件として記述し、△△には結果を記述する。△△を前件部に対して後件部ということがある。
If ( 室温が少し暑い ) then ( エアコンの温度を少し下げる )
複数のファジールールの組み合わせや論理演算などによってひとつの結論を演繹的に得ること。
例えば、
If( 室温がちょうどよい) then ( エアコンの操作をしない)
If( 室温が少し暑い) then ( エアコンの温度を少し下げる)
If( 室温が非常に暑い) then ( エアコンの温度を大きく下げる)
などのルール群があったとして、その時の室温によって具体的なエアコンの操作を導き出すこと。
Fuzzy control （ ファジー制御 ）： ファジー推論( fuzzy-logical inferences )を自動制御に応用したもの。
ファジー推論結果をアルゴリズムとして自動制御系の最適パラメーターを得る。
PID制御では困難な非線形な系にも、系の数学的モデルを知ることなく適用でき、またパラメーターは大きい、中ぐらい、小さいなどの言語変数なので、ベテラン技術者のノウハウを反映させやすいなどの特徴がある。反面、いかなる場合にも確実に同定できるという保証はなく、PID制御、その他の制御アルゴリズムを安全のためのバックアップとしている場合が多い。
推論方法には様々な手法があるが、最も広く用いられているのはMAX・MIN論理積法と呼ばれる方法である。
これはメンバーシップ関数で定義された前件部集合の論理積( min演算 )と、適合度( これをグレードという )で頭切りされた複数の後件部メンバーシップ関数による集合の論理和( MAX演算 )とによって推論を行う方法で、ロンドン大学のマムダニ教授が1974年に世界で最初にスチームエンジンの制御に使用した方法であり、マムダニ法とも呼ばれている。
Fuzzify ( ファジー化 )：例えば気温20℃を「快適」、30℃を「暑い」などと表現するように、数値で表される量を、主観的な言語表現に置き換えることをファジー化という。主観的な言語表現なので曖昧さが発生するが、その曖昧さの範囲はメンバーシップ関数によって規定される。ファジー化された数量に付けた名前をラベルということがある。
ファジー制御では、ファジー推論によって得られた結果は、例えば「エアコンの温度少し下げる」と言った言語的な表現なので、これを具体的な数値に置き換えなければ制御の目的を果たすことができない。この作業をデファジーという。MAX・MIN論理積法では推論結果はグレードで頭切りされた後件部メンバーシップ関数による集合の論理和となるので、その重みの中心、即ち重心を具体的な出力量とすることが多い。
Fuzzy 制御の例
実際に実施したpH制御の例をあげる。
前件部入力としてpH値とpHの変化率を使用し、それぞれX,Yとし、後件部出力をpH調整薬液量Zとして、X∧Y→Z なるルールで推論を行った。
但し変化率Yはサンプリング周期毎のpHの変化とし、アルカリサイドに変化する場合をプラス、酸性サイドに振れる場合をマイナスとした。
サンプリング周期は10～30秒程度可変として試行錯誤によって決定した。
1、メンバーシップ関数と前件部部分集合のラベル。
メンバーシップ関数は三角形を採用し、部分集合のラベル以下のようにした。
2、後件部出力の内容とラベル
後件部出力pH調整薬液量はHCLまたはNaOHの滴下量で、-3～3までの数字を部分集合のラベルとし、-3～0までをHCL、0～3までをNaOHの量としてあてた。前件部と同じくNB、Z、PBなどとしてもよかったが、符号がプラスならNaOHを、マイナスならHCLとしたほうが直感的で理解し易いと判断した。
3、ルールマトリックス
X：pH値 ＝{ NB、ＮM、NS、ZR、PS、PM、PB }
Y：pH変化率 ＝{ NB、NM、NS、ZR、PS、PM、PB }
Z：出力 ＝ { －3、－2、－1、0、1、2、3 }
として、
X ∧ Y → Z の全ての組み合わせを網羅する。
縦列Xの部分集合と横行Yの部分集合との交点のセルに-3～3までのラベルで表される出力の部分集合を入力することによって制御ルールを作成する。
例えば、第1行第1列のセルは、X=NB、Y＝NBであるからpHが強い酸性で、かつ変化率が酸性サイドに早いことを表している。
これを中性付近に中和するには、多量のアルカリが必要と思われるので、このセルにはNaOHの大量投入を意味する"3”を入力すればよいことが無理なく推察され、If ( X=NB AND Y=NB ) then Z = 3 というルールが作成される。
同様に第4行第4列は、pHが中性で、変化もしていないから、何もする必要がなく”0”を入力する。
If ( X=ZR AND
Y= ZR ) then Z = 0
このようにファジールールの作成は、運転員や技術者の常識的な感覚に基づくだけでよく、PID制御のように制御パラメータの意味や動きを知る必要がない。
4、あるときの例
今仮に、あるときのｐＨの測定値が6.2、変化率が－0.4であったとする。
メンバーシップ関数からpHのグレードは、ＺR =
0.2、NS=0.8
変化率のグレードはＺR=0.6、NS=0.4である。
ルール①はAND( 論理積)なのでファジー集合論の定義によりmin演算となり、ＸのZRに属するグレード0.2とＹのZRのグレード0.6の小さいほうの値、即ち0.2をとり、これでＺの０集合( なにもしない )を頭切りする。
同様にルール②ではＺの1集合( NaOHを少量 )を0.6で頭切りする。
この①と②の結果を重ね合わせて論理和をとる。
同様にルール③、ルール④についてもmin演算の結果を重ねあわせる。
5、デファジー
重心を計算して実際の滴下量とする。この例の場合はNaOHをPℓ滴下することになる。
G :
G ( ジィー ) ：gravity( 重力 )の略でgravitational
acceleration( 重力加速度 )を表す。重力加速度は物体が地球の重力によって自由落下する時の加速度で約 9.8m／ｓ2である。
万有引力定数のGと区別する為、小文字のｇがあてられる。FG = mg
また加速度の単位としても用いられる。この場合は大文字で、重力加速度と等しい場合を1Ｇ= 9.8m／ｓ2のように表現する。
Ｇ(s)、Ｇ(jω) ：古典制御理論で伝達関数を表す記号。伝達関数は入力のラプラス変換に対する出力のラプラス変換の比。Gainの頭文字Ｇにラプラス演算を意味するsを添え字して表す。ｓのかわりに虚数ｊωをつけた場合は、周波数応答の伝達関数を表す。伝達関数 参照、ラプラス変換
参照
Gain ( ゲイン ) ：利得、増幅度、入力と出力の比。単位としてｄB( デシベル )を用いられることが多い。
H :
HMI( エイチエムアイ、ヒューマン・マシン・インタフェース )：Human
Machine Interface の略語。MMI( マン・マシン・インタフェース)と同義だが、インタラクティブなシステムの発達と普及により、最近ではより人間性を強調したHMIのほうがよくつかわれる。
I :
IC ： 集積回路( integrated circuit )の略称。一つの半導体チップの中にトランジスター数個から数10個程度の機能を埋め込んだもの。これの大規模なものを別にLSI（large-scale integration）と呼ぶ。
I-Control、Integral-control、I-Action、Integral-control-action ( アイ制御、 積分制御、アイ動作、積分動作 )：
偏差の積分値( 累積値 )に比例した操作量を出力する制御方法、制御動作。偏差があるかぎり操作量が増加または減少し続ける為、P制御( 比例制御 )では避けられないオフセット( 残留偏差 )をゼロにすることができる。稀に単独で使用されることもあるが、ほとんどの場合P制御と組み合わせてPI( 比例・積分)制御、またはこれにD制御( 微分制御 )を加えてPID制御とする。
ｍ = Ki∫e・ｄｔ （ 但し m = 出力、e = 偏差、Ki = 積分定数 ）[P contorol参照、PID参照]
IE： Internet explrer（ インターネット・エクスプローラ）の略。マイクロソフト社のインターネット閲覧ソフト。
WWWサーバーの情報を表示する為のActiveXのクライアントテクノロジー
IEEE（ アイトリプルイー ）： Institute of Electrical and Electronic Engineers（米国電気電子学会）の略。 計装やコンピューターの標準インターフェース、LANの規格などで知られている。IEEE1394 等。
IEC：
International Electrotechnical Commission（国際電気標準会議）の略。電気及び電子技術分野の国際規格を作成する国際標準化機関。
IEC-61131-3（以前はIEC-1131-3 ）ではPLC用のプログラミング言語として、ST( Structured Text )、FBD( Function Block Diagram)、LD( Ladder Diagram )、IL( Instruction List )、SFC( Sequential Function Chart )の５言語について、yougoの定義や標準仕様などを定めている。
IL( アイエル、インストラクション・リスト ) ： Instruction List の略。IEC-61131-3 で定義されているPLC用プログラミング言語のひとつ。アセンブラレベルの低水準言語で、AndやOr などの論理演算、AddやSubなどの算術演算、否定や遅延などの演算修飾子、リザルトレジスタ( Acc参照 )にデバイス状態や数値を読込むLd(
load )、リザルトレジスタの状態やリザルト値をデバイスに格納するST( store )、タイマーやカウンターなどのファンクションブロック、制御の流れを変えるJMPやCALなどが定義されている。IEC-61131-3のILは多数のPLCベンダーがプログラミング言語として発表しているインストラクションセットの中から比較的使用頻度が高く共通点の多いものを選んで標準化したものである。
ILの言語構造は非常にシンプルな為、学習しやすいが、大規模なプログラムに向かない。演算単位が細かすぎて、大局を把握するのが困難になるからである。
ILをそのまま梯子状のグラフィック表現したものがLD( ラダー)であるとも言える。
Interactive
processing system( インタラクティブ・プロセシング・システム )：対話型処理のシステム。interativeは相互作用の、双方向性の、対話型のなどを意味する形容詞。
Interlock ( インターロック ) ：噛合う、連結させる、などの意味だが、電気・計装では装置や機械の運転に伴う事故や危険を防止する為の( 連動的な )仕組み、即ちsafety
interlock( 安全インタロック)の事を、単にインターロックという場合が多い。
エレベーターや電子レンジのドアスイッチ( 人体を危険から守るためのインターロック )。
スター・デルタ起動器のスターコンタクタとデルタコンタクタの排他接点（ 機器の故障や損傷を防止するインターロック）。
ISO（アイエスオー、イソ ）： International Organization for Standardization（国際標準化機構）の事。各国の代表的標準化機関から成る国際標準化機関で、電気及び電子技術分野を除く全産業分野（鉱工業、農業、医薬品等）に関する国際規格を作成している。
IT ： Iinformtion Technlogy（情報技術)の略。インターネット、イントラネット、電子メール、携帯電話などのコンピューター、通信、ネットワーク関連技術の総称。
J :
JIS ( ジス )：Japanese Industrial Standards( 日本工業規格 )の略。日本国内で製造、使用される工業製品の国家規格。
JISの規格は、経済産業省（旧・通商産業省）の日本工業標準調査会 (JISC) により審議・制定されて、経済産業省により認定され、財団法人日本規格協会 (JSA) により規格票が発行される。この規格に適合していると認定された製品には、JISマークが表示される。
K :
Knowledge engineering( ナレッジ・エンジニアリング)：知識工学。
主にエキスパートシステム構築のために特定分野の専門知識を整理し分類し系統化したり関連付けたりして、コンピューター内に専門化の状況認識パターンや判断手順を再現するようにする事、またはそのための工学。( expert system 参照 )
L :
LD、Ladder ( ラダー図、ラダーダイアグラム
) ：Ladder Diagram の略。PLC用のプログラミング言語として最も一般的で基礎的なもの。
PLCはもともとリレーロジックをソフトウエアで実現する為に考案された。ラダーはそのためのプログラミング言語としてリレーによるロジック回路をそのまま置き換えたものとなっている。この為ラダーでのプログラミングはリレー回路に習熟した電気技術者には馴染みやすく、リレー回路を設計するような感覚でプログラミングすることが可能である。２本の並行した母線の間にリレーの接点を模したデバイスとコイルに見立てデバイスとを論理関係を表すように配置( これをラングと言う )して何段( 時には数百段 )も縦に並べた様子が梯子( ladder )のように見えることからこの名前が付けられた。
初期のラダーは、リレーロジックの置き換えというその出発点を反映して１ビットの論理処理で、扱えるデーター型はBOOLのみであったが、現在では、Word(
16ビット)やDWord( 32ビット)の整数、浮動小数点実数や文字列なども取り扱え、それらを処理する為の非常に多くのfunctionが用意されているのが普通である。また実行の流れを変えるジャンプや副プログラムの呼び出し( サブルーティン・コール)なども可能であり、コンピュータのアセンブリ言語に近いものとなっている。
LDの例
ラダーのプログラムは上から下へと高速で実行され、最下段のラングに達するか、END命令を確認するとまた先頭に戻って再実行を繰り返すという無限ループとなっている。この為、正しく記述されたラダーによるシステムは誤動作の発生しにくい安定したものとなるという特徴がある。IOデバイスのチャタリングやタイミングの僅かなズレなどの為に誤動作したとしても、数ミリ秒程度毎に繰り返す次の周期で修正されるからである。この周期( スキャン周期ということが多い
)が十分短い時は、各ラングでの論理演算はほぼ同時並行的に実行されるようにみえるが、実際にはラング間の実行順序を考慮しなければならない場合も少なくない。またプログラムの規模が大きくなると、当然のことながらこのスキャン周期は長くなり、無視できない場合もある。
ラダーはインターロックなどの小規模なプログラムには、論理関係が直感的に把握しやすく、誤りの少ない安全性の高いコードを簡単に書くことができ、非常に向いているが、大規模なものはアセンブリ言語プログラムと同様に可読性が極端に悪くなる。リレーロジックの置き換えとして出発した為、プログラムの構造化ということがほとんど出来ないからである。このため大規模なプログラムではSFCなどが採用されるケースも増えている。
にもかかわらずラダーは今なおPLC用のプログラミング言語の主流であり、世界中でもっとも多く普及している。ラダーをサポートしていないPLCベンダーは存在せず、各社は自社製向けのPLC用ラダーをユーザーに提供しているが、ベンダーごとに言語仕様に微妙な方言がある場合が多い。こうした状況を改善する為にIEC-61131-3で、PLC用の5つのプログラミング言語のひとつとして標準化が進められている。
M :
MES( エムイーエス) ： Manufacturing Execution System( 製造実行システム)の略。製造管理システムと訳されることもある。生産設備の最上位層に位置するシステムで、上位システムであるERP( Enterprise Resource Planning )のからの指示や命令、要求などに従って生産の実行段階全体を管理するとともにERPが必要とする製造現場の情報を収集してERPで処理可能形式のデータとする機能などがある。（ ERP 参照 ）
MMI( エムエムアイ、マンマシンインタフェース )：Man Machine Interface の略。機械と人間との親和性を人間工学的な立場から追及する目的で1960年頃から使われた出した言葉で、現在ではコンピュータなどのシステム機器や装置と人間との情報交換を仲介するためのハードウエアやソフトウエアのことをいう。プロセス制御分野でのDCSの普及はこのMMIの発達に負うところが大きい。最近では、より人間性を強調したHMI( ヒューマン・マシン・インターフェース)という言葉もよく用いられる。
N :
Negative logic( ネガティブ・ロジック)：負論理。Low・active。
ロジック回路は、信号(電圧)レベルのH(
High = 高 )、L( Low = 低 )で真偽( 1 か 0 )を表すが、Lレベルの時を1( 真 )とし、Hの時を 0(偽)とするような論理構造を負論理という。これに対してHを真( 1 )、Lを偽( 0 )とする場合を正論理という。
一般的には正論理の回路が多いが、リセット信号や割り込み信号などは負論理であることのほうが多い。ローアクティブということもある。
NOT( ノット )：logical not( 論理否定)。大文字で表記する。論理式やブール代数での否定( 演算 )。否定演算子。
集合論で、ある全体集合の部分集合をAとすると、Aに含まれないすべての部分を補集合といいAc であらわす。Ac は「Aの要素ではない」を意味し、これを部分集合BとするとB = Acとかけるが、AもBも要素が自分自身しかないときは論理式B = ￢Aと同じである。” ￢”は否定演算子で、Aが偽であることをあらわす。ブール代数ではAcや￢AのかわりにAの上部に横バーを付加してあらわすことが多い。
いずれにしろBはAが偽の時、真になることを意味する。
ロジック回路では非アクティブのとき 1(真)となり、アクティブのとき 0(偽)となるようなロジックやデバイスをいう。
ロジック素子のインバーター、リレーのB接点( ブレーク接点 )など。
O :
OLE ( オーエルイー、オーレ )：Object Linking and Embedding の略語。複数のオブジェクト間でデーターの転送や共有を行えるようにするための仕組み。OLE技術を利用することで、複数の異なるアプリケーションのデーターをひとつにまとめることができる。例えばWordの文書の中にExcelのグラフを埋め込むような場合である。
OPC (オーピーシー)：OLE for Process Controlの略語。OLE技術のプロセス制御への応用。異なるベンダーの制御機器やDCSを相互接続する為の統一的なインタフェース規則や手順。ユーザーアプリケーションはOPCインターフェイス規則に基づいてOPC対応機器に情報やデータの提供を要求するだけで、機器の詳細を知らなくても情報やデータを取得することができる。
OR( オア )：logical or( 論理和 )、大文字で表記する。集合論や論理学での和( 演算 )、ブール代数での和。
集合論では二つ以上の部分集合のどちらかにふくまれる部分を和集合という。”∪”または”∨”を演算子とすると、C =Ａ∪B とはＣは「ＡまたはＢ」と言う意味。例えばAを女性、Bを男性とすると、C=A∪Bは男女どちらでもよいということになる。
ブール代数ではC = A＋Bと表現される。
コンピュータ、電気回路、ロジック回路では、2つ(以上)の2値論理入力(または論理入力素子)のどれかひとつでも1( 真 )なら、1( 真 )となる事、または真となる素子や回路。
①Operating System (、オペレーティング･システム)： コンピューターの資源（ メモリー、ディスク、キーボードやディスプレイ等の入出力装置、ファイル、データ、ライブラリー、アプリケーションプログラム等 ）を管理し、制御するシステムプログラム。UNIX、MS－DOS、Windowsなどが知られている。
①
Open
System ( オープン・システム
): 開放系、開放型システム。
外界と情報やエネルギー、物質などを交換できる系またはシステム。コンピューターシステム等においてゲートウエイなどの特別なハードウエアを介さなくても他のシステムとの情報の交換を可能とする機能をそなえているもの。これとは逆にシステムが外界に対して閉じられているものをClosed System という。
初期のDCSは、専用機器のみで構成され、機器や装置間のデータ－のやり取りも専用バス上での専用プロトコル通信で行っていた。そのため他機種との情報交換は非常に困難であり、社内LANなどとは切り離された独立した世界であった。またアプリケーション開発用のソフトウエアもメーカーごとに特化しており、他機種や他システムで開発した有用なアプリケーションの再利用の可能性はほとんどなかった。
最近のDCSは初めからLANとの接続を想定しており、またOLEテクノロジーの採用により、MS-ExelなどのOLE対応の汎用ソフトとのデータ－の交換が可能となっている。
P :
PA ： Process
Automation の略語。FAに対する言葉で、FAが工場の自動化を指すのに対して、こちらは石油プラント、化学プラントなどのプロセスプラントの自動化を指す。反応、抽出、精留など自動化。大規模な場合が多い。
①
Programmable Controller( プログラマブル・コントローラ )の略。シーケンサーの事。PLCと同義。近年自動制御分野へのパーソナル・コンピュータ(
personal computer)の進出が著しく、これとの誤用を避ける為に、( シーケンサーのことを指す意味での)この略称は最近あまり使われなくなった。
( PLC参照 )
② Personal Computer( パーソナル・コンピュータ )の略。
P-Control、Proportional-control、P-Action、Proportional-control-action ( ピー制御、比例制御、ピー動作、比例動作 )：
出力が偏差に比例するような自動制御方式又は制御動作。
制御対象プロセスの制御目標値と実際の値との差を偏差 e とし、自動制御装置の出力を操作量 ｍとすると、
ｍ = Kp・e （ 但しKpは比例定数 ）
で表される。比例定数Kpは比例ゲインまたは比例感度といい、偏差に対する操作量の大きさを表す。
式から明らかなようにP-controlでは偏差 e = 0 の時、出力( 操作量 ) ｍ= 0 となるが、これでは自動制御装置が出力をしていない時のみ偏差が無いということになってしまう。言い換えれば安定状態にある系で自動制御装置が何らかの操作量( 例えば、計装用信号のDC4～20mAの何れかの値 )を出力していれば、必ず偏差が存在するということになる。この偏差をOffset( 定常偏差または残留偏差 )という。Offsetは自動制御系が安定した時に定常的に残留する偏差で、P-controlでは原理的に避けられない。
比例ゲインKpを大きくすれば、僅かの偏差で大きな出力が得られる為、偏差を小さくできるが、行き過ぎ(オーバーシュート)が発生しやすく、系は振動的になる。Kpが∞、またはそれに近い時は、正負のごく僅かな偏差で操作量は最大( 100％ )から最小(0 ％)に振れ、2値制御( ON-OFF制御 )と等価となる。
ｍ = Kp・eの式で、操作量がゼロとならないように、あらかじめ定常偏差除去分に相当する出力をバイアス的に加えて
ｍ = Kp・e ＋
ｍ0
とする方法がある。
このｍ0 を手動リセット率
という。ただこの方法は、その条件下でのみ成立するだけで、目標値を変えたり、系の条件を変化させたりすると、ｍ0をその都度修正する必要がある。そこでこの手動リセット率を偏差の積分値によって自動演算しょうというのがI-control( 積分制御)又は I-action(
積分動作 )である。[ 積分制御 参照、PID 参照]
Petrinet（ ペトリネット ）：離散事象をモデル化するための円、棒(または箱 )、矢印であらわされる有向グラフ。離散事象システムの解析などに用いられる。
円をプレース(place)、棒(または箱)をトランジションと言い、それぞれ条件と事象を表す。これらを結ぶ矢印をアーク(arc)と言い、条件と事象との関係を表す。
プレース、トランジション、アークがシステムの構造を表現する。
アークには正の整数の重みが付けられる場合がある。アークの重みはアークの本数で表すかまたは重みを併記して表す。重みが省略されている時は 1 とみなされる。プレースには整数個のトークン(token)と呼ばれる点または小さい黒丸が置かれることがあり、条件の成立を表す。プレース上のトークンの配置をマーキング(marking)といい、システムの状態を表す。
プレースp1から出て、トランジションt1に向かうアークをt1の入力アーク、p1を入力プレースと言い、ｔ1から出てプレースp2に向かうアークを出力アーク、p2を出力プレースと言い、マーキングの遷移、即ちシステム状態の遷移状況や遷移の可否を表現する。
離散事象の状態の遷移を「事象の生起」というが、ペトリネットではこれはトランジションの発火(firing)によっておこるとされている。
トランジションtの全ての入力プレース内のトークンの数が入力アークの重みの数と同数かそれ以上の時、トランジションt は発火可能であるという。
上図でトランジションt1 の入力プレースp1のトークンの数は2、入力アークの重みは2であるから、t1 は発火可能である。
トランジションが発火すると、入力プレースから入力アークの数だけトークンが抜き取られ、出力プレースに移動する。
ケーキを包装する場合のペトリネットモデルを考えてみる。
プレースp1にはトークンとしてのケーキが4個、p2には箱が3箱、それぞれ用意されているものとする。
トランジションt1は１つの箱にケーキを3個詰め、p3におくる。
トランジションt2は箱詰めされたケーキに2本のリボンをかけて完成品とする。
この場合、ｔ1は入力プレースp1のトークンが4で、アークの重みが3.、さらにもうひとつの入力プレースp2のトークンは3で、アークの重みは 1 であるから、発火可能である。
いっぽう ｔ2は p3 にトークンがないので、発火不可能である。
ｔ1 がケーキを3個取り、箱を1個取って、発火すると、p3 に半製品ができるので、ｔ2 が発火可能となる。
2回目では、p1のケーキは3個取られたので1個しか残っていない。従って今度は t1 が発火不能となる。
ｐＨ（ペーハー）： 水素イオン濃度(指数)のこと。水溶液中の水素イオンの濃度指数を表しpH = -log10[H＋]と定義されている。[H＋]＝[OH－]＝10－7mol/dm3の時を中性といい、この指数部分は7であるから、中性のｐHは7である。これより低い場合が酸性、高い場合をアルカリ性である。
PD-Control( ピーディ・コントロール、PD制御 )：Proportional plus Derivative control ( 比例+微分制御 )の略語。
比例制御の応答性を改善する為に微分動作を付加した制御。
微分動作の出力は偏差の変化率に比例するため、偏差の絶対値が確定する前に比例動作による出力に先回りして修正動作に入ることが出来る。
ムダ時間の大きな系に持ち入られる。
PI-Control( ピーアイ・コントロール、PI制御 )：Proportional plus Integral control ( 比例+積分制御 )の略語。
比例制御では避けられないオフセットを除去する為、積分動作を付加した制御。
積分動作は偏差の積分値に比例した出力を発生させる為、偏差がゼロになるまで出力を増加または減少し続ける。
PID、PID-Control ( ピーアイディ、PID制御 )： Proportional plus Integral plus
Derivative control ( 比例+積分+微分制御 )の略語。
フィードバック制御系の最も基本的な自動制御方式。偏差( 目標値と測定量との差 )に比例した操作量を出力するP( 比例 )動作、偏差の積分値を出力するＩ( 積分 )動作、出力が偏差の変化率に比例するD( 微分 )動作を組み合せて、応答が速くオフセット(定常偏差、残留偏差)の残らない制御ができる。
P動作のみでは避けられないオフセットをＩ動作によって除去し、Ｄ動作によって応答性を速める。
基本式は、
比例定数Kpを比例ゲインといい、Ti、Tdをそれぞれ積分時間、微分時間という。
Tiは積分動作による出力が、Tdは微分動作による出力が、それぞれ比例動作による出力と一致するまでの時間と定義されている。
また比例ゲインKpの代わりに、この逆数をPID調節計の偏差に比例する範囲とした比例帯( Proportional Band )を用いることもある。
比例帯 PB =
100／Kp。
①Programmable Logic Controller(プログラマブル・ロジック・コントローラ) の略。シーケンス制御専用のコンピュータ。わが国ではシーケンサーという呼称のほうがよく使用される。
もともとはリレーロジックのソフトウエアによる置き換えとして開発されたもので、スタンドアローンの論理演算マシーンとしてビット処理が中心だったが、現代のPLCはアナログ量や文字列なども取り扱い、データ処理機能が非常に強化されている。PID演算機能を搭載したものも多く、高度に発達した通信機能やネットワーク機能により、FA(
Factory Automation )分野だけでなく、PA( Process Automation )分野にも進出してきており、DCS( 分散制御システム )に近いものとなっている。
PLCとスキャダ・システムとを組み合わせてPLC-DCSとして製品化しているベンダも国内に数社存在する。
②Power Line
Communications( 電力線搬送通信 )の略。家庭内の電灯配線などを通信回線として利用する技術。既設配線が利用できるなどのメリットがあるが、実用化には漏洩電界問題などの様々な克服しなければならない課題があるようだ。
Positive Logic( ポジティブ・ロジック)：正論理。high
active。
ロジック回路において、信号レベルのHigh( 高 )を 1(真)、Low(
低 )を 0(偽)とした論理構造。ハイアクティブということもある。
ｐｐｂ： parts per billionの略。濃度、割合の単位で10億分の1のこと。1ppb=0.001ppm=0.0000001%
ｐｐm： parts per millionの略。濃度、割合の単位で100万分の１のこと。cm3/m3、㎎/kg、mg／㍑(水質を表す場合）のこと。1ppm=0.0001%。
（ちなみに％はparts per centの略で100分の1のこと）
Q :
R :
Radian( ラジアン)：角度の単位。角度を円周率πの倍数として取り扱う。180度= πラジアン、360度=2πラジアン。
この単位を用いると円弧の長さはそのままこの単位の倍数となる。半径1の円の円周は2π、半円（180度）の円弧はπに等しい。
Rate( レート )：割合、率、速度などの意味だが、フィードバック制御系では、微分動作を表すことがある。
Rate action( レート・アクション)：微分動作の事。(
d-action 参照 )
PID制御において、微分動作による出力が比例による出力にまで減衰するのに要する時間。（PID制御 参照）
Reset( リセット )：(元の状態に)置き直す、（計器の目盛りなどを）設定し直す、初期状態に復帰する等を意味する動詞だが、シーケンス制御では、リレーなどをOFFにする事、いっぽうフィードバック制御では積分動作を意味することもある。
Reset action( リセット・アクション )：積分動作の事。（ I-control
参照 ）
Reset time( リセット・タイム )：積分時間。
PID制御、またはPI制御において、積分出力が比例による出力と同じになるまでに要する時間。（ PID制御 参照 ）
Reset windup(リセット・ワインドアップ)：積分飽和。
積分動作は偏差が存在するかぎり出力を増加(または減少)し続けることになっているが、実際のPIDコントローラやPIコントローラの出力には当然のことながら物理的な限界が存在する。プラントのスタートアップ時などで目標値と現在値との差(即ち偏差)が非常に大きい場合には、それに応じてコントローラの出力も大きくなるが、コントローラとしての出力の限界(飽和)に達しても積分演算が実行されて非常に大きな累積値となることがある。
このコントローラの限界を超えて積分演算が実行されつづけることを過積分というが、過積分状態にある制御系で、現在値が目標値に達して偏差がゼロになっても、また目標値を超えて偏差の符号が反転しても、それによって加算から減算に転じた積分演算が施されるのは、その巨大な累積値に対してであるから、なかなか出力の限界( 具体的には100％)内に戻ってこないという現象が発生する。これをreset windup(積分飽和)という。
積分飽和が発生すると、その間コントローラの出力は100％に振り切ったままとなり、制御対象を大きくオーバーシュートさせることになるので、これを防止する機能(アンチ・リセットワインドアップ)を備えたコントローラも多い。また最近のデジタル式のコントローラでは最初から過積分をしないアルゴリズムとなっているものが一般的なようである。
S :
Semaphore( セマフォ)：構造化プログラムの提唱者エドガー・ダイクストラが考案した同期調停ロジック。もともとは一本の線路にただ1機の列車しか進入しないようにするための鉄道の腕木信号に由来する。並列実行される複数のタスクやシーケンス間で、ひとつの資源を共有する時に、その資源に同時にアクセスする数を制限する為に用いる。資源への処理の要求であるＰ操作と処理の終了を通知するＶ操作とからなる。
アクセス可能な数を初期値としてセマフォーカウンタに設定しておき、タスクやシーケンスが資源を使用するときはセマフォーカウンタの値が0でなければ1減算する。これをP操作という。使い終われば1加算して資源を解放する。これをＶ操作という。
Ｐ操作の時、セマフォーカウンタの値が0であれば、資源は他のタスクやシーケンスが使用中なので資源が空くまで待機する。
セマフォの例：同時走行している二本のシーケンス・プログラムＡ、Ｂがひとつの通信デバイスを共有使用しているとする。
この通信デバイスは1箇所としか通信できないのでセマフォーカウンタの初期値は1を設定しておく。
シーケンスＡとＢがほぼ同時にこの通信デバイスを使用しようとしたが、わずかにＡのほうが早かったとする。
ＡはP操作を行ってセマフォーカウンタの値を1減算する。これでセマフォカウンタの値は0となる。
遅れて通信デバイスにアクセスしょうとしたＢは、セマフォカウンタの値が0なので待機する。
Ａは通信デバイスを使用し、処理が終わったら、Ｖ操作を実行してセマフォカウンタの値に1加算してデバイスを解放する。
Ｂはセマフォカウンタの値が1となったので、Ｐ操作を実行して、デバイスを使用する。再びセマフォカウンタの値は0となる。
Ｂも通信デバイスの使用が終われば、Ｖ操作をして、セマフォカウンタの値をもとの値に戻しておく。
Sequence control（シーケンス制御、シークエンス制御 ）：逐次制御、順序制御。sequence は順序、連鎖などを意味する名詞で、JISでは、「あらかじめ定められた順序または手続きに従って制御の各段階を逐次進めていく制御」と定義されている。
ディスクリート( 離散的 )プロセスの自動制御とは、離散事象を次々と連鎖的に生起させてゆくことに他ならず、このシーケンス制御そのものである。
かってはリレー回路によるハードウエアで実現していたが、マイクロ・コンピュータ技術の急激な発達により現在ではごく簡単なものを除いてPLCのプログラムによるソフトウエア・シーケンスが主流である。PLCはシーケンス制御専用のコンピュータで、ラダーやインストラクション・リストなどの専用言語でシーケンスをプログラミングできる。コンピュータ自身もその内部的な動きは一種のシーケンス制御であるといえる。
[PLC参照]、[ディスクリート・プロセス参照]、[離散事象参照]
Sequence Controller、Sequencer ( シーケンス・コントローラー、シーケンサー ) ：シーケンス制御装置。PLC( Programmable Logic Controller )の事。[ PLC参照]
Sequence circuit（ シーケンス回路、順序回路 ）： リレーやタイマー、スイッチなどを組み合わせてシーケンス制御を行う為の電気(電子)回路。
油圧や空気圧の場合もある。
Sequence diagram ( シーケンス・ダイアグラム、シーケンス図、シーケンス線図 )：
① シーケンス制御をハードウエアで行う為の電気回路図、リレー回路図、油圧回路図、空気圧回路図など。
JISでリレーやスイッチのa接点( make接点 )、b接点( break接点)、タイマーや遅延リレーのオン・オフディレー接点、コイル記号などが定められている。
② 統一モデリング言語UMLに定義されている図表のひとつで、システムの挙動を記述する「振る舞い図」のうちの「相互作用図」の一種。
同時にアクティブな複数のオブジェクト間の動的な関係をメッセージの流れによって表現する。メッセージは発起順に時系列に並べられ、時間の流れを表すことができる為、イベントの発生順序やオブジェクトの生存期間を記述することができる。
UMLはオブジェクト指向のソフトウエアの開発の為のモデリング言語で、UMLのシーケンス図も制御工学上のシーケンスとは直接的な関係はないが、フラグやシグナルをやり取りしながら並行実行する複数のシーケンス・プログラムの解析などには有効である。[UML 参照 ]
Sequence Program ( シーケンス・プログラム )：PLCのプログラム。PLCが実行する処理や手続きの順序、条件などをプログラムとしてそのPLCに特有の言語で記述したもの。
グラフィックスタイルのものとテキスト形式のものとがあり、グラフィックスタイルとしては電気回路図や論理回路図を模したLDやFBD、一種の状態遷移図であるSFC、論理関係を表にまとめたデシジョンテーブルなどがある、いっぽうテキスト形式としてはPLCの命令セットコード( これをニモニックという )をそのままテキストリストとするILのようなアセンブリ言語に近い低水準のものや、パスカルやベーシックなどの高級言語に近いSTなどがある。
各ベンダーごとに微妙な方言の違いがあるためIEC-61131-3で主要5言語について標準化が進められている。
[LD 参照]、[IL 参照]、[SFC 参照]、[ST参照]、[FBD 参照]、[IEC 参照]
Scada( スキャダ )：Supervisory Control and Data Acquisition（監視制御及びデーター収集）の略語。産業オートメーションを実現する為の監視・制御、データー収集などを行うソフトウエア・ツールまたはシステム。代表的なscadaソフトとしては、インテルーション社のiFIX、Fix32、ワンダーウエア社のInTouchなどがある。
SFC ( エスエフシー )：Sequential Function Chart( シーケンシャル・ファンクション・チャート)の略。シーケンシャル(逐次的、順序的)な処理や動作を記述する為の図表、又はその記述言語。SFCは逐次処理の状態遷移図の一種で、離散事象システムの解析に使用するペトリネットのサブセットである。
ステップと呼ばれる複数の長方形と、ステップとステップとを接続する縦線、その縦線に十字に交差するトランジションという横線とから構成される。
ステップには、そのステップ内の状態又はそのステップ内で生起する(させる)事象（ これをアクションという ）を記述し、各ステップは時間的な順序で縦に並べられている。縦線は現在注目しているステップの次のステップに接続され、通常は直下のステップにつながる。
矢印をつけることもあるが、通常の状態遷移図とは違ってSFCでは上から下に流れることが決まっているので、ループ・バックする場合以外は矢印をつけないことのほうが多い。トランジションは、状態の遷移条件またはステップの移行条件をあらわすもので、これが真のときのみステップの移行が発生する。
バッチプロセスの階層的表現や複雑なシーケンスのトップダウン設計、構造的な記述などに威力を発揮する。
IEC-61131-3にPLC( programmable logic controller )用の５言語のひとつとして定義されている。
SOP( ソップ )：Standard Operation Procedure( 標準作業手順書 )の略。安全な生産や品質の安定の為、作業や進行上の手順を順序立てて記述した文書。最近では電子化されMES( Manufacturing Execution System )の要素の一部となっていることもある。( MES 参照 )
ST(エスティー) ：Structured
Text( ストラクチャード・テキスト )の略。IEC-61131-3に定義されているPLC用５言語のひとつ。
IL( インストラクション・リスト)がアセンブラレベルの低水準言語とすれば、STはその対極にある高水準言語である。
条件文のIf then else 構文や複数分岐のcase 条件文、繰り返し文のfor _do 構文、while _do 構文、repeat_until 構文、ループから強制脱出用のexit 文などが使用でき、データ型もブール、整数、実数、文字列などの通常PLCで使用する全ての型に対応しているうえに構造体なども定義できる。
コンピュータ・プログラム用の構造化言語PASCALに非常によく似た構文構造である。
T :
Transfer・function( トランスファー・ファンクション ):伝達関数 参照
U :
UML( ユーエムエル ) ： Unified
Modeling Language( 統一モデリング言語 )の略。
ソフトウエア開発、システム解析などの為のモデリング言語。システムのオブジェクトモデルを作成する際の表記法、図法などを統一的に規程している。
UMLのシステムモデルは図によって表現されるが、システムの静的な構造をあらわす「構造図」と、システムの振る舞いをモデルする「振る舞い図」とに大別される。
UPS ( ユーピーエス )：uninterruptible power supply unit( 無停電電源装置 )の略語。
数分～数10分程度の短時間の商用電源の喪失( 停電 )からシステムやデータを保護する為の電源装置。コンピュータや通信機器、防災装置、制御システムなどに用いられる。あくまで短時間の電源補償用で、30分を超えるような停電に対してはバックアップ対象のシステムを安全に停止させるか、非常用の発電機などに切り替えられる。交流用と直流用とがあるが、交流用のものはCVCF (Constant Voltage Constant Frequency)とよばれることもある。
UV( ユーブイ)：Ultraviolet( 紫外線 )の略。光のスペクトルで紫の外側にある波長10～400nmの電磁波。可視光より短くX線よりも長い。
化学的な作用が著しいことから化学線とよばれることもある。消毒殺菌、害虫駆除、ブラックライトによる偽造の防止などに用いられるが、計装分野では主に火炎の検知に用いられる。火災報知機、ボイラなどの燃焼装置の着火検知。
V :
W :
X :
Y :
Z :
あ：
あい（ I、i ）： ①[ 電気、物理 ] 電流を表す記号。I = E／R.。 ②[ 計装 ] PID制御系の制御動作の一つ、あい制御、あい動作参照。③[ 数学 ]主に小文字で複素演算子、単位虚数。
あいしーかーど（ IC card ）： [ 電気・電子、コンピューター] ICチップを埋め込んだカードの総称。コンピューター用のIC cardとしてはJEIDAやPCMCIAで統一規格化されているPC cardがある。
あい制御、あい動作 （I control、I action ）： 積分制御、積分動作の事。[ I control 参照]
あいまい制御 ( Fuzzy control
)： ファジー制御を参照
あいでぃ、あいでぃなんばー （ ID、 ID number ）
あいぴー、あいぴーあどれす（ IP、IP address ）
あいぴー、あいぴー変換器 （
I/P、IP converter ）
あいぴー、あいぴーぽじっしょなー （ I/P、IP positioner ）
あーかいぶ（ archive ）
あーかいば（ Archiver ）
あくせす（ Access ）
あくてぃぶえっくす （ Active X ）：
あーく（ arc ）
あーす（ earth ）
あせんぶら（ Assembler ）
あぷりけーしょん（ application ）：
あーむ（ arm ）
あーる（ ？ ）
あんいんすとーる（ uninstall ）
あんさー（ answer ）
あんちういるすそふと
あんちりせっとわいんどあっぷ（ anti reset
windup ）
あんどぅ（ undo ）
あんど（ and、＆ ）
あんぺあ（ ampere ）
あんめーたー、あんぺあめーたー （ ammeter、ampere meter ）
あんぷ、あんぷりふぁいあー （ amp、amplifier ）
お ：
おーえす、（OS ）： OSを参照
機器配管概略フローシート： [製図] Process Flow Drawingの日本語訳。図示内容は、配管計装図Ｐ＆ＩＤの一つ手前の概略フローを示す図面のこと。
計装図： [製図] Instrumetation Diagram の日本語訳。図示内容は、測定装置、制御装置などを工業装置、機械装置などに装備・接続した状態を示す系統線図のこと。
工程図： [製図] Process Drawingの日本語訳。図示内容は、製造工程の途中の状態又は一連の工程全体を示す製作図のこと。
最適調整法： PID制御系の制御性能は、応答性、安定性( 非振動性 )、オフセット( 残留偏差)、オーバーシュート( 行き過ぎ)量などで評価される。
PID調節計の最適調整とは設定値の変更や外乱の浸入に対して、応答が速く、オーバーシュートが小さく、安定で、オフセットのない制御結果が得られるように比例感度(または比例帯）、積分時間、微分時間の3パラメーターを選ぶことである。その方法としてステップ応答法、限界感度法、リミットサイクル法などがある。
1
ステップ応答法： ジーグラ・ニコルソンのステップ応答法は安定状態にある系にステップ状の入力を与え時の系の挙動をグラフ用紙などにプロットしてムダ時間、時定数、定常ゲインなどを取得し、それぞれの関係から下表のように設定する。
2
限界感度法：ステップ応答法は作図する必要があるが、現場形の調節計などでは作図困難場合もある。限界感度法は比例ゲインと系の振動に注目することによって作図なしで同定可能である。
手順
①
比例帯を最大にする。 又は比例感度(比例ゲイン)を最小にする。
②
積分時間を最大、微分時間を最小、すなわち積分、微分動作を行わないようにする。
③
比例帯を少しずつ狭くしてゆく。（これも比例感度の時は、感度を上げてゆく。）
④
比例帯を狭くしてゆくと、いつか一定周期、一定振幅の持続振動が発生する。
この時、系が限界感度に達したという。
①
振動の周期Ｐuと比例帯 Pbから以下のように設定する。
3
リミットサイクル法：調節計をON・OFF動作させることによって系を強制的に振動させ、その時のムダ時間と振幅とからPID値を算出する。
計装ベンダの山武㈱のAT機能付き調節計で採用されている。
手動リセット率： 操作量をm、偏差をe、比例感度をKpとする比例調節計の式 ｍ = Kp・e ＋ ｍ0
において、ｍ0を手動リセット率という。
これは比例調節計の比例動作による出力(操作量)にバイアスとして加えられるもので、これにより偏差e = 0 の時、操作量 ｍ= ｍ0となるが、比例動作におけるオフセット(定常偏差)は、偏差ゼロの時、出力もゼロになることによるものであるから、ｍ0の存在によってこれを除去できる可能性のあることがわかる。言い換えれば、ｍ0を適当な値に調節することによって、比例動作によって発生するオフセットを打ち消すことができる。
ｍ0がオフセットをゼロにすることから、「ゼロに戻す」という意味の語resetが当てられたようである。
但し、ｍ0はバイアスとして固定的に与えるものであるから、制御の目標値やプロセス条件が変更されれば、その都度手動で再調整しなければならない。
このｍ0を偏差の積分で置き換えて自動修正するようにしたものが積分動作であるが、これを手動リセットに対して単にリセットということがある。
Cv値( シーブイ値 )：バルブの容量を表す値。1Cvは差圧1Psi( 6.9Kp )で60°F( 約15℃)の水を1分間に1ガロン(米)流す時の容量とされている。
冗長化 ：多重化の事。信頼性や安全性を確保する為に、同じ機能同じ性能のデバイスなどを複数個使用し、故障などにそなえる事。fail safe参照
す
スキャダ： scada参照
装置図： [製図] Plan Iayout Drawingの日本語訳。図示内容は、装置工業で各装置の配置、製造工程の関係などを示す図面のこと。
ち
つ
伝達関数 ：線形性をもつシステムの入力と出力の関係を表す関数。
古典制御理論で最も重要な概念で、線形性のある系やシステムに初期値ゼロである入力を与えた時の系やシステムの挙動を表す。
時間領域の関数として表現する場合もあるが、一般的には入力のラプラス変換と系やシステムの挙動を出力として、そのラプラス変換との比で表される。
入力信号のラプラス変換をＸ(s)、出力信号のラプラス変換をＹ(s)とすれば、伝達関数はＧ(s)＝Ｙ(s)／Ｘ(s)である。
周波数伝達関数 ：
Ｇ(s)の s のかわりに虚数ｊωで置き換えたＧ(ｊω)を周波数伝達関数といい、角速度ωの正弦波信号を入力とした時の出力応答(位相や振幅)との関係を表す。
電気接続図： Electrical Schematic
Diagramの日本語訳。図示内容は、ＪＩＳ図記号を用いて電気回路の接続を示す図面のこと。
と
７５％水質値： [環境] 河川や海域におけるbod又はcodの環境基準の評価方法として用いられる。年間の日平均値のデータ（データ数n）を小さいものから順に並べ、0.75×n番目のデータを75%水質値という。すなわち、年間を通して、3/4（75%）の日数は、その値を越えない水質を示す。
に
２％除外値： [環境] 日平均値で示されている環境基準の適否を長期的に評価するときに用いる。1年間の日平均値を大きい順に並べた場合、上位の値は変動が大きく、異常値や突発的な不確定要素が多いと考えられる。そのため、測定数の2%に相当する高濃度値を除外した残りの値の最高値を2%除外値又は98%値として、環境基準値と比較する。＜児玉＞
ぬ
延べ面積： [建築] 建築基準法では｢各階の床面積の合計｣を示す面積、ビル管理法では｢・・・の用途に供される床面積の合計｣（建物の棟ごとに算定）を示す面積。＜児玉＞
濃度規制： [環境] 工場等から排出されるばい煙や排出中に含まれる汚染物質の割合を一定濃度以下に規制する方法で、通称ppm規制とも言われている。規制方法をいう際、総量規制に相対するものとして用いられる。＜児玉＞
配置図： [製図] Plot Plan Drawing の日本語訳。通称Ｐ＆Ｐとも呼ぶ。図示内容は、地域内の建物の位置、機械の据付位置を指す。＜児玉＞
配管計装図： [製図] Piping ＆ Instrument Diagram の日本語訳。通称Ｐ＆ＩＤとも呼ぶ。
図示内容は、化学工場などの場合、製品製造過程の中で機械設備配管系統と計装を含めた系統図のこと。＜児玉＞
配管図： [製図] Piping Diagram の日本語訳。図示内容は、構造物、装置における管の接続・配置の実態を示す系統図のこと。＜児玉＞
配線図： [製図] Connection Diagramの日本語訳。図示内容は、装置又はその構成部分における配線の実態を示す系統図のこと。＜児玉＞
ひ
へ
い
え
ラプラス変換：ｔ＞0における時間の関数ｆ(t )に対して、Ｆ(s)=∫0∞f (t)e- st dt で定義される複素数 s の関数に変換することをラプラス変換という。
ラプラス変換によって、微分方程式を代数的に取り扱うことができることから、システムを線形微分方程式でモデル化する古典制御理論に基づく自動制御系の解析や設計に用いられる。またｓ関数からもとのｔの関数に戻すことをラプラス逆変換という。
ラプラス変換を自動制御系に応用する場合は、ゼロより前の時間を考える必要がなく、また初期値もすべてゼロとするので、対象システムの数学モデルを表す微分方程式の微分記号を s に、積分記号を 1／s に置きかえて、ｆ(0),f’(0)などは全て0とすることができる。
実際の微分方程式の解法に下のようなラプラス変換表が用いられる。
離散事象：
離散的とは、’個別的’、’非連続的’などの意味だが、例えば連続した実数の中に飛び飛びに出現する整数のように、ある全体集合の部分集合がバラバラに散った状態をいう。
離散事象は、状態Aから状態Bへの遷移が不連続で、中間の状態がない( または問題にしない )ことをいい、AからBに遷移することを「事象(event)の生起」という。
駅で電車を待っている人を例にとると、到着した電車には、乗るか乗らないかのどちらかであって、45％だけ部分的に乗るという状態はありえない。（ 電車の場合は、その電車に乗り込む過程が存在するが、問題とすべきは乗るか乗らないかであり、乗る途上などの経過段階をここでは議論しない。 ）
また電車の乗客は、到着した駅で降りるか降りないかのどちらかで、これも離散事象である。
この二つの離散事象はお互いに無関係で独立しており、それぞれの事情で生起可能なら生起するだけである。即ち乗る必要のある人が乗り、降りる必要のある人が降りるということがあるだけである。
ところが実際に電車が駅に到着すると、この二つの離散事象の「事象の生起」は、
同時生起： 降りる人は降り、乗る人は乗り、それらが同時進行する
非同期生起： 電車が駅に停まっている間なら、いつ乗ってもいいし、いつ降りてもいいから、それぞれが適当な時に自由に乗降する
順序生起： 降りる人を待ってから乗る、つまり事象の生起に順序がある
排他的生起： 降りる人に押されて乗ることができない、または乗る人に押されて降りることができない、即ちどちらか一方の事象が生起できない
デッドロック： 電車が事故などで遅れて、車内も駅構内も超満員となり、降りようとする人と乗ろうとする人とがせめぎあって、どちらも生起できない
など、その時の状況によって様々であるが、さらにこれらは電車の発停というもうひとつの離散事象の「事象の生起」に同期して、これに支配されている。（同期生起）
一般に離散事象の「事象の生起」は、生起可能ならいつ生起してもよいから、複数の離散事象が存在する場合、予期せぬ生起があったり、生起の衝突や干渉によって生起できなかったり生起に失敗したりすることがあり、その時々の状況によって結果が変化し、事前の条件からだけでは挙動が一意に定まらないことが多い。そのため全体を把握するのは非常に困難となる。
離散事象システムとは、離散事象で構成されるシステムまたはシステムを離散事象の集合としてモデル化したシステムで、複数の「事象の生起」を調停することによって成立する。離散事象システムを解析するとは、この事象の生起がもたらす問題を解くことに他ならず、設計するとは、システムの目的に沿うように生起の順序を調停するということに尽きるのである。
（ この事象の生起の順序を調停するということから、シーケンス制御の概念が直接に想起される ）
リセット率： PID制御、PI制御での積分時間の逆数。 P制御での偏差をゼロにする為に比例出力に加えておくバイアス量〔手動リセット率〕。
い
う
え
ん