剣山を行く
日曜日と火曜日に岡山まで車で行く用事がありました。
二往復するつもりでいたのですが、土曜日に以前注文していた防水バッグが手に入ったので、「これはどこかを走らないといけない」という事で、行き先未定のまま、あわてて荷物だけを用意しました。

車を転がしながら、あまり走っていない中国地方にするか、確実に楽しめそうな、剣山にするかと迷ったのですが、数年ぶりの国内ツーリングですから、確実な方に行く事にしました。

車を波頭に置いて、自転車だけを載せたフェリーが、高松に着いたのはもう4時半、これからひとっ走りと言うには遅い時間でしたが、明後日には高松に戻ってこないといけないのと、「早く山に向かわないと暑くてたまらん」という事で、まずは塩江温泉内場キャンプ場に向かいました。
お天気はかんかん照りでしたが、前方の山にはビッシリと雲が入っています。
普段なら、ちょっと気が重くなるところですが、防水バッグの威力が試せるかもと思うと、何だかニンマリしてしまいます。
高松から徳島にまっすぐ伸びるR193も、30分も走ると交通量がぐっと減り、楽しい道になりました。さすが高松?ですね。
道路沿いにはコンビニがぽつぽつと在ったのですが、塩江には道の駅もあるし、町も大きそうなので、食料を仕入れなかったのですが、これが後でたたる事になるとは、思いもしませんでした。

塩江に着いたのは6時を廻り、日没間近でした。
期待していた雨は、これまでのところ降っていません。
一応キャンプのつもりですが、湯治場風の良い宿があれば泊まっても良いと思っていたのですが、あいにくきれいな宿しかありません。
こういう宿では、良いお風呂は期待できませんから、予定通りキャンプをすることにしました。
町には数件の食料品店が在ったのですが、日曜日と言うこともあってか、早じまいのようです。 唯一手に入るのは、道の駅で売っている、ハンバーガーやお好み焼きと言ったたぐいです。
仕方がないのでそういうファーストフード系を、量だけはたっぷりと仕込んで、キャンプ場に向かいました。

キャンプ場は町営のテニス場の脇にありましたが、表示が無かったので、随分先まで進んでしまいました。
その間に待望だった雨が降り始めたのですが、今ごろ降られてもと勝手な事を思ってしまいました。
キャンプ場は非常に清潔で、しかもキャンパーは私一人だけです。
雨が降っていたので、横着にも屋根つきの炊事場にテントを広げました。
わびしい夕食を済ませた後、近くにある町営のホテルに向かいました。
700円少々でお風呂に入れます。
きれいな所なので、泉質は期待できませんが、とにかくお風呂に入れると言うのは、ありがたいです。

眼が覚めると、霧が掛かっていたので、今日は晴れるのかなと思うと、少々がっかりしている自分に気づき、おかしく思いました。
朝食は、インスタントの焼きそばとアンパン、せっかく持ってきたフライパンが泣いています。

出発をする頃には、霧も消え去り、強い日差しが容赦なく降り注いできます。
実は、一昨日買った日焼け止めを忘れてきたので、それもあって、ちょっと気持ちが重いです。
今日は、直ぐ先の相栗峠を越えた後、今回のハイライト、剣山直下の「見の越し」を越え、最低でも東祖谷渓青少年旅行村キャンプ場まで行きたいと思っています。

相栗峠への道はc5それほど急なところも無かったですが、なかなか雰囲気もよく充分楽しませてもらいました。
峠は切り通しになっていて、両方向とも展望が効いています。
何か口に入れようかと思ったのですが、吉野川沿いの貞光まで行くと、まともな物が食べられそうなので、しばらくお預けと言うことにしました。
そんなに高い峠ではなかったですが、降りてくると、暑さがこたえます。
コンビニぐらいはあるだろうと思っていた貞光には、立派なスーパーがありました。
時間はちょうど十時、開店したてのようです。
これからずっと登りが続くので、アンパンでも食べながら走ろうかと思っていたのですが、お寿司のコーナーで立ち止まってしまいました。 二食続けて粗食ですから、と自分に言い訳をして、たっぷりと買いました。
ついでにヨーグルトやデザートのティラミスまで・・・
ちょっとした大休止になってしまいましたが、この先大丈夫なんでしょうかね。

剣山スキー場前を通る道は、思っていたよりハードでした。
日頃の不摂生が災いしていることは当然としても、それにしてもこたえます。
昼過ぎになって、通りかかった村で、完全に足が売り切れました。
この後、全面的に押しになっても夕暮れ頃には着きますから、あせりはありませんが、ちょっとショックでした。
村の急勾配を抜けたとこr スろで食堂を発見、またまた大休止をする事にしました。
サイクリストは、食べると走られるようになりますからね。
うどんとお好み焼きを食べていると、店のお姉さんが、人懐っこく話し掛けてきました。
「自転車に乗ったら痩せるかなあ」
少々大きくなっている私の体では、説得力がありません。
「今日は何食目?自転車に乗っている人は、日に四回も五回も食べるんやてねえ」
いやに詳しいです、このお姉さん。
色々聞いているうちに、この下の村のあたりは勾配が一番急で、心臓破りの坂と呼ばれていて、ようやくそこを通り抜けたほとんどのサイクリストが、この店に立ち寄るようです。

この先、村中ほどの坂はもう無いと聞いて、少しのんびりさせてもらったのですが、気が付くと、すでに三時を大きく回り(多分そのぐらいの時間だったと・・・)、あわてて出発しました。

登りはスキー場(Alt1350)を越えてもしばらく続いた後、ぐっと下って見の越しに到着した時は、すでに5時を回っていましたが、ちょうど雨が降り始めました。
予定しているキャンプ場では0、お風呂には入れないようなので、ここのキャンプ場に泊まろうかとも思ったのですが、せっかくの雨が降り始めた事ですし、朝一番のダウンヒルなんて、寒くて振動がこたえるだけで、まっェたく楽しくは無いですから、下る事にしました。

バッグが落ちる心配が無いと言うのは心強いです。とにかくバッグが気になってスピードを控えたりする必要がまったくありませんからね。
このバッグは取り付け位置もフレシキブルで、登りながら前後を調整していたのですが、下り始めると、まったくバッグの存在がまったく気になりません。
唯一気になるのは、フロントバッグに付いたマップケースが、風でバタバタすること位ですので、長い下りでは、外しておくと、さらに快適に下れると思います。
このぐらいの雨になると、防水のスタッフバッグにレインカバーを被せていても、内側から巻き込んだ水で、バッグの中は水浸しになりますが、そんな心配も皆無です。
途中二重かずら橋なる看板を見つけましたが、楽しいダウンヒルの最中にブレーキを引くなどと言う芸当は、私には到底出来ませんでした。

キャンプ場に着いて、やはり炊事場の屋根の下に、テントを張ろうとしているところで、あたりは暗くなd0ってしまいました。
ヘッドランプの明かりを頼りに、洗濯・行水と済ませ、貞光で仕入れた中華三昧とカマンベールがメインという、さぶい食事で、本日を締めくくりました。

いきなりミスコースをしてしまいました。
R439、通称よさくを下っているつもりが、道は登っています。
どうも、小島峠に向かう道のようです。
適度にタイトな道、苔むした岩、緑のトンネルに下を流れる渓流とツスーリングには最高の道だったので、このまま進んでも良いかなとも思ったのですが、昨日通った町に戻ってしまうので、この道は、次回ということにしました。
今日は吉野川まで下った後、国道沿いの猪鼻峠の登りがあるだけです。
京柱峠との分岐点には、あっという間に着きました。
この道よさくを真っ直ぐ進むと、途中いくつもの峠を越えながら、四万十河口の中村市まで続いています。私的に言わせてもらうと、ロードレーサーで走る道では、西日本有数のツーリングコースだと思いますが、走るのなら、中村側からの方が良いように思います。

ここから吉野川までは、ほぼ下りです。
途中食事をとったり、この谷から離れたくないという気持ちも手伝い、余裕の大休止を入れたりしたのですが、これが後でひびきました。

猪鼻峠の登りでまたまたスローダウン、車ががんがん走っているところでこれでは、格好がつきません。
方法の体で峠にたどり着くと、トンネル内が排気ガスで煙っています。
ただ、下っているので助かりました。

琴平あたりで、本場の讃岐うどんを食べようと思っbていたのですが、中途半端な時間のため、良さそうな店は閉まっていたのですが、綾歌町で、トラックや乗用車が何台も止まっているうどん屋さんの前を通りかかりました。
「決まりやね」という事で、その店に入りました。
壁には芸能人の色紙がたくさん飾られています。
時間は四時過ぎ、出来れば高松で、おいしい魚が食べたいと思っていたので、釜揚げの中を頼んだのですが、出てきたうどんを見て驚きました。
「三玉できかんぞ、これは!」
サイクリストと知って、大盛りにしてくれたのでしょうか?
そういう事なら残すわけには行きません。
うどんの味はまずまずでしたが、この時間にお腹が膨れてしまうのは、ちょっと痛かったです。

高松に着いたら、「鳴戸鯛に鳴戸のワカメ汁ぐらいは食いたい」と思っていたのですが、飲み屋さんのような店しか見つかりません。
そういう店は、下戸でノースモーカーの私にはちょっとつらいです。
代わりに目に付くのは立ち食いうどんの店。
いくらでも在ります。
やっぱりここはうどんかな?
と言うわけで、そういう店の一軒に入りました。
これは、まあひとつの正解でした。
締めにうどんはちょっと寂しい気もしないでは無かったのですが、このうどん、夕方食べた物より数段上で、これなら四国でうどんを食べた、と言えるレベルで、溜飲を下げる事ができました。

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