齋藤彩夏ちゃんリスト

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役名: 春野茜

ストレート 踊るやくざシリーズ最終弾 ―別れの章― 命ある限り極道として』 (2005)

スタッフ・キャスト

企画 ファイナル・バロック
演出 飛野悟志
出演(役) 宮下樹里(大和美沙緒)、飛野悟志(小林清志郎)、水野直(熊谷直行)、飛龍(菅沢金造) 他

出演公演

公演期間 公演会場
2005-05-06 〜 2005-05-08 [東京] 東京芸術劇場小ホール2

筆者の個人的な感想

開演前

この作品は、どんな役で出演するのかがまったくわからなかったので、不安を感じながら初日を迎えました。ロビーに入ってみると、やくざ役の出演者がそこここを歩き回っていて、すでに演技に入っています。トイレに立とうとすると「お客様をトイレに御案内しろ!!」とかで、いちいちトイレまで案内されて、「どうぞ、ごゆるりと最後の一滴までお出し下さい」とか、ドスの効いた声で言われる。落ち着かないよ(笑)。

時間が来ると、出演者はそのままやくざ役を演じながら、客席から舞台へと上がっていきました。開演ブザーもないし、それまでも客席で色々とやくざ役をやっていたので、ここから開演という境目がありません。客入れの瞬間から客席で舞台が始まっている感じ。

前回の粗筋

第10作目ということもあって、まずは、前作までの粗筋が回想の寸劇で語られます。パンフレットには人物相関図が載っていましたが、主人公は大和組のやくざたち。でも他にも袴田組、不動組、石塚組など色々あり、それらが友好関係だったり対立関係だったりでかなりややこしいです。

寸劇が延々と続くので、なんて「ビミョー」な舞台なんだ、と思ってしまいました(笑)。ようやく話が見えてきたのは中盤ぐらいで、私に取っては、ようやく話が始まりました。導入が長いなぁ。

彩夏ちゃんの登場

彩夏ちゃんは旅回り一座「宮沢組」の新人の役。着物を着て、刀を持って、殺陣のシーンがあります。父親の仇を追っている役を演じる役者の役です。おおおっ、彩夏ちゃんの殺陣がカッコいいぞ!!

この一座の座長と副座長は何やらいわくありげで、石塚組の元組長と知り合いのようです。茜のセリフでも「座長は昔、やくざだったみたい」と語られるので、きっとこれは伏線だなと思って見ていました。ところが、この一座は話にまったく絡まないまま終わってしまったのです。何だ、そりゃー!! 伏線を張るだけ張って、まったく使わずかー。

1回ではわからない

2回目に見たときは、話がわかっているので、最初の粗筋の寸劇も良くわかりました。話がわかってから見ると、導入は長くは感じなかったです(笑)。2回目に見てようやく人物関係がわかりました。

そして、2日目の舞台挨拶で、宮沢組一座を演じていた人の話によると、この人は前々作では石塚組のやくざの役だったとか。えっ!? じゃあ、私が伏線だと思った部分って、実は後日談だったのか? それならすべて納得が行くが……。だとすると、茜の「本当はやくざに戻りたいんだと思う」というようなセリフも、ひょっとしたら前々作を見ているとそれなりに深いセリフとして感じられるものだったのかも……。やっぱり最終作だけ見たんじゃ細かい背景がわからないですね。

やっぱり殺陣

カーテンコールでは、彩夏ちゃんたちゲスト出演者は途中で引き上げ、メインキャストだけ残っての挨拶。でもこれが毎回同じ挨拶で、同じパターンで芝居掛かった泣きに入るんですよね。この挨拶が千秋楽だけだったら、最終公演の感動の挨拶に見えたのかもしれませんが、毎回同じ……。公演後の挨拶まで台本通りに泣いて見せているんだなと思って白けてしまいました。まあ、実際のところはどうか知りませんけどね。

というわけで、私に取ってこの舞台の見所は、やっぱり彩夏ちゃんの殺陣です。殺陣の指導をしたのは、宮沢組一座を演じているチャンバラJrでしょうが、チャンバラトリオの弟子なのかな? その関係からか、2日目は宮川花子さんとかが飛び入り出演して、しゃべりまくり。彩夏ちゃんとの絡みもありましたが、話術はさすがプロだと思いました。


著者

<t-wata@dab.hi-ho.ne.jp>