温めるだけでもいけない


冬は冷えがきつくて・・・とお話になる方は多くいます。このような方の足を触らせていただくととても冷たい。日常の服装による防寒はもちろん、足湯をしたり、体を温める性質の食事をとる、ということを施術後にお話させていただくことが多いです。

では温めてさえいればいいのか?となると実はそうもいかないのです。

人間の体は60兆個の細胞から成るとよく言われますが、この細胞の1つ1つにはミトコンドリアと呼ばれる組織があります。ミトコンドリアは呼吸によって得た酸素を使ってエネルギー(熱)を作るという重要な役割があります。

このエネルギーがあるから人間は活動できるのですが、同時にミトコンドリアは細胞の分裂を抑制する働きがあり、温度が高いとその抑制が強まるのです。細胞が分裂しないと「子孫を残す」という生物の根本的な目的を果たせないわけです。

適度に冷やすことで機能が高まるとされる主な部位は皮膚や精巣です。冷やすといっても体温から5℃ほど低いくらいで十分な細胞分裂が行われるとされます。

また造血幹細胞(多能性幹細胞)は分裂を繰り返して赤血球、白血球といった血球を作っています。この分裂が抑制されたら大変なのは・・・お分かりいただけますね?それを防ぐために造血幹細胞は温度が上昇しすぎないよう、骨の中に存在するように進化してきたとされます。