三寒四温の言葉どおり、寒暖の差が激しい季節です。
今回は「寒」。冷えの話しです。
当院にお越しになられる方(特に女性)で冷えを訴える方は少なくありません。腰や肩の痛みほど切羽詰った状況ではないので「私、冷えるんです」と気軽に答える方も多いのですが、ちょっと待ってください。
冷えている状態は体にエネルギーが行き渡らない状態です。新陳代謝が損なわれ、不要な老廃物を体外に排泄できない状態が続いているわけです。当然血液も汚れています。
なんでこんなに冷えるのでしょう?体質によるところも大きいですが、現代の便利さが冷えをもたらしている面もあります。
例えば「完備された冷暖房」。どこに行っても快適な温度で過ごすことができます。ありがたいですね。でも人間には体温を一定(36度前後)に保つ機能が備わっています。昔、理科で習った「ホメオスタシス」という性質です。これを冷暖房が肩代わりすることで機能が働きにくくなるのです。
また今は冷たい飲み物が簡単に手に入りますね。コンビニにはペットボトルがずらりと並んでいます。冷たい飲み物が側にあるので体はいつも内側から冷やされるのです。
そして「過剰なストレス」。時間や仕事に追われ、体は緊張状態が続き、自律神経の働きが弱まります。
つらい冷えには「適度な運動」「適度な食事」「十分な休息」が大切です。
今回は適度な食事に必要な食材についてです。東洋医学、漢方では食材について「陰」と「陽」という区分をします。
文字通り「陽」は体を温め、「陰」は体を冷やす性質があります。「陽」の食材は一般に寒い地方で採れ、また冬場に収穫される種類が多いのが特徴です。反対に「陰」の食材は一般に暖かい地方で採れ、また夏場に収穫される種類が多いのが特徴です。
陰と陽の食材をいくつか挙げてみます。冷えの気になる方は、陽の食材を積極的にとるよう心がけてみてください。みなさんの冷えのつらさが少しでも解消されますように。
陰の食材
大麦、小麦、トマト、ナス、きゅうり、セロリ、白菜、スイカ、ごぼう、魚介類(生食)、塩、しょうゆ、バター、砂糖(お菓子全般)
陽の食材
米、山芋、こんにゃく、玉ねぎ、ねぎ、かぼちゃ、ニラ、ピーマン、にんにく、しょうが、みかん、桃、栗、肉類、エビ、黒砂糖、酢、味噌、日本酒、マスタード、トウガラシ