グフレディ ガレージキットインスト(1984頃?,メーカー不明) 文 小田 雅弘
Space Queen ”CORAL”
コマンドレディーのマーキングは、特に白兵戦の激化した中央アジア(インド北東部)で活躍したMS-07部隊で、
サイラス=ロック中尉が使用したパーソナルマークである。
MS-07グフが戦線に配備されたのは大戦後期であったが、続く主力モビルスーツMS-09の生産率の問題から、
MS-07を主力とできる部隊は比較的幸運であった。アジア方面へはMS-07の配備が早く、サイラス中尉の
所属する部隊でのグフタイプへの切り換えもごく初期に行われた。
ジオンではペイント・ジョブに女性を描くことが多く、サイラス中尉のマークは愛機のデザインを活かした好例である。
解説:『MSV』やポケットカード『MSV』で言及されなかった部分が記述され、非常に資料性が高い。
特に所属部隊(第4地上機動師団)の動向の記述は興味深い。前述の2資料でこの部隊は東南アジアで活躍したと記述があり、
どちらが前後かは不明であるが、転戦したものと考えられる。またサイラス中尉の部隊は07系で編成されていたことも分かり、
これは劇中でマ・クベ配下の中央アジア地域での配備状況と同一である。また、逆にいえばアジア以外では06系が部隊の主力
であったこともほのめかされている。なお、『MSV』では、サイラス中尉は戦車戦でめざましい活躍をし、終戦直前のMS戦で行方
不明となったと記述される。また、ポケットカードでは胸部にグフレディのエンブレムが施されていたことが記述される。
なお、CORAL(珊瑚)というのはこの女性キャラの名前であると思われる。
MS-06R-2P 及び MS-09R(R09)試作機
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MS-09Rとのテストトライアル時のカラーリングとされる | 同じくテストトライアル時のMS-R09の1号機 |
エース部隊と旗艦ザンジバル級キマイラ
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MS-14B(14Aと同様の塗装)とMS-06R-1A×2機(量産カラー) |
ガンタンクIIの背面画稿
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機動戦士ガンダム・イラストレーションワールド 購入特典であった『機動戦士ガンダム 設定大 全集』に掲載されたRMV-1 ガンタンクIIの背面 画稿。MSV当時には存在していない。 おそらく、Zガンダム出演時に際して書き起こさ れた画稿だと思われる。この推測を裏付ける資 料として、森永ミルクキャラメルのオマケミニプ ラモがある。このミニプラモには機体後部上面 のスリットなどが違うディティールで立体化され ている。もしキット化当時(84年)から背面画稿 が存在するなら、きちんと再現されているはず である。 なお、この背面自体の元ネタは、83年頃にボン ボンに掲載された小田氏作例であるらしい (未確認)。 出典:『機動戦士ガンダム 設定大全集』 1991,ムービック |
スタンパ・ハロイの戦力
映像で確認できただけで以下のMSを所有していた。
MS-05 ザクI ×4(ショルダータックルした機体、ザクマシンガン改を撃った機体、仁王の阿形像・吽形像)
MS-06V ザクタンク×2(ジュドーたちを前後で挟み撃ち)
MSM-03 ゴッグ×2(ルナン搭乗機、屋根を背負った機体)
MSM-04 アッガイ×1(ハマーン搭乗機)
MSM-04N アッグガイ×2(ジュドー機を羽交い絞めにした機体、ゾゴックと出撃した機体)
MSM-07 ズゴック×3(ジュドー搭乗機、スタンパ搭乗機、槍を持ってポーズした機体)
MSM-08 ゾゴック×1(アッグガイと出撃した機体)
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合計 15機
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頭飾り、帯衣、棍を装飾している。 | 通常、左側が阿形像、右側が吽形像であるが、ザクなので判明不能(笑) |
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色の配色が通常と異なり赤系カラー(未写真シール化) |
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色の配色が通常色やシャア専用とも異なる(未写真シール化) |
グレミー軍とハマーン軍のコア3周辺戦闘時の機種構成
グレミー軍は、ネオ・ジオンの本拠地であるアクシズを占拠したことにより、豊富な機種と機数を有するようになった。
軍の士気を高めるためと、ハマーン軍と自軍を視認できるように同系統のグレー系カラーで塗装したが、
一部グレミー軍しか保有しない機種については制式オリジナルカラーのままにしていた。
凡例:●(グレミー軍カラー、劇中で確認)、○(ハマーン軍及び制式カラーのもの、劇中で確認)、
△(劇中では確認できないが、存在する可能性が高い)、▲(存在する可能性低い)、×(存在しない)
機種 | グレミー軍 | ハマーン軍 |
AMX-003 ガザC | ● | ○(多) |
AMX-004キュベレイ | × | ○ |
AMX-004-2キュベレイmk.2 | ▲ | × |
AMX-004Gキュベレイ量産型 | ●→○*1 | ▲ |
AMX-006 ガザD | ● | ○(多) |
AMX-008 ガ・ゾウム | ○*2 | ○ |
AMX-009 ドライセン | △*3 | ○(多) |
AMX-011 ザクIII | ● | ○ |
AMX-011S ザクIII改 | ● | ○ |
AMX-014 ドーベンウルフ | ○ | × |
AMX-015 ゲーマルク | × | ○ |
AMX-101 ガルスJ | ●(多) | ○ |
AMX-102 ズサ | ● | ○ |
AMX-107 バウ | ●(多) | ▲? |
AMX-117R/Lガズアル/エル | ▲? | ○ |
AMA-01X ジャムルフィン | ▲〜× | ○ |
NZ-000 クィンマンサ | ○ | × |
RMS-099Bシュツルムディアス | △? | ○ |
RMS-106 ハイザック | ● | ○*4 |
RMS-108 マラサイ | ● | ○ |
RMS-154 バーザム | △? | △? |
NRX-044 アッシマー | ●?*5 | ? |
MS-14J リゲルグ | ▲? | ○ |
MS-14A ゲルググ | △? | ○ |
MS-09R リックドム | △ | △ |
MS-06F ザク | △? | ○ |
*1 初登場時はグレミー軍カラーであったが、グレミー亡き後は一般的に知られるダークパープル(制式色)にいつの間にか変更されていた。
*2 イリアのリゲルグに撃破されたガゾウムが確認できるが、制式カラーと区別されてはいない描写。→ガ・ゾウムのカラーリングについて
*3 グレミー軍塗装を行う前の戦闘ではドーベンウルフと編隊を組んでいるのでグレミー軍所属なのは間違いないが、グレー塗装は劇中で確認できず。但し、ガンダムウォー「武神降臨」編ではカード化されている。
*4 ハマーン軍でのハイザックとマラサイは、キャラの部隊の出撃時に確認される。劇中でハマーンは部下にティターンズの施設や軍備を接収するように命じているのでこれらの機種が登場するのはおかしくはない。そういう意味では大量生産されたバーザムあたりも運用されていた可能性は高いのでは、と想定される。
*5 クィンマンサ出撃時に確認できるとされるが、本来アッシマーは大気圏中で運用されるMSである。
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画像はVHSのものです。 どなたかDVDでの画像をいただけないでしょうか。 |
ガザC | おそらくガザD |
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バウのライフルを持つズサ |
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マラサイ |
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@ザクIII改(背部の大型プロペラントや大型の一本角などから判断) Aハイザック Bマラサイ CザクIII改、あるいはザクIII Dハイザック Eアッシマー?? |
ガンダムウォーより
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ガルスJ | ドライセン |
ガ・ゾウムのカラーリング
ガ・ゾウムのカラーリングと聞いてイメージするのは、黒+グレー系だろうか。それともパープル系だろうか。
実は両者が存在するのである。
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プラモ解説書 | アニメ誌等に登場する設定画 |
プラモ解説書に描かれた設定画は色味の違いの誤差とは言えないほどの差異があり、それは特にグレーの
濃淡のコントラストに如実に現れている。しかし、プラモのボックスアート及びキット色彩指示はパープル系の
カラーリングであり、プラモの中だけでさえも情報が錯綜してしまっている。
では、実際の劇中ではどう描かれているのだろうか。
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ゴットン搭乗の正規軍用 | リゲルグに撃破されたグレミー軍の機体 |
劇中ではむしろ、グレー系のカラーリングの描写である。
これでグレミー軍仕様の機体だけがグレー系の描写であるなら話は早いのであるが、正規軍仕様と全く描き
分けられていない。しかしそれでは敵味方(ハマーン軍とグレミー軍)の識別が不可能である。
非常に苦しい解釈であるが、劇中での正規軍仕様の機体の描写(作画)はミスであり、本来正規軍仕様は
パープル系カラーであり、グレー系カラーはグレミー軍仕様としたほうが妥当のように思える。
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ハマーンには複数の親衛隊隊員がいたことが劇中で確認できる。
後にキャラ・スーンのお目付け役となったギーレン兄弟の他、ハマーンへの執務報告を常に行っていた青髪の士官(親衛隊隊長と思われる)ほか、金髪の士官が確認できる。
『ジ・アニメ』で発表された裏設定によれば、この青髪と金髪の士官は全身銀色のガズアル/ガズエルに搭乗していたとされる。
また、後にマシュマー・セロのお目付け役となったイリア・パゾムも元はハマーンの親衛隊隊員であった。
イリアがリゲルグに乗る前の機体の設定は存在しないが(リゲルグは元々マシュマー機)、おそらく同様に
ロイヤルガード・ガルバルディであったことが推察される。
以上のことから親衛隊はガズアル/ガズエル/その前身機(AMX-117?)により構成された、高錬度の技量を
持つMSパイロットを兼ねた忠実な護衛係であったものと思われる。
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