Maggie's J‐POP論
その22 私をコンサートに連れてってH
     ―Mr.Children「“HOME”TOUR 2007
@日産スタジアム」2007.9.9―

先週だったと思いますが、e-plusよりミスチルの横浜・日産スタジアムでのコンサートの座席抽選のメールが届いて、これに応募したところめでたく当選。2002年の日韓共催ワールドカップの決勝戦が行われた日産スタジアム。今回初めて行ってきました。

日産スタジアムが初めてでもあれば、最寄り駅のJR・横浜線小机駅に降り立つのも初めて。こういうことでないと降りないだろうし(笑)。隣の新横浜駅からでも徒歩でアクセス可能なのですが、より近いのが小机駅とのこと。たまたま東神奈川駅で乗り換えようとしたら、この小机駅行の臨時列車が止まっていたこともあり、そのまま終点まで乗ってきました(写真は小机駅での臨時列車の時刻表。16時31分発の東神奈川折り返しに乗ったんじゃないでしょうか)。臨時列車なんか出すなんて、さすがミスチルといったところでしょうか。サッカーじゃここまでするかどうか。

こういっては地元の方に失礼ですが、そんなに大した駅じゃないんだろうと思っていたら、それなりにきれいな駅でした。スタジアムは駅から結構大きく見えますね。でもまあ、やはり大きさとしてはたか知れているので、あっという間に駅は人であふれ返り、まず駅を出るのに一苦労。でもって、駅を出たら出たでスタジアムへの道は住宅街の狭い私道1本。駅前に自販機こそあったけど、店なんてものはまったくない(商店街が反対側の出口にありますが)。だからなのか、各住宅の門のところで臨時に出店なんかを開いていて、結構買っていく人が多かったです。こういうのって地元の方の協力体制がしっかりしていないとできないんでしょう。さすが、ミスチル!

駅から徒歩7分のところ、結局20分以上かかってスタジアム到着。今回当選したサイドスタンドの席は、位置としてはステージからは最後方。100m以上距離はあると思われました。場合によってはステージが見づらいという情報を得ていましたが、写真のように照明を置く鉄骨が中間にあって、ステージに向かって右側が見づらい状況。もちろん、鉄骨の真裏は座席を設けていませんでしたが、おそらくステージを組み立てていって全体を見渡す中で、当初は場所的にダメと判断しても、チケットの反響の大きさとかを考慮して「あるいは、ここも席として設けてみては?」みたいな感じで、上記のように直前になって抽選とかが行われたんじゃないでしょうか。


18時10分、コンサート開演。(ミスチルの事務所)烏龍舎社長兼ミスチルプロデューサー兼キーボードの小林武史氏によるエレピソロがポロロンと奏でられると、オープニングナンバーは最新アルバム「HOME」より、ミディアムナンバー「彩り」。初めからノリのいいナンバーよりは、こういうオープニングもいいかなと思ったら、2曲目は鈴木JEN氏のドラムソロから「名もなき詩」で、一気に疾走感アップ。11年ぶりに聴きましたが、間奏のところの字余りな歌詞といい、懐かしかったです。3曲目「星になれたら」で少しテンションを落とすものの、4曲目「シーソーゲーム〜勇敢な恋の歌〜」でテンションは再び上がる。サビの“シーソーゲーム♪”というフレーズは場内大合唱。ついでに花火も上がって大盛り上がりでした。
4曲目後で、ヴォーカル・桜井和寿氏によるMC。コンサートタイトル「HOME」のコンセプトは、「今までやってきた自分たちの曲に還る」ということで、懐かしのナンバーを多く披露していくとのこと。まずは、世にブレイクするきっかけとなったcross road。原曲よりスローで音程も低めでしたが、ストリングスが入ったりしてアコースティック感があり音も澄んでいて、こちらのアレンジされたほうが好きでしたね。終わると小林氏によるエレピ。その感じからいって「くるみ」かと思ったら、大ヒット曲Tomorrow never knows。こちらも原曲よりスローで多少アレンジが変わっていましたが、なかなか味があって惹きこまれました。名曲って、そのイメージが強く残るから下手なアレンジは得てして裏目になりがちですが、それがなかったのはよかったです。あわせてmy lifeなども披露。

中盤からは、効果的な映像とともに彼ららしいメッセージ性の強い曲を披露。あのジョン・レノンのimagineも、桜井氏がアコギ1本で歌っていました。しかも、これだけ歌詞・邦訳つきなんて、あまりにベタすぎ(笑)。何曲か思い出せないものもありましたが、HERO」「Any」は歌っていましたね。バリバリの打ち込みとベタなメッセージ映像でのDANCE DANCE DANCEはめちゃめちゃカッコよかった。
一通りメッセージ性の強い曲が終わると、桜井氏のMC。いわく、観客にメインボーカルを取ってもらって1曲歌ってほしいとのことで、課題曲は「口笛」。音程はやや低めですが、ほのぼのとした明るい前向きな曲を観客全員で歌うそれは、なかなか爽快感ありました。歌い終わると、桜井氏絶賛。「明日の新聞の見出しは『6万7000人大合唱』です」だって。へぇー、このスタジアムに6万7000人もいるんですね。もっと少ないのかと思っていましたが…って、そっちかい(笑)。その後で、桜井氏いわく「上記『口笛』へのアンサーソング」とのことで「Sign」を披露。ストリングスも入って心に染み入りました。
そして締めは、World's end」「終わりなき旅」「しるし」の3連発。World's end」の強烈な疾走感からスローバラード「終わりなき旅」へのつながり方は、なかなか形容しがたい上手さがありましたね。「しるし」はこのコンサート一番の名曲といってもいい。「これが聴けただけでも、コンサートに来てよかった」と思える1曲。もっとも、使われたドラマ「14歳の母」の志田未来嬢のイメージがつきまとってしまいますが(笑)。
「終わりなき旅」も「しるし」も結構時間の長い曲ですが、これをフルで歌いきれるのもミスチルならではでしょう。
ミスチルの曲って途中から内省的な曲がえらく多くなっていったと思いますが、気持ちが外に向かってではなく「内に向かって爆発する」感じがするので、爽快感とはまた違う別の形のエネルギー発散という印象を強く持ちます。それがよく現れているのがバラードで、「終わりなき旅」「しるし」なんてのはまさにその典型。バラードというと、よく「しっとり歌い上げる」という形容をすると思いますが、「しるし」の場合は「どっぷり歌い上げる」というのがぴったりかな。要は、かなりヘビーなんですよ、曲のテーマといい曲調といい。「口笛」は、その点どっぷり感がまったくないから、まさしく対極的というか。

アンコールは、明るい前向きソングに転換。まずはアルバム「HOME」からWAKE ME UP。次いで、リズムの感じからいって「あ、あの曲かな?」と思っていたら、どんぴしゃで大ヒット曲Innocent Worldでした。久々ですね、この曲を聴くのも。多分、前に聴いたのは20世紀だったと思います(笑)。観客とともに、思わず熱唱してしまいました。最後に明るい曲2曲でまとめあげて心地よさをくれましたね。「しるし」の後じゃ場違いすぎて歌えないよね(笑)。ラストソングは未発表曲「旅立ちの詩」。再びバラードで締めて、20時50分終演。
終演後、グッズ売り場へ直行。マフラータオルやらTシャツやらエコバッグやらが売っていました。人が結構並んでいましたね。私は写真の「つながりTシャツ・ホワイト」を購入。3500円。袋がないのは、このグッズ販売にも“エコ”を取り入れているからなんでしょうね。多分、「袋がほしかったらエコバッグを買え」ということなんだろうね。結局、金儲けの“エゴ”でしかないんじゃないかって思ったけど。

帰りは、小机駅ではなく新横浜駅へ。新横浜のほうがでかいからいいだろうなんて思っていたら、とんでもない。何と駅前で入場制限がかけられていました。しかも、私だけでなく結構多くの人が考えていた「新幹線で東京に向かう」という選択肢は、あいにく新幹線が名古屋駅で大雨が降って上下線とも運転を見合わせていたことで、残酷にもあてが外れました。それもあって混んでいたんでしょうけど、6万7000人という人数は、やはり公共交通機関にとっちゃ処理能力の限界を超える人数だったんでしょうね。(おわり)

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