Maggie's J‐POP論

その16 私をコンサートに連れてってB
    ―安室奈美恵「Live Style 2006@国立代々木第一体育館」2006.9.18―


ほとんど知らない曲ばかりでした(笑)――ま,それでも彼女は陳腐な表現で申し訳ないけども,「ものすごく歌って踊れるアーティスト」ですね。見ているだけでも圧倒される魅了されるものがあります。声も大ヒット曲『CAN YOU CELEBRATE?』を声かすらせながら毎日のように歌っていた頃がウソのように,勢いとハリがあってよかった。ダテに琉球空手で鍛えた人じゃないですし,彼女の過去も含めて,それをここには特段書かないけど,いろんなコトをあの年齢で経験しているからか,実にタフであり,ああいうのを芸能人って言うんだなっていう,漠然とそんな印象を持ちました。
「管理人のひとりごと」Part93にも書いたけど,明後日で29歳になる彼女(ちなみに,「ハッピーバースデイ」の合唱はなかったです)。こまめな衣装替えの中で一貫して下がミニスカートでしたが,不思議とキュート。子供産んでるんだよね。でも,まったくババくさくないし,年を取ることを知らない…いや,年を取るとしてもイヤな年の取り方をしない人だな。踊るわけでもないのに,声がかすれてしまう某若手女性アーティストに見習ってもらいたいものですね(笑)。

初めて知っている曲になったのは,5曲目の『a walk in the park』。サビアタマの「walk in the park♪」のところはみんなで大合唱。この曲自体,私結構気に入っているし,割と食い付いている人も多かったような。本人がMCで最近のアルバムやシングルのカップリングで構成していると言っていたけど,なるほど,いわゆる“小室ファミリー”としてヒット連発していたころしか目が行っていない人には,ちょいと辛かったかもしれません。その“小室ファミリー”時代の曲は,十数曲最近の曲を歌って1時間半近く経って,アンコール@の『BODY FEELS EXIT』『CHASE THE CHANCE』まで待たなくてはならなかったですね。後者もやっぱりサビアタマの「JUST CHASE THE CHANCE♪」のところで,ジャンプ&大合唱。ホントは私もジャンプしたかったけど,足元が狭いし暗いしで断念。ロッテの応援ではジャンプできるわりに,こーゆーところがイマイチ。

アンコールAは,上記『CHASE THE CHANCE』の終了後,ステージの明かりが消えると,両サイドにあるスクリーンにフジテレビの「ワンナイ」のシーンが映し出される。ゴリエ嬢とチビッコダンサーがアムロ嬢と会って意気投合。アムロ嬢いわく「コンサートに来て」――ここで大盛り上がりの場内。もしや,彼らが出てくるのでは。でもって,アムロ嬢を交えた即席の記者会見(もちろん「ワンナイ」の中のコント)みたいなのがあって,課題曲が彼女の口から『You're my sunshine』と告げられると,場内がまた湧く。ただし,タダでは出させられないのが世のルール。すかさずゴリエ嬢に「ステージで10回ヘッドスピンができなければ引退」という条件を突き付けられる。ここでさらに大盛り上がりの場内。
次の瞬間,パッと明かりがつくと,紛れもないあのゴリエ嬢がアムロ嬢と一緒に登場。さらに大歓声の場内。ま,元々ダンスはピカイチのゴリエ嬢だけに,しっかりとダンスについてきていたし,チビッコたちもなかなか器用に踊っていました。肝心のヘッドスピンはというと,彼女が階段状になったステージの左上にチビッコダンサーとともに移動していくと同時に,ゴリエ嬢はステージの真ん中へ。ヘルメットをかぶり座り込む。ここで大歓声。両サイドにはそのシーンが映し出される。やがて,お約束の大股ぶっ広げの3点倒立状態になって,クルックルッと数回まわって…ここで一度一呼吸。「昨日もやったんじゃないの?」とお約束の失敗かと思ったけど,多分本人は真剣だったと思う。
で,セカンドトライ――今度は無事10回まわったようで,場内から大拍手。私,手をついてのスピンでOKだと分からなかったので,「あんなんでいいのかよ?」と思いましたが,そりゃあアタマだけで10回転なんて,プロでもできやしないよな(笑)。ま,いずれにせよゴリエ嬢の引退は(お約束ですが)ナシで済んだわけだ。その後の踊りも含めて相当疲れていたのは言うまでもありません。そんな表情が映し出されると,場内爆笑。曲の途中でアムロ嬢と踊っているダンサーが1人ずつ紹介されてパフォーマンスしたのですが,ゴリエ嬢は両手を合わせて「ご勘弁を」のサイン。曲の最後のほうでアリーナ席には天井から金色のバルーン(コンサートタイトルが印字されたものでした)がバラバラと落ちてきて,最高のムードでエンディング。バックバンド・ダンサーにゴリエ嬢,そしてアムロ嬢全員で手をつないでバンザイして大団円。

ちなみに,二十数曲歌ったと思いますが,ほとんどパフォーマンス中心で,途中あった2回のMCは言葉少な。本人いわく「えー,特に話すことはないんですけど」――ま,そのままMCされても限界があるだろうし,さだまさし氏みたいならともかく(笑),なまじ下手なMC聞かされるくらいなら,MCいらないからその時間をパフォーマンスに当ててくれと個人的には思うので,たとえほとんど知らない曲ばかりであっても,今回のようなパフォーマンス中心のステージはよかったと思います。多分,恥ずかしがりやなんでしょう。次の曲を紹介しようと思っていたら,ステージ近くの客が言葉を遮るようにキャーキャー言っている。とりあえず,軽く手を挙げる彼女。さらに大きく湧く客。すると,半ば自棄気味というか逆ギレみたいな感じで「イェー!」と叫びながら両手を挙げてピョンピョンするアムロ嬢。ま,彼女のしゃべりはその程度でしょう。ヘンに身の上話されなくてよかったです(笑)。

――今回座った席はステージから見て右手はるか後方の2階席。逆に言えば私は左下にアムロ嬢を見下ろす感じ。天井がすぐそばまで迫っていたせいもあるのか,同じアリーナ会場だったさいたまスーパーアリーナに比べると小さい感じがして,はるか後方のわりにはしっかり彼女のパフォーマンスは見られたと思います。あとは16時開演(厳密には15分近く遅かったけど),終了が18時15分というのもよかったですね。ヘンに遅くならなくて健康的でいいです。(おわり)

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