主婦の自意識と私のHP
 HPを開設して、すぐに通知をしたはずなのに、もう1ヶ月になろうというときになって「見たよぉ〜」なんてメールをよこした奴がいます。20年来の友人のJです。遊びの誘いのメールに返事がほしいと入れて送っても音沙汰なくて仕方なくメールをチェックするようFAXを送って、それでも連絡がなくて電話で連絡してやっと返事がもらえて、前日の夕方ドタキャンするような奴ですから仕方がなのかもしれません。これだけ言うと、とんでもない人のように聞こえますが我儘な私と20年も友達でいてくれて、しかも「私の辞書には我慢、忍耐なんて言葉はないの」なんて平気な顔して言っていたウルトラ我儘だった若い頃からの友人なのですから、やっぱり、かなりいい人なのです。そして私のよき理解者なのだと思います。その彼女がHPを見たというメールに、「相変わらずで安心しました」と書いてきました。相変わらず・・・・
 最近になって、私のHPは障害を持つお子さんの親御さんの訪問を受けるようになりました。私もその方たちのHPを足がかりにサーフィンしてみると殆どのHPのタイトルにお子さんの名前が入っています。そして、写真、成長記録、中には同じような障害を持つ子の親にとっては教科書になりそうな、問題行動とその対処法をきちんとまとめてあるものまでありました。 なんか違う・・・・私のHPと根本的に何か違うのです。
 しばらくするうちにわかってきた事は、それらのHPは明らかに主役は子供なんです。でも、『猫のひとり言』の場合、主役は私です。猫は私の事で、私のひとり言なんです。
 そっか・・・この自意識だ! この自意識の強さが相変わらずなんだ・・・・自己主張の強さと言い換えても良いかもしれません。
 私が昔、劇団の音響をやっていた頃「おまえの音響は傲慢だ」と言われた事があります。音響は裏方で演技するのは役者です。でも私は裏方に徹する事が出来ませんでした。自意識が強すぎたんです。 (ミキサーの)フェーダーで演技するとか何とか言って、いい気になっていましたが、実のところは我儘に自己主張する音響だったのです。 
 家庭の主婦や子供の母親にとっては、この自意識というものは必要ありません。○○ちゃんのおかあさん、××くんのママ、△△さんの奥さんと言う形でしか存在を許されないコミュニティにおいて自己を主張すると異端視されます 。このコミュニティから離れて子育てするほど私は強くありませんし、そこまでして自己を主張する意味もないと思っています。この10年、摩擦を避ける為に言いたいことを我慢し、なるべく目立たないようにと努力してきました。 しかし、私の中の自意識は常にその発露を求めていました。
 子供が生まれてから私の辞書に我慢、忍耐、と言う言葉が増えました。我儘でなくなったとは言いませんが少しおとなになったと思っています。子供が私を成長させてくれたのだと思います。それでも私は私です。てっちゃのママもしているけど、三児の母でもあるけれど、そう言う部分も持っているひとりの女性である私の存在を知ってほしい。この自意識はどうしようもありません。『猫のひとり言』は、そんな私の自己表現の場なんです。
 しかし、本当にJはここまで考えたのかなぁ・・・(ボソ)                        (Jly.2000)