日本一周の為にやったこと


 

●無線機とアンテナを取り付けた(世界一周も?)

 

日本一周とはいえ、イザという時のために通信設備は欠かせません。
携帯電話が非常に発達した昨今、海上においても日本沿岸のほとんどで携帯電話の使用が可能です。
でも、携帯はあくまで陸上専用。イザという時つながらないことを十分に想定しておく必要があります。
ならば、船舶電話を設置するという考えが普通ですが、陸上の携帯電話が恐ろしいスピードで安価になったにも関わらず
船舶電話は、一般のプレジャーボートにおいて、そうやすやすと設置できるような価格にはなっていないのが現状です。
 そこで、Kasayanのようなごくごく平凡な一般人が設置可能な海上通信設備を考えるのならば

マリンVHFアマチュア無線を選択することになるでしょう。

 マリンVHFは全世界、全船舶共通の国際VHF無線のチャンネルの一部を日本においてプレジャーボート用に開放したもの。
およそ8万円ほどの設置予算と、講習会でも取得可能な第3級海上特殊無線技士資格で運用が可能です。
イザというときには全世界共通の呼び出しチャンネル「16チャンネル」で海上保安庁や沿岸の大きな船と連絡が取れる優れもの。
Kasayanの場合、第1級海上特殊無線技士資格がありますから、マリンVHFの5倍もの出力を出せる
国際VHF無線を設置することも可能です。
 でも、海外では2〜3万円程度で売られている日本製の、まったく同じ無線機が、国内では30万円もするのです。
船検にひき続き、日本の検定制度の納得のできないオカシナ部分ですが、仕方がありません。
Kasayanは、沿岸部での非常用通信設備としてマリンVHFを格安で設置することにしました。

 


携帯電話右側がマリンVHF(小型でも据え置きと同じ出力5W)

 

また、マリンVHFをもってしても非常時に連絡が取れないことがないように、
短波(HF)のアマチュア無線機とVHF/UHF無線機を設置しました。

 

                                                                                                                    

左写真中央緑のディスプレイがHF無線機、
右写真中央は144/430MHzFMトランシーバー
(右ディスプレイは魚探)

 

これならば、沿岸部はマリンVHFとアマチュアのVHF/UHFでカバー。HF無線機によって日本全国ばかりでなく、
さらには世界中に電波を飛ばすことができるのです。
 無線だけは世界一周もできる設備となりました。
ちなみにアマチュア無線で短波を使うのは、Kasayanが高校生(20年以上前)、アマチュア無線少年だったとき以来。
昔の短波無線機は、真空管の送信管が熱を発し、冷却のファンがゴーゴーと音を立てる、いかにも「無線機」でしたが、今では
弁当箱と同じ大きさ。そして、格段に性能がアップしています。またなにより嬉しいことは価格が下がって、中古では5万円を切ったこと。
気象予報士になる前、メーカーでビデオの開発(ベータとVHS方式の戦争末期にその一方で武器開発にいそしんでいました)
をしていたKasayanですが、改めて、デジタル技術の発達が、アマチュア無線の世界まで大きく変えてしまったことを実感しました。

 そして、試験運用。マリンVHFは明瞭に東京マーチス(東京湾の海上交通管制)、横浜、千葉、横須賀のポートラジオ局、

巡視船の取り締まりの様子を受信します。万事OK.。送信テストは局免許が届いてからのお楽しみ。

さらにHFのアマチュア無線。7MHzでは北海道と山口県の局の交信が飛び込んできます。
さらに21MHzではアメリカロサンゼルスの局が交信を求めるCQを出しています。
いつのまにかKasayanは20年前の無線少年に戻って、マイクを握り締めロサンゼルスを呼び出していました。

「・・・This is JH0*** /マリンモービルover !!」感激ヒトシオ・・・・

頭の中は、すっかり太平洋ひとりぼっち。Kasayanはすっかり到着目前のロサンゼルスと交信しているつもり・・・
・・・・・・・・・と、そのとき・・・・・・・・・・・・「ブツッ」という音とともに無線機の電源が落ちて・・・・・・・・・。
それっきりパイロットランプも消えて、無線機はすっかり無口な黒い箱になってしまいました。
ヒューズを見ても、電源電圧を確認しても異常なし。
その2時間後、無線機をかかえて、JR京浜東北線の中を秋葉原に向かう半泣きのKasayanの姿がありました。
中古の無線機で保証書が無かったのですが、そこはKasayan。店にねじ込み、タダで修理をしてもらうことに・・。
電源基板のパターンが、切れていたとのこと・・・・一体なぜ???????

一週間後、無事再設置を終え、マイクを握って海外局を呼び出すKasayanでした。

(テスト交信では、中国上海、沖縄、北海道まで電波がとどきました。やはりグランドの上手なとり方がアンテナのSWRを下げ、

電波の飛び方に影響するようです。)

 

 
左写真の左側のアンテナがマリンVHFアンテナ・右がアマチュア7・21MHzアンテナとコイル
右写真はGPSアンテナ(卵の形)と144/430MHz用グランドプレーンアンテナ




 

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