日本一周の為にやったこと


 

●25、意外とかさばる衣料と食料

 

10日間の海外旅行でも、ちいさなショルダーバッグでOKのKasayanですが、春、夏、秋にかけての5ヶ月間を
船の中で過ごすと考えると、自然と荷物が増えてしまいます。特に衣料については考えどころ。長野県の山国で、
北アルプスの山々を歩いてきたKasayanの場合、少々着たきりスズメでも一向に平気なのですが、さすがに5ヶ月
間、同じ服を着続けるわけにはいきませんし、海でも山と同じで、濡れた服は体力の消耗につながるため、ボロでも
ドライな服を常に用意しておく必要があります。また、行く先々で洗濯が可能とは限りませんから着替えはその分
少々多めにしておく必要がありますし、さらに夏といえども北海道の東部では朝晩10度を下回ることも。
そう考えると服の量は座布団用の袋2つ分にもなってしまいました。同じく女房の服も2袋。せっかくバウに押し入れ
を作りましたが、服だけでちょうど一杯になってしまいました。

 

 

上の写真がバウの様子。棚の中はすっかり衣料に占領されてしまいました。

 

 

そしてこの写真は、キャビンサイドの天井に作った網棚。食料は全てバースの下に収納したのですが、菓子類や
調味料など、軽いけれどかさばる物も以外に多くなります。貴重なバース下のスペースをそんなものでふさいでしま
うのはもったいない。以前、マリーナにやってきた世界一周レース艇の食料保管方法を真似して天井に網棚を作っ
て収納することにしました。DIYの店で園芸用のネットを購入、5ミリのショックコードを周囲に通して天上から吊るし
ましたがこれが以外に便利。ついついお茶を入れるとつまみ食いをするようになってしまいました。

 ここで改めて感じたのは26ftのヨットは、沿岸長期航海では荷物の面でシングルハンド向きなのかもしれないと
いうこと。
ダブルハンドの荷物は、衣料の場合、単純にシングルハンドの2倍になりますし、食料や食器も同様です・・・・。
あたりまえのことですが、あらためてその量の多さを実感するとともに、荷物を削る難しさが身にしみました。
一人が寝るためにはバースが一つ、その人のための荷物や毛布を置くのにバースが一つ。ダブルハンドには最低
4バースが必要になると思います。コクピットロッカーは多分、フェンダーや予備アンカー、燃料のポリタンク、もやい
で一杯になるでしょうから、共有の日曜生活品(洗濯道具やラジカセ、etc)やアイスボックス、折りたたみの自
転車、ランタンなどを積むにはもう1バース分のスペースが必要になるでしょう。結局5バースとなって、26ft程度の
船ならば簡単に満載になるのです。そして、バースの下は、法定備品、工具、雑索、予備部品、食料でいっぱいにな
るはずです。また、これがレースなら、耐乏生活は止むを得ないのですが、長期クルージングには多少の余裕がな
ければ楽しいはずの水上生活も苦しいものになってしまうでしょうから、なかなか荷物を削ることができません。


さらに感じたことは、長期間のクルージングのパートナーは夫婦が一番かもしれないということ。
気心の知れた女房でなければ、身の回りの生活用品を共有したり、下着を同じ袋に入れて積み込むことなど
できませんから、ダブルハンドの相手が女房でなければ、今のように荷物を積み込むことはできなかったでしょう。
生活におけるプライバシーという面でも夫婦が一番気兼ねしないでいられるはずです。
海外の長期クルージング人口のかなりの割合を、夫婦ダブルハンドが占めているという話を本で読みましたが、
こんなことも理由の一つなのかもしれないと考えるKasayanでした。


 

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