日本一周の為にやったこと


 

●12、海図の効率的利用法


船で海図を使うとき一般的にチャートテーブルを使うと考えられますが、ヨット、それもKasayanの船のように小さい船の
場合、チャートテーブルも小さく
(どちらかといえばGoldenWistaria号のは大きいのですが)て使いにくく、ましてや少人数で
船を動かす場合、ゆっくりとキャビンの中でチャートを広げてコース確認というわけにはなかなかいきません。
そこで、少々工夫をしてみることにしました。

清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったチャートは、それはそれはしっかりとした紙でできていて、家のふすまに貼り
たくなります。しかし、冗談抜きでふすま紙のように大きく、Kasayanのチャートテーブルには、半分に折ってようやくおさま
る大きさです。ならば半分に折って使えばよいのですが、これでは、コクピットに持ち出して使うことは不可能です。
とすれば四分の一くらいに折って使うことになるのですが、本来チャートは絶対折ってはならないという決まりがあります。
これは本船(大きな船)にのっている航海士にとってはオキテのようなものらしく、身近で「水先案内人」をしている人に
聞くと死刑に値するとんでもない所業なんだそうです。本船ならば、海図の改補(修正)は航海士の仕事で、もし折って
しまったならば、それも不可能になるというところからこんな不文律ができたのでしょう。
ヨットなんだから柔軟に考えるべきですが、コクピットに大切なチャートを出してもし飛ばされたり濡らしたりすることを
考えておく必要もありそうです。

ところで、水先案内人、それも広い水先区を担当する水先人は、いつもショルダーバックの中に自分の水先区の詳細チャ
ートを20枚上も忍ばせていますが、そんな重たいものをどうやって持ち運んでいるのでしょうか?
そこに大きな工夫があることを教えてもらいました。

 

 

上の写真、ビニールでできたこのファイル入れ。フロッピーの大きさと比べてみるとB5程度の大きさです。
でも、これがクセモノ。じつはこの中に瀬戸内海の海図がなんと40枚も入っているのです!!!!!!!!
チャート40枚なら、重さだけでも本来2キロから3キロになるはずです。いわんや厚みは・・・・・。
これは、通常のチャートを80パーセントに縮小コピーしたもの。それも両面コピーにして、表に小縮尺、裏に大縮尺の海
図を対応させているので、必要に応じて、裏表をみれば簡単に.位置を対応させることができます。また、紙が薄いので、
折りたたんでもかさばらないし、軽いので、この大きさと重さにおさまってしまうのです。そして・・・・・・・・・・・

 

 

これは、日本でも難所中の難所である、瀬戸内海来島海峡の海図です。

少々見えにくいのですが、海図上には、必要な物標の見通し線、暗礁、浅瀬のマーキング、航路の方位角、顕著な岬や物
標識からの1マイルごとの距離線が赤ボールペンでびっしりと書き込まれています。
本船とはいえ、GPSやレーダーに頼らない地文航法で走るために必要なものは一目でわかるようになっているのです。
これにGPS用の緯度経度の格子を書き込めば、鬼に金棒でしょう。
 以前、チャートや地図をコピーすると、縮尺による誤差やゆがみが生じるのでコピーは厳禁という話を聞いたことがあり
ますが、海のプロ中のプロの水先人がこのチャートで水先人として過去20年間無事故で何万トンという本船を操船してき
たという実績を考えれば、なんの問題もなさそうです。
Kasayanも、購入した全てのチャートをコピーして、考えうる全ての情報を書き込んでおくことにしました。
また、原本のチャートは、しっかりとした筒に入れてイザというときのバックアップとすることにしました。

どなたか、日本一周をご計画のかた!!!!
日本一周後、チャートを
買い取ってくれませんか?しわもなく、書き込みもないマッサラなチャートです。
1/20万海図24枚・・・・・いかが????

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