日本一周の為にやったこと


 

●11、工具の選択(最後まで迷うでしょう)

車を買うと、申し訳なさそうに工具一式がついてきます。せいぜいパンクしたタイヤを交換したり、バッテリー交換のときに使うためですが、それでも直らなければJAFや近くのガソリンスタンドのお世話になるはずです。
パリダカールラリーのような人里はなれたところに行く車でもなければ、大きな工具箱を積んでいる人はいないでしょう。
しかし船の場合は、どんな状況でもなんとか自力で港に入れる程度に修理を行わなければなりません。
そのために必要な工具は????????
 エンジンからリギン(マスト関連)、船体全般、電気系統まで、考えれば、その範囲があまりに広く、きりがありません。
また、万が一工具を海に落としたり、壊れたりした場合のバックアップも考える必要もあります(今まで、何度か工具を海に落としたことがあるのです)。究極は、一隻の船を造船できるだけの工具があれば問題はないのですが、造船所を船に乗せるわけにはいきません。また、重い荷物は、船に対して負荷となって重大な故障原因となります。
そこで、考えに考え抜き、徹底した取捨選択が必要になってきました。
 ちなみにKasayanが初めて船を持つようになってから、まる8年が経ちます。今のGoldenWistaria号の前に乗っていた船は、半レース艇で、非常に繊細(壊れやすい)船でした。このため、入念な点検とメンテナンス、そして修理が常につきまとっていました。そこで、エンジンのオーバーホールまで含めて、この8年間に修理や改造に使った工具は最低限用意してみることにしました。以下がそのリストです。

 

とりあえず選んだ工具一式

 

ドライバー+大

ボックスレンチ(ミリ・インチサイズ・エクステンション46p)一式

ドライバー+小

棒(丸・板)ヤスリ一式

ドライバー−大

パイプレンチ(径30ミリ)2本

ドライバー−小

手術用はさみ

ドライバー+ショート

リーマ

ドライバー−ショート

ハイスドリル歯(1ミリ〜6ミリ)一式

ニッパー大

充電式電動ドリル・ドライバー

ニッパー小

20Wはんだこて

ペンチ

ノギス

プライヤー小

マイクロメーター

プライヤー大

すきまゲージ

組みレンチ(ミリサイズ)一式

巻尺

めがねレンチ(ミリサイズ)一式

金ノコギリ

モンキーレンチ大

ワイヤーカッター(鋼線8ミリまで)

モンキーレンチ小

センターポンチ

ラジオペンチ

カッター(大・小)

六角レンチ(ミリサイズ)一式

電工端子圧着ペンチ(6スクエア線まで)

六角レンチ(インチサイズ)2本

キリ

ハンマー

精密ドライバー

プラスチックハンマー

刷毛・ヘラ

バール

しゃこ万力


 トルクレンチや、リベッターなどの、めったに使わない工具は別として、シリンダヘッド以外のエンジンのバラシ。リギンの調整や切断。船体の工作くらいは可能です。これ以上工具を持っていても、揺れる洋上での作業はたかが知れています。
また、国内のクルージングですから、どこの漁港に立ち寄っても、エンジンに関しては、世界に冠たるヤンマーのサービスがうけられるはずです。ですから無事入港しても、できるだけ自分で修理ができるように考えた装備にしてみました。

 以前、メーカーに勤めていたKasayan。工場移転の際、工場の片隅に置き去られていた工具を拾い集め、CRCで磨いておいた努力が報われました。工具一つ一つを手にとると、「あれも持っていきたい」「ひょっとしたらイザというとき役に立つかも?」などと考えてしまい、どうしても量が増えてしまう。
 結果的に、一回も使わないのが一番なのですが・・・・・・多分、最後の最後まで悩んで、イザというとき非常につまらない工具一つに泣くのでしょうね・・・・・・・マーフィーの法則(古い!)。


 

やったこと一覧に戻る

 

表紙に戻る