日本一周の為にやったこと


 

1,船検の取得(ああ高いの巻)

車に車検があるように、船にも船検というものがあります。また、日本で車検を取った車が日本国内でしか走れないように、船検には、限定沿海、沿海、近海、遠洋などの種類があって、その検査内容で決められた範囲しか航行することができません。
私と同じ26ft(8メートル)程度のヨットを新規に購入した場合、普通の人は限定沿海仕様で船検をとることになります。
この仕様だと、東京湾に船を保管している場合、せいぜい房総半島の先端から伊豆大島、伊豆半島付近までしか航行を許されていません。もし、勝手にこの範囲を超えて航行し、海上保安庁につかまれば1年以下の懲役、50万円以下の罰金という車の違反では考えられないような、大目玉を食らうことになるのです。

 当然、私の船(Golden Wistaria号)も限定沿海仕様の船検ですから、日本一周のためには沿海仕様の船検を受検し直す必要があります。沿海仕様の船検を取ると、陸地から20マイル(およそ40キロ)以内であれば何処へ行ってもOK。小笠原等を除き日本一周も可能です。早速Kasayanも沿海の船検を取得することになりました。
通常、船検の取得は、業者に委託することが多いのですが、いかんせんKasayanは失業者の身。
時間はいくらでもあるが収入はない!!!。そこで、自力で船検取得を実行することにしました。

 沿海の船検をとは、船を陸に上げ、航行範囲に従った法定備品と呼ばれるオモチャ(救命浮環
(浮き輪のこと)、救命浮器(いかだのこと)、発煙信号一式(沿海セットという)等)を新たに購入設置し、小型船舶検査機構という妙に年寄りしか居ない団体に審査を受けることになります。
 しかし法定備品の高いのなんのって!!常識を超えているのです。
どう見ても直径50センチの発泡スチロールのワッカでしかないオレンジ色の浮き輪が7千円、
およそ1メートル四方のこれまた発泡スチロールの浮き(いかだとは言いがたい)が4万円
打ち上げ花火のような発煙器具(ほんの数年で寿命が来て買い換えが必要)がなんと5万3千円
するのです。また、金物屋で3千円で売っている粉末消火器も、小型船舶用の認定マークがついただけで1万2千円!!!!。おまけにどう見ても、こんなオモチャじゃ遭難したときとても助かるような気がしない・・・・。でもこれらを揃えないと船検が通らない。船検の時だけ、隣の船から借りるという裏ワザもあるようですが、気の小さな私には「犯罪」の2文字が頭に浮かび、そんな裏ワザ使えない。

 その他、もろもろの法定備品を泣く泣く揃え、しめて13万円の出費となりました。
 でもこれは備品をそろえただけのこと。ほんの数分間、法定備品の数を数えるだけの検査費用そのものはおよそ3万円!!!。さらに上架するための費用も・・・・・・・・・・・・・・・一日で2万円
とても検査とは言えない「購入品の数合わせ」にしめて18万円もかかってしまいました。
問題が多いと言われながらも、エンジン、ブレーキもろもろの検査、整備をしてくれる車の車検のほうが100万倍もマシ。
いつもながら日本の行政のあり方に疑問を感じざるをえないのでありますハイ。


 

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