5月26日(金) 兵庫県 姫路市 木場ヨットハーバー ⇒ 香川県 小豆島 北浦港 大阪城残石記念公園
西から天気は下り坂。朝鮮半島の西に低気圧があってゆっくりと東進中。久しぶりにしっかりとした低気圧がやってきます。ラジオを聞くと、久しぶりに気象庁からは大雨に関する情報も出ているらしい。でも近畿地方の崩れ始めは今夜以降。日中は、低気圧全面の雲に覆われますが、雨の心配はなさそう。ただ、心配すべきは低気圧に吹き込む南東の風が強まる可能性あること。瀬戸内海の風の吹き方を体感したことの無いKasayan。用心して、今日も早め出港、早め入港をすることにしました。
まったくいつものとおり、5時40分出港。まだ、高気圧の圏内なので北からの陸風が2メートル前後吹いています。臆病なKasayan。南の吹き始めを恐れて、すでにワンポイントリーフ。弱い北風をクオーターに受けながら、ジブをフルに開いて帆走。播磨灘に浮かぶ家島諸島北側へ。若干の向かい潮があるので、エンジン半開で対地速度5ノット。十分な速度。
8時前、家島諸島の男鹿島を経て家島港沖へ。男鹿島は採石されて島の北半分は原型を留めていません。また、家島港沖には、デッキにクレーンを乗せた砂利運搬船が10隻以上も停泊しています。聞くところによると、この島から関西空港の埋め立ての砂利を運んだとのこと。今度は、神戸の空港埋め立てもありますから、家島諸島はいつか無くなってしまうのではと思えるほどの自然破壊でした。
多くの漁船と、東西行き交う砂利運搬船を避けながら9時過ぎ、家島諸島西端の院下島を通過して一路小豆島へ。姫路〜小豆島のフェリーが猛スピードですれ違っていきます。
ここまでは、家島諸島の北側を走っていたので、南風はブランケットになっていましたが、吹きさらしの播磨灘に出ると、すでに風は南寄りに変わっていました。慌てて海上保安庁のテレホンサービスを聞くと、小豆島南端の地蔵崎で東南東4メートルとのこと。この南風、あとは次第に強まってくるはずですが、小豆島へ向かう方向なら、アビームで走れるので、セールエリアの調整だけで大した苦労は無いはずです。でも臆病なKasayan.は、できるだけ早めに小豆島のブランケットに入るため、牛窓寄りの大回りな計画をしていたコースを短縮。小豆島の妙見崎を直接ねらうことにしました。この妙見崎の西側には、日本のヨットマンなら大抵の人は知っているという岡崎造船のある琴塚があります。
家島諸島と小豆島の中間で、次第に風が上がり、ジブを半分まで巻きましたが、ワンポンのメインと半分のジブで対水速度6.3ノット。リーフしておいて良かったと思うKasayan。対地速度も6ノット、ものの1時間半ほどで、小豆島大部港の入り口に到着。案の定小豆島のブランケットに入るとともに風が落ち、ついには無風。しかたなくジブを巻いて機帆走に。
ちょうど良い風向きと風速に恵まれるのは難しいものです。
妙見崎10時半通過。琴塚が見えてきました。Kasayanの知り合いが乗っている多くの船がこの場所で生まれたのかと思うと、妙に感慨深く、スピードを落として、ゆっくりと見物。今日は、琴塚に停泊しようかと迷いましたが、ここはスターンアンカーバウ付けが基本の港。明日の日和待ちに小豆島見物をしようと考えているので、走錨の恐れの無い、立派な桟橋があるとの情報のある北浦へ。(情報はクルーズネットジャパンと牛窓ヨット連絡会から。大感謝です)又、岡崎造船で作った船でないと何か入りにくい気もします。
およそ15分で、琴塚のおよそ1マイル南西の北浦港到着。港の入り口には、石造りの灯篭の形をした灯台があり、防波堤はなんと全て真新しい趣のある石垣。セールを下ろし、中に入ると、幅が3メートル、長さが30メートルもある立派なコンクリートと鉄でできた桟橋がありました。この港、かつて大阪城築城の際に石垣の石を運び出した港で、港全体が大阪城残石記念公園という公園になっています。桟橋のたもとには、公営の「道の駅」と、三棟もある大きな大阪城残石資料館があって、無料で大阪城築城当時の資料を見ることができます。勿論、道の駅には立派なトイレがあって24時間使用可能。水も使えます。
予約して入港したわけではありませんでしたが、資料館の受付のおばさんが町役場へ連絡してくれて、停泊許可。料金は2日で500円もしません。
付近には、大した店はありませんが、雑貨から食料品一般なんでも揃うヨロヅヤがあって、すべてOK。明日は、雨と南の強風。あさっても西風が強くなりそうです。最悪2日間の日和待ちとなりますが、安心して船を留守に出来るこの港に船を置いて、オリーブと二十四の瞳のこの島の観光でもして過ごしたいと思います。

小豆島北浦港 大阪城残石記念公園桟橋
遠くに見えるのが灯篭の形をした港口の灯台と石垣の防波堤
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