航海日誌 6

 

【5月24日(水)〜5月30日(火)】


 

5月24日(水)  兵庫県 新西宮マリーナ 
実家を後にして船に戻ってきました。
久しぶりに実家でくつろぎ、英気を養ったKasayan。いよいよ瀬戸内海に入ります。

今日は、東北の低気圧に流れる南西風が8メートル前後吹きつづけ、気温は30度以上。
まるで夏。和歌山の新宮では34度に達したと、以前の職場の同僚がメールをくれました。
千葉では、ゴルフボール大のひょうが降ったとの事。天気予報の仕事をしている元同僚は、気温上昇に局地的な気象現象と、大忙しの一日だったことでしょう。

炊飯器用のガスボンベ、オイル交換用のオイル、米・・・・・・・・もろもろ今後必要になるであろう物資を買い込み、船に積み込みました。デジカメのデータを保存するため、清水の舞台から飛び降りるつもりでCD-RWも購入。無事ソフトをインストールして、HDD内のデータを全てバックアップしました。マリーナでは100ボルトの陸電が取れるため、今日のキャビンの中は文明開化状態。キャビンの100ボルトライトが輝き、ランタンのガソリンの心配もありません。パソコンの電気も使い放題。

明日も高気圧に覆われますが、風は穏やか。明石海峡、西北西流への転流は午前10時55分。マリーナから明石海峡まで18マイルなので、早めの午前6時に出港して、明石海峡大橋の下を流れ始めの連れ潮に乗って通り過ぎたいと思います。

急潮と干満差が3メートルもある瀬戸内海。波は穏やかでも気はぬけません。
これから、もう一度、瀬戸内海水路誌を読み直したいと思います。

 

5月25日(木) 兵庫県 新西宮マリーナ ⇒ 兵庫県 姫路市 木場ヨットハーバー
全国的に高気圧に覆われ、文句なしの出港日より。六甲おろしほどではありませんが、六甲山から北風が5メートル前後吹き降りていました。
今日の明石海峡、西北西流への転流時間は、午前10時55分。瀬戸内海の玄関が開くこの時間に間に合うよう、6時前に出港。明石海峡までは、およそ15マイル。4ノット計算で、3時間少々。現在、神戸港沖では、神戸空港建設のため埋め立て工事をしているので、大きく南に迂回しなければなりません。万が一に備えて遅くなっても転流時間の1時間前に海峡に到着できるようにスケジュールを設定しました。

7時、神戸ポートアイランド沖通過。5年前の阪神淡路大震災の時、Kasayanの両親が住んでいる家も当然のごとく、被災し、両親を横浜に連れてくるべく、30キロもの荷物を背負って西宮から延々と歩いたことを思いだしていました。その時は、こうして、ヨットで訪れ、健全な両親と会うことが出来るなど想像もできない惨状でした。今の幸せなひと時は、ほんの偶然の産物でしかないのではないかと思えてきます。

北風は次第に弱まり、アビームのセーリングで対地速度4ノットを切りそうなので、エンジン半開。工事地帯は、警戒船と黄色いブイに囲まれてわかりやすく、なんの問題もなく通過。
早くも9時には明石海峡の入り口に到着してしまいました。まだ、反流が流れているはずですが、そのまま海峡に突入。明石海峡大橋が近づくにつれて、潮浪にもまれ、対水速度は5ノットをキープしているのですが、対地速度はなんと2.6ノット。最大流速の時間はすでに2時間前に終わっていてもさすがは明石海峡。大きなタコの絵が描かれているフェリーが猛スピードで淡路島へと向かっていきます。航路の北側を平行して、主橋脚の間を通過。10時前には明石海峡西端のブイを通過して、ついに瀬戸内海播磨灘に滑り込みました。

播磨灘は平穏そのもの、南西の風が4メートル前後。またまたアビームで快走。対水速度は5ノット以上。久々にジブをフルに開いてセーリング。本船も少なく、漁船だけ注意しながらそのまま木場ヨットハーバーのある八木港に到着しました。ここまでの播磨灘は全てセーリング。やっぱりこうでなくちゃ。

木場ヨットハーバーは一泊1500円。いままでで一番安い停泊料金。水もシャワーもOK。
近くの山からは鶯の声が聞こえてきます。

日課のエンジン点検で、エンジンの下にひいたウェスに軽油が少々染みていました。調べて見ると、燃料タンクからエンジンへつながるゴムパイプがホースバンドで留めてあるところが劣化してひび割れているようです。このままではパイプが裂けて一気に軽油が漏れる恐れ。パイプに余長があったのでひび割れ部分を切断してつなぎ治し。ロングでは、思わぬガタがくるものです。毎日の点検。欠かさずに!!!



明石海峡通過   まさに橋の下

 

 

5月26日(金) 兵庫県 姫路市 木場ヨットハーバー ⇒ 香川県 小豆島 北浦港 大阪城残石記念公園
西から天気は下り坂。朝鮮半島の西に低気圧があってゆっくりと東進中。久しぶりにしっかりとした低気圧がやってきます。ラジオを聞くと、久しぶりに気象庁からは大雨に関する情報も出ているらしい。でも近畿地方の崩れ始めは今夜以降。日中は、低気圧全面の雲に覆われますが、雨の心配はなさそう。ただ、心配すべきは低気圧に吹き込む南東の風が強まる可能性あること。瀬戸内海の風の吹き方を体感したことの無いKasayan。用心して、今日も早め出港、早め入港をすることにしました。

まったくいつものとおり、5時40分出港。まだ、高気圧の圏内なので北からの陸風が2メートル前後吹いています。臆病なKasayan。南の吹き始めを恐れて、すでにワンポイントリーフ。弱い北風をクオーターに受けながら、ジブをフルに開いて帆走。播磨灘に浮かぶ家島諸島北側へ。若干の向かい潮があるので、エンジン半開で対地速度5ノット。十分な速度。

8時前、家島諸島の男鹿島を経て家島港沖へ。男鹿島は採石されて島の北半分は原型を留めていません。また、家島港沖には、デッキにクレーンを乗せた砂利運搬船が10隻以上も停泊しています。聞くところによると、この島から関西空港の埋め立ての砂利を運んだとのこと。今度は、神戸の空港埋め立てもありますから、家島諸島はいつか無くなってしまうのではと思えるほどの自然破壊でした。

多くの漁船と、東西行き交う砂利運搬船を避けながら9時過ぎ、家島諸島西端の院下島を通過して一路小豆島へ。姫路〜小豆島のフェリーが猛スピードですれ違っていきます。
ここまでは、家島諸島の北側を走っていたので、南風はブランケットになっていましたが、吹きさらしの播磨灘に出ると、すでに風は南寄りに変わっていました。慌てて海上保安庁のテレホンサービスを聞くと、小豆島南端の地蔵崎で東南東4メートルとのこと。この南風、あとは次第に強まってくるはずですが、小豆島へ向かう方向なら、アビームで走れるので、セールエリアの調整だけで大した苦労は無いはずです。でも臆病なKasayan.は、できるだけ早めに小豆島のブランケットに入るため、牛窓寄りの大回りな計画をしていたコースを短縮。小豆島の妙見崎を直接ねらうことにしました。この妙見崎の西側には、日本のヨットマンなら大抵の人は知っているという岡崎造船のある琴塚があります。

家島諸島と小豆島の中間で、次第に風が上がり、ジブを半分まで巻きましたが、ワンポンのメインと半分のジブで対水速度6.3ノット。リーフしておいて良かったと思うKasayan。対地速度も6ノット、ものの1時間半ほどで、小豆島大部港の入り口に到着。案の定小豆島のブランケットに入るとともに風が落ち、ついには無風。しかたなくジブを巻いて機帆走に。
ちょうど良い風向きと風速に恵まれるのは難しいものです。

妙見崎10時半通過。琴塚が見えてきました。Kasayanの知り合いが乗っている多くの船がこの場所で生まれたのかと思うと、妙に感慨深く、スピードを落として、ゆっくりと見物。今日は、琴塚に停泊しようかと迷いましたが、ここはスターンアンカーバウ付けが基本の港。明日の日和待ちに小豆島見物をしようと考えているので、走錨の恐れの無い、立派な桟橋があるとの情報のある北浦へ。(情報はクルーズネットジャパンと牛窓ヨット連絡会から。大感謝です)又、岡崎造船で作った船でないと何か入りにくい気もします。

およそ15分で、琴塚のおよそ1マイル南西の北浦港到着。港の入り口には、石造りの灯篭の形をした灯台があり、防波堤はなんと全て真新しい趣のある石垣。セールを下ろし、中に入ると、幅が3メートル、長さが30メートルもある立派なコンクリートと鉄でできた桟橋がありました。この港、かつて大阪城築城の際に石垣の石を運び出した港で、港全体が大阪城残石記念公園という公園になっています。桟橋のたもとには、公営の「道の駅」と、三棟もある大きな大阪城残石資料館があって、無料で大阪城築城当時の資料を見ることができます。勿論、道の駅には立派なトイレがあって24時間使用可能。水も使えます。
予約して入港したわけではありませんでしたが、資料館の受付のおばさんが町役場へ連絡してくれて、停泊許可。料金は2日で500円もしません。

付近には、大した店はありませんが、雑貨から食料品一般なんでも揃うヨロヅヤがあって、すべてOK。明日は、雨と南の強風。あさっても西風が強くなりそうです。最悪2日間の日和待ちとなりますが、安心して船を留守に出来るこの港に船を置いて、オリーブと二十四の瞳のこの島の観光でもして過ごしたいと思います。



小豆島北浦港 大阪城残石記念公園桟橋
遠くに見えるのが灯篭の形をした港口の灯台と石垣の防波堤

 

5月27日(土) 香川県小豆島北浦港大阪城残石記念公園  メイストームで日和待ち
5月の嵐です。午前3時頃から、南東風が吹き上がり、大粒の雨が降り出しました。
朝鮮半島の西に低気圧があってゆっくりと東北東進。温暖前線が小豆島に近づいてきたようです。明け方5時には風速が平均で10メートルを越えるようになり、ブローでは20メートルはありそう。南風が強まることを予想して、高い山のある小豆島の北側の港で日和待ちをもくろみましたが、それでも、風は強く、桟橋に繋いだGoldenWistaria号は10度前後もヒールしています。昨日、琴塚で槍付けしていたら、走錨を恐れて、一睡もできなかったことでしょう。また、島の南側の港に入っていたら、もっと強い風に見舞われたかもしれません。入港に選択肢があるのならば、出来る限り風に強く、安全な係留方法を選択すべきであると実感しました。

午前中は、雨と風で観光どころの話ではなく、キャビンの中で航海計画。閉じ込められるとはこのこと。午前11時になってようやく温暖前線が通過したらしく、気圧の低下は止まり、それと同時に雨もやみました。ただ、低気圧の暖域に入ったため、南寄りの風はますます強まり、上空を灰色の雲がビュンビュンと北上していきます。時折、ぱらつく小雨を縫って、近くのよろずやへ食料の買出しに。日曜日は休みなので、明日の分の食料調達。今夜、寒冷前線が通過して再び雨の予報。明日も吹き返しの西風が強いはず。90パーセントの確率でもう一日この場所で風の止むのを待つ必要が出てきたからです。でも、明日は、雨は止んで「天気晴朗なれど波高し」のはず。小豆島の定期観光バスで観光に出かけるつもり。

キャビンに閉じ込められると、楽しみは食事のみ。昨夜は、肉じゃがに、トマトと卵のオイスター炒め。今朝はちりめんじゃこをまぶした手巻き寿司とスープ。お昼はもやし、にんじん、シメジ入り焼きそば。夜はうなぎと豆腐の味噌汁の予定。トマトと卵のオイスターソース炒めは、8年前中国へ旅行したとき以来のお気に入り。ヨットでも簡単にできて意外に上手い。
シングルハンドでは、こうはいかなかったはず。再び、女房に感謝。

今夜は、うるめいわしでもつまみにしながら酒でも飲んで早ねしよう。

 

5月28日(日) 香川県 小豆島 北浦港 大阪城残石記念公園 西強風 小豆島観光
昨日の南の強風はひどく、小豆島の北側でも間違いなく20メートルは吹いていました。立派な桟橋に横付けしていても午後4時のヒール角度は、20度。通常使う、小フェンダーは風で舞い上げられてデッキに吹きあがってしまいます。やはり、こんなときにもデカフェンダーは非常に頼りになりました。また、舫いも太いものを使用し、万が一に備えて、増し舫いをしていたので、問題なし。ロングクルージングには、ワンサイズ大きな船で使用できるものを携行していたほうが良いようです。

朝、目を覚ますと風は西に変わり、やはり10メートル以上。港に入り口が西に開いているので、やや波が入ってきます。この時に備えて、港口にむけて船を舫っていたので、問題なし。フェアリーダーにボロ布を当てて今日は、小豆島観光へ。

小豆島の西にある土庄港(とのしょう)まで路線バス(朝は一時間に一本)で移動し、定期観光バス、3000円也で島巡り。そろそろ花が開き始めたオリーブ畑を過ぎ、寒霞渓、銚子渓へ。山の上から二十四の瞳の舞台になった田浦、備讃瀬戸東航路、その先には四国、屋島が望めます。明日、わたるであろう美しい瀬戸内の海をしみじみと眺めたKasayan。ずいぶん遠くへ来たもんだと思いましたが、まだまだ、先は長い!!!

観光の後は、土庄にあるオリーブ温泉(800円)へ。こちらも露天風呂から備讃瀬戸と四国を眺めることができます。すっぽんぽんで、瀬戸内海を眺めるのはこれまた気持ちの良いものでした。

讃岐うどんと少々の食料を買い出して、18時船に帰還。船の無事を確認して現在。
そろそろ晩御飯のチンジャオロースーができたようです。
明日は、四国に到達できるか?



寒霞渓から見た田浦と備讃瀬戸

 

5月29日(月) 香川県 小豆島 北浦港 大阪城残石記念公園 ⇒ 香川県 高松市 高松市立ヨット競技場
西に行くほどヨット天国。昨日まで停泊していた、道の駅に付属している桟橋。係留料金は、結局1トンあたり一日3円。つまりGoldenWistaria号の場合一日10円にも満たないのです。停泊3日、しめて30円なのですが、あまりの安さに100円を手渡してきました。(それもケチかな?)

しかし、今日、到着した高松市立ヨット競技場は、平日のみ外来艇の停泊可能で、なんとタダ!!!。事務所で係留申請書を書くときに、ご親切にも、風呂の場所(結局シャワーを使わせてもらいましたが)や、ガソリンスタンドそして、おいしい老舗のうどん屋の場所まで書きこんだ地図のコピーまでくださいました。このマリーナ、夕方になると女子高校生や大学生が集まり、ディンギーの練習。まさにヨット天国です。関東のマリーナでは考えられない別世界。関東では、Kasayanのようなサラリーマンでは、身を削りながらヨットに乗ることになりますが、こちらでは、ママさんバレーを楽しむ感覚でヨットに乗れるのです。あ〜引っ越したい!!

・・・・・・・・・・・で、週末のメイストームも北へ遠ざかり、朝は5メートルばかりの西風が残っています。西日本の気圧傾度は小さくなっていて、風は次第に弱まる傾向。当然出発なのですが、ここは瀬戸内海。今日通る備讃瀬戸東航路の潮は、午前6時36分から東流になり9時36分には最大1.7ノット。13時まで転流せず。いそいで出発しても到着時刻は同じ。8時半までキャビンでのんびりとラジオを聞いてティータイム。8時45分、桟橋でメインを揚げてそのまま出港。

小豆島北西端の手振島を目指しますが、向かい5メートル。さらに播磨灘北西の東流があって対地速度3.2ノット。昨日観光した小豆島の山々を見ながら機帆走。瀬戸内海のヨットにモーターセーラーが多い理由がわかります。10時、手振島を大きく回り、小豆島西側の土庄港沖へ。ひっきりなしに出たり入ったりしている岡山、高松へ向かうフェリーや高速艇を避けながら南下。11時にはついに備讃瀬戸東航路へ。

左右を念入りに確認。ここは、船舶免許の試験にも出る海上交通安全法適用海域。西行する船はありませんが、東行する船が列を為しています。中には巨大な島のようなタンカーも。エスコートボートを従えた大きなタンカーをやり過ごし、備讃瀬戸5番ブイの東方1マイルを全速で横断。すぐに進路を高松沖の女木島北方に変針してゆっくりとフェリーコースの東を高松へ。特徴的な三角の形をした山が見えてくると同時に高松の都会の町並みが見えてきました。

12時30分、マリーナ到着。女房はバケツで洗濯、Kasayanは20リットルのポリタンクを持ってガソリンスタンドへ。

これから楽しみのうどん屋「泉」へ。ついに来たんです「四国」。

明日は粟島の予定。元海員学校のあったところが公共の施設になっていて、またまた天国のような価格で停泊させてもらえるとの情報。潮の関係で午前5時出港予定。万が一の場合は多度津。金毘羅さんの旗を揚げて通過するつもりです。


 
高松市立ヨット競技場

備讃瀬戸東航路北から屋島遠景

 

5月30日(火) 香川県高松市高松市立ヨット競技場 ⇒ 香川県詫間町粟島 旧粟島海員学校桟橋
昨日、「今日のKasayan」をアップした後、JCNメンバーのM氏が桟橋の反対側に係留。
おとといのメイストームの中、果敢にも相生までシングルハンドで出港し、ジブのクリューを壊したとのこと。34フィートのヨットの大きなジブセールを畳むのを手伝ったあと、GoldenWistaria号のキャビンで一杯。
M氏は、25年来のヨットマン。68歳には見えない黒くたくましい方で、瀬戸内海の津々浦々の港に精通。港湾案内を開き、1時間余り、瀬戸内海の港の停泊情報を教えていただきました。感謝!!!!!

そんな中、もう一人、高松市立ヨット競技場に30フィートのヨットを泊めているS氏が来艇。このHPを見てわざわざ会社帰りに立ち寄られたとのこと。素晴らしいマリーナには、素晴らしい方々が集まっていらっしゃるようです。

梅雨前線の北の、ちょっと小さな高気圧、西には弱い気圧の谷。こんな状態で、瀬戸内海東部は、今日も穏やかな晴天が約束されています。備讃瀬戸の潮は、午前4時49分西流が最大になった後、午前7時35分に転流。10時半に最大2ノットになります。早朝、日の出を待って朝一番の西流に間に合うように出発。この流れに乗って瀬戸大橋を通り抜ける算段。

午前5時出港。東の屋島から真っ赤な朝日が昇り、海面一面オレンジ色。

無風のため、メインセールのみの機帆走。5時45分、宇高西航路の宇高1番ブイ到着。右側を通過すると航路を逆行することになるので、左側を通過。3メートルの浅瀬があるので、デプスメーターをにらみつけながらの前進。慣れてしまえばなんてことは無い場所もはじめてだと思わず手に力が入ります。

備讃瀬戸東航路の目印、小槌島を6時半通過。大槌島と対になって航路をはさんでいる島ですが、形がまるでハーシーチョコレートの「キスチョコ」のよう。この島の北側を通過するのですが、この島の北側0.15マイルはもう東行する船の航路になっています。航路逆行で保安庁につかまるわけにはいきませんから、これまた、島まで100メートルのところをデプスメーターを見ながら西進。島を過ぎたところで、瀬戸大橋が見えてきました。西流の連れ潮に乗って、対地速度は、6ノットオーバー。見る見る橋が近づいてきます。

7時半、瀬戸大橋通過。女房と記念撮影。

ちょうど時間は潮の転流時間。ここから先は、強まる逆潮を前進。丸亀沖の波立つ潮目を越えると、対地速度は3.5ノット。多度津沖で、船にあったウィスキーを海にたらし、金毘羅さんに手を合わせここまでの無事の航海のお礼と、これから先の海上安全を祈りました。勿論、昨年末に金毘羅参りをしたときに買った、金毘羅さんの海上安全旗を掲げています。

刺し網(こませ網?)と底引網の漁船を避けつつ高見島と志々島の間を抜け粟島へ。大きく南に回って10時半粟島港入港。すでに廃校になった国立粟島海員学校の桟橋に係留。
大正時代に建てられた校舎は、非常に赴きがあって、今は、ちょっとした海運の資料館になっています。よく保存されていて、今でも海を目指す若者が窓から顔を出しそうな雰囲気が漂っていました。となりの公営宿泊施設「ルポール粟島」に係留許可。この桟橋の係留もタダ。干満の差が3メートルに達する瀬戸内海で桟橋係留は本当に天国です。

例によって女房は、自転車で探検に。食料品を売っているよろずやと郵便局を見つけてきました。明日は、雨。この縦横4キロ足らずの小さな島でまたまたのんびりすることが出来そうです。


 
瀬戸大橋

旧粟島海員学校桟橋
停泊している船の写真の大半は、洗濯物が干してあるんです。

生活感ありすぎかな?

 


 続きを読む


日誌の目次に戻る