5月18日(木) 和歌山県串本港 ⇒ 和歌山県周参見漁港
今航海で、初めて吹かれてしまいました。潮岬は無事越えたのですが・・・・・・・・・・・。
デッキの上は海水で綺麗になりましたが、Kasayanのめがねは海水で真っ白。オイルスキンはべとべと。風の吹きだしのタイミングを誤ってしまいました。恐るべし、紀伊水道枯木灘!!!!!
4時起床。いつものアメダス風向風速確認。風向定まらずいずれも3メートル前後。低気圧は東海道沖を東進中。今日の航海は周参見までの23マイル。5時間前後で到達できるはず。低気圧が発達して東進するにつれて西風が吹き始める可能性は高かったものの、この発達の度合いからみてそう強くは吹かないと判断。午前中に到着できれば特に問題は無しと5時50分出港。
潮岬半島と、大島の間の狭い水道を慎重に抜けて、いよいよ太平洋側最後の関所、潮岬へ。引き潮に乗って対地速度6ノットで潮岬半島に取り掛かったのは6時20分。黒潮にのっていきなり対地速度は4ノット前後。風は北の微風。このときのためにオーバーホールしたエンジンに活躍してもらわねば。おととい、潜って藻を取ったプロペラは快調そのもの、今航海初めての2900回転。対水速度は5.8ノットに対して対地速度は4.0〜4.8ノット。幸い1〜2ノットの反流。
6時55分、ついに本州最南端潮岬回航。女房と記念撮影。潮岬を右手正横に見て進路を295度に変針。そのまま枯木灘へ突入。時折、潮目を通り過ぎると1ノット前後の反流に
会いますが、平均すると5ノット前後を維持。スロットルを2600回転に落として、のんびりと機帆走。このペースだと、南紀白浜田辺を狙うことも可能です。魚肉ソーセージをかじりながらひたすら前進。
潮岬から8マイル。江住沖を北西進しているころから、向かいの北西風が次第に上がってきました。最大8メートル前後。まだまだ、GoldenWistaria号のストライクゾーン。大阪方面への本船航路と平行になっているため、小刻みにタック。左右を内航船が通過していきます。周参見まで5マイルのところで、風は10メートル前後まで上がってきました。ちょっぴり早い西風の吹き上がりです。まったくの真上り。このくらいの風だけならなんとかなるのですが、ちょうど波長10メートル前後の風波が真正面から。波高は2メートル。時折3メートル前後の波頭の砕けた白波が押し寄せてきます。紀伊水道の東側で西に吹かれると、風走距離が長くなるので、10メートル前後の風でもかなり波が悪くなるようです。ちょうど波長に近い長さのGoldenWistaria号は波の間にはまってしまい、波にたたかれて対水速度はたったの3ノット前後。対地速度はなんと2.5ノット。反流につかまったかもしれません。
しかたがないので、スロットルを2900回転。オートパイロットはもう役には立たず、じっとティラーを持つKasayan。スプレーはひっきりなしに降りかかり、カッパは着ているのですが、めがねをしているKasayanにはワイパーが欲しい状態。時々バウが波に突っ込んで、海水がデッキの上をはい登り、コクピットまでうち寄せてきます。・・・・・・・・・と、キュルキュルとあのいやな音。こんなときに限ってまた藻がからんでしまったようです。対水速力は2.5ノット。もう辛抱するのみ。この波では命綱をつけてたとしても、とても潜れない。ましてや、14マイル先の田辺までは7時間前後もかかりそう。やっぱり周参見に入港するしかないと判断。キャビンの女房をGPSの前に座らせ、周参見港沖のウェイポイントまでの距離と方位を読ませ、0.1ノットずつ距離が縮まるのを心待ちに。
10時40分。周参見沖到着。40度に変針。プロペラを止めワンポンのメインのみのクオーターで7ノット前後の快走。時々ローリングで大きく船が傾きます。
周参見漁港沖には暗岩や岩礁が多いので、進入角度と目標に注意しながらそのままセーリングで入港。大抵の場合と同様、港内は、外の白波がウソのような静けさでした。
田辺まで足をのばそうかと考えていましたが、結局予定通りの周参見到着。
周参見がKasayanを呼んだのかもしません。
早速、水泳。やっぱり藻が絡んでいました。これで、6レグ連続藻が絡んだことに。紀伊半島の藻はリベッチオととても相性が良いようです。でもこれでは先が思いやられるので、これから入港を予定している新西宮マリーナに電話をして、プロペラカッター取り付けを相談。2万5千円の部品代と33000円の上架費用がかかるとのこと。さらに「ロープには効果があるんですが、藻はまったくダメなようですね。以前、みんな付けてたけれど、今は誰もつけてないよ」とのありがたいアドバイスまでいただきました。毎回、プロペラの点検ができると思うしかないか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。こんなこともあろうかと格安7500円のウェットスーツを買ったKasayanですが、こんなに役に立つとは想像もしていませんでした。
まったく乾く暇もありません。また、ダイクマ(神奈川で有名なディスカウントショップ)で買ったステンレスのサバイバルナイフも大活躍。おそるべし紀伊半島の流れ藻、そして枯木灘の西風と波。
周参見では、ちょうど繁華街と反対側に係留してしまったので、初めて折りたたみ自転車登場。小さな車輪にふらふらしながら女房が買出しと町の探検。漁協に正式許可をもらい、水、氷、もろもろ生活の情報を仕入れてきました。国民宿舎で風呂300円。スーパー「オオクワ」で生活用品全てOK。ダイビングショップで水調達OK。ゴミの回収場所と回収日。探検隊長の女房の腕前もあがってきたようです。

いたって平和に潮岬を回航
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