航海日誌 5

 

【5月17日(水)〜5月23日(火)】


 

5月17日(水)  和歌山県 串本港 日和待ち
昨夜から降り始めた雨は、今日も朝から降り続いています。
今日は大潮。干満の差が140センチ前後もあるため、これを書いている今、船の横には2メートル近い絶壁がそびえています。

実況天気図、レーダーアメダス合成図を見ても、本州の南岸には大きな雨域があって、紀伊半島の最南端の串本は、その雨雲が一番かかりやすい場所になっています。風は南東の微風。男だけ2,3人のクルージングならオイルスキン(カッパ)を着て、出港してしまうところですが、今日は日和待ち。明日、日本海から進んでくる高気圧を待つことにしました。

朝ご飯は昨夜の残りご飯でチャーハン。5000円で購入した炊飯器が、毎日大活躍。晩は必ずといってよいほど多めにご飯を炊いて、残りのご飯は、出港する場合、おにぎりにしておいて朝食兼昼食に。日和待ちの場合は、チャーハンや雑炊にして朝食にしています。晩のおかず一品だけ、地元の海の幸を加えるという毎日。女房は、舫いをとること意外、航海に関しては、一切手出しをしませんが、食事と掃除に関しては、全て一人でまかなってくれます。本当のシングルハンドではこうはいかなかったでしょう。感謝!!

午前の昼寝を終え、GPSのROMを交換。ROMカード式ではないので、GPS本体を開けて潮岬から関門海峡までの地図ROMに交換しなければなりません。カード込みで本来30万円を越えてしまうGPSプロッターを、自分でROM交換することを前提に14万円で購入したのですから、このくらいの手間はしかたありません。GoldenWistaria号の頭脳を慎重に開き、脳みそのROMを無事交換。動作OK。今航海で初めてGPSプロッターを購入して使用してみましたが、改めてその実力を認識しました。当初、自分の位置だけを知るのなら緯度、経度が表示されるものをつかって、チャートにプロットすれば十分と思っていたのですが、実際にプロッターを使ってみて、最も役立つのは、潮流航法。緯度経度でプロットする場合、潮流に流されることによるコースずれを修正できるのは、30分なり1時間のチャートプロットのタイミングに限られますが、GPSプロッターならリアルタイム。ちらちらと画面を眺め、コースからずれたならそのたびにコースを修正すればOK。実際に使ってみてその便利さを認識しました。でも位置確認のため、一時間に一度、海図へのプロットは欠かせません。

午後2時半。串本温泉「サンゴの湯」へ。310円なり。すべすべになるお湯。温泉場の中には畳の部屋があってゆっくりとくつろぐげます。今のところ、下田、御前崎、勝浦、串本と、4箇所で温泉に入ることができました。御前崎をのぞいて、どこも300円前後。日本は本当に温泉天国。

帰り道にあったスーパーで、「よろり」という珍しい魚の刺身390円購入。酢味噌がついていましたが、いったいどんな魚なのでしょうか?一見鯉の洗いを小さくしたような薄切りの刺身です。姿がわからないのですが、地物の表示。珍しさで、今夜のおかずにすることにしました。味はいかがか?

明日は、例によって午前4時起きで、7時までに出港予定。いよいよ難所の潮岬越え。
航海計画は十分。逆潮3ノットとして対地速度2ノットでも十分にたどり着ける周参見漁港を目標にしています。
今日は、十分に身体をいやすことができました。

 

5月18日(木) 和歌山県串本港 ⇒ 和歌山県周参見漁港
今航海で、初めて吹かれてしまいました。潮岬は無事越えたのですが・・・・・・・・・・・。
デッキの上は海水で綺麗になりましたが、Kasayanのめがねは海水で真っ白。オイルスキンはべとべと。風の吹きだしのタイミングを誤ってしまいました。恐るべし、紀伊水道枯木灘!!!!!

 4時起床。いつものアメダス風向風速確認。風向定まらずいずれも3メートル前後。低気圧は東海道沖を東進中。今日の航海は周参見までの23マイル。5時間前後で到達できるはず。低気圧が発達して東進するにつれて西風が吹き始める可能性は高かったものの、この発達の度合いからみてそう強くは吹かないと判断。午前中に到着できれば特に問題は無しと5時50分出港。

潮岬半島と、大島の間の狭い水道を慎重に抜けて、いよいよ太平洋側最後の関所、潮岬へ。引き潮に乗って対地速度6ノットで潮岬半島に取り掛かったのは6時20分。黒潮にのっていきなり対地速度は4ノット前後。風は北の微風。このときのためにオーバーホールしたエンジンに活躍してもらわねば。おととい、潜って藻を取ったプロペラは快調そのもの、今航海初めての2900回転。対水速度は5.8ノットに対して対地速度は4.0〜4.8ノット。幸い1〜2ノットの反流。


6時55分、ついに本州最南端潮岬回航。女房と記念撮影。潮岬を右手正横に見て進路を295度に変針。そのまま枯木灘へ突入。時折、潮目を通り過ぎると1ノット前後の反流に
会いますが、平均すると5ノット前後を維持。スロットルを2600回転に落として、のんびりと機帆走。このペースだと、南紀白浜田辺を狙うことも可能です。魚肉ソーセージをかじりながらひたすら前進。

潮岬から8マイル。江住沖を北西進しているころから、向かいの北西風が次第に上がってきました。最大8メートル前後。まだまだ、GoldenWistaria号のストライクゾーン。大阪方面への本船航路と平行になっているため、小刻みにタック。左右を内航船が通過していきます。周参見まで5マイルのところで、風は10メートル前後まで上がってきました。ちょっぴり早い西風の吹き上がりです。まったくの真上り。このくらいの風だけならなんとかなるのですが、ちょうど波長10メートル前後の風波が真正面から。波高は2メートル。時折3メートル前後の波頭の砕けた白波が押し寄せてきます。紀伊水道の東側で西に吹かれると、風走距離が長くなるので、10メートル前後の風でもかなり波が悪くなるようです。ちょうど波長に近い長さのGoldenWistaria号は波の間にはまってしまい、波にたたかれて対水速度はたったの3ノット前後。対地速度はなんと2.5ノット。反流につかまったかもしれません。
しかたがないので、スロットルを2900回転。オートパイロットはもう役には立たず、じっとティラーを持つKasayan。スプレーはひっきりなしに降りかかり、カッパは着ているのですが、めがねをしているKasayanにはワイパーが欲しい状態。時々バウが波に突っ込んで、海水がデッキの上をはい登り、コクピットまでうち寄せてきます。・・・・・・・・・と、キュルキュルとあのいやな音。こんなときに限ってまた藻がからんでしまったようです。対水速力は2.5ノット。もう辛抱するのみ。この波では命綱をつけてたとしても、とても潜れない。ましてや、14マイル先の田辺までは7時間前後もかかりそう。やっぱり周参見に入港するしかないと判断。キャビンの女房をGPSの前に座らせ、周参見港沖のウェイポイントまでの距離と方位を読ませ、0.1ノットずつ距離が縮まるのを心待ちに。

10時40分。周参見沖到着。40度に変針。プロペラを止めワンポンのメインのみのクオーターで7ノット前後の快走。時々ローリングで大きく船が傾きます。
周参見漁港沖には暗岩や岩礁が多いので、進入角度と目標に注意しながらそのままセーリングで入港。大抵の場合と同様、港内は、外の白波がウソのような静けさでした。

田辺まで足をのばそうかと考えていましたが、結局予定通りの周参見到着。
周参見がKasayanを呼んだのかもしません。

早速、水泳。やっぱり藻が絡んでいました。これで、6レグ連続藻が絡んだことに。紀伊半島の藻はリベッチオととても相性が良いようです。でもこれでは先が思いやられるので、これから入港を予定している新西宮マリーナに電話をして、プロペラカッター取り付けを相談。2万5千円の部品代と33000円の上架費用がかかるとのこと。さらに「ロープには効果があるんですが、藻はまったくダメなようですね。以前、みんな付けてたけれど、今は誰もつけてないよ」とのありがたいアドバイスまでいただきました。毎回、プロペラの点検ができると思うしかないか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。こんなこともあろうかと格安7500円のウェットスーツを買ったKasayanですが、こんなに役に立つとは想像もしていませんでした。
まったく乾く暇もありません。また、ダイクマ(神奈川で有名なディスカウントショップ)で買ったステンレスのサバイバルナイフも大活躍。おそるべし紀伊半島の流れ藻、そして枯木灘の西風と波。

周参見では、ちょうど繁華街と反対側に係留してしまったので、初めて折りたたみ自転車登場。小さな車輪にふらふらしながら女房が買出しと町の探検。漁協に正式許可をもらい、水、氷、もろもろ生活の情報を仕入れてきました。国民宿舎で風呂300円。スーパー「オオクワ」で生活用品全てOK。ダイビングショップで水調達OK。ゴミの回収場所と回収日。探検隊長の女房の腕前もあがってきたようです。



いたって平和に潮岬を回航

 

5月19日(金) 和歌山県周参見漁港 ⇒ 和歌山県 田辺市 南紀スポーツセンター 海洋スポーツ施設
(18日金は、プロバイダーのサーバーメンテナンスがあってHPをアップできませんでした。予定は5時から18時だったのに21時を過ぎてもログインできず。遅ればせ、20日早朝にアップしています。)

天気は西から下り坂。朝からどんよりとした重い雲が空を覆っています。今日は、Kasayanがインターネットをつないでいるプロバイダのサーバーメンテナンスがあるため、早朝5時から天気図が取れなくなります。5時までに発表されているプログノ(数値予報計算結果)、アメダス、をダウンロード。夜までには和歌山県南部も雨が降り出すみこみ。低気圧の接近に伴って南東の風が強まってくる可能性があります。昨日、枯木灘で痛い思いをしているので、今日は特に慎重に・・・・・・・・。紀伊日御碕を越えて阿尾漁港まで足を伸ばすことも考えましたが、どうせ阿尾で足止めになるはず。また、無理をして46マイル先の和歌山まで走っても、途中で南東の風の吹き上がりで辛い思いをするおそれがあります。
で・・・・・・・・・・・・、たった19マイル。南紀白浜、関西一の温泉地、田辺でこの先の気圧の谷をやり過ごすことにしました。急ぐ旅ではなし、一つでも多くの港を楽しもう!!!!。

5時45分出港。港の導灯(コースを左にずれると緑、右にずれると紅に見える優れもの。船用の信号灯)に従って暗礁を避けながら港外へ。昨日の白波は何処へやら。北東の微風2メートルのさざなみがゆるいうねりの上に立っている、穏やかな枯木灘がそこにありました。コースを294度へ。ちょうど登り気味のアビームで走ることができます。久しぶりにジブをいっぱいに開いてセーリング。当初は、連れ潮1ノットでしたが、次第に逆潮1ノット。エンジンを2000回転で追加して、対水速度6.3ノット、対地速度5.3ノット。紀伊半島山々や無数の入り江は薄いもやに煙っていました。

ひっきりなしに目の前をトビウオが100メートル近くもジャンプ。時折、トビウオの後ろを緑色の大きな魚がジャンプして追いかけていきます。さらに田辺湾に近づくころには、魚の群れが水面が半径50メートルの円状に波立たせています。Kasayan、またまたケンケンを流しますが、やっぱりなにも引っかからず。

そんなことをしているうちに早くも9時に田辺港の入り口へ。このままあと4時間走れば阿尾までいかれるだろうな〜という欲が沸いてきましたが、気持ちを抑えて入港。いつものように市場対岸の岸壁に横付け。ホッとしたところで水深確認。デプスメーターでは2メートル。GoldenWistaria号の喫水は1.5メートル。潮汐表で干潮までの時間と潮高を確認。さらに48センチ下がる・・・・・・・・・・・・・・・・・ヤバ〜・・・・・・・・。でも超音波で測定するデプスメーターには誤差もあるはず。そこで、タコ糸に大きめのボルトを結び付け、即席のハンドレット(手用測鉛)を作って水深測定。やっぱり2メートル。ギリギリOKかもしれませんが、漁船の引き波で上下したらキール(船底についている鉄のオモリ)が海底にぶち当たる恐れがあります。移動決定。

漁港の脇にはシータイガー田辺マリーナというマリーナがありますが、見るからに高そうなクルーザーが舫ってあり、一泊1万円くらい取られそうです。失業者のKasayanには不似合い。そこで港湾案内をもう一度熟読。すると、いかにも公共施設らしい「南紀スポーツセンター 海洋スポーツ施設」という文字が目に飛び込んできました。ただ、そこまでたどり着くのに岩礁の多い岬を回りこむ必要があり、等深線も2メートルが引かれています。ひょっとしてディンギーだけのマリーナかと思いましたが、とりあえず電話。全長8メートル、喫水1.5メートルを告げると多分大丈夫との話。料金を効くと、なぜか「調べますので後ほど・・・」とのこと。外来艇など入ったことのないマリーナかと思うとますます不安がつのりましたが、このさいこのマリーナにチャレンジしてみることにしました。

女房にデプスメーターを見つづけるようにいいつけ、慎重に岬を回航。およそ3マイル。
普通、マリーナや漁港の入り口には紅や白の灯台があるものですが、ここには何も無くテトラポットの防波堤があるのみ。入り口は、幅8メートル前後。透き通った水を通して下を見ると、両サイドからはテトラポットが2メートル前後も張り出していて実際に通れる幅は4メートルほど。女房をバウ(船首)に立たせて、下を確認させながら入港。中は、50メートル四方ほどしかない小さなプールのような水面で、25フィート前後のクルーザーヨットが10隻ほど舫われていました。すると、「先ほど電話した方ですか?」と声をかけてくれる青年。スポーツセンター職員で、わざわざ出迎えてくれていました。料金支払い一日2100円。水とポンツーンが使用可能。風呂の場所を聞くと、後からわざわざ携帯に電話をしてくれて、徒歩5分「紀伊田辺簡保の宿」を教えてくれました。このマリーナ。30フィートのバンドフェットが1隻しかなく後は、25フィート前後の船ばかり。マリーナの入り口の作りからは多分のこのサイズが限度と思われます。26ftのGoldenWistaria号だからこそ入れた天国でした。

近くにはスーパーも数件。ホームセンターまで。簡保の宿の風呂は当然温泉600円。5階の展望露天風呂。寝湯につかりながら、田辺湾と紀伊水道の夕暮れを眺めました。
江戸時代の菱垣廻船、樽廻船の船頭が日和を見るために日和山に登り沖を眺めたといいますが、こんな日和見をできる現代のなんと幸せなこと。
台風2号も発生して、あすは紀伊半島の南を北東進。うねりも高くなるでしょう。場合によってはあさってまで日和待ちの可能性も。
素晴らしいねぐらを見つけました。

 

5月20日(土) 南紀スポーツセンター 海洋スポーツ施設 日和待ち
定例の朝の実況解析。レーダーアメダスを見ると、紀伊半島は大きな雨雲の下。キャビンから薄明かりの外へ出ると、霧雨がデッキを濡らしています。
即座に日和待ち決定。キャビンに戻り、昨日アップできなかった「今日のKasayan」をFTPでサーバーへ送ろうとしましたが、まだ、サーバーが復旧していないようです。
毛布を頭からかぶって再び朝寝。明日は、天気回復に向かいますが、西風に変わりそう。今日、四国の南を台風2号が北東進しますから、うねりも入ってくるはず。おととい、串本から周参見への航海で、西風と波にたたかれ痛い思いをしているKasayan。少々、気が重くなりながら再び眠りの底へ。

午前9時、徒歩20分にある南紀スポーツセンターへ。今日、さらにもう一日停泊させてもらうために2100円を支払いました。水道自由。陸電自由。ビジターにとって超格安マリーナです。26ftの契約艇なら一ヶ月1万3千円。上下架のリフトは自由に使い放題。タダで陸揚げ、船底塗装ができるとのこと。立派な鉄筋のクラブハウスまであります。関東圏のマリーナを利用している者にとっては、信じられないくらい恵まれたマリーナです。こんなマリーナが全国30マイル毎に存在していたら、日本のクルージング事情は大きく変わることでしょう。また、スポーツセンターからマリーナまでは、管理人のおじいさんが軽トラックに乗せてくれました。人情もまた天国です。

午前中、このマリーナにレーザー(ディンギーの一種)を置いている方が声をかけてきました。地元の方で42歳。気が向くと、ほんの数時間、ディンギーに乗りにくるのだそうです。自宅から車で5分程度。ディンギーの置き場代は月4500円とのことでした(絶句)。さらにヤマハのMS24というモーターセーラーを共同所有していて月に人数割りで3000円。さらには釣用にモーターボートも別マリーナに所有。置き場代月6000円。月13500円でディンギーに、モーターセーラーにモーターボートの3隻も保有できるとは!!!!!それも大阪から2時間圏内で。この地が天国なのではなく、関東が異常なのかもしれません。
キャビンに招き、地元のおいしい旬の魚、店等の情報をお聞きしながらコーヒーで親睦を深めました。

午後、19日分の「今日のKasayan」をようやくアップ。やっと障害復旧した模様。

明日は西風、真向かいが吹きそうです。強くならなければよいのですが。
紀伊日御碕を越えれば大阪湾ももう間近。どこまでいかれるやら・・・・・・・・・・・。

 

5月21日(日) 田辺市 南紀スポーツセンター海洋スポーツ施設 ⇒ 和歌山マリーナシティー
昨夜9時頃から、頭上で雷が鳴り響き、大粒の雨がデッキを大きな音でたたいていました。
稲妻が光ってから3秒ほどで音が聞こえていたので、距離は2キロ以下のはず。マストに落雷では、電気系統が全てダメになってしまうので、ひたすら毛布の中で落雷の無いことを祈っていました。

・・・・・・・・・そして、朝、東の空にはまだどんよりとした雲が見えましたが、西の空には青空。低気圧は関東沖を北東進。向かいの西風が吹く可能性がありましたが、串本〜周参見間で西風と波にたたかれたのは低気圧が東海道沖にあったため。今日は強く吹かないと自分に言い聞かせ5時45分出港。田辺湾沖は北東の微風が吹いていました。風向が定まらずジブを出したり、機走を加えたりしながら、走ること30分。速力低下。対水速度5ノットを切りました。また、藻がペラに。気をつけていたのですが、水中に漂っている藻はどうしても発見できません。今日は、紀伊日ノ御崎を越えなくてはならないため、しかたなく、セールを下ろし、命綱を腹に巻いて初の沖合い水泳大会。上下に揺れる船底で頭をたたかないように気をつけながら3秒で藻の取り外し成功。嬉しくないのですが、通算8回目で要領がつかめてきたようです。再び、エンジン半開の機帆走30分。今度はキュルキュルという音とともにまた藻が・・・・・・・・・・・・・。本日2回目の水泳大会。セールダウン、エンジン停止、裸、潜る、服を着る、エンジン始動、セールアップをしめて10分以内で完了。藻、どんとこい!!!!!と思いきや10分でまた藻が絡みました。田辺の藻はしつこい!!!!
ただ、今回は、対水速力5.4ノットをキープできたので、このまま日ノ御崎を越えることにしました。潮目には必ずといっていいほど、大量の流れ藻。コクピットに立ったまま、遠くの本船と目前の流れ藻のワッチ。

9時半、紀伊日ノ御崎回航。逆潮1ノット。対地速度4.3ノット。もう、流れ藻は浮かんでいません。ついに紀伊半島、恐怖の流れ藻地帯を通過終了。西にははるか四国の山が霞んで見えます。風は北に回って相変わらず真向かい。ワンポイントリーフメインの機帆走。
阿尾漁港、由良港、湯浅広港沖を順に通過しながら、沖ノ島へ。沖ノ島を回って海南市へ向かえば北風のアビームになるはず。対地速度4.3ノットで耐えながら12時半沖ノ島通過。69度変針。ジブをするすると開き・・・・・と思いきや、しぼんだ風船のように風が見る見る落ちていきました。

さらに7.5マイル。遠くにマリーナシティーの目印になる、発電所の煙突が見えてきました。今日は日曜日、沢山のヨットが水面に浮かんでいます。これだけのヨットが浮かんでいるのを見たのは清水以来。Kasayanも急いで入港するのは止めて、のんびり帆走1.5ノット。マリーナまで2マイルのところでようやく遅まきの西風が吹いてきました。14時10分入港。停泊料金4170円なり。マリーナ内コインランドリー(150円)で洗濯。そして、本日3回目の水泳。

ビジターバースに移動するため、一旦停止していたエンジンをかけようとすると、カチカチという音だけでエンジンかからず。多分、バッテリーの端子の接触か?端子を全て磨きなおして、修理完了。エンジン一発始動。繰り返しても問題なし。・・・・・などと作業をしていると、一人の女性が、「Kasayanさんですか?」と訪ねてこられました。このHPの掲示板に書込みされていた、ひびき帆走クラブさんのお知り会いの方で、和歌山マリーナシティーにクルージングに来る際、ひょっとしたらKasayanに会えるかもしれないからと、わざわざ会報を持ってきてくださったとのこと。あまりのタイミングの良さに驚くとともに、手作りの会報をわざわざこういう形で渡していただくお気持ちに心から感謝せずにはいられませんでした。

明日は、加太水道を越えていよいよ大阪湾へ。潮流は8時過ぎにつれ潮最大。
これに合わせて出発は、6時前。40マイルの疲れを癒すことにいたします。

 

5月22日(月) 和歌山マリーナシティー ⇒ 新西宮ヨットハーバー
現在Kasayan、畳の部屋であぐらをかきながら「今日のKasayan」を書いています。

今日の航程は、和歌山マリーナシティー ⇒ 淡輪ヨットハーバーの予定でした。昨日、40マイルも走り、なおかつ3度にわたる藻のプロペラトラブルで疲れ果てたので、今日は18マイル走って大阪湾に入ることだけを予定していました。・・・・・・・・・・が、加太瀬戸を越え大阪湾に入り、Kasayanの年老いた両親が住む神戸が目前にせまると俄然パワーが出て、
大阪湾縦断。一気に新西宮ヨットハーバーまで足を伸ばしてしまいました。ですから、船をマリーナに預け、身体は神戸の実家へというわけです。

今日は、高気圧に覆われて文句無しの晴れの予報。少々気になることは、高気圧の中心が南に下がっているので、南西風が吹き上がる可能性がちょっとだけあること。でも追手なので気にしない、気にしない。いつものように5時45分出港。大阪湾の玄関口、地ノ島と紀伊半島にはさまれた加太瀬戸の北流への転流は6時50分最大流速時間が8時40分。小船GoldenWistaria号にとっては、まさに大阪湾の玄関が空く時間。この時間に間に合うように北東のアビームに乗りながら、エンジン半開。加太瀬戸の入り口は潮浪がたって、鳴門海峡に近いところへ来たのだと実感させます。海峡に入ると、突然のべた凪。鏡のような水面ですが、GPSを見ると対地速度は6.9ノット。潮のエスカレーターに乗っているようなもの。わずか40分ほどで海峡を抜けて、大阪湾へ滑り出ることが出来ました。

大阪湾はもやがかかり、緩やかな波と北西2〜3メートル前後の風が吹いています。ついに来たか大阪湾!!!!本当はそこで東へ進路を変更し、淡輪に向かう予定だったのですが、西宮まで25マイル。俄然前進する意欲が出てきました。進路39度。西宮直行決定。到着予定時刻14時。

セーリングで対水速度4.3ノット。反流が1ノット。対地速度を上げるため、エンジン半開。対水速度は一気に6.5ノットまで。関西国際空港2期工事の砂利船の列を交わし、大阪〜明石海峡の内航船の列をくぐりぬけ、13時、西宮沖防波堤到着。そこから2.5マイルも中に入ったところに新西宮ヨットハーバーがありました。

2日間の係留を依頼して、12000円也。少々高くつきましたが、実家に帰るため。良しとします。

というわけで、明日は、神戸で休養(結構とっているようですが)とオイル交換、洗濯、補給などをおこないたいと思います。で・・・・・・・・・・・・・開始から一ヶ月・・・・・・・・・今日のKasayan、明日23日はお休みさせていただきます。

 

5月23日(火) 新西宮マリーナに船を預け、神戸の実家で休養 今日のKasayanはお休み。

 


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