5月10日(水) 的矢湾 安乗漁港(あのり) ⇒ 英虞湾 浜島港外 民宿「かいゆ」カキ養殖棚
志摩半島に来ると、半日天気が悪くても、いたるところに小さな漁港があって20マイル前後づつでも前進することができます。
また、このあたりは近畿や中京圏のリゾート地になっているため、岸辺にあるホテルや宿には必ずといっていいほどポンツーンや、養殖いかだがあって、海から訪れることができるようになっており東京や横浜では信じられないほど、ヨットクルーズにとって恵まれた環境といってよいでしょう。
昨日は、オーバーナイトで疲れていたため、午後7時就寝。出漁時間の4時半起床。すっかり疲れは取れています。すでに西からは気圧の谷が接近していて、午後からは、低気圧に吹き込む南東風が強まる予報。午前中ならセーリングに問題はなさそうです。おととい、このHPを見ていただいている方から、このゴールデンウィークに英虞湾をクルージングしたときに立ち寄った民宿「かいゆ」がとてもよかったというメールをいただきました。
そこで、午前中に入港可能なこの民宿に舫いをとらせていただくことに。電話で予約状況を聞くと、連休が終わっていつでもOK。さらに宿泊でなくても停泊可能とのこと。あすの荒天の日和待ちもあるので、ただで停泊は申し訳ないので一泊だけ宿泊させてもらうことにしました。今回のクルージングは船中泊をできるだけするつもりですが、一度は入り江に浮かぶ自分の船を宿の窓から眺めてみたいと思っていたKasayan。ついに夢の実現です。
予定していたお隣の五ケ所湾海游人マリーナで日和待ちをするのでは、停泊だけで一日5000円もかかってしまいます。日和待ちをいれると、最低2泊で10000円。食事は別でシャワーだけで500円。一方、こちらは何日でも停泊料無料。民宿一泊二食(海の幸)風呂付きで二人で16000円。ためらわず、こちらを選択することになりました。
海上保安庁のテレホンサービスでは、午前5時25分の段階で大王崎は東の風8メートル。波3メートル、うねり1メートル。瞬間は10メートル以上は吹いているかもしれません。
26ftのちっぽけなGoldenWistaria号のストライクゾーンギリギリ。そして午後からは南東が吹き上がってくる予想。
お得意のアメダス風向風速をチェックすると広い範囲で5メートル以下。今がチャンスと6時15分出港。朝一番に、おばちゃんが「どうせ天気が悪くなるんだから、もっといれば。今日とれた魚あげるよ!!」と言われていたので、出港前におばちゃんの家の玄関に出港とお礼のメモをはさみました。
的矢湾入り口は、東に開いているため、東風が吹き込み、波とうねりが高くなっています。真向かいですが、船が小さいため上へ下へと上り下りするだけで、波にたたかれることはありませんでした。ワンポンの機帆走。安乗崎灯台沖の定置網(こちらでは大敷といいます)を交わして、180度、一路大王崎へ。江戸時代の船頭から「波切大王なけりゃよい」といわれていた海の難所。航海5マイル、テレホンサービスどおりのうねりと波、風でしたが難なくクリアー。今度は、布施田水道という岩礁地帯の狭い水道の通過が待っています。水道直前の大きな定置網を交わし、いよいよ水道進入。海図で見るより、遥か狭く感じる水道で、幅は200メートルくらいしかないように見えます。こちらに向かってくる内航船をギリギリで除けて、航路左側の緑ブイにそって慎重に前進。9時00分。ほんの30分程度でこの水道を抜けることができました。さあ、いよいよ熊野灘!!!!!!!!!!!!!。
・・・・・が、突然流れ藻が次から次へ流れてきます。駿河湾で、プロペラに藻を絡めて痛い思いをしたKasayan。ここからは東の追手で、セーリングすることにしました。フルにジブセールを開くと対水速度4.5ノット。快調に英虞湾湾口を目指します。このところ、風速と風向に恵まれず、機帆走が多かったので、フラストレーション解消。熊野灘の海は素晴らしく綺麗。10時半。英虞湾湾口到着。ジブを巻き込み、再び機帆走に・・・・・あれ・・・・・・・・・速度が出ない。セーリング中にプロペラ游転でやっぱり、藻を絡めてしまったようです。またしても藻に魅入られてしまったKasayan。それでも4ノット前後は出るので、ゆっくりとカキの養殖棚、真珠の養殖だなに気をつけながら英虞湾の中に。事前にいただいたメールに従って進むと、難なく民宿「かいゆ」のある入り江に入ることができました。外海は波が2メートル前後ありますが、この中はまるで池。新緑の緑が回りを包み、まさにひなびた入り江と言った風情。メールを下さったかたに本当に感謝いたします。
そして、今航海二回目の水泳。プロペラは例のごとく、「ほんだわら」がマリモになっていました。プロペラカッターをつければ良かったかな・・・と思うのですが、後の祭り。これからも何度か同じ思いをしそうです。明日は日和待ち。この入り江でのんびりと本でも読むことにします。それともうひとつ。今日の教訓、セーリング中は、プロペラを止めておくこと。
初チャレンジ、今日のKasayanに写真!!

英虞湾のカキ棚にて
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