4ポッドキャリパー計画


Z32用4ポッドキャリパー

動機は、最初の車検前に摩耗した純正ブレーキパッドです。
走行2万キロ前に使い切りました。それも、左前の外側だけ偏摩耗してです。
結局、スライドピンの動きが渋かったせいなのですけど、それにしても他のパッドが半分ぐらい残っていたのがとってももったい無いったら・・。
対向ピストン型なら、スライドピンが無いからこんなもったいない事には・・・。
他の日産車では、S13系にBNR32の4ポッドキャリパーを移植するとかの記事があって、『見た目の(ハッタリ)説得力が欲しいなぁ・・』
そんな時、ふと秋葉原で見かけたアベニール。当時としては大きめの17インチホイールを履いていて『こんなんだと、ローター径が小さいのが虚しいんだよなぁ・・、あれれ?』
フロントに、BNR32のキャリパーが付いてました。付くんですねぇ。

資料を探すと、PW−10のFキャリパー型式はCL25VA。R32スカイラインやA31セフィーロのRB20DE搭載車と同じ様子です。
スカイラインでは、GTS-t ”Type Mにあらず”というターボながら4ポッド型でないグレードも存在してました。セフィーロはFマクファーソンストラットだし、日産系のキャリパーの取り付け部がかなり同寸法なのは知られた事実。実際に付いている車も見たことだし。 マスターシリンダー径も1インチで同寸。キャリパーピストンの面積計算も、資料が正しければ3%ぐらいの差で済みそうです。 『やってみたらウケるかも・・・』

予算を適当に確保して、解体屋さんに出動。なかなかキャリパー単体では置いてなくてFストラット回りAssyになってしまいます。これだと使わない部品の方が多くて値段も張るので却下します。
うろうろして、倉庫の2階で見付けたのがZ32とマーキングされたFキャリパー&ローターのセット。
当時の日産の4ポッドキャリパーは、Z32ターボ&R32 GTS-t TypeM>S-4系がローター径280mm、厚み30mmで同仕様。R32 GT-Rが一回り大きくて296mmの32mm厚だったはず。
アベニールの257mmより大きくて一番近い寸法なので、前後のブレーキバランスもそれほど破綻しないだろうと言う事でこれを買ってきました。
Z32前期型ターボ用らしく、アルミキャリパーでした。後期型では剛性確保の為、S14K'sと同じく鋳鉄製だそうです。

まず、ローターの穴加工。別に冷却用に穴を空けるのではなく、ハブボルトが4本なので5穴→4穴に変えます。13mmのドリルの刃を買ってきて、ボール盤で位置を出して穴空け加工。同じ日産車なので、ハブ径は66mmで共通なので楽です。
キャリパーの洗浄。水と洗剤をかけて、歯ブラシでゴシゴシ。良くチェックを入れると、キャリパー側面に当たった傷がありました。まあ、解体品だから事故車なんでしょうけど、ホイールのスポークが削ったんでしょうか、曲がってなければ良いや。
ジャッキアップして、ノーマルのキャリパーとローターを外して仮組してみると問題発生。ローターがキャリパーのブリッジ部に当たります。微妙にキャリパー取り付け部のリーチが違うみたいです。
どうするか・・、ディスクローター外径研削!
知り合いがトヨタ・テクノクラフトに居ましたので、そいつに頼もうと思ってたら丁度良いタイミングで押し掛けてきました。『これ、直径4mm削ってくれ。晩飯おごるわ』
他にも、ローターのバックプレートがキャリパーに干渉するので、問答無用で撤去しました。良い子は真似しちゃいけないよ(って、説得力無いぞ)

ローターは暇な時間に加工してもらったので、2週間ぐらいで出来上がってきてまた組み付け。今度は回りましたがまだ大きそうです。どうやら直径で8〜10mmぐらい削るのが正解のようでした。
大きさはこんな感じになります。
ローター径の比較
左側:ノーマルφ257mm   右側:Z32φ(280-4)=276mm

キャリパー側配管の取り付け部は、ノーマルではバンジョーボルトですけど、4ポッドキャリパーでは直付け型です。試しに取り付けてみたところ、やはりフルードが洩れ出して圧力がかかりません。こんなところは記事にはかいてありませんでした。どうする?
ブレーキを元通りに戻して、馴染みのタイヤ屋さんに向かいます。ここにはEARL’sのカタログと資料があったのを憶えてましたので。
フレアナットの寸法を図面から探すと同じような物が見つかりました。でも、このままだとバンジョーと合いません。Mia的暴言『手間を減らしたきゃ金を使え』
どうせなのでこの際、フロントだけですけどブレーキホースをステンメッシュ特注にします。車種、グレード(仕様)、ホース長、コネクタ形状を指示して特注です。
これで大丈夫かと思ったら、キャリパー側の取りだし角度を聞かれました。45度を指示してOK。
その間に、キャリパーのO/H。
★4ポッドキャリパーシールキット(burembo以外共通) シールキット 41120-30P25
ブレーキフルードとブレーキクリーナー、後で使うフレアナットレンチも買ってきます。整備関係の雑誌を見ながら初めての作業。普通はシングルポッドですのでせいぜい車1台で4つですけど、フロントRLで8つもあります。さすがに後になると慣れてきて手早くなりますね。
特注のホースが出来上がってきて、早速組み付け。
今度はちゃんと付きました。パッドを入れてエア抜きをガンガンやります。
ホイールもちゃんと使えました。こんな事もあろうかと、調べて選んでおいたホイールでしたので。

試走。まあ、最初はヒヤヒヤ物です。なんせ作業したのが信用置けない人間ですから。
最初は効きが甘く、ペダルタッチもフワフワ感がありましたが、これはパッドの接触面が内側に5mm程ずれた為にローターが段付き摩耗状態になっていたせいでした。
1000Kmほど走ってパッドの方が段に馴染んだ後、もう一度エア抜きした後はかなり剛性感のあるペダルフィールが得られました。
踏み込み量よりも、踏み込み圧力でコントロールするペダルフィールが大好きです。
効き具合も、とりあえずFのみノーマルパッドですので、破綻ありません。

そんなこんなで、1年半経って車検。そのまま通るんじゃないかと思いますけど、縁起物なのでノーマルに戻しておきます。そのついでにちょっとした野望を。
この期間、だれもキャリパーの突っ込みをしてくれなかったので、ウケ狙いで色を塗ります。
色は赤に決定。キャリパーのO/Hをした後、再度洗浄してマスキング。
下地に、耐熱塗料にしては珍しい赤を吹きます。でも、赤と言ってもレンガ色の赤。やっぱりここはレーシーな赤がいい! で、思いついたのはFD3Sの赤。上塗りして、乾いた後にキャリパーのNISSANの文字を白の補修ペンで書いて完成。
ローターはこの間に面研に出しておきました。そして、今度はパッドをENDLESSのNA−Mに変更。本当はアスベストのMが欲しいのですけど公害問題でもう無いそうで。
組み付けて、こんな風になります。
ホイールの隙間から見えるキャリパー その後、塗装をキャリパー塗料の赤に再変更しましたが、FDの赤色の方が雰囲気良かったです。ブレーキフルードやブレーキクリーナーで落ちない塗料があったら良いなぁ。


元に戻る