A40.早速ですが、賃貸マンションの現状回復費用についてのご質問に回答致します。

頂いたメールの様に、解約時に現状回復費用を請求される場合はかなり多いと思います。

この現状回復については、色々な考えがありますが、基本的にはそれほど多額の費用を支払う必要はないかと思います。

一つは、契約書に現状回復費用についての記載がある場合、(クリーニング費用や現状回復費用が「○○○円」と記載されている場合)

はその金額を支払う必要があると思います。(特優賃の契約書には、そのような内容はないと思いますが)

「大家さんが直すもの、入居者が直すものとを表にしたもの」は旧建設省の委託で不動産適正取引推進機構が現状回復について明文化したガイドラインに沿って作製された物だと思います。<法的な根拠はありません>

よくみられるのは、借主と貸主が経過年数によって現状回復費用の負担割合を決めるというケースですが、

(経過年数が多くなるほど貸主側の負担が増える)これにも法的根拠はありません。

●敷金とは、民法619条2項、316条などに定められておりますが、その性質や効力には詳しい定めはなく、

裁判例や学説によれば、 敷金は借家人の賃料などの債務を担保するためのもので、

基本的には、家賃の滞納等(賃貸借の債務不履行)が 無ければ返却しなけばいけない物とされています。

ただし、実際に住んでいれば、クロス等は汚れや破れ、フローリングの傷等も当然ながらある程度はつくことになると思います。

現実には、大家さん(管理会社)の考え方にもよりますが、一部は貸主が負担し、

一部は借主が負担する事が一般的な考え方です。

この負担分に関しては判例等も様々なケースがあります。個人的な考えですが、

通常は一般的に人間が住んでいる場合多少の傷や汚れが つくのは当然のことですので、

(通常の使用による損耗)大家さんが次に入居する方のために、全面的にクロスや床の張替えを行う場合、

全ての費用を支払う必要はないかと思います。

(ちなみにファミリータイプのマンションでクロスや床を全面的に張り替える場合は40〜50万程度かかります。)

ただし、故意や過失の物は支払う義務はあるかと思います。(その辺の判断は大変むずかしいですが)

借主が負担しなければならない物としては、

引越し時など作業でついた傷

明らかに故意、又は過失より使用に耐えなくなった場合の現状回復費用

貸主の了解なしに改築した場合の現状回復費用

などが考えられます。

最終的には、貸主(又はその代理者)とご自身で退去時の費用に関しても交渉することになります。

アドバイスとしては、未払いなどがない場合、敷金はとりあえず全額返却してもらい、退去時の費用は話し合った上で

納得する分を支払うのが妥当だと考えます。

 

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最終更新日 : 2002/11/23