庚申塔(宮城町芋沢宇那禰神社)
芋沢にある庚申塔には動物が彫られています。庚申の日の夜に「サンシの虫」がやってくると信じられていました。この虫は人の中に住み、寝静まると動き出します。すると天に昇り、人々の悪事を天の神さまに告げ口をします。そのために人々は、寝ずに一夜を明かさなければなりません。
サンシの虫が神さまに告げ口しないように「見ざる、言わざる、聞かざる」ようにと「庚申塔」に彫られています。その脇には鶏がいます。
雷神(西)
自然の動物、植物、昆虫だけでなく自然現象も神さまとして崇められました。この碑に見られるのは「雷神」です。雷さまは「稲妻」として、稲を実らすと信じられていました。
ここ、宮城町西にある石碑には「雷神」の他「山神」「水神」なども見られます。
豊受神(とようけのかみ)
「とようけ」とは蚕の神さまです。この地方でも養蚕が盛んで、蚕の成長を願って神さまが祀られました。碑の右上に「養蚕神」と刻まれています。
ちなみに「とようけ」は「うけつかみ」として穀物の神さまですが、ここでは蚕神として祀られています。
馬頭観音像
江戸時代より石に彫られた馬頭観音が数多く残されています。石には建てられた元号、月が刻まれ、左下には施主の名も見られます。人と共に農耕に従事した馬が家族同ように扱われました。年取って死んだ馬は、人と同じようにお墓が建てられ供養されました。
碑の上に写真のように「馬二頭」という具合に数が記されているものもあります。
この馬頭観音は現在も受け継がれています
水神様
田圃に水が入り込む入り口に祀られるのが「水神」さまです。山の水源、清水などにも水神さまが祀られます。田圃の水口には、御幣が飾られ神さまのよりしろとなります。水への感謝の気持ちがあらわされ、水を汚さないよう、枯らさないよう、無駄にしないよう、大切に扱われました。
山の神     (赤坂・日月神社)
春に山から田の神様が降りてきて、田圃の守り神となります。春の訪れとともに、山から新鮮な清水が田に注ぎ込み、その水は木々の栄養をたっぷりと含んでいます。雪によって蓄えられ、夏の日照りの時にさえ、地中深くからわき出る泉となって、田を潤し稲を育てます。山の神は里山に降りて、田の神として祀られます。
道祖神        (宮城町西)

道祖神は村の境目に置かれた魔除けの神さまです。境界線は変化が起こりやすい場所です。外敵が村を襲うかもしれません。疫病が入ってくるかもしれません。疫病神か、不審な人物かもしれません。昔の村人は村の入り口を守ることで災いから逃れようとしました。この境界線を警戒する考えは、地理的なことに限りません。人生の境界線を重んじる風習にも受け継がれました。誕生、成人、結婚、歳の節目、死など変化の時にその変化にあった過ごし方をしないと災いが降りかかると考え、さまざまな儀式が行われ、人々の自覚を促しました。
人々を守る自然の神々
宮城町 おもしろい石碑がたくさん