チック障害の分類(DSM-W,1994)



1.トウレット症候群
 
A.多発性(1種類以上)運動チックと多発性音声チックが両方ともみられる.同時に出現しなくてもよい(チックとは,突然起こる,急速に反復する非律動的で常同的な運動または音声である).
B.チックは,1年以上にわたって,毎日または間欠的に,1日に何回も出現する(通常,群発する).経過中,チックがない期間が3カ月以上持続することはない.
C.チックにより,家庭生活や社会生活(学業や職業)に著しい支障が生じている. 




2.慢性運動または音声チック

A.単発性(多発性)運動チックまたは音声チックのどちらか一方だけがみられる.
B.チックは,1年以上にわたって,毎日または間欠的に,1日に何回も出現する.経過中,チックがない期間が3カ月以上持続することはない.
C.チックにより,家庭生活や社会生活に著しい支障が生じている.




3.一過性チック

A.単発性(多発性)運動チックまたは音声チックのどちらか一方またはその両方がみられる.
B.チックは,1日に何回も,ほとんど毎日,少なくとも4週間以上持続する.しかし,1年を超える事はない
C.チックにより,家庭生活や社会生活に著しい支障が生じている.




これは米国精神医学会による「チック障害の分類とその概要」です.
この内容をみてもわかるように,チック障害は,チックによって生活に支障がある場合をいうのであり,また,チック障害の全てがトウレット症候群ではありません.
トウレット症候群の診断は,専門医がその経過をみて下すものであり,症状の一部分をとらえて,判断するものではありません.従って,疑わしい場合には,専門医の受診をお薦めします.