チックに対する誤解!



チックは,家庭や幼稚園,学校でのストレスによる心の病気と見なされがちであり,このため「しつけの問題」とか「子供の欲求不満が原因」と強調され,周囲から責められたり,また自らを責め,つらい立場にあるご両親も少なくありません.

最近の医学的研究では,チックは大脳の基底核の病気であり,心の病気ではないとされています.

すなわち,遺伝的要因により大脳基底核のド-パミン神経の発達過程に異常があり,ド-パミンの受け皿であるド-パミン受容体が過敏になることが原因であると考えられています.つまり,家庭や学校での精神的緊張によりド-パミンの分泌が増えると,過敏となっているド-パミン受容体が刺激され,チックが誘発されるのです.一方,眠りに重要な役割をするセロトニン神経がチックに併発する「こだわり」や強迫観念に関係すると考えられています.

このようにチックの原因は解明されつつあり,早期に正確な診断を受け,適切な治療や環境を整える事が最も大切です.

米国では1970年代から,また,最近ではヨ-ロッパやオ-ストラリアでもチックの最も強い病型であるトウレット症候群の患者の会があり,この病気が精神的な病気でないこと,また,すぐれている面もあることを啓発すると共に,研究の支援や患者および家族に住みやすい環境作りをしています.

しかし,日本では,トウレット症候群という病気自体がほとんど知られておらず,正確な診断や適切な治療を受ける機会が少なく,学校や職場や地域社会でおかしな奴,変わった奴という目で見られ,本人も家族も肩身の狭い思いをしている方がたくさんいるのではないかと思います.

私は,トウレット症候群の子供を持つ親として,この子達とどのように接したらいいのかと毎日試行錯誤しています.

また,いじめ・不登校・学習障害の原因にはトウレット症候群およびその類縁の病気もあるのではないかと思っています.

そして,同じような悩みをもっている方々のために情報交換の場を提供し,共に手を取り合いたいと考え,このペ-ジを開設しました.

ご意見・ご質問・ご希望がありましたらどんどんお寄せいただきたいと思います!