トウレット症候群って何ですか?



トウレット症候群は,チック症の中で最も重症のものであり,自分の意志とは無関係に,突然繰り返して起こる体の運動(運動チック)とノドや鼻を鳴らしたり,声を出す事(音声チック)とを主症状とする家族性の神経の病気です.

運動チック
とは,目ばたき,顔しかめ,首振り,肩のぴくつき,他人や物へのタッチ,匂い嗅ぎ,キック,ジャンプなどであり,音声チックとは,咳き払い,ノド鳴らし,鼻鳴らし,甲高い声,意味不明な言葉や自分または他人の言葉尻りの繰り返し,時には,卑猥な言葉や非常識な言葉を発してしまう事です.

これらの症状は,普通18才以前,しばしば6-8才に出現し,強くなったり,弱くなったりして1年以上続きます.

この病気は,女の子に比べ男の子に3-4倍多くみられます.

症状の種類・程度には個人差がありますが,症状が重い場合には学校・職場・家庭での生活に支障が出ます.

併発症として,強迫性障害注意欠陥・多動性障害,過剰な衝動性,学習障害,睡眠障害などがあります.

トウレット症候群の人達にとって最も大切な事は,早期に正確な診断を受け,適切な治療・指導を受ける事と社会の人々にこの病気の事を良く知ってもらい,彼らに住みやすい環境づくりをすることです.



強迫性障害は,冷静に考えると,不合理で現実ばなれしている不安や不快な考えが繰り返しくりかえし頭に浮かんでくる(強迫観念)ので,そうした考えを取り除くために,繰り返しくりかえし同じ行為(強迫行為)をする事を特徴とする神経の病気です.

例えば,汚れが気になって手を洗ってばかりいる,火元や戸締りが気になって外出が出来ない,数や道順,物の位置にこだわって物事をするのに異常に時間がかかってしまう.また,他人や自分を傷つけてしまうのではないか,火災や強盗など恐ろしいことが起きるのではないかといった考えが付きまとい,日常生活に支障がでるといった事がみられます.



注意欠陥・多動性障害は,通常7才以前からみられる勉強・課題や人の話に集中できない,じっと座っていられない,しばしば他人の邪魔をするといった,発達・年齢段階に対して著しく不相応な注意散漫・多動・衝動性を特徴とする神経の病気です.