激情





「ティーダ」

「ん?」


そして彼は最後の一歩を踏み出していく。




〜激情〜



彼の澄んだ青い瞳を見つめた瞬間に、自分の中で何かが壊れた。

感情は衝動へと揺れ動き、それは激情へと変化する。


気がついた時にはティーダを抱きしめ、彼を床に押し倒している自分がいた。
「何だよ!何するんだよ!」
驚き、藻掻くティーダ。

自分の腕の中で藻掻くティーダの肌と体を感じて、心の中の欲望はさらに加速した。
瑞々しい、若い肢体。
シャワーを浴びたばかりの体からはどこか甘い香りを与えてくれる。

賢明に手を突っ張って、のし掛かる自分の体を押し返そうとするティーダ。
「馬鹿…何、考えてるんだよ。冗談は止めろってば。止せ…って!」
驚き、抗いながらも、まだどこか自分の置かれている状況が信じられないのか、その抵抗は本気を感じさせないものだった。

それは自分を仲間だと信頼しているからなのか?
俺を…信用してるのか?ティーダ?

けれど自分を止められない。
溢れ出した感情はもう自分の中で押さえきれないのだから。

押し倒し、彼の服に手を掛け力任せに引き裂いた。
驚愕に目を見開き、自分を見つめるティーダ。

ああ…その瞳が愛おしい。
お前のその青い瞳を俺の欲望で、染め上げたいくらいだ。
この汚れた肉の欲望で汚してしまいたい。



胸に手を這わす。
喉元に唇をよせ、彼の肌を味わい尽くす。
嫌だと、ティーダが自分を押し止めようとする。

無理だよ。
もう、俺の感情はお前を貪り尽くさない限り止まる事なんてできないのだから。

震える口を自らの口で塞いだ。
「んっ………」
くぐもる声。
舌を絡め、彼の唾液を味わった。
それは甘露な味わい。今までに自分が味わったことのない欲望の味、そのもの。

ティーダの手が自分を止めようと藻掻いている。足をばたつかせ、何とか逃れようとしているのが分かった。

まだ彼を味わい尽くしていないのだ。
ここで止める事なんて出来るわけがない。

まくり上げたシャツを引き上げそれで両手を拘束し、彼の足の間に自分の体を割り込ませて身動きが取れない状態にした。

その上で、存分に彼を味わうのだ。

思うままに彼の唇を味わい、それから耳を舐めあげ、喉元へと移動した。
その間にも手は彼の胸をなで回し、彼の胸の飾り。乳首をつまみ上げる。
指の腹で転がし、時に爪を立て、弄ぶ。
最初は柔らかい感触を示していた彼の乳首がやがて、堅さを増してきた。
それを感じ取って、胸に移動していた舌で彼の乳首に吸い付いていく。
「あ…!」
ティーダの喉がのけぞった。
舌で乳首を転がし、彼の感じるところを探っていく。

そろりと右手を下へと移動させる。
引き落としたズボンと肌の隙間から、そっと彼の中心へと手を這わせていく。
「や…だ!」
ティーダの抵抗が激しくなる。
自分の下で暴れる彼。
それを押さえる為にも、彼の中心をぎゅっと握りこんでやった。
「!」
ティーダの抵抗が一瞬止まる。
それを見て取って、徐にゆっくりと彼の中心を手の平で扱いていく。
ティーダが顔を逸らす。
口元を噛み締める。
最初は驚きのあまり、青ざめて頑なだった表情が、今はほんのりと頬に血の色が上っているのが見て取れた。戦慄く唇。寄せられた眉。

感じているのか?
この俺の手で?

やわやわと握り、時に先端に爪を立て、上下に扱いて彼の快感を暴いていく。

自らの手の中でティーダの欲望が徐々に張りを増していくのが分かった。

もっと感じればいい。
もっと俺の中で乱れればいい。

先走りの液がにじみ出る。
その液の助けも借りて、愛撫はさらに深まっていく。

彼の感じるままに。
触れると快感を表す箇所を集中的に攻めてやる。

ティーダが潤んだ瞳を向けて俺を止めようとする。

「や…だ。何であんたがこんなことをするの?どうして…」
快感に喘ぐ声のままに唇を振るわせて俺に問いかけるティーダ。

どうしてだって?
そんなことは決まっている。
分かり切っていること

「お前が…好きだから」

俺のその言葉にティーダがさらに大きく目を見開き、再度問いかける。

「好きなら…どうして…どうしてこんなこと、するの?」
「だから好きだからだよ」

そう言って彼への愛撫を強くする。
「んあっ!」
ティーダの喉が仰け反る。
腰が浮き加減になっているのが分かった。

いきそうなのか?

俺の手の中でティーダの欲望の中心がびくびくと震えている。
もっと乱れればいい。
俺の下で。
この俺の手で。

「うぁ………!」

ティーダの腰が跳ね上がる。
足を突っ張り、かすれた叫び声を上げて俺の手の中に欲望の全てを弾け出す。

どくどくと手の中に溢れ出す、彼の飛沫。
俺の手の中に収まりきれずに、彼の腹に飛沫が飛び散る。

ぐったりと横たわるティーダ。
服を半分以上脱いだ状態で、俺の下でそのしどけない肢体を惜しげもなく晒している。

快感の余波で熱を帯びた体。
だらしなく伸ばされた手足。いつもは健康的な肌が、今は快感に全身を朱に染めて俺の下で横たわっている。
彼のその腹には、たった今自分が吐きだした欲望の残滓が飛び散っている。

なんて淫らな光景。
こんなに淫らでいやらしい彼を見た事なんてなかった。
俺はこれを…こんな彼を望んでいたのだから。

ごくりと唾を飲み込む。

自分の下腹の欲望が痛いくらいに強まっているのが分かった。
ズボンを押し上げ、吐きだしてしまいたいくらいに余裕がなくなっている。この強烈な思い。

乱らで綺麗なティーダ。
お前をもっといやらしく味わってみたいよ。

放心状態のティーダの足に手を掛ける。
「な…?」
腕にも足にも力がはいらないだろう、それでも抗う素振りを見せるティーダ。
それを無理矢理に押さえ込んで、足に引っ掛かっただけのズボンを力任せに引きずり下ろした。
俺が何をしたいのか、ティーダも薄々感じたのだろう。
彼の抵抗が激しくなる。
「いや…だ!それだけは嫌だ。もう止めて。あんたのこと…嫌いになんてなりたくない!」

でも愛してもいないだろう?

お前にとっての俺は優しい仲間。只のチームメイト。
そして…それ以上でもなければ、それ以下でもないのだから。

だからお前の中に俺を刻みつけたいんだ。
俺という存在を。
体の中に。忘れられないくらいに。

足を持ち上げ、腰の奥深く。
彼の後孔に人差し指をそっと宛がう。

「だめぇ。いや!そこ…は」

拒絶の言葉すら、今の俺には甘い睦言にすら聞こえてしまう。
ティーダの滑りを指に取り、彼の蕾へと潜り込ませる。
「んぅ!」

狭い肉の感触が伝わってくる。
絡みつく、彼の媚肉。
くちゅりとわざと音を立てて、蕾の中に指を行き来させる。
苦しげに眉を寄せるティーダ。
閉じた瞳から涙がこぼれていた。

俺の下ではしたなく足を開き、その禁忌の蕾に俺の指を受け入れている彼。

ズボンの下の欲望は、もう痛いくらいにはち切れんばかりだった。
脱ぐ時間も惜しくて、前だけを広げて自分の中心を取り出し、彼の蕾へと自分のを押し当てた。
「あ…や…」
俺の熱さを肌で感じ取ったのだろう。
ティーダの体がずり上がりかける。
腰をつかんで引き留めて、そのままに自分の欲望を押し込んだ。
「!」

熱く、狭い彼の中。
絡みつく柔肉。
狂ってしまいそうな快感…というものを、俺はこのとき初めて知ったような気がした。

貪り、味わい、全てを食らいつくしてしまいたい。
求める心のままに彼の中を穿っていく。

激しい抽挿。
腰を打ち付ける音が聞こえてくる。

「い…たい。もう…許して…よ」

息も絶え絶えにティーダが俺に訴えかけてくる。
その言葉に快感に我を忘れていた、自分を知る。

見れば、俺の下でティーダが苦痛に眉を潜めているのが見えた。
自分の快感を追うことに精一杯で、彼の状態を気に掛けることを忘れていた。

多少は指でほぐしていたとはいえ、俺の欲望をこの狭い蕾で受け入れていたのだ。
快感なんて味わうこともなく、痛みだけを感じていたのだろう。

打ち付けていた腰の動きを止める。
確かにティーダを味わいたかったのは事実だったけれど、彼を傷つけたい訳ではなかったのだ。
欲望は止めがたかったのだけど、それを無理矢理に押さえ込み、ティーダの快感を引き出そうとした。
腰を抱えていた手を彼の前に持って行き、今は張りを失っている彼の中心をやわやわと握りこんでやる。
「ん…」
痛みに眉を潜めていたティーダの表情が変わる。
青ざめていた頬にも血色が戻っている。
それを見て取って、さらに彼の中の快感を引きずり出そうとした。
彼の中に埋め込んだ自分の欲望。
前の激しい抽挿ではなくて、中を味わい、とある場所を探そうとした。
角度を変えて打ち付ける。深いところではなくて、感じる場所。快感の芽のあるところを見つけ出そうとした。
探るような抽挿。
自分に絡みつく彼の肉の感触に暴走しそうな自分を押さえ込んで、辛抱強く彼を求める。
ある一点を突いたとき、ティーダの体がひくついた。
「あっ…」

ここか?

それを確かめるべく、もう一度そこを狙って突っついてみる。

「そこ…いやぁ!」

ここなんだ。

俺の手の中でティーダの欲望も、ゆったりと堅さを増していた。
今度は自分だけではなくて、ティーダの快感も追って抽挿を繰り返す。

「あっ…あぁ。ん…う…あ…そんな…嘘…」

自分の体の変化にティーダの気持ちがついて行っていないのか、喘ぎ声を漏らしながら俺の下で彼の体が熱を帯びてくる。
その熱で、さらに俺をくわえ込んだ蕾がまた収縮を繰り返す。
俺の欲望が彼の柔肉によって絞り上げられる。

なんて快感。
それは今までに味わったことのないような刺激だった。

抽挿が激しくなる。
俺の下で乱れるティーダ。

俺自身も限界に近づいてはいたが、ティーダの欲望もひくついていた。
ことさらに彼の最奥を突いてやる。

「あ…あぁぁぁ!」

足を突っ張り、俺の背中に腕を回し、ティーダが叫ぶ。
俺の手の中に、彼の快感の全てがはき出される。
その刺激でティーダの中で締められて、俺自身も煽られるままに彼の中に精を吐きだしていた。

内と外で溢れ出す欲望の残滓。

ぐったりと横たわるティーダ。
激しい情交を物語る、汗に濡れた肢体。疲れたような表情を見せて手足を投げ出している。

その瞳はいつもの強いものではなくて、ただぼんやりと天井を見つめているだけ。


愛おしいよ、ティーダ。
お前の何もかもが。
たとえ傷つけるようなことになっても、お前が欲しかったんだ。
お前の全てを味わい尽くして、その体を貪りたかったほどに。

「愛してるよ…ティーダ」

ティーダが俺の言葉に目を向ける。
一瞬怒りをその瞳によぎらせてはいたが、それは直ぐに悲しみに変わったみたいだった。
「愛してるなら…どうして…こんなこと…」

お前には分からない?

好きで好きで堪らなくて、狂気を身のうちに抱え込んだ男の気持ちなんて。

一端は吐きだして収まった自分の欲望が再度浮上してくるのが分かった。
俺のモノはまだティーダの中に収まっている。
徐々に張りを増してくる俺の変化にティーダも気づいたのだろう。
青ざめて力の入らない腕をそれでも持ち上げて、俺の胸に手を突っ張って押し止めようとした。

「もう…やだ。もう…許して…」


この思いは止まらない。
激情は…俺を支配して、お前を食い尽くさないかぎり、収まってはくれないのだろうから。



「愛してるよティーダ」



そして俺は彼を求める。



残酷な愛の言葉を囁きながら。





END


←「衝動」


ほんの思いつきで、つい続きなんぞを書き上げてしまいました。
「衝動」の続き「激情」を。

いつもいつも、肝心な部分はぼかしたり抜かしたりしているので、
たまにはちゃんと真っ正面からエロを書こうとしたのですね。


ただし、何でそれがメインのアーロンとかジェクトではなくて赤の他人なのかは…
自分でも意味不明。ま、いつも只の勢いだけで小説は書いておりますから。

で、もって思いつきでの続き物なのでイラストは使い回しなのですね。
新たにかきたせばいいのかもしれませんが、そこまでは気力と体力は続きませんでした。


ただ、この小説はね〜。恐ろしいくらいに短時間で書き上げてしまいました。
うん、エロはノリと勢いだね(苦笑)




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