「な、何で見せなきゃいけないのよ! 汚くなんてないわ!」
沙織は思わず、由紀に返答する。ほとんど面識も無い由紀にいきなり胸を見せるなんて事できなかった。
その沙織の返答に、由紀が答える。
「何で、私にため口なの?」
「えっ」 沙織は思いもよらない由紀の返答に、身じろぐ。
”ま、まさか、さっきのペットで事、本気...”
沙織は、由紀に確認するように、視線を向ける。
当たり前の様に、由紀が沙織に指示した。
「言いなおす? それとも 私のペットをやめる?」
由紀は笑っていた。沙織に拒否などできない事を重々、理解した上でだった。
「み、見せなきゃだめでしょうか....?」
沙織は敬語で答えるしかなかった。必死で答えた物の、由紀は納得しなかった。
「違うわ。」由紀は一蹴する。
”何が違うのよ! こんなに我慢してるのに!”
敬語でお願いしている沙織には、由紀の思惑が理解できなかった。
「悠一ぃ、このメス猿が、言うこと聞いてくれないわ。」
由紀は、上半身裸の悠一にしなだれ掛る様に、身を寄せる。由紀の綺麗な胸が、悠一の胸板で、つぶれる。
「せっかくの俳優の道を潰そうとしてるのよ! この女。」
由紀は、沙織に視線を向けた。
”潰すも潰さないも、あなたの胸先三寸でしょ!!”
沙織は、由紀の言動に腹が立ったが、言い返せる訳でも無い。
「ごめん沙織..由紀さんに従ってくれ...」
悠一は、既に由紀にのみ込まれていた。 当たり前だった。目の前に、女神の様な半裸の由紀が居て、
その女神は自分の将来も保障してくれるのだった。
「悠一!!...さん。」
沙織は思わず叫んでしまった。 信じていた悠一の心まで由紀の物だった。
ただ、由紀の鋭い視線で、敬称を付け加える。
「さっきまで、私の事は心配しないでとか、悠一は気にしないでとかいい事ばっかり言っていた癖に!」
由紀は、悠一に叫んだ沙織を侮辱する。
”ぬ、脱げばいいんでしょ...”
沙織は、二人の前で、ブラウスのボタンに手を掛ける。
由紀ほどでは無いが、豊満な胸がブラから覗く。
由紀と、”元彼”がその様子を見つめていた。
沙織は慌てて俯く。何も言えず、黙々とボタンを外した。
沙織はブラウスを脱ぐと、目の前にあったサイドテーブルに、ブラウスを掛ける。
”す、スカートも脱げって言われるのかしら...”
ブラが少しでも見えない様に、由紀に確認の視線を向けた時だった。
「何で脱いでるの? あなた痴女??」
由紀が下着姿の沙織に思いもよらない言葉を言う。
「な、何でって、あなたが見せろって!」
戸惑いながら、沙織は由紀に返答する。あんまりにもだった。
慌てて、テーブルに置いたブラウスを手に取る。
「私は、脱いでも良いって許可してないわ。」
「!!っ」
由紀の笑顔は蔑みの笑みに変わっていた。
「ど、どうして、こんなことするの?私が何かしたの?」
沙織があまりの由紀の仕打ちに思わず確認してしまった。
その確認の結果も無慈悲だった。
「悠一の元彼女が、人間の女って言うのが許せないの。悠一には貴女が生ごみって解ってもらわないと。」
由紀は笑っている。
沙織は絶句した。
”な、生ごみ.....” 沙織のプライドが崩れていく。
「そうねぇ...”生ごみみたいに汚い乳首ですがご覧ください”ってお願いするんだったら、脱いでもいいわ。」
由紀は、笑いながら指示するが、視線は笑って居なかった。
”悠一も...私の心も...”
沙織は由紀に従う。
”私が生ごみになればいいんでしょ....”
沙織は、ブラウスをテーブルに戻し、由紀の目の前で、言われてもいなかったが、先ほどと同じように土下座をする。
そして、額を絨毯に付け、屈辱の言葉を口にする。
「生ごみのような汚い乳首ですが、ご覧ください!」
はっきりと口にした。 由紀の命令に恥ずかしがらず、はっきり言う事が、沙織の最後のプライドだった。
ただ、そんなプライドさえも由紀には通じない。
「良いわよ。」 沙織の気持ちなど、どうでも良いかの様に素っ気なく返答する。
”良いわよって......”
あまりにあっさりした返答に、沙織は、土下座をしたまま、どうして良いかわからなくなってしまう。
”やっぱり脱がなきゃいけないのね...”
少し考える。ただ、沙織は観念するしか無かった。
”胸を見て罵倒されるだけよ。我慢できる!”
必死の思いで”従う”という結論に達した。
ところが、
沙織が頭をあげると、由紀は、沙織を見ても居なかった。
由紀はそれどころか、悠一の手を取り、中断していた悠一の要求を開始していた。
「悠一...っ」
由紀は悠一の手をを取ると、自分のはだけた胸を触らせる。
悠一の大きな手が、由紀の胸を弄り始める。 何の躊躇も無く、悠一の指が由紀の乳首を捉えた。
由紀もまた、悠一のベルトに手を伸ばした。
”今度は無視?いいわっ!”
夢中になっている二人の行為の前で、沙織はスカートに手を掛ける。
その間も、二人の愛撫は続いていた。
沙織は二人の前で、下着だけの姿になる。
さすがに、何も言われないまま、ブラを外す事などできなかった。
沙織は、下着姿のまま、立ち尽くし、二人の愛撫を見守るしかなかった。
悠一が、由紀のスカートと、ブラウスをはぎ取る。
由紀もまた、悠一のスラックスを下していた。
二人は、ブリーフとショーツ一枚で、抱きあう。
悠一は由紀をソファーに組み敷き、由紀の色白で、”ピンク”の乳首を口に含んでいる。
そしで、片方の手が、由紀のショーツの上に移動し始める。
”悠一が由紀さんを....”
下着姿で立ち尽くす沙織は、視線を外すこともできなった。
初めて見る他人の絡みであった。しかも自分の彼が、敵う訳もない美貌の由紀を弄っている。
「あっつ! 悠一!」
由紀が悠一の名を嗚咽する。
悠一は、指を、由紀のショーツの上で小刻みに動かしていた。
昨日まで、沙織のためだけの指だった。その指が由紀のショーツで激しく動く。
沙織はまるで自分がされているかの錯覚に陥る。
”こ、こんな時なのに..”
また溢れそうだった。
生ごみとまで罵られた相手にも関わらず、悠一に身を任す由紀と自分を置き換えて妄想してしまう。
そして、遂に、悠一が、由紀のショーツを外そうとした時だった。
「悠一、シャワー浴びさせて。」
由紀はそういうと、悠一を中断させ、シャワールームに導こうとした。
その時、ふと由紀は沙織の事に気がついた様だった。
「貴方、まだ脱いで無いの?こっちは時間が無いのよ。3秒あげるわ。ブラ外しなさい」
由紀が気だるそうに、命令する。
”えっ”沙織が慌てた。
「3...2....ほら早く!1..」
沙織は急かされる様に、ブラを外すしか無かった。 沙織の胸が外気に触れた。
二人の視線が、由紀の一点に向かう。
決して小さい訳では無かったが、由紀には及ばない胸だった。
沙織は隠す事もできず、胸を晒した。
”みないで!”
そう思うほど羞恥が募った。
数秒の間が空く。
「おふざけだったのに、本当に茶色いのね!?」由紀が笑った。
”お、おふざけ....”
沙織は情けなくなる。
「悠一、シャワーいこう。」
ただ、そんな沙織を無視して、悠一をシャワーに誘うと沙織の前から、二人は消えた。
あまりのあっけなさに、沙織は身震いした。
”由紀さんにとっては遊びでしかないんだろうな....”
侘しさが募った。
あまりの出来事に沙織はしばらく何もできないまま、立ち尽くしていた。
”本当に茶色い....”
自分の胸に視線を向ける。
昨日までは、ほどほどに自信のあった胸だった。 ただ、由紀の胸と比べると、確かに茶色で、汚く見えた。
シャワールームからは、二人の物音と水の音が聞こえる。
”二人...何してるのだろう...”
誰もいないリビングで、沙織は立ち尽くす。
「ヌチャ...ヌチャ...」
”もうどうでも良い...”
沙織は由紀と悠一の愛撫を思い出しながら、自分を諌める。
”気持ち良い.....”
沙織は、立ったまま触っていた。それはショーツ越しでも無く、直接自分自身に指を差し入れていた。
”どうせ私は生ごみだもの...”
そう思えば思うほど、激しく、立ったまま、自分の膣に指をねじ込んでいた。
”逝く...”
沙織の膝が小刻みに震え始めた時だった。
「ちょっと来て!!」
シャワールームから、由紀の声が掛る。沙織は、後もう少しのところで、現実に連れ戻された。
「早く!」
由紀が急かす。
沙織は恐る恐る、シャワールームに向かった。
さすがスイートルームのシャワールームだった。ガラス張りのシャワールームの隣には、ジャグジーが備え付けられて
おり、そのジャグジーに悠一と由紀が入っていた。
悠一の上に由紀は寝そべる様にリラックスしている。
「それを、洗ってくれない? 終わったら、ドライヤーで乾かしておいて。」
ジャグジーの隣には、手洗いと備え付けのドライヤーが据え付けられていた。
そんな事はどうでも良かった。
由紀の指差した物は、由紀のショーツだった。
「わ、わたしが?」
沙織が由紀に確認する。
「だって、確か掃除のおばさんよね?」
由紀が笑う。
「け、けど、これは....」
沙織が返答しようとしてやめた。
もう由紀は浴槽の中で、悠一とじゃれあい始めたからだった。
「もう大きくなってる。」
湯船の中で、由紀が悠一自身を掴んでいるのだろう。
じゃれあう二人の真横で、沙織は由紀のショーツを手に取るしかなかった。
”なんで私が、由紀のショーツを洗わなくちゃいけないの....”
沙織は由紀のショーツを見る。
自分の綿のパンツと違い、明らかに高級そうな真っ白なシルクだった。
ただ、由紀のその場所に当てがわれていたは悠一の愛撫のせいか、中心が濡れていた。
”き、汚い....”
同世代のしかも同性のショーツに触れていると思うと沙織はぞっとする。
しかも、自分の彼氏が付けた愛撫の痕跡がある。
”厭...”
沙織のどす黒い感情と打ちひしがれたプライドを他所に、ジャグジーでは、
二人の愛撫が始まっていた。
”私は掃除のおばさん....”
そう言い聞かせ、由紀の残骸の残ったショーツを洗うため、水道の蛇口をひねった。
水道から水が流れる。その音を聞いた由紀が、沙織に声を掛けた。
「まさか、私のショーツを水道の水で洗うつもりじゃないわよね」
意味が解らない事を由紀が言う。
由紀は、湯船の中で悠一自身を掴んでいるようだった。細い腕を前後に動かしていた。
由紀は自分の行為に、興奮したようだった。
「口で洗いなさい。 私の汚物を舌で舐めとりなさいよ。生ごみ女!」
妖精の様な美しい由紀の口から、悪魔の様な命令が下った。
「え!」
沙織はあまりの命令に、聞き間違いかの様に、由紀の方を見る。
さすがに、悠一も驚いている表情をした。
由紀は、空いている方の腕を悠一の首に巻きつける。
「生ごみ女が、私のショーツ舐めとる姿みたいでしょ?」
由紀は、悠一を摩るスピードを上げた。ジャグジーの水が由紀の前後の腕の動きで揺れる。
「うっ」
悠一が嗚咽を漏らす。
「やらせて良いでしょ?」
由紀が、悠一の耳元で囁いた。
”悠一...”
沙織が、手で、由紀のショーツを持ったまま、悠一の方へ視線を見せる。
「私と、生ごみ女、どっちを選ぶの?」
由紀の言葉か、手の動きか、悠一は、肯定をする様にうなずく。
その頷きは、沙織にも確認できた。
”悠一まで....” 沙織は動揺する。
「ほら、悠一も、やれって!」 由紀は笑っている。
沙織は、首を横に振りながら、由紀のショーツに目を落とす。
”汚い...”
沙織はそう思う。
ただ、もう、どうする事もできなかった。
悠一を守りたいという気持ちより、貶められる自分に何故か酔い始める。
”私...他人のショーツを洗わなきゃならないの..”
由紀のショーツに自分の唇をあてがうしか無かった。
鼻孔に、由紀の饐えた臭いがする。
沙織は、舌を伸ばし咥内に運ぶ。涙が止まらなかった。自分の涙か、由紀の物か、しょっぱかった。
”私....生ごみ女になっていく...”
「あはははは。」
由紀の笑い声が聞こえていた。
由紀が湯船から出る。沙織に近づくと、見下すような視線を向けてきた。
「私のショーツ舐めながら、興奮しないでもらえる?」
そう言うと、由紀は、沙織の股間を見つめる。
湯船の湯が掛った訳でも無いのに、沙織のショーツは外から解るほど濡れていた。
”ああ....”
沙織は、由紀の侮辱の言葉で、さらに漏れていく感覚を覚えていく。
”言わないで....”
沙織は深呼吸をする様に由紀のショーツの臭いを吸い込んだ。
吐き気を催す臭いだった。
”狂いそう...”
沙織にも、なぜこんなにもの侮辱を受けながら興奮してしまうのか解らない。
「あなた、本当に変態なの?」 由紀が興奮する沙織に呆れた様な声を掛ける。
湯船から揚がった由紀は、沙織から見ても、体が火照り、まるで女神の様な美しさだった。
”由紀は女神...私..生ごみ女で変態?”
沙織は、自分に言い聞かせた言葉で、さらに、自分の子宮が痙攣するかの様な錯覚を覚える。
そして、立ちながら、膝が小刻みに震えると、沙織は逝きながら、失神した。
「沙織!!」
悠一は、失神して崩れ落ちた沙織に駆け寄るために湯船から出る。
「無様ね。」
由紀が口にした言葉は的を得ていた。
悠一が目にした沙織は、失神しているにも関わらず、カエルの様に両肢をガニ股に広げ、ぴくぴくと引き攣っていた。
「これ、あなたの元彼女?」
由紀に言われ、悠一は情けなかった。
由紀は面倒くさそうに、洗面台のコップに水を注ぐと、沙織の顔に冷水を掛ける。
「...あっ。」
直ぐに、沙織が正気に戻ったようだった。
「何時までカエルみたいにぴくぴくしてるのよ!」
由紀のその言葉と、意識が戻って、自分の格好と記憶を思い起こす。
沙織は、何をしてしまったかを思い出してしまった。
最悪感と、羞恥、プライドの崩壊が同時に沙織の中で目覚める。
「思っていた以上に変態ね。」
由紀の言葉に身を固くする。
さらに、自分を見つめる悠一の視線も、蔑みの視線に変わっていた。