”さ、三人....”
真菜は小谷の言っている意味を理解できるものの、理解できなかった。
ただ、まだ一美の舌の感覚が、自分のそこから痺れるような感覚として残っていた。
”けど、無理....”
小谷が、他の女と自分と同じような事をすると思うと胸が締め付けられる。
「小谷さん....私は無理。」
呟くように、真菜は小谷に答えた。
「私はいいわ。三人でも四人でも。」 一美だった。
「決めたの。小谷さんが望む事は受け入れるって。ずっとそう伝えたかったのに、小谷さんは貴女を選び、私は過去の女。貴女の話しばかり聞かされて。」
一美は、下半身むき出しのまま、その場に立ち上がる。
無造作に手を後ろに回し、埋没された綿棒を抜く。
「舐めなさいよ。貴女も。」
一美は綿棒を真菜に突きつける。
”で、できるわけない....”
真菜はそう思った。一美に向かい首を横に振る。
「小谷さん、舐める様にに言って。私はこの子を舐めたわ。小谷さんが入れた穴なら私は舐めれる」
一美は歪んでいた。
小谷は、一美に視線を向けると、一美から綿棒を取り上げた。
「一美。 僕と真菜は一美の様な変な事をする仲じゃないんだ。すこし僕の悪癖が出ただけ。」
「ごめんね真菜。少し悪い癖がでたよ。三人は無理だよね。」
小谷は、真菜に服を直す様に促す。
「帰ろう。」
小谷がそう言った時だった。
「動かないで。 声を挙げるわ。 この格好で大声で叫べば、どうなるかわかるでしょ!」
一美は、二人に向かって声を挙げた。
”脅迫じゃない!” 真菜はそう思ったが小谷は冷静を装っていた。
「一美....ごめん。」 小谷は脱ぎ捨てられた一美のショーツとスカートを拾い上げる。
なだめる様に、一美に差し出す。だが、一美は首を横に振り受け取ることはしなかった。
「貴女、小谷さんが好きなの?」
一美が、真菜に聞く。
「..はい。」 真菜はそう答える
「小谷さんは三人でしたいって。 私は貴女と小谷さん二人だけでするのは許さない。だから小谷さんには貴女が近づけない様にする。それが小谷さんの将来を壊す事でも」
一美はここまで追い込まれていたのだろうか。
”どうしよう....けど、同じ人を好きなら、一美さんも救ってあげたい”
真菜は一美の行動が冗談ではない事、一美の真剣さを認識した。だからこそ、救いたいとも思った。
その上で自分の中にも欲望が目覚める。
「わかった。二人だけでしない。大丈夫。」
真菜は一美と小谷に言った。 驚いたのは小谷だった。
「真菜、無理しなくていいんだよ。」 その小谷の問いかけにしっかりとした口調で真菜は答えた。
「ただ、三人でするなら、条件があるわ。」
真菜は一美に言った。
「小谷さんが、キスするのも入れるのも私だけ。一美さんはだめよ。」
一美は真菜の予期せぬ、返答に言葉を失った。
真菜は一美の了承を待たなかった。
”興奮する....”
真菜自身が、これから起きる三人の事を妄想してしまっていた。
「ひ、酷い。」 一美が真菜に言う。ただ、真菜は冷酷に返答した。
「なんでも受け入れるんでしょ?私と小谷さんが二人でしなければ。」
真菜は、小谷の手にある一美の綿棒を見つめる。
”....駄目。”
心でそう思っても、行動していた。 小谷の手首を自分の両手で握る。
「真菜!」 制止する小谷の行動を真菜は無視した。
「んっ...」
真菜はその綿棒を口に含んだ。他人の女性の体内に入っていた物だった。
”...駄目” 心ではそう思ったが、体の反応は止まらなかった。
”濡れ始めてる...”
他人の綿棒を咥えている自分が、何を望んでいるのかわからないまま、行動を起こしていた。
「一美さんこれで満足できた? 三人でしましょう」
”何言ってるの...私” 真菜はそう思いながらも、やめはしなかった。
「小谷さんのマンションでしょ。行きましょう。」
真菜は、冷静を装い二人を促した。
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三人は会話をする事なく小谷のマンションに着いた。
こざっぱりしたリビングに入る。
”凄いマンション...”
真菜はそう思った。 ドラマでしか見ないような広いリビングに驚いた。
小谷はダイニングに向かう。
「飲み物持ってくるから座ってて。」そう言って二人をソファーに促す。
「久しぶりに来たわ。」 一美は少しでも上に立とうとしたのか一声を挙げる。
自分の場所と言わんばかりに、ソファーに座る。
真菜も一美にならい、向かい合う反対側に座った。
「...」 沈黙が流れる。
”綺麗な人...” 真菜は一美を見てそう思った。自分も容姿に自信がないわけではなかったがそう思った。
”さっき、この人...私の舐めた...”
真菜は妄想してしまっていた。
小谷が飲み物を運んでくる。「こんな物しかなかったよ。」 ブランデーのボトルと水、氷をトレンチに乗せて運んでくる。
「一美、水割りでも作ってくれない?」
小谷はそう言いながら、真菜の隣に座る。一美は小谷の座った位置に、納得がいかないような視線を向けるが、
素直に飲み物の準備をした。
一美が飲み物を準備しているにも関わらず、小谷は真菜の腰に手を伸ばした。
”小谷さん...”
一美の手が止まった。
「んっ...」
小谷は、一美の前で真菜にキスをする。それもすぐに終わる様なキスではなかった。
”一美さん....見てる”
真菜は、小谷に唇を奪われながら一美に視線を向けてしまっている。
「..や、やめて...」 一美から、かぼそい声がでるが、小谷はやめなかった。真菜は自分の咥内に小谷の舌が差し込まれ、嬲られる。
”見られてる...気持ちいい....”
真菜はいつもよりも強い快感が沸き上がってしまっていた。
一美も真菜の視線に気づく。ただ、こうなる事は解っていたのかもしれない。一美の方から、真菜の視線を外した。
「..んっ..あっ..ん」
真菜の嗚咽と、液体が発する音がリビングに静かに響く。
目の前では、一美が下を向き首を横に振っていた。
「..あっ」 小谷がやっと真菜の唇から離れる。それと同時に真菜は嗚咽してしまった。
”キスだけで....見られると...濡れる”
小谷は、真菜を抱き寄せる。そのまま、ブラウスのボタンに手を掛けはじめた。
「..ま、まって...みられちゃう。」
真菜は胸元を抑える。
「恥ずかしいの?」小谷は真菜に尋ねる。真菜は一瞬一美に視線を向け、肯定する様に、同性に見られている事をアピールした。
「そっか...」
小谷はそういうと、一美の方に向き直る。
「真菜が恥ずかしいっていうから、目隠しするね。」 一美の持っていたグラスを手から取り上げると、自分のネクタイを外し、
一美の目を覆う様に結ぶ。
「お、小谷さん...」一美は視力を奪われる。
「しばらくじっとしてて。」小谷はそういうと、一美の目の前に、真菜を誘うと、目を覆われた一美の目の前で、真菜にキスを始める。
「..ぁ..ん。」
見られてはいないが、目の前の一美には聞こえているだろう。
咥内の粘液の音を小谷はわざと立てる。
キスしながら、今度は躊躇なく、真菜のブラウスのボタンを外し、ブラを露出させた。
「「駄目..」」 真菜と一美は同時に同じような呟きを吐く。
小谷は、慣れた手つきで真菜からブラウスを奪うと、真菜を上半身をむき出しにする。そのままブラと乳房の間に手を差し入れた。
「あっ...」
敏感な場所を小谷の指が摩る。
小谷は真菜の後ろに回りブラを外す。
「嫌....あっ..あっつ..だめ。」 真菜の目の前には一美がいる。視線はふさがれているが、
真菜の形の良い胸がむき出しになる。
”見られてないのに恥ずかしい..”
女性の前で自分が弄られていると思うと、真菜より感情が高ぶってしまった。
小谷は、それを見透かす様に、声を掛けた。
「一美。目の前で真菜が胸を晒してる。僕の指が真菜の乳首をこねてるよ。」
「真菜が気持ちよさそうにしてる。」
”言わないで....” 「あああっ。」
真菜は羞恥と興奮で高ぶっていた。
ただ、それは、一美も同様だった。
視力は奪われているが、真菜の喘ぎと、音に敏感になっている。
「ずるい....」
一美が声を挙げる。 その際小谷は、一美が興奮で太ももをよじるのを見逃さなかった。
「一美、何興奮してるんだ? お前も乳首だせよ。」
小谷は、真菜の乳首をねじりながら、一美にも脱衣を要求する。
「えっ...何も見えない。本当にそんな事してるの?」
一美が疑う。 それを証明するかの様に、小谷は、真菜を一美の方へ更に寄せると、あろうことか真菜の乳房を握り、
その先端を一美の口元に持っていく。
”....小谷さん。 だめ..”
真菜は、小谷の意図を知り、表面上の拒否をするが、体に強い力は加わらなかった。
一美は、自分の唇に何かが当たっている感触があった。
「な、何....こ、これ!!」
小谷は、さらに真菜の乳首を一美の唇に押し当て、ついに咥内に入れた。真菜は自分の乳首に一美の歯の固い感触を覚える。
「あっ。」
思わず、真菜は声を挙げてしまった。
「ほら、一美、分かっただろ? こっちは裸なんだから、一美も目隠ししたまま、ストリップしろよ。」
小谷は、そう言いながら真菜の外したブラとブラウスを拾うと、真菜に渡し、再度、着る様にジェスチャーで促す。
「め、目隠し取って。」
一美はそういうが、小谷は許さなかった。
「僕たちは裸なのに、一美は服着てるの? 着てるなら、ずっとそこに居な。ぼくらは寝室に行くから。」
小谷は言い切る。
一美には選択肢がなかった。視界を奪われたまま立ち上がると、自分のブラウスのボタンに手を掛ける。
逆に、小谷と真菜はもう一度服を整えると、ソファーに座りなおし、一美の作った水割りを手に取った。
”ストリップショー 見ようか?”
小谷は、真菜の耳元で、ささやいた。
10話に続く