前ページに戻る 報告4:糞分析(下部域) <採集方法> 下部域(標高100-200m)では、西部林道を歩いたり、車で走ったりして新しい(当日、前日)糞を見つけ、採集した。上部域(標高500-900m)は大川林道を車で走り、出発地点からの距離を車のメーターで読みとり、地図にポイントしてその地点の標高を読んだ。 <糞分析の方法>
<結果>
内容の内訳
<まとめ>
果実の種類:イヌビワ、アカメガシワ、サンカクヅル、クス 昆中の種類:アオバハゴロモ、幼虫、甲虫
報告5:糞分析(上部域) <結果>
内容物の内訳 No.1 果実はFicus No.2 果実はFicus No.3 果実はFicus No.5 果実はヤマモモ(70%)とイチゴ(5%) No.6 果実はヤマモモ
サンプル数は5(No.2は古い糞なので除外した)
<考察> 上部域の中でも、標高の高いところと低いところで果実の種子の種類に違いが見られたのは、生えている植物の種類が異なるか、実の熟す時期が異なるからだと思われる。しかし、高いところで食べられていたヤマモモやイチゴは低いところにも生えるので植物の種類が違うわけではない。ヤマモモの実は低地では6月頃に熟すが、標高の高いところでは気温が低いので低地よりも遅くなると考えられる。だから、サルが実を採食する時期も遅くなり、糞から出てきたのではないだろうか。また、標高の高いところはFicusが見られないので、これは低地のみで食べられていると考えられる。 古い糞を除いて、5個中3個の糞が半分以上葉を含んでおり、低地のサルに比べて葉を多く摂取していると考えれる。きのこを含む糞は2個しか採集できなかったが、そのうちの1個は多量に含んでおり、きのこ類は集中して採食することがあると考えられる。 注 以上の報告1〜5は5人の班員がそれぞれ分担して皆の記録や意見を聞き、まとめたものである。観察したことについて十分に討論する時間がなかったので、多少思い込みや考えすぎの目立つ記述もあったが、個人の感想としては興味深いのであえてそのまま掲載してある。参加者それぞれは独自の視点を持ち、鋭い観察眼を働かしていることがわかる。ただし、誤った判断もあるので今後それぞれが自分の体験を人と会話し、文献等を調べるなどして補正し確認して欲しい。そうした作業を通じてフィールドワークの技術は磨かれていくと思う(山極)。 目次に戻る |