第2回フィールドワーク講座の報告

湯本貴和

8月2日から9日にかけて、上屋久町主催、屋久町、(財)屋久島環境文化財団、京都大学生態学研究センター、京都大学霊長類研究所共催で、第2回屋久島フィールドワーク講座が開催された。受講生は18名で、加えて講師5名、チューター1名の参加であった。「ひとと自然の関わり」、「鳥の生活」、「ヤクシマザルを追う」、「植物と自然」の4つのテーマを屋久島の世界遺産登録地域において、前半3日、後半3日の2クールで平行に行い、それぞれの受講者は2テーマについて実習を履修した。各クールの最終日には4つのチームそれぞれの発表が行われた。また、夜20時からは、各講師の講義が1時間半にわたって行われたが、この部分は一般にも公開され、延べ96名の参加があった。毎朝7時から朝食、8時にフィールドワークへ出発、17時ごろに帰ってきて入浴、データ整理、19時から夕食、20時から講義、21時半から毎夜24時近くまでデータ整理、さらに鳥チームは早朝4時半に出発の日もあったため、受講者、講師ともにかなりハードなスケジュールであったが、病気や事故もなく、無事終了することができた。受講者の募集から、宿舎の管理など、細々と面倒をみていただいた上屋久町の環境政策課のみなさんに厚くお礼を申し上げる。なお、この講座は来年度も予定され、次回は大学生に加えて、地元の屋久島高校の生徒を受講者に迎える方向で検討中である。

日程
8月2日 集合、開講式、オリエンテーション
8月3日〜5日 実習(第1クール)、講義
8月6日 屋久島学講座(島内一周といくつかの施設の見学)
8月7日〜9日 実習(第2クール)、講義(8日まで)
8月9日 閉講式、反省会
8月10日 解散

講師と講義名
8月2日 湯本貴和(京都大学)「世界遺産の島・屋久島:植物の分布と固有種」
8月3日 川窪伸光(岐阜大学)「自然観察入門:植物と友だちになる方法」
8月4日 野間直彦(滋賀県立大学)「木の実と動物達の絆:種子散布の生態」
8月5日 丸橋珠樹(武蔵大学)「森の果実の多様性を創った霊長類」
8月7日 湯本貴和(京都大学)「華麗なる花の世界:動物を惹き付ける工夫」
8月8日 澤田昌人(京都精華大学)「アフリカの森に生きる:コンゴの森のカミガミ」
実習コースと講師
「人と自然との関わり」澤田昌人(京都精華大学)
「鳥のくらし」野間直彦(滋賀県立大学)
「サルをみて森をみる」丸橋珠樹(武蔵大学)
「植物と森林」湯本貴和(京都大学)、川窪伸光(岐阜大学)、今村彰生(京都大学・チューター)

受講者
松本典子(大阪府立大学総合科学部自然環境科学科三回生)
中村剛(琉球大学理学部海洋自然科学科生物系三年)
森長真一(富山大学理学部生物学科三年)
南波和美(滋賀県立大学環境科学部環境生態学科三回生)
久保由起子(西南学院大学法学部国際関係法学科三年)
谷津潤(東京都立大学理学部生物学科三年)
櫟木春理(京都大学理学部生物科学系三回生)
古川祐美(鹿児島大学理学部地球環境科学環境コース三年)
柴田拓哉(法政大学社会学部社会政策科学科四年)
森洋佑(山形大学農学部生物環境学科三年)
松原圭(琉球大学理学部海洋自然科学科生物系三年)
大木庸子(山形大学農学部生物環境学科三年)
井上健彦(滋賀県立大学環境科学部環境生態学科三回生)
長井美緒(鳥取大学農学部農林総合科学コース三回生)
齋藤有香(大阪市立大学理学部生物学科二回生)
久芳文香(筑波大学第二群生物資源学類三年次)
金岡雅文(信州大学人文学部三年比較哲学専攻)
春友彦(法政大学社会学部社会政策科学科四年)


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