以下の説明については主治医から移植時に注意しなければいけないことは、
こんな感じですとの説明をうけた時に教えてもらった内容です。
感染を予防する。
感染とは?体の中にウィルスが進入して増殖し熱や痛みなど体にさまざまな
症状があらわれることをいいます。
抗癌剤を投与し生着するまではとても感染を起こしやすくなります。
移植前検査
口腔外科、耳鼻科、眼科、外科などで感染を起こしやすい場所はないか感染を起こしていないかあらかじめ調べます。主治医の説明では、体の穴のあいている場所からウィルスが進入する可能性が高いので耳、鼻、眼、口、肛門を調べるとの旨でした。
特に虫歯が少しでもあるとその虫歯からウィルスが増殖し大変危険な状態になるので
治療せずに抜歯しました。自分は親知らずを抜歯しました。
内服薬
移植前から抗生物質、抗真菌剤、抗ウィルス剤などで体内の細胞や真菌、ウィルスなどの活動を抑えておきます。
自分の場合はバクタ(カリニ肺炎予防)という薬の副作用で下痢が続きました。
行動範囲
治療が開始されたらヘパルーム(無菌室)に移動します。
白血球が低下したら活動範囲は原則としてヘパルーム(無菌室)室内とします。
ただし活動範囲は制限されますが体調のよいときは運動を心がけましょう。
清潔保持
健康で抵抗力のある方々は感染症を起こしませんが白血球が低下してくると大変な感染症を起こす危険性があります。うがいや手洗いを励行し清潔に努めましょう。
また、陰部や肛門部は特に汚染されやすい場所です。排泄後はウォシュレットで洗うようにしてください。全身も2日に1度はシャワーで洗いましょう。
体調が悪いときはあたたかいタオルで体を拭いて下着を着替えること。
コンタクトレンズは使用せず眼鏡を使用すること。
食事について
白血球が減ると腸から感染をおこしやすくなります。
そのため治療中の一定期間は食事や飲み物の制限があります。
感染予防薬開始後
食べてもいい食品は加熱処理されたものになります。
自分が入院していた病院では食事は、ラップ食といい清潔な状態が保てるようにラップをかけた状態で運ばれてきていました。
飲料水
必ず一度沸騰させたものを飲むように。ペットボトルの水は製造工程が確認できる
日本製のもので、『ミネラルウォーター』または『ナチュラルミネラルウォーター』と表示されてるものを飲むこと。
差し入れ飲食可能なもの
紙パック飲料、缶詰、瓶詰め食品、密封された容器に入っているプリン、ゼリー、ヨーグルト、アイス
粉末状のスープ、カップ味噌汁、カップラーメン、レトルト食品
ガム、飴、個別包装されたお菓子、皮の厚い新鮮な果物
飲食禁止なもの
賞味期限切れの食品、生肉、刺身など、生たまご、生野菜、生ものの瓶詰め、加熱していない豆腐、かまぼこ、納豆、寿司、調理パン、市販のおにぎり、市販の弁当
イチゴやブドウなどの皮をむかずに口に入れる果物。
下痢になり始めたら、乳製品は避けること。口内炎があるときは刺激物や辛いものは避けましょう。
面会について
骨髄抑制期間は、外部の菌や病原体に感染しないとも限りませんので出来る限り面会を控えてください。
化学療法の副作用について
副作用:熱発、皮疹、結膜炎、嘔吐、頭痛、脱毛、肝機能障害、まれにけいれん
嘔吐:吐き気は気分によっても左右されます。リラックスしてすごしましょう。
骨髄抑制
抗癌剤には血液をつくるもとである骨髄の働きを弱めてしまう副作用がありこれを
骨髄抑制といいます。移植では大量の抗癌剤を使用しますので骨髄抑制が強く起きます。生着するまでは以下の症状がでやすくなります。
熱発、口内炎、下痢、貧血、出血傾向、
移植(輸注)
凍結保存しておいた細胞を溶かし点滴で体内に戻します。輸注時には心電図モニターを付ます。冷凍保存のときに使う薬の影響で吐き気やアレルギーが出ることがあります。事前にアレルギー予防の薬を投与します。
また、海藻(のりの佃煮)の様な臭いがしますが心配ありません。
造血幹細胞はのりの臭いです。海水の臭い?
輸注後に血尿が出ることがあるため尿の潜血を調べます。
生着
移植された幹細胞が体内で働きはじめることを生着と呼びます。
採血で白血球が1000以上、好中球が500以上に回復し安定すれば生着
とします。
個人差がありますが輸注から生着までは10日〜14日くらい要します。
自分の場合は生着まで約1ヶ月近くもかかり、あせりました。
毎日、熱はでるし、体がだるいし、下痢も続き副作用は半端ではなくかなりきつかったです。また幹細胞が小便で流れて出てしまったのではないのか?とかあらぬ心配をしました。さらに、夜も口内炎の痛みで眠れなかったので睡眠薬を飲みました。
味覚障害にもなりました。
生着すると熱や口内炎や下痢などの症状がウソだったように回復してきます。
あの痛みは何だったんだろうと思いました。
台風が来て嵐が去り、秋晴れになるような感覚です。
退院後の生活
移植後、半年から1年は抵抗力が低下した状態が続きます。
食事などなかなか自分の思うようにいきませんが、ゆっくりと自分のペースで体調を戻しましょう。
感染予防
人ごみは避け外出時にはマスクをする。
帰宅後、食事の前、掃除のあとはうがい、手洗いをする。
入浴は循環式のお風呂を避け(銭湯に入れない)、土いじりやペットとの
接触も避ける。
ヘルペスなどのウィルス感染症には気をつける。
風邪をひかない。
食事
アルコールは飲まない。生卵や刺身、生野菜は避ける。納豆も無理。
見た目には元気に見えても体力や抵抗力は落ちています。疲れやすくなっているので
無理をしないように。