<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.0//EN">
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<META name="GENERATOR" content="IBM HomePage Builder 2000 V4.0.2  for Windows">
<TITLE>『たまパラ』推理クイズ</TITLE>
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                        <TD align="center"><FONT size="-1">犯人当て推理クイズ</FONT><BR>
                        　　　<FONT size="-1"><B>「茶褐色の殻　〜チョコエッグ殺人事件〜」</B></FONT><BR>
                        　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　<FONT size="-1">作／mocha</FONT><FONT size="-2">さん</FONT><BR>
                        <HR>
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                              <TD align="center"><FONT size="-1">＊＊＊登場人物＊＊＊</FONT></TD>
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                        <BR>
                        <FONT size="-1">○源蛍子（みなもと　ほたるこ　27歳）……資産家令嬢。有名なチョコエッグコレクター</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">○徳川草夫（とくがわ　くさお　33歳）……フリーライター</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">○大台ヶ原耕作（おおだいがはら　こうさく　35歳）……弁護士</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">○明石応人（あかし　おうじん　42歳）……医師</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">○鮎川昇（あゆかわ　のぼる　30歳）……老舗旅館の若旦那</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">○黄島夕聖（きじま　ゆきよ　24歳）……美容師</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">○荒井久万子（あらい　くまこ　26歳）……雑貨店経営</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">○東龍介（あずま　りゅうすけ　27歳）……議員秘書</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">○三本進（みつもと　すすむ　52歳）……源家の執事</FONT><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">○千代湖珠子（せんだい　みずこ　23歳）……パーティー・コンパニオン</FONT><BR>
                        <BR>
                        <HR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　　　　　　１　（１月25日　午後３時）　　　</FONT><A href="javascript:void(0)" onclick="MM_openBrWindow('quiz_help.html','01','scrollbars=no,resizable=no,width=480,height=300')"><FONT size="-2">「登場人物ヘルプ」</FONT></A><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">「ええと、チヨコ・タマコさん、だっけ？　君の名前」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「いえ、センダイ・ミズコです」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　親指ほどの大きさをした魚のフィギュア――チョコエッグ日本の動物第四弾のラインナップの一つである、アユカケという魚のものだ――を指先で弄びながら、東龍介は千代湖珠子に微笑みかけた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「そりゃあまた、ずいぶんと変わった名前だね。あ、そのアカショウビン、うまく組み立てられるかな？　アカショウビンの頭部ははめにくいことが多いんだよね。なんなら、それだけパーツ同士を接着してもかまわないよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「大丈夫、です」湖珠子は親指に力を入れ、頭部のパーツを胴体に思いきり押し込んだ。ギシッという音と共にパーツがはまったが、接合面には段差ができてしまっていた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「そしたら、フィギュアの側面にその接着剤を一滴たらしてから、この名札の上部に貼りつけてくれ。強力な接着剤だから、ほんのちょっとでいいよ。はみ出したら汚いし」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　テーブルに腰をもたせかけた東が、名刺大の名札をぽんと放り投げてよこす。それは透明なプラスチックでできていて、中に名前を書いた紙を挟んで使う、どこの文房具屋にも置いてあるような平凡な名札だった。湖珠子はそれを両手で受け取ると、そこに太いゴシック体でプリントされた一つの名前を読み上げた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「あかし、おうじん。なるほど、それでアカショウビンなんですね」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「そうそう。今回の参加者はみんな、自分の名前をもじった動物のフィギュアつきの名札を胸に貼るんだ。たとえばオレの名字は東だから、アズマモグラってわけ。これもみんな、蛍子お嬢様の思いつきで、今回の趣向の一部なんだよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　東は「お嬢様」というところを、軽く口を尖らせて皮肉っぽい声色で言った。どうも源蛍子に対して、いろいろと鬱積しているものがあるらしい。当たり前かな、そう湖珠子は思った。（だってこの人、さっきから見てたら、まるで源蛍子さんの使用人みたいだもの。一応は、今日の招待客の一人だって言ってたけど）</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　アカショウビンを名札に接着すると、湖珠子は「アライグマ」と書かれた青いカプセルを開け、中のパーツをパチパチとはめ合わせ始めた。このように接着剤などを一切使わなくとも、綺麗にしっかりと組み上がる点も、チョコエッグのいいところの一つだ。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「でもこういう作業って、主催者である源蛍子さんの、執事さんがやるべきお仕事じゃないんですか？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　そう湖珠子がぼやくと、東は急いで口元で人差し指を立てた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「しっ。あの執事、やたら頑固で、怒ったら蛍子お嬢様だって鎮められないくらいなんだから。彼がこんな仕事に甘んじるわけがないよ。それにこういう準備だって、コンパニオンの仕事の一つとして君の会社との契約に入ってるんだから、文句言わないでくれよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「はあ」湖珠子は溜息をつき、接着剤の容器のキャップを回した。「ところで、わたしはどんな名札をつけるんですか？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　東はそれには答えず、湖珠子がアライグマの体の側面を名札に接着するのを待ってから、黙って一枚の名札を手に掲げた。それを見た湖珠子は、一気に肩の力が抜けてしまうのを感じた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　なぜならその名札には、チョコエッグの外箱の前面を切り抜き、セロファン部分に「ちょこ　たまご」と書いたものが挟み込まれていたのだから。</FONT><BR>
                        <BR>
                        <HR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　　　　　　２　（同日　午後７時半）　　　</FONT><A href="javascript:void(0)" onclick="MM_openBrWindow('quiz_help.html','01','scrollbars=no,resizable=no,width=480,height=300')"><FONT size="-2">「登場人物ヘルプ」</FONT></A><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　今日の湖珠子の仕事は、コンパニオンというよりもメイドと言った方が相応しいようなものだった。大きな食卓を囲んで座っている出席者たちからは少し離れたところに立ち、求められると、ワインを注ぐなどのサービスに努める。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　さすがに愛好家の集まりだけあって、会話はチョコエッグのことばかりだった。断片的に抜き出すとこんな調子だ。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「昨日ペット第一弾のコレクションボックスが届いたの。もう嬉しくって」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「徳川、お前がトレードに出すやつって、みんなカプセルにチョコがこびりついたままになってるだろ。あれ、あんまり気分よくないから、ちゃんと拭いといてくれよな。まあ、お前に行っても無駄だろうけどさ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「コンビニのサークルＫが十二月上旬にやってたチョコエッグのキャンペーンだけど、当選した人いる？　あたしの知り合いに一人、五十通くらい応募して当たったのは風船だけ、って人がいるんだけどさ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「聞いてよ、夕聖。わたしここへ来る前もコンビニへ行って三個買っちゃったんだけど、そのうちの二個が黄色カプセルだったのよ。こんなことってあるのね」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子は話には何の感心も抱いていないようなふりをしながら、しっかりと聞き耳を立てていた。湖珠子自身、チョコエッグに関してはひとかどの蒐集家を自認していて、所属するコンパニオン派遣会社の社長から今回のパーティーの話を聞かされたときには、「ぜひともわたしに行かせてください」と机の上に身を乗り出して頼み込んだ。以前から、なんとかして噂に名高い源蛍子のコレクションを、一目拝ませてもらいたいと思っていたのだ。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「ところで、今までに四弾シークレットいくつ出た？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　アユカケを胸につけた鮎川昇が、皆の顔を見回しながらそう尋ねた。眼鏡の奥から伸びるその粘着質な視線は、明らかに会話には参加していなかった湖珠子にまで向けられ、湖珠子は慌てて目を逸らした。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　シークレット動物とは、他の動物と比して非常に低い確率で混入されている、正式なラインナップに含まれていない動物のことだ。湖珠子も、前弾のシークレットだったツチノコ、今弾のキタダニリュウ共に、三体ずつ保有している。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　常にほがらかな黄島夕聖が、鮎川の問いかけに真っ先に答えた。「あたし六個。全部で五百個近く買って白三つに茶一つ、黒二つ出たよ。いくつ出ても嬉しいものよね、全然手放す気になれないもん」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　セキセイインコ・ルチノーのフィギュアを胸にとまらせている彼女は、本人もインコのように丸く可愛らしい顔をしている。おまけに着ているのは目が覚めるように鮮やかなカナリヤイエローのワンピース。瞳が赤みがかって見えるのは、もちろんカラーコンタクトだろう。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「んー、私はまだ白と茶の二個しか出てませんね。でも私はもともとシークレット動物にはあまり執着がないので……」と明石応人。彼は三十代半ばだという話だが、頭にはもう白いものが目立ち始めている。小柄で、どこか苦労人という風情を漂わせているが、初対面で湖珠子が抱いた印象はそう悪くなかった。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「オレは四十個持ってるよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　そう答えたのは徳川草夫だ。名札のフィギュアはトノサマバッタ。彼は姓が徳川ということで、「殿様」という綽名がつけられており、そのためこの動物が選ばれたらしい。本人はバッタというよりもむしろカブトムシのような、立派な体格の持ち主だった。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　夕聖が大声を上げる。「四十個も？　嘘でしょ？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「殿様は箱を振ったときの音を聞いて、シークレットを探し出す名人だからな。そうやっていろいろな店の棚からシークレットばっかり抜いて回ってるわけさ」鮎川が苦々しく言う。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「まったく迷惑な話よね。そういう人に限って、チョコを食べずに平気で捨てたりするんだわ」荒井久万子がじろりと徳川を睨む。ショートカットで童顔の彼女は、少々地味で落ち着いた印象の茶色いスーツを着ている。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「馬鹿言うなよ。オレは箱を開けたら、チョコは必ずその場で食ってるぜ。一日に二十個以上片づけたこともあるしな」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「徳川さんが、とにかく甘いものに目がないというのは有名な話ですからね。長生きしますよ、徳川さん」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　明石のやんわりとした皮肉を無視し、徳川は挑戦的に顎を上げた。「結局みんなは悔しいんだろう？　自分たちにはできないことを、このオレだけができるってことがさ。嫉妬だな、嫉妬」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「ええ、確かに徳川さんだけね。大の大人が、店の中でお菓子の箱を一個一個耳元で振る、なんてみっともないことができるのなんて。いい、もうこの話は止めてちょうだい。そろそろわたしのコレクションをお見せしたいし」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　源蛍子──彼女の名札についているのはもちろんゲンジボタルだ──のこの発言は、まさに鶴の一声となった。しばし場が静まり返ったあとで、それまでほとんど亀のようにおし黙っていた大台ヶ原耕作が、胸のオオダイガハラサンショウウオのフィギュアに手をやりながら、背中を丸めてぼそぼそと呟いた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「待ってましたよ。僕はさっきからウズウズしてたんだ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「では、ご案内しましょう」蛍子は椅子から立ち上がった。「そうだわ、みなさん、お荷物はレセプション・ルームに置いていってくださいね。コレクション・ルームには手ぶらでお願いしますわ。携帯なども、なるべくなら置いていかれることをお勧めします」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「なんで？」夕聖が無邪気な声で質問を投げかけたが、蛍子は微笑むだけで答えようとはしなかった。</FONT><BR>
                        <BR>
                        <HR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　　　　　　３　（同日　午後８時）</FONT>　　　<A href="javascript:void(0)" onclick="MM_openBrWindow('quiz_help.html','01','scrollbars=no,resizable=no,width=480,height=300')"><FONT size="-2">「登場人物ヘルプ」</FONT></A><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　販促品の数々はもちろんのこと、無数のバージョン違い──市場に出回らなかったとされている、ニホンオオカミの後期型まであったのには湖珠子も驚いた──や、有名な芸術家によるチョコエッグ・アートなどが整然と納められた、蛍子の素晴らしいコレクションに皆は魅入られた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　あちこちで感嘆や羨望の溜息が漏れる中、独り宝飾品が飾られたアンティーク棚の前に立っていた明石応人が「これですか？　松村しのぶ氏がデザインしたという指輪は」と蛍子に声をかけた。その場にいた全員がさっと二人の方を振り返り、話に耳を傾ける。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「そうよ。松村氏に作ってもらった原型を彫金師に渡して、全く同じものを作ってもらったの」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　蛍子は白く細長い指で、その指輪を濃紺色の台座ごと持ち上げた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　このコレクション・ルームには、豪華な宝飾品とチョコエッグが、このまま店としてオープンできるのではないかと思えるほど大量に展示されている。（それにしても）湖珠子は心の中で呟いた。（一個百五十円のチョコのおまけが鍵のかかったガラスケースの中で、どれをとっても数十万円は下らないと思われる宝飾品が、自由に手に取って見られるようになっているなんて変なの。普通は逆でしょうにね。やっぱりこのお嬢様、かなり変わってるわ）</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　壁もカーペットも白で統一されたこの部屋には、窓も通気口もなく、天井隅にエアコンの吹出口らしきものが見えるだけだ。ほぼ完全に密閉された部屋と言っていい。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　指輪を蛍子から受け取った明石が、目の前にかざしながら呟く。「なるほど、これはバシリスクの雄をモチーフにしてますね」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子はそっと近づいて覗き見る。その指輪は、頭にとさかのあるトカゲのような細長い生き物が、ぐるりと輪になっているものだとわかった。「伝説上の生物ですか？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「いいえ、実在していますよ。南アメリカの熱帯雨林にね」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　明石が指輪を湖珠子に手渡しながら答えた。そこへ、鮎川昇がぬっと顔を出す。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「つくづく金の力ってのは恐ろしいね。天下の海洋堂に指輪なんか作らせちゃうんだからな。こんな話、他の誰に話したって絶対に信じやしないよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「へえ、これ、小っちゃいけどリアルねー。すごい細かいわ。でも他のダイヤとかを使った指輪の方がずっと高そうだし、あたし、これはちょっと気持ち悪くて欲しくないけどな」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　黄島夕聖も近寄ってきて、指輪を一目見るなりこう言った。そこへ徳川も話に加わってくる。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「黄島はチョコエッグとして発売された商品そのものだけに関心を持ってて、それが生み出されている背景なんてものには全く興味がないから、そんなことが言えるのさ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　そう言いながら徳川は湖珠子の手から指輪を奪い取った。「それにしても蛍子さんって、指、細いんだね。これじゃ、オレの小指にも入らないよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　蛍子はくすりと笑った。「それはピンキーリングよ。小指にはめるものなの」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　皆は小さく噴き出した。そしてそれをきっかけに、皆は再び室内のあちこちに散らばっていった。</FONT><BR>
                        <BR>
                        <HR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　　　　　　４　（同日　午後９時10分）　　　</FONT><A href="javascript:void(0)" onclick="MM_openBrWindow('quiz_help.html','01','scrollbars=no,resizable=no,width=480,height=300')"><FONT size="-2">「登場人物ヘルプ」</FONT></A><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　コレクションを充分に堪能した一同は、誰からともなく、コレクション・ルームを後にしようとドアに向かって歩き出した。しかしそこで、蛍子から制止の声がかかった。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「ちょっと待ってちょうだい。わたし一度、大切なコレクションを父の客に盗まれたことがあって、以来警戒しているの。今から、なくなってるものがないかどうかチェックさせていただくわね」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　そう言って蛍子は、真っ赤なパーティードレスをひるがえしながら、ガラスケースや陳列棚を一つ一つ見て回りはじめた。彼女を除く一同は、皆露骨に不快そうな表情を浮かべつつ、所在なげに立ちつくしていた。自分たちが泥棒まがいのことをしたかもしれないと疑われているのだから、当然の反応だ。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　間もなく、蛍子が「あっ」と息を飲んだ。「松村氏にデザインしていただいたバシリスクのリングがなくなっているわ！」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「えっ？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　一同は陳列棚に駆け寄った。確かに台座は空っぽになっている。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　誰ともつかない呟き声が、湖珠子の耳に入ってきた。「本当だ……」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　蛍子は東龍介の顔に鋭い視線を投げると、口早に言った。「東君、すぐに三本を呼んでちょうだい！　ああ、ちょっと待って。部屋から出なくていいわ。ドアを開けて、大声を出せば聞こえるはずよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「いやだなあ、僕まで疑ってるんですか？」東は首を傾げ、悲しそうに目を細めた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　しかし結局東は、その指示に従った。一分も経たないうちに、痩身白髪でしかめ面をした執事がやってきた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　蛍子が立ったまま上半身を反り返らせて胸を張り、腕組みをして言った。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「みなさんが身につけているもので金具がついているものがあったら、外してそのテーブルの上に置いて、一度そのドアを通り抜けてちょうだい。ドアの周りには、特注で作らせた超高性能の金属探知機が埋め込んであるの。もちろん、いくら小さな指輪だからって、確実に発見するわ。たとえ口の中や体の中に隠してあったとしてもね。そうそう、女の方は、下着の金具程度のごく小さなものは探知機に検知されないように調節してありますから、そのままでどうぞ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「ズボンのファスナーやボタンはどうなんだい？」と鮎川。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「それも心配しなくて結構よ。金属探知器と連結したコンピュータが、そういったものについてはきちんと判断してくれるから」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　一同はしぶしぶ、身につけている金目のものを外し始めた。ベルト、腕時計、眼鏡、ライター、イヤリング、名札、財布、キーホルダー、そしてネックレスなど。もちろん湖珠子も例外ではなかった。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　全員が出し終わると、三本はポケットから長いコードのついたペンライトのような小型の機械を取り出し、ベルトや財布、キーホルダーなど、中に何かが隠せそうな、客が家から持ってきた全ての私物の上にそれをかざした。時折ピーという電子音が発するところをみると、これも金属探知機の一種なのだろう。まったく念の入ったことだ。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　やがて三本は顔を上げると、黙ったまま蛍子に向かって首を振った。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「なるほど、その中には絶対にないようね。では一人ずつ順に、部屋の外に出て、そして戻ってきてちょうだい。早く」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　その言葉は威厳に満ちており、誰一人として逆らおうとはしなかった。皆は一人ずつ、言われたとおりに部屋を出て、そして戻ってきた。探知機はほとんど反応しなかった。ただ一度、大台ヶ原が外し忘れていた弁護士のバッジに反応して、けたたましい電子音を発したときを除いては。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　その様子を見ながら、湖珠子は思った。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">（なるほど、それで金属探知機には引っかからないチョコエッグは絶対に盗めないように、逆に宝飾品は盗んでくださいと言わんばかりの置き方をしているわけだわ。源蛍子というお嬢様は、豪華な宝石類に目がくらんだ下々の者が衝動的にやってしまう盗みを暴いて、サディスティックな喜びに浸るのがお好きらしいわね）</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「あなたもよ。コンパニオンさん」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「はい」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子はつんとすました表情を作り、部屋の間口をくぐった。そしてすぐ室内へとＵターンする。もちろん探知機は反応しなかった。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「探知機はみなさんが部屋に入ってきたときから作動しているし、そもそも誰も部屋から出ていっていないのだから、既に指輪がこの部屋から外へ持ち出されたということは絶対にないわ。となると、答は一つしかないわね」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　蛍子が挑戦的に目を光らせた。「指輪はコレクション・ルーム内のどこかに隠されてるってわけね。そうなの、これは普通の泥棒じゃなくて、単にわたしへの悪意の現われということなんだわ。こんな酷い悪戯をして、罪のないみなさんにも迷惑をかけるなんて最低の人だわ、犯人は。まあいいわ、ひとまずレセプション・ルームに戻りましょう。三本なら、たとえどこに隠してあったって、すぐにこの部屋の中から指輪を見つけ出してくれるはずだから」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　そして彼女は壁のコントロール・パネルを操作し、金属探知器をオフにした。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　皆は体から外したものを拾い上げ、ぞろぞろと移動を始めた。</FONT><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　だが、やがてレセプション・ルームに現れた三本は、信じられないといった表情で首を横に振ったのだった。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　明らかに、指輪はどこからも出てこなかったのだ。</FONT><BR>
                        <BR>
                        <HR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　　　　　　５　（同日　午後９時40分）　　　</FONT><A href="javascript:void(0)" onclick="MM_openBrWindow('quiz_help.html','01','scrollbars=no,resizable=no,width=480,height=300')"><FONT size="-2">「登場人物ヘルプ」</FONT></A><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">「ちょっとチョコでもつまみたいなあ。甘いものが食いたいよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　そのくらいはしてもらって当然だ、そう言わんばかりの口調で徳川が言った。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「ああ、それでしたら」と湖珠子。「源様が、リビング・ルームの隅に積んであるチョコエッグならいくらでも食べていいとおっしゃってました。すぐに持ってきます」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子はそう言い残し、リビングに急いだ。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　その二十畳はあろうかという広い空間の奥まった一隅には、日本の動物第四弾のチョコエッグ三百個あまりが置いてあった。夕方、名刺を作り終えたあと、湖珠子が八十個入りのボール箱四箱を開けて、綺麗なピラミッド型に積み上げておいたものだ。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「まったく、なにもかも桁外れだわ」と湖珠子は呟く。「こんなお金持ちのお嬢様が、どうしてチョコエッグなんかに夢中になってるんだろう。ホントに不思議」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子はピラミッドの頂点から十個ばかりの未開封チョコエッグを取り上げると、胸に抱えてレセプション・ルームへと戻った。</FONT><BR>
                        <BR>
                        <HR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　　　　　　６　（同日　午後10時５分）　　　</FONT><A href="javascript:void(0)" onclick="MM_openBrWindow('quiz_help.html','01','scrollbars=no,resizable=no,width=480,height=300')"><FONT size="-2">「登場人物ヘルプ」</FONT></A><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">「あんただろう？　蛍子お嬢様の指輪を盗んだのは。それができたのはあんただけだってことくらい、こっちはお見通しなんだ。なんならあんたが使った方法を説明してやってもいいぜ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「……」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「なあ、黙ってないで何か言ったらどうだい？　なんであんなことをした？　あんなものがそんなに欲しかったのか？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「そういうわけじゃない……」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「ついつい魔が差した、ってところか？　まさか万引する子供みたいに、スリルを楽しみたかったなんていうんじゃないだろう？　まあ、今はいい歳したオッサンや主婦が、金がないわけでもないのに万引の常習者になることもあるらしいからな。一種のビョーキってやつだ。あんたもその口なんだろう？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「……」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「まあ、どうでもいいさ。それより、あんたがやったことは立派な犯罪だぜ。もしオレがこのことを蛍子お嬢様に告げ口したらどうなる？　あんたの職場、だいぶお嬢様の父上の世話になってるんだろう？　今まで築き上げてきた社会的地位が全てパーだ。その辺をよく考えてくれよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「要求は？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「さーてね。どうしようかな……」</FONT><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　　　　　　＊</FONT><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　真っ赤な絨毯が敷かれた広い廊下を、蛍子と三本が前後して歩いていた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「お嬢様」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「なに？　三本」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「あの者たちは今どこでなにを？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「さあ。屋敷の中を適当にふらふら歩き回ってるんじゃない。みんなそれぞれに、好き勝手なところに出入りしていたもの」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「よろしいのですか？　まだ指輪も出てきておりませんのに……」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「仕方ないでしょう！　とにかくこのまま帰すわけにはいかないんだから、その程度の自由は与えなければね。いい、一刻も早く指輪を探し出すのよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　二人は眉間に皺を寄せ、コレクション・ルームに入っていった。</FONT><BR>
                        <BR>
                        <HR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　　　　　　７　（同日　午後10時50分）</FONT>　　　<A href="javascript:void(0)" onclick="MM_openBrWindow('quiz_help.html','01','scrollbars=no,resizable=no,width=480,height=300')"><FONT size="-2">「登場人物ヘルプ」</FONT></A><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">「チョコ・タマゴさん、もう一杯くれ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子は徳川草夫の差し出したグラスをバー・カウンターへと持っていき、バーボンをストレートで注いだ。そしてソファでふんぞり返っている徳川に渡す。徳川はそれを一滴も残さず一息に飲み干すと、「酒ばっかり呑んでても美味くないな。そろそろまたチョコが食いたくなった。取ってくるか」と立ち上がった。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「ああ、それならわたしが」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　契約上の拘束時間は五十分も前に切れていたが、だからといって仕事を放棄してしまうわけにもいかない湖珠子が急いで申し出た。しかし徳川は「いいさ。自分で行ってくる」と言い残してレセプション・ルームを飛び出していった。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「よく酒を呑みながら、甘いものなんて食えるな。あいつの味覚はどうなってんだ」と鮎川。「まあ、チョコを食いたいってのはわからないでもないけどな。オレたちはどうやらチョコエッグのせいで、すっかりチョコ中毒になってるらしい」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　室内に沈黙が満ちた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　やがて大台ヶ原が、ぼそりと誰にともなく問いかける。「蛍子さんは？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「まだコレクション・ルームを引っかき回してるみたいよ。まったく失礼な話よね、あたしたちを泥棒扱いしてさ。それなのにまだろくに謝ってももらってないのよ」と黄島夕聖が愚痴る。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　再び皆は黙り込む。鮎川と久万子がそれぞれタバコとライターを取り出し、火をつけた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　そして、そのまま数分ほど経った頃、荒井久万子が沈黙を破り、夕聖に話しかけた。「徳川さん、遅くない？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「そうね、どっかで酔いつぶれてるんじゃないかしら。チョコ・タマゴさん、様子を見てきてくれる？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　第一印象ではいかにも朗らかな娘さん、という印象だった夕聖も、だんだんと苛立ちを露わにしてきている。湖珠子は「ええ」と答えてレセプション・ルームを後にした。</FONT><BR>
                        <BR>
                        <HR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　　　　　　８　（同日　午後11時）</FONT>　　　<A href="javascript:void(0)" onclick="MM_openBrWindow('quiz_help.html','01','scrollbars=no,resizable=no,width=480,height=300')"><FONT size="-2">「登場人物ヘルプ」</FONT></A><BR>
                        <BR>
                        <FONT size="-1">　徳川は、リビングの床に俯せに倒れていた。ちょうどガッツポーズでもしているかのごとく、両肘を曲げている。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　一目で、ただならぬ事態であることがわかった。湖珠子は彼の元に駆け寄り、「徳川さん、大丈夫ですか？」と声をかけてみた。しかし返答がなかったのはもちろん、何の反応もなかった。それどころか軽く頬を叩いてみても、見開かれた目はまばたき一つしない。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　急いでレセプション・ルームに戻った。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「確か明石さんですよね、お医者様なのは」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　明石が頷く。「そうだけど、どうしました？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子は生唾を飲んだ。「徳川さんが……」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　様子を察したのだろう、明石は見かけに似合わぬ素早さで、湖珠子を押し退けるようにレセプション・ルームを飛び出していった。鮎川や大台ヶ原、夕聖らもその後に続く。室内に残ったのは荒井久万子と湖珠子だけとなったが、久万子は怯えて体が動かないように見えたため、湖珠子は彼女を部屋に残してリビングにとって返した。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子が再びリビングに到着したのは、明石が徳川の側からゆっくりと立ち上がったときだった。明石は虚空を睨んだままで「死んでいる」とはっきり言った。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　源蛍子と執事の三本が部屋に飛び込んできた。「どうしたの？　え、死んだ……亡くなったですって？　いったいどうして？　死因はなんなんです？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「解剖してみなければ断定はできませんが」と明石。「おそらく、毒物による中毒死でしょう。見たところ、＊＊＊系農薬の一種ではないかと考えられます」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「農薬……まさか、うちの温室に置いてあるものを使ったんじゃないでしょうね？　三本、すぐに見てきなさい」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　蛍子がそう言い終わらないうちに、三本は姿を消した。そして彼と入れ替わりに、荒井久万子がおずおずとやってきた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子はゆっくりと死体に近づいた。軽く握り締められた死体の左手の中から、何か黄色いものが覗いているのに気づいたのだ。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「おい、触っちゃダメだ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　明石の言葉を無視し、湖珠子はポケットからハンカチを出して広げ、指紋をつけないように気を配りながら、死体が握り締めていたものを掌の中から拾い上げた。全くチョコのこびりついていない、綺麗な黄色いカプセルだった。シークレットのみに使われているものだ。中の説明書の「ニリュウ」という文字がうっすらと透けている。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「どうしてそんなものを……？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　チョコエッグが巨大な立方体の形に積み上げられているテーブルに、もたれて立っていた黄島夕聖は、恐怖で目を見開かせていた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　既に冷静さを取り戻したかに見える蛍子が、頬に右手を当てながら夕聖の疑問に答える。「ダイイング・メッセージじゃないかしら」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「え……？　なに、それ？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「つまり瀕死の被害者が、誰が犯人なのかを伝えたくて、文字を書き残したり何かをつかんだりすることよ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　慎重に湖珠子はカプセルを手の中に戻した。そして次に、そっと死体の口を開け、中を見てみた。吐いた形跡は全くない。また、歯や舌に解けたチョコレートがかなり残っている。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「お嬢様」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子が顔を上げると、三本が蛍子の背後に立っているのが目に入った。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　三本はラベルの貼られていない小さなガラス瓶を、振り返った蛍子の目の高さに掲げた。「これですが、私が今日使ったときよりも明らかに減っています」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　蛍子は黙って頷くと、顔を皆の方に戻した。「ダイイング・メッセージだとすると、答は二つのうちのどちらかね。まず一つ目は、握っていたのが黄色いものだったということから、黄島夕聖を指し示しているという解釈。そして二つ目は、恐竜だったということから、東龍介を示しているという解釈ね」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「そんな！」「違いますよ！」という声が同時に発せられた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「往生際が悪いわよ！　どちらがやったのか、正直に白状しなさい！　よりにもよってわたしの家で殺人なんて……絶対に許さなくてよ！」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　怒鳴る蛍子を尻目に、ちょっとしたことを思いついた湖珠子は、リビングの隅、ちょうど徳川の足が伸びている方向にあるゴミ箱──それは淡い青色をした陶製のもので、ゴミ箱などという呼称は極めて似つかわしくないと湖珠子は思った──に近づき、上から覗き込んでみた。果たして、湖珠子の予想したとおりのものが、そこには入っていた。チョコエッグの空き箱が一つと、丸められた包装用銀紙が。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　ハンカチを使って空き箱を拾い上げる。その箱の底蓋には、ごくわずかだが何か黒いものが付着していた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子が振り返って口を開こうとしたその瞬間、明石が「ああ！」と声を上げ、リビングを飛び出していった。一同はしばらく茫然と立ちつくしていたが、やがて誰からともなく慌てて後を追った。湖珠子も彼らの最後からリビングを出る。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子がレセプション・ルームに足を踏み入れたのは、徳川が部屋を出ていく直後に呑んだバーボンのグラスを、明石がテーブルから取り上げたときだった。彼はグラスを振って底に少々残っている液体を揺すると、それを鼻先に近づけ、慎重に匂いを嗅いだ。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「わずかですが、変な匂いがしますね」そう言って彼は傍らに立っていた大台ヶ原にも匂いを嗅がせた。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「ああ、確かに。言われなければ気づかないかもしれないが、刺激臭がする。殿様はかなり酔っぱらっていたから、こんな匂いには気づかなかっただろうな」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「そんなことはどうでもいいわよ！」久万子が怒鳴る。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「バーボンのグラスに除草剤が入っていたってことは、それを入れたのはチョコ・タマゴさん……いえ、そのコンパニオンだってことじゃないの！」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　その直後、全員の視線が湖珠子に集中した。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　湖珠子はめまいを覚えた。「わたし？　わたしがどうして徳川さんを殺さなきゃならないんです？　今日が初対面なのに」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　鮎川はじりじりと後ずさりした。「そんなことは知るか。とにかく、あんた以外の誰もあのグラスには触らなかった。つまりあんたしか毒を入れられなかったんだから、犯人は他に考えられないだろ」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「警察に電話をかけなさい、三本」と蛍子が重々しい声で言った。</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">「そうですね。でも」蛍子の目を見据えながら、湖珠子は静かに言った。「その前に、あたしなんかじゃなくて本当の犯人が逃げたり証拠を隠滅したりしないように、皆で何らかの手段を講じた方がいいんじゃないですか？」</FONT><BR>
                        <FONT size="-1">　そして威厳のある声を室内に響かせた。「わたしにはわかってます。真犯人が誰なのか」</FONT><BR>
                        <BR>
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                              <TD align="center"><FONT size="-1"><B>（問題編終わり）</B></FONT></TD>
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                        <TD align="center"><FONT color="#ff6600"><B><FONT size="-1"><A href="mailto: h-medusa@dmail.plala.or.jp?Subject=『ＣＥ殺人事件』応募します！">■ｍｏｃｈａさんへ解答を送る！■</A></FONT></B></FONT></TD>
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                        <A href="#Ｔｏｐ">■このページのＴｏｐへ■</A></FONT></B><BR>
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                        <TD align="center"><B><FONT size="-1"><A href="quiz_top.htm">■前のページへ戻る■</A></FONT></B><BR>
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            <TD align="center"><FONT size="-2">ご意見・お問い合わせはこちらまで・・・</FONT>　<FONT size="-1">tamapara@hotmail.com</FONT></TD>
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            <TD align="center"><FONT size="-1">copylight by UPI　2000-2002</FONT></TD>
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