5−1 有期契約労働者と年次有給休暇
【質問】
「有期雇用職員の契約更新について、再度更新すること及び契約条件を3年または更新2回までとして再採用は可能か?」というご質問票をいただきましたので、ここにご回答申し上げます。
【回答】
結論としては、「契約条件を3年または更新2回までとして再採用する」ことは、可能です。
ただし、本来的には有期契約社員は、臨時の業務内容処理に利用するのが本来の姿ですので、仕事が継続してある場合は、なるべく本採用にするのが望ましいのです。したがって、厚生労働省の「有期雇用に関するガイドライン」によって、以下の点にご注意ください。
1、使用者は、有期労働契約の締結に際して更新の有無と「更新の判断基準」を明示しなければなりません。
2、上記の判断基準は、(1)契約期間満了時の業務量、(2)労働者の勤務成績・態度、(3)労働者の業務遂行能力、(4)会社の経営状態、(5)従事している業務の進捗状況などが考えられます。
3、使用者は、短い労働契約を反復して更新することがないように配慮する必要があります(労働契約法17条)。したがって、更新2回が予定されているのであれば、本来は2回(2年?)の契約にするべきでしょう。
4、使用者は、次の場合は30日前に「雇止めの予告」が必要になります。(1)3回以上更新されている場合、(2)1年を超えて継続して雇用されている場合、(3)1年を超える期間の労働契約を結んでいる場合、です。
その他、詳細な注意事項を記載した厚生労働省の「有期契約労働者を雇用する事業主の皆様へ」というパンフレットをご参照ください。
5−2年休の所定労働日8割出勤計算と遅刻・早退
【質問】
有給休暇の付与条件に、所定労働日の8割を出勤したものに対して、与えることになっていますが、遅刻や早退した日でも、出勤した日として計算するべきでしょうか?
【回答】
1、一日全く出勤しなかった場合には、所定労働日の8割の出勤には入れないということについて異論は無いと思います。
2、問題は、遅刻・早退などで、半日以下しか出勤をしなかった場合に、8割出勤の日数に入れるべきか、という点です。
2−1 この点については、「労基法」「労基法施行規則」「厚労省通達」などでは、規定されていないことが分かりました。
2−2 ただし、次のような見解が、労基署の基本的共通認識になっています。
3、「労基法38条」の「全労働日の8割以上出勤」というのは、「欠勤していない日」が8割以上、必要であるということであり、「1時間でも、1分でも、出勤」していれば『出勤日』として計算しなければならない、ということです。
したがって、「給与の欠勤控除(支払わない)」が、欠勤日でもあり、また、遅刻・早退で一部的にあるということと、無関係に8割出勤日数を算定します。
4、また、「1ヶ月のうちに3回遅刻したら、1回欠勤したと同じ認定をする」という就業規則を作成した場合に、違法かどうかは、労基署によって意見が分かれています。
4−1 (違法派)東京新宿労基署・東京中央労基署
あくまでも、1分でも顔を出して欠勤していない日は、出勤日として認めるべきである。ただし、ノーワーク・ノーペイで、「仕事をしていない時間数の給与の控除」は、全く問題ありません。
4−2 (合法派)横浜北労基署
航空機の運行・製鉄所の交代勤務など、1人が遅刻した場合にその影響が大きい産業の場合には、数回の遅刻を1日の出勤日を認めないものとして、有給算定の出勤日に入れないこともある。
ただし、この場合は、できるだけ労使協定として、事前に労働者の代表と協定にしておくことが望ましい。 しかし、数回の遅刻をした場合に、「懲戒の対象」として、「給与の1日分を減じる場合」は、
「労基法91条の規定」の「減額の制裁は、平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金の支払い期の10分の1を超えてはならない」に反することになりますから違法になります。
以上、20009.09.03