「経営戦略論」研究


                       経営学の中で、この勉強が一番奥深く、難解で同時に一番面白い理論でしょう!!

                   
              Coonie(クーニー)さん画
 『経営戦略論』の授業にて (2007年9月)


                「戦略の本質」より引用 著者代表 野中郁次郎氏

                     ※ この本は、経営戦略ではなく、本来的な戦略についてクラウゼギッツからグエンザップまで、専門的で実践的内容を分かりやすく伝える
                        世界的名著である。経営を志す者は、一読の必要がある。

「戦略の本質」

   より引用
・戦略とは何かを分析することではない、本質を洞察しそれを実践すること、認識と実践を組織的に総合することにあるはずだ・・・戦略を左右し、逆転を生みだす鍵はリーダーの信念や資質にあるのではないか。「リアリズム」と「理想主義」の2つは相矛盾しているように思われるかもしれないが、優れた戦略的リーダーはこれらを同時に達成しているのである。
・ヘーゲルの弁証法で言えば、戦略は絶えず「正(テーゼ)」、「反(アンチテーゼ)」、「合(ジンテーゼ)」のプロセスで生成発展していると言える。彼我のダイナミックな相互作用を把握し、大戦略、軍事戦略、作戦戦略、戦術、技術の重層関係の矛盾を総合するのが、戦略である。
・人間は主体的に、コンテクスト(文脈ないし脈絡)や状況を察知し、その意味言語化し、ダイナミックなコンテクストの中で持てる知識(ナレッジ)や技能(スキル)を行使してゆく。つまり人間の世界は客観的事実ではなく、その都度コンテクストに依存する「解釈」によって成り立っている。
 1、戦略は「弁証法」である
 2、戦略は真の「目的」の明確化である
 3、戦略は時間・空間・パワーの「場」の創造である
 4、戦略は「人」である
 5、戦略は「信頼」である
 6、戦略は「言葉(レトリック)」である
 7、戦略は「本質洞察」である
 8、戦略は「社会的に」創造される
 9、戦略は「義(ジャティス)」である
10、戦略は「賢慮」である


手島式・中小企業診断士絶対合格法

1、朝、ふとんの中で合格した自分をイメージする

   ・ 疲れが吹っ飛び、頭の中に入り方が違う
   ・ テキストの読み方が、変わる

2、どんなに忙しくてもテキストを開き、1行見る
  ・ みんな忙しいから、継続が命です
  ・ 多くをやろうと思わずに、1行できたことを喜ぶ

3、通勤は「暗記ノート」、試験会場は「テキスト1冊」のみ 
  ・ 焦って多くを持つより、しっかり把握したところを作る
  ・ みんな忙しいから、無駄なく時間を使う

                                                



             中小企業診断士
                  「
戦略論キーワード」 200字

ジ・ 事業(部)別計画
競争は事業ごとに起きているのであるから、企業が複数の単位の事業で構成されている場合は、全社的な総合計画だけでなく、例えば繊維部門、住宅部門、電気部門など事業(別)に計画を立てる必要がある。それは、競争をその事業を取り巻く外部環境である業界の競合他社、買い手、売り手、新規参入の脅威などの競争状況に応じて計画を策定して、対処してゆく必要があるからである。
キ・ 機能別計画
機能別計画は、事業別計画を横断して業務機能別に立案される計画である。ここでは、事業(部)計画が主に外部視点を考慮して立案するのに対して、内部効率を高める視点から策定され、「生産計画、マーケティング計画、研究開発計画、財務計画、人事計画」などの機能(論点No.7参照)別に計画を立案する。このことにより、重複した活動を避け、また、高い効率をあげることを目的としている。
コ・ コア・コンピタス
 コア・コンピタスとは、将来にわたり競争優位の源泉となる企業の中核的な能力で、@顧客価値を作り出し高める能力、A他社に比べて特に優れた競争力を持つ能力、B企業の持つスキルが新分野や新製品に利用できる能力、から構成される。したがって、個別的なスキルや技術ではなく、それらを束ねて総合化したもので、ホンダのエンジン技術や、ソニーの小型化技術が、具体例として挙げられている。
カ・ 価値連鎖
企業が財やサービスを生産する時に、内部、外部取引される流れに従って価値が付加されてゆくが、その価値の付加にかかわる企業間および企業内の活動のつながりを価値連鎖という。ポーターは、価値連鎖をいくつかの主活動と支援活動より構成されている(論点No.14参照)ことを図式として明確にした。このように事業活動を分割してとらえることによって、競争優位をもたらす源泉を見つけ出すことが容易になった。
ソ・ 組織スラック
組織スラックとは、企業のムダあるいは非効率を意味している。スラック(slack)は、「ゆるみ、たるみ」のことであり、未利用資源の有効活用を目指す時に必要な視点である。サイモンの「満足化原理」をベースにする行動科学的な「意思決定論や組織論」では、企業の意思決定の合理性は完全な合理性ではなく、制約された合理性(論点No.3、4意思決定プロセス参照)であるから、企業は常にスラッグがあると考えられている。
キ・ 規模の経済
規模の経済とは、企業が生産規模を拡大してゆけば、生産物の単位あたりの平均生産コストが低下してゆく現象をいう。大量生産の利益、規模の利益ともいう。典型的には自動車生産に見られる。規模の経済が生じる原因は、規模が増大しても必要な労働力や固定費が同じ比率で増加しないばかりでなく、専門化による能率の向上があるからである。この理論は、PPM(論点No.12)の相対的市場占有率の確保に関連している。
セ・ 戦略グループ
戦略グループとは、同一産業内において選択・実行している戦略が、類似性を持つ企業群をいう。ポーターの業界収益構造分析と企業間収益構造分析の中間分析レベルを設定したものである。例えば、白物家電市場は「垂直統合の程度」と「製品ラインの広さ」という「事業の広がり」の要素から、@全国ブランドメーカー、A専門品メーカー、Bプライベート・ラベルの生産者、Cプライベート・ラベルの販売者の4つに識別された。
カ・ カントリーリスク
カントリーリスクとは、海外投資に伴うリスクの中でも、特に現地国政府の責任の下で発生するリスクを指している。具体的には、@海外資産の没収、戦争、革命、内乱、などにより著しい損害などの「政治リスク」、A国際収支の悪化を理由とした本国送金の禁止、長期的GDPの低下などの「経済リスク」、B反政府テロ活動や治安悪化による誘拐や殺害など派遣社員とその家族に危険をもたらす「人命リスク」、が含まれる。
イ・ 異文化インターフェイス
異文化インターフェイスとは、多国籍企業がその組織内部に有する異なる文化の交わる接触面をいう。日本企業の海外現地法人では、その異文化の接点で生じる誤解や対立、理解不能という問題を解決することによって、効率的な協働体制を維持する必要がある。その時に、双方の文化を理解した管理者の役割が重要となる。日本の境界が不明確なアナログ的思考と欧米の境界が明確なデジタル的思考などの問題が、具体的に指摘されている。
フ・ フィジビリティー・スタディー
フィジビリティー・スタディーとは、新しいプロジェクトやシステムの「実行可能性」について調査して、評価することをいう。これは、本格的なシステムなどの設計に移る前に、コストと獲得できる成果の分析が中心にして、その他の実施に際して問題になりそうな点を調査・研究する手法である。これは、実際に稼動した時との誤差がプラス・マイナス15%程度を目標とするのが、目安とされる。
ISO14001
ISO14001とは、ISO(国際標準化機構)によって制定された、「環境に関するマネジメントシステム」の国際規格である。ここでは、環境への負荷を低減するために組織が満たすべき「要求事項」を明確にしたものであり、「現状把握、構築計画作成、推進体制確立、環境影響評価、マニュアル類作成、運用フォロー」などのPDCAサイクルを明確にするように求めている。あらゆる業種、どのような規模の組織においても適用可能である。



組織論

シ・ 私有財産制度
財産制度は、その社会の制度により異なってきた。原始共有社会では、財産は集団の共有物であった。私的所有が始まることにより権力が生まれたが、封建制社会では、土地財産に対しては、その売買や帰属に身分的な制限があった。社会主義制度では、土地や施設は社会の共有物として個人の所有は制限されるため、私有財産は限定される。資本主義社会は、財産の私有が社会の原則であり、特定のものを除いて個人が所有権を有する。
プ・ プロフィット・センター
プロフィット・センター(profit center)とは、「収益と費用、利益」の責任をもつ企業内の単位をいう。戦後に急成長した米国企業では、機能別組織だけでは多角化された事業の資源の有効配分の対応が困難となり、積極的にプロフィット・センターが取り上げられた。しかし、その資源配分が過去の財務指標により行われた結果、開発投資やリスクを取る経営姿勢が評価されないという問題点が残り、PPM戦略の発展に繋がっていった。
ス・ ストックの業績管理
事業部は、利益責任を負わされており「損益計算書」は持っている。しかし「貸借対照表」は持たずに資本の管理はしていない。このため事業部が損失を出したとしても、資本の減少として問題は表面化しない。また、その事業で利益を上げたのが、「現金の増加によるものか、売掛金の増加によるものか」も不明である。このような資産、負債、資本の効率をも重視して明らかにするのが「ストック(=資産)の業績管理」の考え方である。
イ・ インベストメント・センター
インベストメント(investment)とは、投資、投下資本のことである。インベストメント・センターの各部門は「独立した投資単位」として扱われる。このため、カンパニー制に見られるように、事業部制度より意思決定を迅速に行うことができ、部門の効率性が高まるというメリットがある。その反面、短期的視野に立った意思決定に陥りやすいというデメリットもある。
ク・ クロスファンクショナリルチーム
クロスファンクショナルとは、部門ごとに存在している知識や技法などを部門間で横断的に流通させる事で組織全体の機能強化をはかる組織形態をいう。クロスファンクショナルチーム(Cross Functional Team)とは、日産のゴーン社長が、その再建の「リバイバルプラン」の作成に際して組成した際の名称で、「組織横断型問題解決チーム」とも表現され、プロジェクトチームに同意義である。
シ・ 支持的関係の原則
支持的関係の原則とは、効果的なリーダーシップの原則としてリーダー(監督者)が個々の部下に対して、それぞれが持ち込む個人的な背景事情、価値観や期待に対してそれらを支持するように振る舞い、部下が人間として大切にされていると感じるようにすることである。これは、リッカートを中心とした研究で明らかにされた。また、支持性は単一な支持ではなく@配慮、A情報提供、B信頼、C学習機会などの多次元を内包している。
シ・ 集団的意思決定の原則
 集団的意思決定の原則とは、リカートがそのリーダーシップ研究の中で、高い業績を上げている集団参加型組織(=システムW)の原則として明らかにしたものである。ここでは、組織構成の単位を小さくして、小集団として集団的意思決定を行なうものであり、リーダーは組織間を繋ぐ「連結ピン」として、コミュニケーションや意思決定の向上を果たす役割を担うとした。
タ・ 高い業績目標の原則
 高い業績目標の原則とは、リカートが、従業員の自己実現の要求を充足し、モチベーションを高める集団参加型リーダーシップ(=システムW)で提唱された。それによるとリーダシップ・スタイルを「原因変数」とし、モラールを「仲介変数」として、業績結果を「最終結果変数」とした場合、結果に影響する「仲介変数」として「集団に対する高い目標」を挙げて、リーダーシップが状況と相対的関係であることを実証した。
キ・ QCサークル、DZ活動
 QCサークルとは、日本の「品質向上」のための現場の活動主体である小集団のことである。従来は、管理技術を技術者が独占してきたが、QC運動では、品質向上のための統計的手法、PDCAマネジメントサイクルなどを現場の一般従業員にも広く活用できるようにしたところに長所がある。ZD活動とは、製品や部品の「欠陥・不良をゼロ」にしようという運動で、QC運動と同じような全員参加型運動である。
コ・ コンピテンシー・ディクショナリー
 コンピテンシー(competency)とは、高い業績や成果を上げた人に共通する感性、安定的に発揮している「行動特性」のことをいう。この概念は、新しい人的資源管理の能力評価の基準として活用され始めている。コンピテンシー・ディクショナリーとは、コンピテンシーの分析結果を幾つかのカテゴリーに分類して「達成行動レベル」まで明確にして企業の人材確保と活用に活かそうとしたものである。
シ・ 社外取締役
社外取締役は、社外から取締役に就任することにより、社内的しがらみや利害関係に縛られずに監督することが期待されている。米国では、半数以上が社外取締役で占められ、株主の利益という視点で監督している。日本でも、経営不祥事が続く中、経営の透明性、株主重視の視点から導入が広がりつつあるが、代表者の友人などの個人的つながりからの抜擢など、目的からかけ離れた社外取締役の存在が、その本来の活動を危惧されている。
シ・ 執行役員制
 執行役員制とは、株主総会から受託機能を担った取締役会によって、経営業務の執行を行う責任者を選任することにより、取締役会が本来の業務である企業運営の意思決定に専念できるように設置した制度のことをいう。各企業は取締役の人数を削減するとともに、業務執行の専門家集団としての執行役員を明確にして企業環境変化に迅速に対応しようとしている。1997年にソニーが導入して以来、急速に普及した。
デ・ ディスクロージャー制
 ディスクロージャー制とは、株式などの有価証券を発行している企業が、投資家に対して情報を開示することをいう。金融システム改革法では、有価証券届出書などを企業集団の「連結ベース」で行うことに改正された。そのほか公開買い付け制度、大量保有報告制度などの公正取引ルールの整備が行われ、また、株価に影響を与えるような業績変化や事件の発生の場合には、適宜情報の開示を行うように改革されている。
ア・ IR活動
 IR(Investor Relations)とは、インベスター・リレーションズの略で「投資家向け広報活動」のことをいう。IRでは、株式売買をする投資家のニーズに応えるために、正確な企業運営の広報活動を行う。最近では、内外の機関投資家や個人などから企業の「社会的責任を重視した投資」が増えており、敵対的買収の防止のためにも企業運営方針に賛同した安定株主の増加が必要になっており、IR活動の重要性が増している。



朝日記事